ガロプラ(ワールドトリガー)

登録日:2016/05/07 Sat 20:04:00
更新日:2024/03/16 Sat 10:53:02
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アフトクラトルからの指令は玄界ミデンの「足止め」
玄界の兵がアフトを追えないように 打撃を与えるのが俺達の仕事だ



ガロプラとは葦原大介作の漫画『ワールドトリガー』に登場する架空の国家である。


【概要】

作中の異世界である近界(ネイバーフッド)に存在する惑星国家の一つ。
近界最大級の軍事国家・アフトクラトルの属国である。
作中では6人のトリガー使いからなる遠征部隊が登場した。

三門市に大規模侵攻をかけたアフトクラトルの指令により主人公たちの住む世界=玄界(ミデン)に侵入。
内容は玄界の足止めであったが、真意は攻撃の目をガロプラに向けることと推測する。
命令の達成と自国の損益を折衷するため、狙いをボーダーが保有する遠征艇の破壊に定めた。

事前偵察でボーダーの戦力や警備シフトなどの情報を集めた上で襲撃を決行する。
もう一つの属国であるロドクルーンから譲渡された大量のトリオン兵を伴いボーダー基地を攻勢を仕掛ける。

しかし迅悠一の予知や、ある経緯でボーダーの協力者となったアフトクラトルの一員がもたらした情報で襲撃は前もって把握されていた。
2人のトリガー使いが遠征艇の格納庫まで侵入し、他メンバーも各所で戦いを繰り広げるが最終的にボーダーの迎撃を突破できず撤退する。
しかしガロプラの軌道はいまだ玄界の近くに位置するため、次の機会をうかがい、作戦を練っている。



【遠征部隊】

ガロプラより送り込まれた6人のトリガー使いで構成される。
ほとんどが固有のトリガーを持ち、基地に侵入した3人が天羽に「A級以上」と評される精鋭部隊。
公式ファンブックに載せられたステータスからも実力がうかがえる。


  • ガトリン
「戦闘開始だ」

遠征部隊の隊長。七分刈りの黒髪に顎ヒゲを生やした、ガタイの良い中年男性。
常に冷静な態度を崩さず、歴戦の猛者としての風格が漂う。
実際に戦闘能力はかなり高く、天羽には忍田本部長に近いと評され、ボーダートップクラスの実力者たちと互角に渡り合った。
戦闘時も相手の役割を的確に分析するなど観察眼にも優れている。

玄界に到着すると、アフトクラトルの真意を見ぬいて部隊の動向を定めた。
侵攻時には隊員のラタリコフ、ウェン・ソーを連れて基地内部に侵入。途中で迅の攻撃を防ぎ、追手をウェンに任せた上で遠征艇の格納庫に向かう。
到達した格納庫でラタリコフと共にボーダーの攻撃手(アタッカー)トップ4と交戦する。

攻防の末にヒゲ太刀川を抑えこみ、もろともに遠征艇を撃ち抜こうとするが2人揃って小南に両断される。
上半身だけになっても遠征艇に攻撃を加えるが村上に阻まれ、緊急脱出(ペイルアウト)により撤退。

全員が撤退した後は、戦いを分析するとともに次の作戦を練っている。


  • コスケロ
「……やっぱり玄界は 思った通り手強いな……」

遠征部隊の副隊長。目に少しかかる前髪、アゴヒゲと眠たげな目が特徴的な青年。
無表情ながら飄々とした口調で、失敗した隊員へのフォローも行うなど気遣いもできる性格。戦闘時も冷静な振る舞いを見せる。

名前が判明するまで一部読者からネット上で「パン川」と呼ばれることもあった。
初登場時にパンを頬張っていたこと、雰囲気が少し太刀川に似ていたことで太刀川の異名「モチ川」になぞらえ付けられた。

侵攻開始時は、トリオン兵ドグを呼び出すトリガーを用いてボーダーの部隊を撹乱。そこに三輪・米屋が襲撃し交戦する。
戦闘中、三輪に第一次侵攻はお前達の国の仕業かと尋ねられるが、その隙をついて2人を自身のトリガーで攻撃。
忠告めいた言葉を向けるが、実際には三輪の質問自体がボーダー側の策略であり、気をとられたことで迅から風刃での遠隔攻撃をされ敗北。

緊急脱出による帰還後はレギンデッツにトリオン兵の指揮を丸投げしてしまったと詫びた。


  • ラタリコフ
「子供なのにやけに落ち着いた動きだな 仕事に迷いがない」

短く刈り上げた黒髪に、怜悧な目つきの若い青年。
丁寧な口調だが無表情であり、生真面目かつ冷徹な印象を受ける。
作戦時に隊長の意図を解釈するなど、参謀的な立ち位置。

ガトリン隊長と共に遠征艇格納庫まで侵入する。
戦闘中は主に若いの風間と対峙しつつ、お互いに仲間の援護をしていた。上記のセリフは風間(21歳)の戦いぶりをみての感想。
最終的には戦術で風間に一枚上手を取られ敗北し、更にガトリンが倒れたのを見て完敗と言い残し撤退する。


  • ウェン・ソー
「来な お嬢ちゃんたち」

遠征部隊の(おそらく)紅一点。後ろで一纏めにした髪、ハイライトの無い目が特徴。
表情はほとんど動かさないが、口調はややキツく厳格な性格が見える。

ガトリン隊長・ラタリコフと共に基地内部に侵入。途中、攻撃を仕掛けてきた那須・熊谷の2人と交戦し足止めする。
強化型のドグと連携し、煙幕や幻覚を用いたトリッキーな戦いを見せた。

いくらかの攻防の後、これ以上長引かせる必要はないと判断し、分身を生み出すトリガーで勝負を決めにかかる。
変身トリガーとの併用で熊谷の隙を突こうとするが、援護に駆けつけた菊地原の副作用サイドエフェクトで見破られ、反撃を受ける。
そしてくまちゃんに変身されたりくまちゃんを傷つけられたりで静かに怒りゲージを貯めていた那須の無駄にオシャレな攻撃を受け敗北。

ガロプラ勢の戦闘離脱第1号となったが、その間にガトリン達は目標地点に到達し、最低限の職務は果たすこととなった。


  • ヨミ
「操縦モード 起動」

遠征部隊のオペレーターをつとめる(多分)少年。ヘッドギアのような装置を被っている。
情報収集や通信を務める他、戦闘中はトリオン兵アイドラを操作した。

副作用(サイドエフェクト)「完全同時並列思考」を有する。遊真を除けば近界民で初めて登場した副作用持ち。
作中ではこれを用いて2体のアイドラを同時に操縦モードに切り替え、戦闘力を格段に上げボーダー側を撹乱した。

直接操縦したアイドラは辻・笹森と木虎・黒江のペアにそれぞれ抑えこまれることとなる。
途中、黒江の高速移動技「韋駄天」を見切って深手を与えるなどしたが、戦闘終結まで抑えきられた。


  • レギンデッツ
「オレなんかじゃ怖くもねえっていうのか!?」

部隊の中でも年若く見える男。明るい色の髪を首元まで伸ばしている。仲間にはレギーと呼ばれている。
登場時の会話ではアフトクラトルへの反抗心を露わにしたり、玄界を甘く見るなどやや軽率な発言が見られた。
感情が高ぶりやすいところがあり、他のメンバーと異なり平静を乱すシーンが多かった。
しかしその一方で、玄界の警戒ぶりから「アフトから情報が漏れたんじゃないか」と愚痴るあたり、勘はいいらしい。

戦闘ではコスケロと共にトリオン兵の指揮を担当。コスケロが三輪達との戦闘に入ってからは一任される。
ボーダー側に押され始めたことに焦れ、独断で数体のドグを連れ市街地に向かうフリをしボーダーをおびき寄せようと目論む。
しかし迅の予知でフェイクと見抜かれ、また冬島のトラップで万一の対策もされていたため放置される。そして上記のセリフに。

その後、玉狛支部を抜けだしたアフトクラトルからの捕虜ヒュースと遭遇。国への同行を請われる。更にヒュースを追った陽太郎もその場に現れる。
その時点で他メンバーの敗北を知り、玄界への悔しさ、アフトクラトルへの苛立ちが高まっていた。
そして監視カメラを確認したことで玄界の敵意をアフトクラトルに向けることを企み、ヒュースに同行の条件として陽太郎を人質にするよう命じる。

しかしヒュースと陽太郎の芝居に騙され、ヒュースがアフトクラトルに置き去りにされたことを話してしまう。
騙されたとわかり、またヒュースの戦意を感じ取って自身のトリガーを起動、応戦しようとする。
だが陽太郎が持ってきた「蝶の盾(ランビリス)」をヒュースが起動し、何も出来ぬまま敗北・撤退する。

回想で、かつてアフトクラトルがガロプラを侵攻した際に戦場にいたことが判明。その時はハイレインやヴィザなど三門市侵攻の面子も見られた。
その場にいたガロプラ兵は殆ど倒された中、幼少のレギンデッツのみが運良く生き残り、ハイレインに戦意喪失と判断され見逃される。
アフトクラトルへの反抗心はこの時から強く根付いていたようである。

帰還後は独断をウェンに詰られ、弁明するも意気はすっかり削がれていた。その後コスケロにフォローされている。



【使用トリガー】

※「」付きは作中に出てきた固有の名称

変身トリガー:基地に侵入したメンバーが使用
使用者の見た目を変えられるトリガー。ガトリンらがアイドラに紛れ基地に侵入する際に使用。
ウェンは戦闘中にも使用し、熊谷に変身して那須に不意打ちをかけたり、後述の「藁の兵」と併用もした。

壁抜けトリガー:ラタリコフが使用
壁や床に人が通れるほどの穴を瞬時に開けることができる。侵入の際や、その後の進行を迅速にするため使用。

(ゲート)発生トリガー:コスケロ・ウェン・ラタリコフが使用
トゲ状のトリガーから門を発生させ、主にドグの召喚に用いられていた。
コスケロは発射台を用いてボーダーのが狙撃手(スナイパー)いる場所に打ち込んでいた。

処刑者(バシリッサ)」:ガトリンが使用
先端に鋭利な刃のついたアームが背中から4本生える。刃は盾状に変形でき、太刀川の旋空弧月をも防いだ。
アームの頑強さもかなりのものであり、太刀川と小南の連携で折られるまでノーマルトリガーに損傷を受けることはなかったようである。

大砲:ガトリンが使用。
切断された腕から生やすようにして使用。チャージに時間がかかるものの一発の威力はかなり高い。
遠征艇への攻撃に用いられ、村上が盾モードのレイガストを使い片腕を犠牲にした上でかろうじて弾道を変えることが出来た。

踊り手(デスピニス)」:ラタリコフが使用
光球を中心にした円形の刃を空中で自在に操ることができる。
威力は低いが、機動力と手数を活かしガトリンの補助として使用。風間には戦闘中に見切られ始めている。

黒い壁(ニコキラ)」:コスケロが使用
半透明の粘体のような形状。体に装着する・周囲に漂わせる・地面や壁の隙間に潜り込ませるなど自在に操れる。
トリオン製の物体にまとわりつくことでその機能を制限・妨害する。
刃状の武器であれば切ることは出来ず、トリオン体の手ならばものがつかめず、足ならば踏ん張りが利かなくなるなど。
鉛弾(レッドバレット)を防ぐこともできるがトリオン製ではない物体には作用せず、また直接の破壊力もない。

藁の兵(セルヴィトラ)」:ウェンが使用
八面体にプロペラがついたような形状。トリガー本体は宙に浮き、その下に使用者の分身を作り出す。
分身に実体はなく、また本体を破壊されれば対応する分身は消える。また分身は使用者と鏡写しの外見になる欠点がある。
ただしウェンはこれを逆手に取り変身トリガーで左右逆の姿となって分身とすり替わろうとした。

剣竜(テュガテール)」:レギンデッツが使用
使用者の後頭部辺りからトゲ付きの尾が生える(ムカデのようにも見える)。
発動直後にレギンデッツが敗北したために詳しい機能は不明。

緊急脱出(ペイルアウト):ヨミ以外の全員が使用
ボーダーの使う緊急脱出を模倣したと見られる。ガロプラ側でこの呼び名は使われず、「新型トリガー」と称された。
トリオン体が一定以上破壊されるとともに門が発生・ガロプラ遠征艇内に帰還する。
ガロプラにとっては新型のトリガーであり、ボーダー側も把握していなかった。
この存在により、ガロプラは強行突入を決定した。



【トリオン兵】


○モールモッド
ガロプラが持参したもの。事前偵察でボーダーの戦力を測るために投入される。また内部にドグが潜んでいた。
作中では初登場した香取隊に倒されている。
会議での図面ではバムスターも持参されていたようだが使用場面は描かれていない。

○ドグ
偵察・集団戦闘用トリオン兵。形状・サイズ共に細身の大型犬そのもの。ロドクルーンより200体が提供される。
初登場時は「偵察モード」と呼ばれる状態でヨミの操作で視覚情報を部隊に伝えていた。
戦闘時には複数で連携し、射撃でボーダーを襲う。個々の戦闘力は低いが数による撹乱・補助が主な役割。
基地に侵入したメンバーは強化体と見られるドグを連れ、戦闘の補助をさせている。
ウェンの連れていたものはシールドを使い、防御を一任され、ガトリン・ラタリコフは大きな角を生やした個体を連れていた。

○アイドラ
集団戦闘用トリオン兵。人型・人間サイズ。ロドクルーンより95体が提供される。
個々の戦闘力は低いものの、プログラムに従い複数体でシールドを重ねるなどの連携を見せる。行動パターンは変更も可能。
戦闘は射撃やシールドに加え、腕・肩などから生やす長いトゲ状の武器を用いる。
また自動のプログラムではなくヨミが直接操作することで行動性能が飛躍的に上がる「操縦モード」に切り替わる。
この状態では迎撃したボーダー隊員とも互角に渡り合う上、操作対象を別のアイドラ個体に移すこともできる。





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最終更新:2024年03月16日 10:53