スペースチャンネル5

登録日:2012/02/08(水) 20:58:56
更新日:2022/12/24 Sat 14:58:28
所要時間:約 7 分で読めます




新米リポーターうららのスクープ大作戦!

スペースチャンネル5とは1999年12月16日にセガより発売された音楽ゲーム。媒体はドリームキャスト
ビートマニアやパラッパラッパー、ウンジャマ・ラミーにサンバ・デ・アミーゴなどの功績によりいわゆる“音ゲー”全盛の時期にあって、
時代を先取りしすぎた様々な試みによりそれまでの音ゲーファンのみならず多くのユーザーを唸らせた作品である。


【あらすじ】

時は25世紀。人々が宇宙にその生活圏を移した頃、突如現れた謎の異星人「モロ星人」達によるテロ事件が勃発する。
モロ星人は人間の集まる場所を次々と襲撃し、手当たり次第に光線を放つ。謎の光線にあたった人々は自分の意思とは関係なくひたすら踊り続ける
何かを壊すでもなく奪うでもない、ただ人々を踊らせることが目的ともとれる奇妙なテロであった。

そこで視聴率の低迷と深刻な人材不足に悩む宇宙放送局「スペースチャンネル5」はこのテロの模様を生放送でリポートすることを決断。
新人レポーターである主人公「 うらら 」を派遣する。
指令を受け早速突撃リポートを敢行したうららは人々が踊り狂うスペースポートにてやはりモロ星人の襲撃を受ける。が、そこで奇妙なことが起きる。
モロ星人の動きと掛け声に合わせて思わずうららが踊ると対峙したモロ星人らは逃げ出し、踊らされていた人々が自由を取り戻したのである。
新人レポーターうららは踊らされた人々を救うため視聴率低迷にあえぐ局の命令のため、単身テロ現場深くに身を投じる決意を固めるのであった。

今、宇宙の命運を賭けた壮大なスペース踊り勝負が幕をあける…。


【システム】

プレイヤーの使命は現場で突撃リポートを行う主人公うららを操り、敵の動き「アップ(↑)」「ライト(→)」「レフト(←)」「ダウン(↓)」の計4方向に加え、掛け声である「チュー!」「ヘイ!」に対応した2ボタン、計6ボタンを指示通りに押すこと。オープニングから最後まで、終始これだけ。

バトルが始まるとまず敵は曲に合わせて「アップ」「アップ」「レフト」…などと踊り始める。
敵がひとしきり踊り終えると今度はうららの番。
プレイヤーはうららとなってその曲に合わせて敵の指示した通りにタイミングよくボタンを押し、敵の動きをトレースした踊りで対抗する。
そしてうららが踊り終えると再び敵のターン、という具合で交互に踊り合う。

敵にはそれぞれ担当するフレーズがあり、フレーズが終わるまで踊り続けることが出来ればその敵を撃退することが出来る。
この際うららにはライフが設定されており、間違ったボタンを押したりタイミングを外したりするとミスをカウントされライフが減っていく。
ライフが全てなくなるとゲームオーバー。

また画面下にはシチョーリツ(視聴率)が表示され、うまく踊れているかで増減する。これがゼロになると番組打ち切り(ゲームオーバー)。
他にもステージクリア時ノルマシチョーリツを稼げなかった場合もゲームオーバーである。


【人質】

モロ星人の光線によって踊らされている人質でありこのゲーム最大のみどころ。

不恰好な宇宙服に身を包み首から下げたカメラでバシャバシャなんでも撮るスペースニホン人、可愛らしいスペースイヌ、
どこかで見た気がするハードセクシーマンなど、その種類は様々でありキャラクターによっては条件を満たさないと出現しない者も存在する。
彼らの救出を成功させればそのステージの間はうららと行進したりバックダンサーとなったりプレイヤーの目を楽しませてくれる。
また特定のキャラクターを加えることができれば楽器などでウキウキ大行進を更に盛り上げてくれる。


【音楽】

テーマ曲「Mexican Flyer」を筆頭に音ゲーでは珍しく70~80年代に重点を置いてある。
ディスコ調に編曲されたレトロでグルーヴィーな各曲は未来が舞台でありながら全く違和感を与えずゲームを盛り上げる。
特にテーマ曲は一度聞いたら最後、頭から離れない中毒性を誇る。ラヴィ‼
サントラにはプレミアがついているが、仮に入手できたとしても声が入っていないと物足りない、という人も。


【新たな試み】

このゲームのジャンルは音ゲーであるが先述の通り既存の音ゲーと一線を画す。その最たるものは背景である。

「ハァ?なんで音ゲーで背景の話してんの?」 とお思いの方もいようが、
実はこの背景こそ後にゲーム界の一時代を担ったプレイステーション2を最も苦しめた要素である。
その理由はたった一つのシンプルな答え。

背景は全てムービーだから。

『フルポリゴン』などという古くさい従来のやり方が未来に生きる我らがセガには我慢ならなかったのだろう。
あえてまず初めにムービーで背景を作り、その後でポリゴンで作ったキャラクターを配置し、動かす。
その奇抜な発想は音ゲーのみならずゲーム業界全体に衝撃を走らせた。

この無駄に洗練された無駄がないんだか無駄しかないんだかよくわからない手法は話題を呼んだがPS2に移植されることが決定した後、
PS2だと様々な問題が生じることが発覚したため全てポリゴンに書き換えられている。

また音ゲーらしからぬストーリー性とミュージカルを見ているようなプレイ感覚、さらに覚えゲー要素とアクション要素をはらんだことから、
エンディング間近の最後の『チュー!』にさえ涙するプレイヤーが続出したとかしないとか…。
そのため某掲示板では「ゲームの枠を超えたゲーム」や「開発スタッフはセガガガ」などとまことしやかに語られた。


【主要なキャラクター】

《うらら》
宇宙放送局スペースチャンネル5に所属する入社2年目の新米レポーター。
抜群の踊りセンスと「美味しそうな匂いがギュンギュンします!」など独特の言い回しが光る主人公。
ピンクの髪にでっかくひいた真っ赤なルージュ、タイトな衣装に身を包みテロ現場で宇宙人相手に踊りまくる奇抜なキャラだが、
プレイするうちに段々可愛く思えてくるから不思議。
幼い頃にスペースシャトル事故で宇宙空間に投げ出され遭難した経験がある。
音楽さえあれば無限に踊り続ける驚異のスタミナを持つ。
中の人はHerself。誰が何と言おうとHerself

《ヒューズ》
特殊報道チームのディレクター。
スタッフ搬送船「アストロビート号」にいるため声だけの出演だが、フリーダムなセリフ等からプレイヤーからの人気は密かに高い。
テンションが上がるとオネエ口調になる。

《プリン》
ライバル放送局チャンネル42の看板レポーター。アイドル時代からの人気を誇り取材チームの面々は彼女の取り巻きである。
踊りが得意でうららに負けじと現場に突撃リポートを敢行しており、「リポート見るなら42ちゃーん!」を合言葉にうららに踊り勝負を挑む。
テンプレ通りのツンデレで実はヒューズのお気に入り。
社員によるサンプルボイスがあまりにも味がありすぎたため、うらら役のオーディションで選ばれた女性が声を担当している。

《ジャガー》
宇宙海賊放送局の頭。「真実の報道」を謳い正規の回線をジャックしてゲリラリポートを行う。
時折見せるオカマっぽい踊りとは裏腹にそのレベルと言動、行動力はまさに漢。
速水奨氏がボイスを担当しており、セガの社員やオーディションで選ばれた素人で固められたキャスト陣の中で演技力が際立つ。

《モロ星人》
突如現れた謎の敵性宇宙人。「踊りメカ」を操る高い技術力に反しマイペースで若干アホ。
謎の言語で会話し、ゲーム中では字幕が表示されるがよく聞くとほとんど日本語。語尾には「~モロ」と付けるモロ。
名前はキャラデザ担当の茂呂真由美さんから。

《スペースマイケル》
500年の時を生きるスペーススーパースター。某所にて光線を浴びてしまい踊り狂う。
マスターアップ数週間前にマイケル・ジャクソン本人が「自分もこのゲームに出たい」と強く要望したことによりキャラクターとして登場が叶う。
+ 事の詳細
同作のエグゼクティブ・プロデューサーだった内海州史氏の語るところによれば、元々セガとマイケルは、同氏の主演映画のゲーム化作品である『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』の制作時に他にも自身が主演のゲームを作る契約を結んでいた。
しかし、その後マイケル側に裁判やスキャンダル報道が出回った為にセガ側が消極的になっていた。

マイケル側はこれに抗議していたが、セガは先延ばしにして取り合わず、マイケルは遂に対面での会談を要求。その相手としてセガが寄越したのが、当時本作の開発中だった内海氏であった。
詳細を聞かされていなかった内海氏は最初は困惑していたが、元々マイケルのファンであった事や、会談でマイケルの語ったゲームへの熱意に感銘を受けた事などから、「スケジュールの都合で主演にはできないが、今こういうミュージカルゲームを作っているので、これに出ませんか」と製作中の本作へ出演を打診。
ゲームのコンセプトを気に入ったマイケルが承諾した事で出演が決定した……という次第らしい。
もちろん「!」は自重しない。
参入の経緯が経緯だったため今回はチョイ役だが、続編「パート2」では主要キャラとして大活躍。




うらら「編集画面は、このまま!」

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最終更新:2022年12月24日 14:58