ファントムフォックスMS

登録日:2016/08/09 (火) 00:44:22
更新日:2022/06/21 Tue 18:20:17
所要時間:約 4 分で読めます







ベイブレードが分身する!? キミも挑戦だ!


ファントムフォックスMS(メタルシャドウ)とは『爆転シュート ベイブレード』シリーズに登場したベイ。


【解説】


爆転シリーズ最後のシステム『ヘヴィメタルシステム(以下HMS)』のベイとして設計された。

更にファントムフォックスは通常のHMSとは異なり、そのHMSシリーズの発展システム『ギミックスペシャリティ(以下GS)』の先陣を切ったベイとなる。
このGSシリーズは、ベイブレード以外の遊び方やこれまでのベイとは異なるギミックを搭載している。
GSにおけるギミックは競技玩具的にも興味深く、後のメタルファイトやバーストでも継承されなかった要素が多い。
実はGSシリーズはベイブレード生誕五周年記念のシリーズなので、そういった意味でも先陣を切ったファントムフォックスは記念すべき存在である。

さて、上述したようにHMSシリーズは爆転シリーズ末期のシリーズであり、知名度はやや低い傾向にある。
四聖獣シリーズでもないし、ウルボーグMSやデスガーゴイルMSのように原作漫画に登場した訳でもない。
しかも、このGSシリーズはアニメや漫画などのタイアップを終えた時期の完全な末期状態での発売だった。
ところが、ファントムフォックスはHMSベイとしては高い知名度を持つ。

それは何故か…実はこのベイの特殊な能力にある。そう、それは




分身するのである。






!?



なんでベイが分身できるのか疑問に抱く人は多いので解説しよう。

その秘密は、ファントムフォックスのセミフラットコアに存在する。
このセミフラットコアは分身コアという特別な仕様となっており、軸先が特殊で衝撃を受けるとロックが解除されて飛び跳ねる。
そして、軸先を備えたアタックリング(アッパーフォックス)とカスタマイズウエイトディスク(サークルアタッカー)に分かれてスタジアムを激走する訳である。
ファントムフォックスはこの仕様の都合から上下にベイが重なっているという二段構造なので、見た目で仕組みは一発で読み取れるだろう。

こんな感じでベイが二つに分かれることで、使っているベイを事実上増やすというアドバンテージを得られる。
漫画やアニメなどのベイブレードシリーズにある『ベイが分身している!?』という表現を再現できる訳だ。

また、ファントムフォックス同士で戦うと面白い混戦状態となるのでやれる人はやってみよう。
特に四機用意して遊ぶと本当にカオスな事態になって面白くなることがあるぞ。

なお、GSシリーズはこのベイ以降もマジカルエイプMSやエアロナイトMSなど驚愕の玩具を生み出すこととなる。

【性能】


ファントムフォックスを知らない人は気になるだろう、このベイの実戦での戦力。

ベイブレードが分身するって強いやん……と何となくは思うだろう。
しかも、ファントムフォックスはバランス型。バランス型と言えばあの名シリーズドライガーの象徴だし、やはり強そうな気がする。

しかし残念なことに、ファントムフォックスはHMSシリーズの中ではかなり弱い

強さ的には同じGSシリーズのエアロナイトMSと良い勝負かもしれない……いや、トライピオの後継機には勝てるか……。
分身機構の時点で勘の良い人なら察しただろうが、トライピオとかサイバードラグーンの系譜のネタベイ。

一応何で弱いかを解説すると、当然その秘密は分身その物にある。
分かれたウエイトディスク側はメタル部分を持たないため、HMS相手に攻撃が通じやすいか疑問視される。
実質分身しているのに、片方が戦力としては機能しにくいという本末転倒な事態と化す。
しかも冷静に考えると、分身すると重量がそのまま半分になるから持久力なんて当然なく吹き飛ぶ。

むしろ、分身したことで味方が増えるどころかお荷物化することがある。
当然だが、ベイブレードなので自分のベイが二つに分かれたことで同士討ちを行う可能性がある

しかも、相手の攻撃によって分裂を起こすため、分裂時には既にある程度体力が消耗されている。
初めから分身で戦えるわけでもないので、やはり言うほど2対1が戦況に影響することはないのだ。
更に言うと、攻撃時の衝撃による分身の際に勢い余って場外へ吹き飛ぶこともたまにある。

こうまとめて見ると、戦略的には全く良い面が見えないが、別にそれでも良いだろう。
男のブレーダーからすると、分身は何となくカッコいいという事実だけで十分……かも。
それにデザインも相当優秀だし、眺めているだけでも気分は良いと思われる。
実際な所、強さは二の次に置いている面はあるので実戦面はあんまり考えないほうが良い。

補足しておくと、弱い弱いと言われているがトライピオなどのように滅茶苦茶弱いわけではない。
アタックリングなどは、アッパー攻撃に優れているなど優秀な要素を多少持っている。
やはり腐ってもHMSのアタックリングだし、EGまでの世代やバーストベイを相手にするには普通に攻撃力がある。
散々に記載しているが、2対1のメリットも決してないわけでもなく、どちらかがスタジアムに残っていればよいので、判定勝負では強さを見せることも。
また、分身後が問題があるのであって、分身さえ起こさなければそこまで弱くもない。

性能は低いかもしれないが、何だかんだで後の世代にも見られないほど面白いベイなのは確実に間違いない。

【バリエーション】


一応五周年記念的な存在のためか、バリエーションにはやけに恵まれている。

イエローver

2004年のイベント限定や爆転王地区代表決定戦などの限定品。

通常版とは上下の軸先形状が異なり、フラットコアとなっている。
そのため、持久力を犠牲に攻撃性や機動性が高くなっている。

レッドver

こちらもイベント限定品。
軸先形状が異なり、これはシャープコアで持久性が高い。

ライトグリーンver

ベイブレード福箱2005に収録。
軸先はフラット。

ライトブルーver

ベイブレード福箱2005に収録。
軸先がシャープ。

ゴールドメッキver

日本一決定戦レギュラーの優勝賞品。

ブロンズメッキver

SG大会の三位や日本一決定戦のオープンクラスの商品。

ゴールドver

月刊コロコロコミックのプレゼント当選品として登場。

名前だけ聞くと上記のゴールドメッキverと色合いが同じようにも思えるが、実際には大きく異なる。
こういう当選品って使う気が起きにくいよね。

余談


後に発売された「メタルファイト ベイブレード」に同じ狐モチーフのベイ「スクリューフォックス」「ディバインフォックス」(いずれもランダムブースター封入)が登場している。

そしてベイ「ファントムオリオンB:D」のクリアウィール「オリオン」をフォックスと交換すれば文字通り『ファントムフォックス』ができる。
分身はできないが。

そして『ベイブレードバースト』では、ついにファントムフォックスMS以来となる分身ギミックベイの「ベノムディアボロス.Vn.Bl」が登場。
ファントムフォックスMSにおける自滅しやすい性能を反省してなのか、本体と分身先の子機で軸先のタイプを変えたことで同士討ちの可能性を減らしているなどの努力が見られる。
ちなみに、ベノムディアボロスの分身ギミックは衝撃的なギミックとして紹介されたが、(まあ当然だが)ファントムフォックスMSに触れられることはなかった。
一部のファンからはファントムフォックスMSの再来だと反応する声も見られたが、ベノムディアボロスを見てHMSシリーズ後期のベイであるファントムフォックスMSが即座に思い浮かんだのならば、相当コアなファンと見て良いだろう…。





追記・修正は、ファントムフォックスMSで分身を起こしてからお願いします。

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最終更新:2022年06月21日 18:20