ベルクト(ACE3)

登録日:2016/08/27 (土) 22:11:08
更新日:2023/05/25 Thu 15:33:21
所要時間:約 7 分で読めます






「これでみんな……救われる」



ロボットアクションゲーム『Another Century's Episode 3 THE FINAL』に登場するオリジナルキャラクター。
同作品のライバルキャラ兼ラスボスにして、重度の厨二病患者としても有名。

CVは浪川大輔
人によってはこれだけで何となく正体を察した人もいることだろう。

搭乗機体はブラッドアークグレイブアーク
加えて最終決戦時には誰もが予測できなかっただろうとんでもないもんを引っ下げてくる。


◆概要
バルドナ・ドライブが作り出したワームホールの先、俗に言う"あちら側"の地球の組織である新連邦軍の幹部の1人。
(同組織の同格存在としてはガンダムXのフロスト兄弟やエウレカセブンのデューイ・ノヴァクがいる)

組織内では真・ドラゴンの事案をメインに任されているらしく、
主人公部隊が現れる以前からゲッターチームとは何度か矛を交えているらしい。

物静かで寡黙なことに加えて感情を余り表に出さないタイプ。
加えて発言の大半が遠回しでやたらと詩的なのも厨二病っぷりに拍車をかけているといえる。

主人公のバレルは彼が現れるたびに言いようのない冷たい感覚に襲われるという謎現象を起こしている。
また、ベルクトの方も何故かバレルのことを知っていたらしく、彼に対しては感情的になる場面も多いのだが……

以下、ネタバレ























「本当の恐れも嘆きも知らない……そんな貴様こそ一体何だ?」


彼の正体は並行世界のバレルそのものであり、ヘルメットの下にある顔もバレルと瓜二つのもの。
CVが共に同じ浪川大輔なのもわかりやすい伏線だったというわけである。
(バレルはどこそのエルメロイの後継者、ベルクトはオサレ十人衆の4番目という感じに演じ分けはされている。)

嘗ては自身も並行世界のバレルとして実父であるバルドナ・ドライブの開発者、ジル・バルドナと共に過ごしていたのだが、
父が関心を向けていたのが自分の故郷である"こちら側"の地球とバレルであったということ、
父が自分をバルドナ・ドライブの鍵として設定したことにより新連邦に追われる身になったことなど、
その他諸々の苛酷な環境が原因で精神を酷く歪ませてしまう。
(最終決戦時のベルクト曰く、ジル・バルドナはバレルに会うために"あちら側"でバルドナ・ドライブを作ったとのこと)

その後、ベルクトという偽りの名で新連邦の幹部となり、父であるジル・バルドナを殺害。
増大した憎しみをもう1人の自分であるバレルと世界そのものに向けるようになる。
そして父が残した遺産であり全ての元凶とも言えるバルドナ・ドライブの完全稼動によって、
2つの地球同士の衝突による世界そのものの破滅を目的に行動するようになる。
バルドナ殺害後の経緯は不明だが、恐らく"あちら側"の地球のバルドナ・ドライブを起動して世界を渡って来たのだろう。

……身も蓋も無い言い方をすれば00年代後半辺りから増え始めた世界破滅願望系ラスボスの典型と言っても差し支えはない。


◆関連人物
  • バレル・オーランド
もう1つの世界の自分自身であり、ベルクトにとっては最も憎むべき対象。
戦いと共に成長した彼の言葉を受けて何度か激昂する場面も見られた。

  • フェイ・ロシュナンテ
バレルのパートナーである"こちら側"の地球の軍人。
しかしその真の正体は"あちら側"の地球出身の嘗てのベルクトの部下。
彼の狂気の計画を知ってしまったところをバルドナ博士に助けられ、
イクスブラウと共にバレルのことを託されたというのが事の真相。

  • アンジェ・レイバー
ベルクトが率いる部隊の副官的存在。
それ以外に特筆すべきことが無く、ストーリー後半で特に理由も無くベルクトにあっさり殺されてしまう。


◆劇中での活躍
ミッション3「バルドナ・ドライブ制圧」にて初登場。
項目冒頭の台詞と共に"こちら側"の地球のバルドナ・ドライブを起動し、
制圧作戦に当たっていたバレル含めたロンド・ベル隊を"こちら側"の地球へと引きずり込んだ。
彼らを招かれざる客として排除しようとするも、途中で新連邦からの帰還命令が出たため撤退する。

次なる遭遇はミッション7「真ドラゴン破壊」
早乙女博士とインベーダー軍団と交戦するプレイヤー部隊を他所に、真ドラゴンが発するゲッター線を吸収していた。
副官のアンジェをけしかけた後、ルリの指摘を受けて敢えて彼らに"あちら側"の地球のバルドナ・ドライブの情報を与える。
そして最後にバレルの名を呟いてから姿を消していった。

その後、ルート分岐のラストで2度目の交戦を挟んだ後、
ミッション15「マクロス破壊」において、火星の後継者たちの悪あがきであるマクロスキャノンの発射を、
マクロスのエネルギーを火事場泥棒するという形で出現。
……結果だけ見ればプレイヤー部隊の危機を救ってたりする中、3度目の交戦。
幾度もの戦いを経て技量も精神も成長したバレルの猛攻に押されて搭乗機のブラッドアークが大破。
アンジェに助けられつつもここで初めて己の素顔を晒し、バレルを動揺させると同時に彼に深い憎しみをぶつけた上で姿を消す。

続くミッション16「トレゾア技研防衛」でも登場するが、機体を失ったこともあって今回は通信会話のみ。
自分が指揮を取る事に不満げなドミニクやユルゲンスをボロクソに扱き下ろしていた。

ミッション21「真ドラゴン破壊4」にて新たな機体、グレイブアークを駆り、真ドラゴンを倒した直後のプレイヤー部隊に襲い掛かる。
その場では明確な決着は着かなかったものの、元部下であるフェイに自身の敗北を宣言されて声を大にして否定の意を示していた。

ミッション22「バルドナ・ドライブ停止」では大量のグリゴリと共にグレイブアークの真なる姿であるファントム形態までもを披露して激戦を繰り広げるも結果的に敗北。
それでもしぶとく生き延び、プレイヤー部隊の不意を突く形で部下のアンジェ諸共バルドナ・ドライブを破壊。
プレイヤー部隊を"あちら側"の地球に置き去りにする形で"こちら側"の地球へと姿を消していく。

その後の動向は不明だが、アクシズショック時のサイコフレームの共振による膨大なエネルギーを、
マクロスの時と同様にコソ泥することで遂にバルドナ・ドライブの完全稼動を達成。

2つの地球がぶつかり合う寸前の混乱の最中、追い縋ってきたバレルたちを何と真ドラゴンで迎え撃つ。

本来想定されたパイロットである號が乗っていないとはいえ、更なる進化を遂げた真ドラゴンの力は凄まじいものであったが、
最後まで諦めずに抵抗を続けたバレルたちの前に遂に敗れ去る。
墜落していく真ドラゴンに近づいてくるバレルに対しベルクトは放心状態であったが、
バレルの「俺は俺で君は君でしかない」という言葉を聞いて憑き物が取れたように立ち上がり、
「ここからはお前だけの道だ」という言葉と共に敢えてバレルを跳ね除ける。

そして爆発の瞬間、真ドラゴンからは一閃の光が遥か彼方へと飛翔していった……


◆余談
典型的な破滅系悪役ということや、機体武装の酷い厨二病のことなどもあり、
お世辞にも人気はそこまで高いとは言えないベルクト。
また、ラストに乗った真ドラゴンは本来主人公側の機体となるべきものだったのに、
ぽっと出の厨二悪役に使われてしまったという不満をゲッターファンに向けられてしまうこともちらほら。

そもそも開発がフロムソフトウェアということもあり、
骨格となる情報以外の細かい経緯や背景がぼかされたままでキャラの実情が掴みにくいという事情もあるかもしれない。

だが、最終決戦時の情報が彼の視点による独白だったという点を考慮しても、
ベルクト自身は相当にハードな半生を過ごしてきているのもまた事実。

  • 実父の関心は自分が見たこともない並行世界とそこにいる自分の同一存在に向けられている
  • それを成す為の装置の鍵にされ、その所為で軍属に追われる身になり名前も捨てるハメに
  • 挙句、インベーダーの襲撃、コーラリアンによるクダンの限界、コロニー落としによるリアル世紀末勃発と、自分のいる世界の周辺環境は最悪レベル

肉親の関心は別の誰かと何かに向けられ、軍に追われて名まで捨てて、しかも辺りには世界崩壊クラスの事案がゴロゴロ。
これで正常な精神状態を保っていろという方が無理がある気がする。




追記・修正はバルドナ・ドライブを起動してからお願いします。

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最終更新:2023年05月25日 15:33