サソリガドラス

登録日:2017/06/17(土) 19:03:40
更新日:2021/10/16 Sat 13:45:54
所要時間:約 10 分で読めます





合体獣サソリガドラスとは、短編ドラマ「ウルトラマンVS仮面ライダー」に登場した同作の敵怪獣。
正確には怪人と怪獣の融合体であり、いわゆる合体怪獣である。

正式名は「合体巨大怪人獣サソリガドラス」。

誕生まで

※ストーリー本編の解説と密着するので、詳しくは作品の項目も参照のこと。

ショッカーから送られてきた新たな刺客、その名は超人毒サソリ男
現れるなり、大地震を起こして東京を壊滅させるという「東京ズタズタ作戦」を開始した毒サソリ男だったが、
彼の起こした地震の影響を受け、東京の地下で眠りについていた古代怪獣ガドラス復活

続く地震に加え、目につくものすべてを破壊すべく暴れ回るガドラスの脅威を前に、東京は大混乱に陥る。
その混乱に紛れるように人々を襲う毒サソリ男だったが、そこに日本の誇る二大ヒーロー、ウルトラマンと本郷猛/仮面ライダー1号が現れ、怪獣と怪人を相手に戦い始めた。

「出たなショッカー!」


  • 超人毒サソリ男

身長:1.85m
体重:96kg

ショッカー中近東支部が東京に送り込んだ新たなる怪人。恐らく以前1号ライダーと戦ったさそり男の最新モデルと思われる。
左手の巨大なハサミと口から吐く毒ガスが武器で、起こした地震と、復活したガドラスのもたらす混乱に紛れて人々を襲っていた。
しかし、場所を移動していたのか街の真ん中に現れたところで1号と遭遇。
一時は互角に戦いを進め、隙をついて首もとを捉えて至近距離から毒ガスを見舞うも、不意の腹パンでのけぞったところに連続攻撃を食らって追い詰められる。
トドメのライダーキックをまともに受けて吹き飛ぶもなお立ち上がる、というしぶとさを見せるが、その時……。


  • 古代怪獣ガドラス

全長:42m
体重:3万1000t

東京の地下で眠りについていた怪獣。所謂典型的なゴジラ型怪獣。強い破壊本能を持ち、一度目覚めれば目につくもの全てを破壊しようと暴れ回る。
鼻先の角を除けば、怪獣には珍しく際立った特徴がなく、も光線も吐かず攻撃方法も至って普通。
しかし、そのパワーは決して侮れるものではなく、ウルトラマンと正面から取っ組み合って押し返し、スペシウム光線の直撃を耐えるほど。
毒サソリ男が作戦のために東京に起こした地震の影響を受けて復活、東京を蹂躙。ショッカーは図らずも予想外の一手を打つことになった。
飛来したウルトラマンを相手に町を破壊しつつ肉弾戦を繰り広げ、一時は圧倒するも、
一瞬の隙を突かれての蹴りで間合いを離され、そこにスペシウム光線をまともに食らう。
それでも倒れずまだ暴れる、という驚きのタフネスを見せるが、その時……。




毒サソリ男が1号に追い詰められたのと時を同じくして、近くまで移動していたガドラスもスペシウム光線の直撃を受けてさすがに怯まされる。
しかし、その時毒サソリ男とガドラスの体から電撃がほとばしり、それは互いを取り込み始めた。


絶体絶命の危機に陥った、毒サソリ男とガドラスの本能は、互いのパワーを吸収しあい
合体獣サソリガドラスとして蘇った!




合体巨大怪人獣サソリガドラス


全長:57m
体重:4万5000t

ガドラスと毒サソリ男が互いのパワーを吸収し合った結果、ガドラスを毒サソリ男が半ば乗っ取る形で生まれた合体怪獣。
ガドラスの鼻先にあった小さな角が伸び、両手が毒サソリ男の左手だったハサミに変わっている。
さらに一回り巨大化しており、顔つきもガドラスより凶悪化している。オマケに電撃を放つ能力を獲得している。
ガドラスが際立って特別な力を持たなかったことを考えると、能力のほとんどは毒サソリ男のものが融合によって変質・パワーアップしたものと考えられる。
ゼットンと同じ「ピポポポポポ…」という音を発したり、ハサミがガニコウモルに似ていたりと、両作品の強敵を思わせる意匠が取り入れられている。

かくして変貌を遂げたサソリガドラスは、突然の出来事に唖然とする1号の前で、
ガドラスには無かった胸部を開いての光線吸収能力や、角から放つ強力な雷撃でウルトラマンを易々と圧倒する。
恐らくは毒サソリ男の知能や凶暴性も取り込んでしまったのだろう。
さらに、毒サソリ男が作戦に使用したと思しき不可視の衝撃波によって町を破壊し、ウルトラマンを瞬く間に追い詰めていく。

1号も諦めてはいなかったが、如何せん彼は等身大。巨大怪獣相手では歯が立たず、攻撃を逃れることで精一杯の有様だった。

しかし、ダメージが蓄積し動きの鈍ったウルトラマンを、サソリガドラスは容赦なく追い詰めていく。
このままではウルトラマンどころか日本が危ない。
意を決した1号はサイクロンに乗ると、ウルトラマンのもとへ急行する。
その途中、走っていた高架がサソリガドラスに破壊されるが、1号はサイクロンのウイングを展開して突撃。
サソリガドラスの装甲をライダーブレイクでぶち破ると(サイクロンは一体何で出来ているのか?)、なんとそのままサイクロンを飛び出し、奇跡の力によって巨大化*1
二大ヒーローが、強大な敵を前に並び立ったのである。


撃破まで

突然の出来事に驚くサソリガドラスだったが、巨大化した1号とウルトラマンは即座に共闘の姿勢を見せる。
飛び道具を持たない1号にサソリガドラスは雷撃を放つが、それをウルトラマンがリバウンド光線で防御。
さらにその隙をついて、飛び込んだ1号が角をジャンボライダーパンチで粉砕。
怒り狂ったサソリガドラスはシッポで1号を叩き落とすが、入れ代わりに放たれたウルトラマンの八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)で尻尾を斬り飛ばされてしまう。

二人のヒーローの息の合ったコンビネーションにサソリガドラスは圧倒され、二人に抱えられて投げ飛ばされてしまう。
しかし、その直後にウルトラマンのカラータイマーが点滅を始める。
ウルトラマンが変身したまま戦えるのは3分間だけ、ここで勝負を決めるしかない。
1号とウルトラマンは互いに顔を見合わせて頷き合う。

「ライダァァーキィィック!!!」

本郷の野太い声が響き渡り、巨大化した1号が宙を舞う。
直後にウルトラマンは腕を十字に組み、その腕が白銀に光り輝く。
数多の悪を葬り去った光と足技が砂塵に覆われた大気を切り裂き、一直線にサソリガドラスに伸びる!
ウルトラマンのスぺシウム光線をまともに受けた直後に1号のジャンボライダーキックをも叩き込まれたサソリガドラスは
ひとたまりもなく吹き飛ばされ、バッタリと倒れ込み木端微塵に爆発。
かくしてガドラスの脅威は去り、ショッカーの東京ズタズタ作戦も失敗に終わったのである。

一人では決して敵わぬ巨悪を打ち破ったウルトラマンと1号はゆっくりと歩み去り、
永久なる平和を勝ち取るために硬く手を握り交わすのだった。


戦いを終えた二人のヒーロー、ウルトラマンと仮面ライダー。
しかし、いつまた新たな敵が現れるかもしれない。
二人は、再び地球を守る決意を固めるのであった。


そして、巨大化を解いてサイクロンで走り去る仮面ライダー1号と、夕日の彼方へ飛び去っていくウルトラマンの姿で、物語は幕を閉じる。
この怪獣はウルトラ怪獣の中で間違いなく一番ゴージャスなやられ方をした怪獣であり、
子供達の永遠の夢を叶えた最高のヒールと言えるだろう。

僕たちの夢は終わった。
しかし、二人のヒーローの姿は僕たちの夢の中に明日もまた蘇り、
永遠に輝き続けていくことだろう。

ありがとう、仮面ライダー。ありがとう、ウルトラマン。





立体化

元々円谷プロと東映、両上層部の密談によって制作され、かつTV放送なしという条件の作品に登場した、いわばコラボ用の怪獣であるため長らく立体化はされなかった。
しかし、11年の時を経た2014年9月、「HGウルトラマンVS仮面ライダー」にてついに立体化を果たした。

コンプリセットに一つだけ、というレア仕様だが、ファンなら持っておきたい一品である。


追記・修正はこの奇跡を目撃した人にお願いします。

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最終更新:2021年10月16日 13:45

*1 ちなみに公式設定である