Horizon Zero Dawn

登録日:2017/09/29 (金) 00:01:08
更新日:2024/03/21 Thu 20:47:34
所要時間:約 23 分で読めます





――また村がひとつ死んだ


巨大産業文明崩壊から1000年
錆とセラミック片におおわれた荒れた
大地に くさった海…腐海(ふかい)と
呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の
森がひろがり 衰退した人間の生存を
おびやかしていた













え、コレじゃない?


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1000年後の地球
失われた文明の遺跡は自然に還り、人類の末えいはいくつもの部族に分かれ、
原始的な狩猟採集で生きながらえている

新たな生態系の覇権は奪われ、今やどこからか現れた
恐ろしげな機械たちのものとなっている



 HORIZON 

 ZERO DAWN 

―地平線:ゼロからの夜明け―




2017年2月(日本では3月2日リリース)にソニー・インタラクティブ・エンターテインメントから発売された、PlayStation4用アクションロールプレイングゲーム。
2017年11月には拡張コンテンツ『凍てついた大地』(Horizon Zero Dawn: The Frozen Wilds)がリリースされ、これを含めるとComplete Editionという形になっている。
2020年8月からは、このComplete EditionのPC版がSteamやEpic Games Storeで販売されている。
開発元は『KILLZONE』シリーズでお馴染み、映像美とストイックなゲーム性に全てをかけるオランダの雄・ゲリラゲームズ

10年間FPSばっかり作っていたGゲームズが2年の歳月をかけて作り出した完全新規オープンワールドゲームということで、各所からは期待半分で注目されていた。
やがて公開されたプロモーションCGにも匹敵する美麗なプレイ画面や、大小さまざまな機械獣との戦闘で注目度は大幅アップ。
いざ発売後はビジュアルもさることながら、練られた世界観、終盤から怒涛の盛り上がりを見せるストーリー、何より第1作とは思えないほどに高い完成度を誇るゲームデザインが絶賛され、2017年度上半期の傑作として評価されている。

強いてケチをつけるなら、(洋ゲーではよくある)微妙な日本語翻訳のズレや、収録環境の都合かカットごとに声の抑揚がおかしくなるところがあることか。
そしてエンディング後のエピローグでは続編を明らかに匂わせている。…実際、続編の発売も決まっているのだが。
何? ストーリーの大筋が『ナウシカ』と『ターミネーター』だって? あくまで大筋だから、多少はね?


ストーリー

母無し子として部族から忌まれ、部族を追放された異端者に預けられた一人の女の子がいた。
生まれながらの異端児として孤独な生活を送る、「アーロイ」と名付けられた女の子は、ある日、古代の遺跡に迷い込む。
アーロイはそこで、自分の運命を変える発見をする。古のものが遺した不思議な機械――超小型ウェアラブル端末「フォーカス」を手に入れたのだ。

フォーカスの千里眼の力と、優れた戦士である育ての親・ロストの教えを授かったアーロイは、狩人としてめきめき成長していく。
全ては19歳の成人の年に行われる、部族の義勇兵の試練に合格し、正式に部族の一員となるために。

やがて、自らの出自を追い求めるアーロイは故郷を旅立ち、様々な冒険を繰り広げていく。
行く手に立ちはだかる機械獣や、謎のカルト集団。謎が謎を呼ぶ古のものの遺跡。
全ての冒険が終わるとき、アーロイは地平線の彼方に何を見つけるのか?


システムと魅力

基本の流れ

広大なフィールドを自由に移動できるオープンワールドを採用。道中では機械獣や山賊たちと戦い、経験値を獲得してレベルアップし、ついでに戦利品となる素材を強奪。各地に点々とする集落で情報収集をして目標(クエスト)を確認する。
手に入れた素材は、その場で矢や爆弾、治療薬の材料にしたり、各地の商人との取引に使うことが出来る。
レベルアップやクエスト報酬として伴い獲得したスキルポイントを割り振ることで、様々な特殊能力(パーク)も獲得できる。

メインクエストではアーロイの身に降りかかった災難の解決と、彼女の出自を探る探求の旅が待っている。いずれはその中で、機械獣や古のものに接近することもあるかもしれない。
サイドクエストでは各地の人々の悩みを聞き、尋ね人の捜索や、機械や山賊の撃破を請け負う。受注はプレイヤーの任意だが、解決すると報酬として経験値が貰えるため、出来るだけ受けておくとストーリー進行が楽になる。成否によってはメインクエストが少しだけ変化するものも。

メイン・サブ問わず、かなりの長期にわたって進行するものが多く、長い距離を歩かされることになる。歩いた先で新たな発見をして寄り道し、全くメインが進まないのはホライゾンあるある。
メインクエストを優先してサクサク進めた場合、初見・難易度ハード以上でも25~30時間ほどでクリアできる。しかし探索にはまれば、40時間経っても中盤の目的地にたどり着いていないのもザラ
骨子となるストーリーも抜かりなく作り込まれており、中盤まではどこかのんびりした感覚だが、それ以降は怒涛の展開が待っている。
序盤から伏線をちりばめ、終盤で一気に回収にかかるが、真相だけは最後の最後まで明かさない作りがニクイ。

各所で見つかる旧時代の痕跡を調べていくとわかるが、舞台となるのは現在で言う米国・ユタ州周辺(地形・地名はほぼ架空)。
街道沿いに端から端まで歩いた場合、踏破に約25分かかる広大なマップには、大小さまざまな部族やならず者たちが蔓延っている。
各所にはいろいろな収集要素も盛り込まれている。商人から地図を購入すればマップにそれらの大まかな位置が投影されるため、これを探すのも一興。

ケッペンの気候区分に従い、草木の一本に至るまで考えられて配置されたマップは凄まじく美麗。歩けば歩くほど、様々な発見が出来る。
その雄大な大自然の中をたった一人で駆けるアーロイの、勇壮さと孤独が入り混じった唯一無二の「冒険感」も魅力の1つ。


バトル

乱暴に例えると、メタルギア的な動きも出来るモンハン(『リンダキューブ』?)。

アーロイの主兵装は弓矢。速射性を重視した狩人の矢、威力と射程に優れる長弓、様々な属性以上を付与する戦弓を商人から手に入れ、使い分けていく。これに爆弾を飛ばすスリングショットや、金属弾を連射するラトラー、トラップワイヤーも加わる。
使い減りしない格闘武器として槍も用意されている。ただし接近戦はリスクが大きいため、基本的には弓矢で戦うことになる。
更にストーリーが進むと、古の施設から発掘したオーバーライドシステムを使って、機械獣を味方側に引き込むことができる*1

「狩猟ゲー」としての緊張感はとても俊逸。事前準備と自省を欠くと途端に厳しくなるストイックさが楽しめる。
一番ザコの偵察型でも正面から殴り合えば意外とてこずり、戦闘型の機械獣に至っては大抵1つは初見殺し要素を搭載している。最低難易度でもザコに囲まれれば簡単にあの世行き。最高難易度?正面から戦うのは阿呆のやることだと叩き込んでくれます。
アーロイのフォーカスを起動すれば敵の移動ルートを割り出せたり、弓矢を直撃させれば大ダメージとなる弱点部位を知ることが出来る。
機械から拾える武器の強化コイルを使い、弱点を突きやすくするカスタマイズも可能。

  • 草むらから口笛で一体ずつ呼び出し、暗殺スキルで各個撃破
  • 必中の矢を3本束ね撃ちして弱点直撃、即死させる
  • 巡回ルートにトラップを仕掛けて爆破
  • 炎の矢で燃料タンクを狙撃、爆発させて周囲一帯を巻き込む
  • ロープキャスターを撃ち込んで拘束、氷の爆弾で固めてダメージ倍加
  • 破砕の矢でパーツを破壊、転がった砲台を強奪してぶちこむ
  • スキルを取得して槍の衝撃力を増強、カウンターで叩きつけ昏倒させる……

プレイヤーの創意工夫で状況はいくらでも好転し、プレイスキルが成長すれば戦いそのものが楽しくなれる、しっかりした調整が行われている。
もちろん、戦闘エリアの概念がないオープンワールド故に、面倒だと思ったら迂回してスルーするのも自由。高所から一方的に狙撃したり、マップを巡回中の旅人達の所まで誘導して囮にしてもいい。ちなみに、死体からは素材が回収できる。鬼だ。
また、的は基本的にどれだけ怪しくても罠には気づかないので、フォーカスを使って巡回ルートを看破し、大量の罠を設置して勝手に死ぬようにもできる。
このゲームにおける「正攻法」とは、ありとあらゆる装備・状況を駆使して、安全に勝利する方法なのだ。「あるものはすべて使え!」
卑怯とは誉め言葉」がこれほど似合うゲームもないと思われる。
ちなみに、射撃武器の弾は機械獣の残骸などから採取できる素材で作成する必要があるのだが、(倒し方にもよるが)一番オーソドックスな「狩人の弓」以外は大体赤字である。特にワイヤーは品薄になりやすいことだろう。

エイムアシスト機能があり、多少軌道を外れても自動で修正されるため、狙撃が苦手な人でもプレイできる。難易度が上がると弱体化・無効化される。

ユーザーの傾向としては「慣れてくると歯ごたえがない。もっと強大な機械獣と戦いたい」というモンスターハンターな人と、「むしろこれこそが本当の意味でのモンスターハンターなゲームじゃないか?」と主張する人がいる。
ちなみに本作、PS4版限定でMHWorldと本当にコラボしており、何の因果かMHWorld側の超大型拡張コンテンツ『アイスボーン』で追加された「渡りの凍て地」が、本作の拡張コンテンツのタイトルである『凍てついた大地』と同じ寒冷地という共通点まである。

フォトモード

本作の隠れた評価点がこれ。いつでもリアルタイムで撮影モードに移行し、体力バーなど余計なものを省いた純粋な画面をPS4のスクリーンショット機能で撮影できる。
勿論ただのスクショ機能に留まらず、実際の写真撮影もかくやのエフェクト機能が設けられており、露光や色調まで自由自在に操れる。
ハマる人は本編以上にはまり倒すこのモード。公式サイトで行われたコンテストではプロのCGデザイナーも顔負けの作品がいくつも投稿され、大いに盛り上がりを見せた。



登場人物

ノラ族

東方の聖地に引きこもり、“大いなる母”を崇める自然宗教的な戒律の元に暮らす部族。子及び孫をなした女からなる30名の長老と、更なる3名の大長老を中心としている。領地の防衛を担う義勇兵集団はとても精強で、中型の機械獣なら一人で倒せる猛者揃い。
外界や古のものとの接触を毛嫌いしており(貿易は細々と行われている)、技術レベルは他の部族に比べてはっきり遅れている。そのくせ他民族を「信仰なき異端の者」と馬鹿にしており、カージャ族からは「未開の蛮族」呼ばわりされている。
許可なく聖地の外に出たり、殺人や盗みなどの罪を犯した者は、たとえ不可抗力であったとしても異端者として追放し、刑期が明けるまで一切の交流を断つ。これでも随分優しくなった方らしく、かつては異端者の迫害・追撃を徹底していたらしい。
当初はアーロイに対しても基本的に話しかけたがらないが、何かしらの罰覚悟で話しかけてくるものや女神に話しかけるという体裁で会話を試みるものなど、全員が揃って拒絶しているわけではない。
老婆でさえ「どうやって来たんだ、こんなところ」と言いたくなる場所に訪れている辺り、その身体能力は相当であることがうかがえる。多分、こいつらならSASUKEもクリアできる。

◆アーロイ(吹替:高垣彩陽/久野美咲)
主人公。赤毛の美少女……美少女? アニメ的な美少女ではないとだけ言っておく。
ハングリー精神の強いタフな女の子。幼いころから疎外されてきたため、部族への忠誠心は極めて薄く、この世界の人間としては例外的なまでに現代的な価値観を持つようになった。
狩りの腕前もさることながら、幼少期からフォーカスを通じて様々な機械に触れてきたためか、初めて聞いた古代の用語もすぐに理解できる天才。ただし、あまりなじみがなかった言葉まではすぐには分からない*2
聖地を離れて旅をする中で、その勇名はカージャにも轟き、「見えぬ物を見、機械を操る槍使い」として知られるようになる。

◆ロスト立木文彦
アーロイの育ての親。永久追放された異端者であるヒゲのオジサン。
異端の理由は決して誰にも話さない。

◆大長老ティルサ(沢田敏子)
ノラ族を束ねる優しいおばあちゃん。アーロイやロストにもやさしく接する数少ない人物。
戒律を最重要視する前時代的な点は他のノラ族と一緒だが、彼女は戒律の解釈を臨機応変に変えて最善の方法を導き出す、優秀な弁護士でもある。
本作随一の聖人。ただ、彼女もまたノラ族の人間であることには違いない。
逆に、ことあるごとにアーロイに敵意を向けてくるランスラという大長老もいる。様々な状況を踏まえればそれも分からなくはないのだが、アーロイにしてみれば理不尽な話である。

◆ヴァール
義勇兵の若者。離れ離れになった母・ソナの捜索をアーロイに頼み、以後しばらく同道する。
旅の中でアーロイの強さと人格に触れ、数少ない彼女の友人となる。アーロイの婿候補その1。
…とおもいきや続編で?


カージャ族

西方の王都メリディアンを中心とする、この世界の最大勢力。カージャ・サン王を頂点とする王政を採用しており、現在は第14代アヴァードが王位についている。
アヴァード王の改革によって開放的な体制に変わりつつあるが、基本的に自民族こそが最も優れた存在と自負しており、他民族を見下している。そのルーツをたどると「東方の蛮族から逃れてきた異端者」らしく、こうなるのもむべなるかな。
先代の狂王・ジランの治世では恐怖政治を敷くと共に、他部族への苛烈な排撃「赤の動乱」を起こしたため、特にひどい目にあわされたノラとオセラムからは憎悪の対象になっている。
ちなみに、カージャの書物などをスキャンすると「記号」というカテゴリに記録されるため、おそらく使用する文字が異なると思われる。

◆天照アヴァード(阪口周平)
若き第14代サン王。この世界の人間としては珍しく、アーロイと近い現代的な考え方の持ち主。
カージャの法律に記載されていた「純血のカージャのみ許される」とされていた権利を撤廃した。


◆狂王ジラン
物語開始時点で故人となっている、第13代サン王。初めは優秀な王だったがやがて心を病み、国を恐怖のどん底に叩き込んだ。
カージャが元々よその部族、とりわけ東方の部族を下に見る気質だったこともあり、上記の通りノラやオセラムを狙い撃ちにして攻撃していた。また、自分に楯突いたものは息子ですら容赦しなかった。
アヴァードの軍にメリディアンを攻められ、妻と子供を親衛隊に託して脱出させた後、アヴァードに引導を渡される。
一方で、亡くなったヘリスの家族を王家と同じ墓に入れることを許可するなど、狂っていても(怒りに触れなければ)かつてのまともだった頃の様子も見せていた様子。
ちなみに、実際の状況を考慮すると、実は彼の行っていた政策は機械獣の凶暴化を鎮静する最善手である。*3
あくまで沈静化させるのなら、ではあるが。

◆オーリン
メリディアンにすむ山師で、頻繁に古の遺跡を掘り起こしており、フォーカスを所持している。
王室ともつてがあり、道案内などを担当することも。ノラ族への使者を案内した時にアーロイと出会う。

◆アシース
王政公認の狩人ギルド「狩人の館」の長である「太陽のタカ」。
カージャ純血主義に染まっており、狩人の館の解放令を出したアヴァードを内心疎んでいる。
腕は確かだが、とにかくやり口が汚い。また、カージャの純血主義者で、よその部族に対してはひたすら口が悪い。

◆タラナー
狩人の館の「タカ」。解放令によって加入が認められた女性の狩人である。
恐怖政治の中で「太陽のタカ」だった父と、優秀な「タカ」だった兄を失っている。本人は血統主義を忌むべきものとしている。
やがてはアシースを蹴落として「太陽のタカ」につき、狩人の館の真の改革を進めるべく、優秀な弟子となる「ツグミ」を探している。

シャドウ・カージャ

2年前の動乱によりメリディアンを追われたジラン派の国民たち。北西の離宮・落陽の砦に立て籠もり、王都奪還を目指している。
砦の周辺には難民キャンプが広がり、生活状況は悪い。兵士たちの士気も下がりつつある。
最近はカルト勢力と手を組み始めたようだが…?

◆イターメン
アヴァードの異母弟。まだ幼い子供であり、実権は無い。

◆バハヴァス
イターメンの代弁者を務める祭司。実際の所、彼がシャドウ・カージャの最高指導者である。
ジランの治世で甘い汁を吸っていた彼ら祭司や貴族たちは率先して落陽の砦に脱出している。

◆ヘリス(星野貴紀)
王の親衛隊である「ハヤブサ」の長。本作随一の狂人で、影に仕える自らを選ばれし者と信じて疑わず、数々の非道に手を染める。


オセラム族

北方に暮らす職人集団。首都はクレイム。
カージャとの関係は最悪だったが、父王の魔手を逃れたアヴァードと、ヴァンガードの長エルサが意気投合したことで同盟を結び、ジラン打倒の一助となった。
現在はメリディアンに移住した者も多いが、やはり確執は根深く、クレイムの旧主流派との緊張状態が続く。
ちなみに、クレイムでは選挙に選ばれた代表者による話し合いで方針が決定されるのだが、罵り合いに発展したりでなかなか決まらないらしい。

◆エルサ
傭兵「ヴァンガード」の長。アヴァードとは公私ともに相棒と呼べる存在。
カージャとオセラムの間に立てる唯一の人材。しかし、現在は行方をくらましているようだ。

◆エレンド(宮内敦士)
エルサの弟。ヒゲの叔父さん。飲んだくれでイマイチ頼りないが、戦闘力は確か。
アーロイの婿候補その2。「アーロイ=美少女」の証言者。

その他

◆ニル(木下浩之)
山賊狩りに勤しむ流れ者の男性。だが実の所、山賊退治は建前で、単に生死をかけた戦いがしたいだけらしい。
アーロイとは山賊のアジト掃討で度々出くわすことになる。
かつてはカージャの軍人として虐殺に加わっており、後に自ら出頭して2年の刑期を終えて釈放された。
イベントを進めると彼と決闘することになり、殺すか生かすかを選択できる。ちなみに、続編に登場するので、正史は生かす方。

◆テクトゥーク
濡れ衣を着せられて追放されたバヌーク族の男性。行く先々で自らの無念と息子ヘの愛をつづった彫刻を残している。
これらの彫刻はバヌーク達の間で捜索対象とされており、メリディアンにはこれを探している人がいる。

◆???(堀内賢雄)
突如、アーロイに接触してくる謎の声。どうやら古代の技術に精通しているらしいが……?

古のもの

1000年の昔に滅んだ人々。名のある人物の記録の他にも、各地には有象無象の広告、ニュース、ホロ番組の記録が散らばっている。

◆テオドール・ファロ
通称テッド。かつての世界で隆盛を誇ったらしき大企業「ファロ・オートソリューション」の創業者。
ゲーム中ではファロ社由来の施設跡がたびたび出てくる。
簡潔に言うと、大体こいつのせい。

◆バシャール・マチ
ユタ~コロラドの各地に「ヴァンテージ」と名付けられたAR記録システムを残した男性。インド系。
ヴァンテージポイントでは「世界滅亡ダイアリー」として、彼の回想録を見ることが出来る。その人生は儚く、切ない。
「生き延びてこれを読むことになる人や、それ以外の存在がいるとは思えないけど、そうなろうとなるまいと、物語は確固としてここに残る。」



機械獣

大地を闊歩するさまざまな機械たち。このゲームの裏の主役。
彼らがなぜ誕生したのか、なぜその装甲は汚れなく輝くのか、なぜ機械の残骸や有機物を喰らうのか、その全ては謎に包まれている。
人間たちにとっては脅威であると共に、そのパーツは装飾や防具の材料になったり、はたまた狩人の腕試し相手になったりしている。

小さいのは大型犬サイズから、大型獣ともなるとトランスフォーマーかゾイドかと言わんばかりの化け物になる。
大まかに、周辺を警備する偵察型、そこら辺の地面を抉って何かを食べている草食型、資源コンテナを運ぶ輸送型、強靭な筋力や火炎放射器を装備した戦闘型に分かれる。
かつてはそこまで凶暴ではなかったらしいのだが、19年ほど前の「大異変」から攻撃性が増し、遂にはロケット弾やパルスレーザーを搭載した殺戮仕様まで現れるようになった。

更に、明らかに健康に悪そうな真っ赤な流体金属に覆われた「禍ツ機」も現れるようになり、各地を「穢れ」で汚染している。
禍ツ機は戦闘力が強化されているほか、垂れ流す穢れに触れると追加ダメージを喰らうため、戦いづらい難敵と化している。


以下、代表的な連中を抜粋。

◆ウォッチャー
小さな恐竜みたいな偵察型。いちおう一番ザコなのだが、他の機械と群れると途端に脅威と化す。また、役割が偵察なのでこちらを発見するとまず周囲に知らせる。
迂闊に槍で殴りかかり、手痛い反撃を受けるのは初心者プレイヤーのお約束。
目玉を狙えばほぼ即死、強化した矢の束ね撃ちなら胴体直撃でも確殺できるが、ダメージを激減させる装甲版が意外と多い。

◆ソウトゥース / ラヴェジャー
虎型の中型戦闘獣。『ゴッドイーター』シリーズでいうシユウかヴァジュラ的ポジション。歩行音がかなり特徴的。
機動力に優れ、弱点も狙いづらい場所にある難敵。出が早く当たり判定も大きい飛びつき→ひっかきのコンボで即死するのは初心者プレ(ry
槍を強化すれば強攻撃1発で転倒させられるが、そこまで育っていない場合は、トラップワイヤーをばら撒いて遠距離戦に徹するとよいだろう(むしろその方が本作らしい戦い方といえる)。
ラヴェジャーはソウトゥースの格闘能力はそのままに、パルスレーザーと放電機能を追加した強化仕様。群れて現れた時は死を覚悟した方がいい。

◆シェルウォーカー
街道をよく歩いている、シオマネキ型の小型輸送獣。背中に背負った大きなコンテナが可愛い。
しかし、その実態は高い自衛力を備えた予期せぬ強敵。左腕からのバリアで攻撃を防ぎ、右腕からは弾速こそ遅いが高精度の電撃砲を放ってくる。
近距離での飛びつき速度も意外と速く、連続で叩き込んでくるため下手をすると一撃で死ぬ。死角に逃げても全周放電攻撃で対応する。
背中の固定ラッチを破壊出来ればコンテナを落っことし、その確保に躍起になる。この状態で倒せばコンテナの中身を追加で入手できる。
放っておくと(中身奪取後であっても)コンテナを回収して背中に戻すが、ラッチが壊れているので右手を使って固定する。そのため、右手を使用しなくなる。
こいつとベヒーモスという機械獣が輸送型に含まれるのだが、名前でお察しの通りベヒーモスも強い。輸送型は弱いという幻想をぶっ壊してくれる連中である。

◆ストーカー
主に密林地帯に生息する、ヒョウに似た小型戦闘獣。フォーカスですら感知不能の光学迷彩、高威力のテイルブレード、そして長射程のスナイパーガンで確実にこちらを殺しにかかる暗殺者。おまけに複数で現れることが多く、囲まれて嬲り殺されるのは初心(ry。
また、接近者を感知するセンサーマインを縄張りに大量に設置しており、うっかり作動させるとたちまちロックオンされる。
テイルブレードはウルトラハードであれば耐性無しなら一撃で死ぬというすさまじい威力を持つ、まさに暗殺者である。
実は電撃耐性が低く、強化した電撃爆弾スリング2発で昏倒する。その隙をついて各個撃破するといい。
センサーマインも、起動させるととりあえずその近くに集まってくるという性質があるため、周辺に罠を設置してから起動即離脱することで安全に処理することも可能。
ちなみに、機械獣同士だとステルスは意味をなさないようである。

◆グリントホーク
鳥型の小型偵察獣。矢で狙いづらい、感知範囲が広い、基本群れていると、これだけで倒しづらいことがわかるウザい奴。
腹部の冷凍砲を破砕の矢で潰せば、辺り一帯に冷却液をばら撒いて凍りつく。弓矢が苦手なら、いっそのこと耐冷の薬を飲んで無視してしまってもいいだろう。
矢を3本まとめて打てるトリプルショットが使えるなら、炎の矢を叩き込んでこんがり焼くのも手である。

◆ストームバード
戦闘型機械獣の上位に位置するワシ型の機械獣。上記のグリントホークよりもさらに巨大かつ重武装で危険な相手。
ライトニングガンによる爆撃や翼のジェットエンジンによる加速による急降下攻撃など、その攻撃力の高さと危険度はサンダージョーにも引けを取らない。
一方で低高度にいるときにロープキャスターで縛り上げて動きを封じれば比較的簡単に処理することができる。

◆サンダージョー
戦闘型の頂点に君臨する恐竜型の大型戦闘獣。パッケージにも描かれている本作の顔。
両顎のパルスレーザー、背部から放つディスクランチャー、直撃すれば即死もあり得るテイルブレードを始め、12種類もの猛攻をかけてくる。
実はゲームバランス面でかなり考えられており、初見では倒すまで15分かかった上に回復薬を使い切ったというプレイヤーでも、装備を駆使すればほぼ無傷で3分クッキングできるようにもなる。戦闘スキルを向上させるにはもってこいの相手であり、サンダージョー先生として親しまれている。
ある場所には2体配備されている。はたから見ると絶望的であるが、もしオーバーライドできるなら…わかるな?
造形的にもとにかく手が込んでいる。3Dポリゴン数55万 、アニメーション271種類、ビジュアルエフェクト67種、被弾アクション60種類……と、これだけで初代PSゲームが一本作れそうなほど。

◆ロックブレイカー
サンダージョーやストームバードと並んで戦闘型機械獣の上位に位置するモグラ型の大型機械獣。
実は作中最強クラスの機械獣。その巨体ゆえに攻撃力も高く、潜口竜よろしく足元からの奇襲や巨体を活かしての突進、岩飛ばしなどすべての攻撃が致命傷となりうるので危険。
一方で地面からの奇襲攻撃は音を頼りにしているので、離れた地点に爆裂の矢などでおびき出すとそちらの方に向かっていくという習性があるのでうまく利用しよう。
ちなみに作中のとあるエリアで禍ツ機のロックブレイカー2体と戦うというサイドミッションがあり、そこは作中屈指の難所。

◆コラプター
中型の戦闘獣。高い走破性を誇る六脚と、長い尻尾状のマニピュレータを備えた、他の機械獣とは明らかに一線を画する機体。
頭部の火器を乱射し、高い跳躍力であらゆる地形を越えて迫ってくる。おまけにマニピュレータからは穢れの力を発射し、周辺の機械獣を禍ツ機に変えてしまう。
これだけのスペックを誇っておいて、実は偵察機。そのため、結構な速度でうろうろしており、狙い撃つのに苦労する。
熱に弱く、炎ダメージを与え続けるとオーバーヒートして弱点を晒してしまう。
フォーカスさえあれば意外と制御しやすいらしく、カルト団体が発掘してよく従えている。

◆鉄の悪魔
山頂で動かなくなっている超巨大機械を指すノラ族の言葉。遠目からでも巨大な触手がのたくっているのがわかる。
ノラの伝承では大いなる母によって滅ぼされたとされている。


古代の世界

◆フォーカス
ギターピック状のウェアラブル端末。目の後ろ・耳の間に吸いつくように装着される。
軽くタップするだけでARホロ画面が展開し、各種アナライザーが作動。機械の調査や、足跡や血痕などの捜査が行える。
複数個が揃っていれば3Dホロ映像によるビデオ通信も可能。更にUSBメモリのような情報記録装置としても扱える万能マシン。
アーロイが見つけられたのは1つだけだが、古の世界では結構普及していたらしく、オーリンを始めとした遺跡掘りの中には所持している者もいる。
ちなみに、カージャの祖先がノラを追放されたのもフォーカスを発見したことがきっかけの様子。

◆オーバーライド
要は機械獣のハッキング。
これも古代の世界で用いられていた技術らしく、フォーカスでオーバーライド端末を確認すると「軍用レベルのオーバーライド~」といった表記が出てくる。
ちなみに、オーバーライトではなくオーバーライドであり、プログラミングにおいて「継承」と呼ばれるものである。
事前に外部から変更可能な余地が用意されたプログラムに対し、任意の変更を施したプログラムへと再設定する。
つまり、ガチレベルのクラッキングが壁をぶっ壊して中に侵入するのに対し、オーバーライドは元々存在している入り口から入って受付で可能な変更をお願いしている、という形である。
機械獣に対して同士討ちさせるのが精々で「機械炉を破壊しろ」のような命令を出せないのは、外部介入不可能な部分の変更が必要であるためと思われる。

◆ウィチタ戦線
冒頭、チュートリアルイベントの中に出てくる言葉。幼少のアーロイが見つけた古代の書き置き(フォーカス対応のログチップ)に記されていた。
アーロイが迷い込んだ建物はどうやら避難用シェルターだったらしく、「敵」に包囲された人々は当てのない脱出か、安楽死かの決断を迫られていたようだ。
文明崩壊の原因が薄々察せられる。

◆ファロ・オートソリューション
テッド・ファロが起こした会社。デンバーの辺りに本社があったらしい。
ユタ州近辺にはこの会社の施設がいくつか残されている。
一代でロボット事業で世界トップに躍り出た大企業。また、家電なども取り扱っていた。
自動化に力を入れていたらしく、仕事を奪われた国民はまったり暮らすか中国に働き口を探しに行くかしていた様子。


余談・その他もろもろ

●アーロイのモデルは女優・Hannah Hoekstra。ぶっちゃけモデルの方が可愛い。
アーロイが「ゴリラ」「長く見続けるとかわいく見えてくる」「男らしくていい」などと言われるのは、あのサザエさん的な盛り髪のせいかもしれない。

●使用されているゲームエンジン「DECIMA」は、本作用に新規開発されたもの。
オープンワールド初挑戦のGゲームスは、これを作るために新しい社員を引き抜いたり、コジマプロダクションと提携したりと、かなりの苦労を重ねたらしい。
本作発売時点で開発中のコジマプロダクションの新作にもDECIMAエンジンが搭載される予定。

●「地平線:ゼロからの夜明け」というタイトルは、新たなる領域へと進出するGゲームスの決意を込めたものでもある。







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最終更新:2024年03月21日 20:47

*1 オーバーライドには機械獣によって乗り物にできるタイプと近くの機械獣に積極的に攻撃するタイプがあり、後者は近くに敵がいないと普段の行動に戻る。

*2 作中では、「ネットワーク」という言葉は知らなかった。

*3 機械の凶暴化は簡潔に言うと人間が機械を狩るからであり、機械の神格化と積極的に狩る他部族の弾圧・殺戮は機械が狩られる機会を大きく減らすことになる。