SCP-042

登録日:2017/10/22 Sun 20:57:50
更新日:2023/10/08 Sun 06:45:55
所要時間:約 6 分で読めます




SCP-042とは、SCP Foundationが収容しているSCPオブジェクトである。
項目名は「A Formerly Winged Horse / もともと翼があった馬」。


特別収容プロトコル

SCP-042のオブジェクトクラスはSafe。
現在SCP-042は生物研究エリア-32のパドックに最低限の保護措置のみで飼養されている。
今現在は脱走を試みる様子は見られないが、保護基準は常に維持するようになっている。そりゃそうだ、SCPなんてSafeでも放っておいたら世界を滅ぼすようなのなんてザラだし、或いは本当に人畜無害だったとしてもその異様な特性や見た目で周囲が大騒ぎになる奴らばかりだし。

ただ、こいつの場合は放っておいても大騒ぎで済むようなブツでは無く(大騒ぎになる時点で問題だって?)、
ちょっとばかり厄介な点があるようだ。
こいつの放牧エリアに草生やす試みはことごとく失敗している。
何故かと言うと、こいつが踏みしめたところから地面が干からびていくためである。
事前に水撒いてようが。まあこんな理不尽さはSCiPの業界ではよくあること。
とは言え、水を加えたときに一体何が起こっているのかわからない故、給水計画は中止されている。
もしかしたらどっかのキラーウォシュレットみたいに地下水そのものにまで影響を与えてしまうって可能性もあるし。
そういう点もあるため、放牧エリア周辺の地下水位は常に監視することとなっている。

SCP-042の相手をするスタッフは、調教師・獣医・厩務員、管理スタッフで構成される。
但し放牧エリア内に入る際には「何か」(編集済であり詳細不明)を含めた徹底的な検査を行う。
また、武器或いはそれに準ずるものを持ち込んだスタッフはナニカサレル(=編集済)ようだ。

職員はいかなる形であれSCP-042との接触を行った後は、毎週一回の心理的スクリーニングを行うこととなっている。
また、SCP-042の背中にある傷を観察しようとする職員は、これまたいかなる形であれ監視を受けることとなっている。これはSCP-042を安楽死させようとすることを防ぐためである。
財団の理念は「確保、収容、保護」なのだから。



解説

放牧とかパドック、或いは厩務員とかで多分察した人も多いと思うが、SCP-042とはお馬さんのSCiP。
毛色は白毛(いわゆる白馬)、体高は18ハンド=約183cm・体重は710kgと、かなりの大柄である。
どれくらいでかいのかというと、馬の品種では最大となるシャイヤー種の標準的なサイズ。
但し体重に関しては、以前よりもだいぶ減っている。これは運動不足による萎縮と、食事を拒絶しているためである。
そのため財団は彼(或いは彼女?)に無理やり流動食を与えることでなんとか生きながらえさせている。
SCP-042の背中には2つの突出した骨が見られ、それらは強力な筋肉組織に繋がっている。これらの骨は背から37cmのところで途切れており、開いたままの皮膚の傷から露出しているという生々しい様相。
この傷に関してはかさぶたこそ出来ているものの、未だに治る気配は無いようだ。

SCP-042は常に無気力な様子を見せている。
それこそ熟練の調教師が誘おうが反応を見せないほどに。
食事や用を足す以外は基本的に横たわったまま。
一応、痛みによる条件付けで動かすことは出来なくはないようだが、その後すぐに寝てしまう。

SCP-042の知能に対する見解は、研究者の間で分かれているらしい。
タダの動物に過ぎずそれほど高度なものは持ってないという者もいれば、実は高知能なことを隠しているという者もいる。
(ちなみに馬の知能は人間で言えば三歳児相当と言われている)
彼or彼女は人間が放牧エリアに入ってくるとアイコンタクトらしい仕草を見せるが、これは多くの人々からは『何かを懇願しているようだ』と見えているとか。
また、彼or彼女は数回の事故で怪我をしているものの、これが「知性がある」派からすれば「ありゃあ明らかに故意に起こしたものにちげぇねえ、故意に事故を起こす時点でコイツ実は頭いいんじゃないか」ということになっているらしい。

えっと…確かギリシャ神話辺りに羽の生えた馬いたよね?
そいつって確か地面蹴るとそこが泉になるんだよね?
あっ…(察し)



補遺

P博士(イニシャル以外は黒塗りで不明)がSCP-042を生物研究エリア-4に移送したいと言う要求が█/██/19██に申し入れられ、O5-5により承認されたことがある。
だが、ここでP博士はどういうわけか彼or彼女をクルマではなく飛行機で輸送するようにと、文書を改ざんしてしまう。
「なんかクルマじゃなくて飛行機になったけど、まあいいか…」と言ったかどうか知らないが、
とにかくSCP-042を空輸中に事件が起こった。
P博士がパイロットを殴り飛ばして飛行機を奪った後、機体を急降下させたのだ。
当然、機内はその後に保安要員が水平飛行に移すまで、一時的な無重力状態。
P博士を拘束し、なんとか機体を着陸させたのだが、その後に貨物室にいたSCP-042が脱走した挙句に博士を取り押さえていた保安要員を蹴り殺した。
で、監視カメラの映像を見ていくと…。
P博士に近づくSCP-042。
次は博士の番かと思いきや、SCP-042はP博士に鼻先すりすり。うらやますぃ。
SCP-042にすりすりされている間の博士は随分と幸せそうな表情だったものの、応援に来た保安職員がSCP-042を鎮静ダーツで眠らせると、P博士は緊張状態となった後で崩れ落ち、そのまま意識不明になり回復することはなかった。
P博士の行動に関しての聴取が行われた後、P博士は財団の医療部門により██/██/19██に安楽死させられた。



余談

ブライト博士のしてはいけないことリスト」には、
「SCP-042をブロニーにすることは事態を確実に悪化させる」なんてことまである。

とあるTaleによれば、彼女の本名はカミーユと言うらしい。
…サーカイトとの決戦でTH-G Mk.IIのパイロットをやってる、なんてことはないよな。



財団闘!馬ッシュブラザーズ

さて、SCP財団にはだのだのだの色んな意味で"濃い"動物さん達がいるわけだが、
馬だって例外ではない。
以下、そんな財団のキワモノお馬さん達を簡単に紹介。

  • SCP-1156(通称:驚異の馬・ウエリントン)
本部が収容しているSCiP。
財団に「職員」として雇われる形で収容されているトンデモ馬。
人間の言葉(イギリス英語)を話すわ、人間並みの高知能を備えているわ、
挙句の果てに念力を使って服を着るという人間臭さ全開のお馬さん。何だただのマイリトルポニーか。
元々MC&Dに捕まっていたのだが、MC&Dの施設を財団が襲撃した際に確保され、財団に「雇われる」という形で収容された。

血統不明の謎のサラブレッド。
ケンタッキーダービーで優勝して5年経過するととんでもない速度で爆走するヤヴァイお馬さん。
とある博士が収容方法の変更を提案した結果…。
「世界崩壊の要因となりそうな要素はないが、収容不可能になったからKeter」という珍しいSCiP。

  • SCP-963-JP(通称:ダラスの冗談は馬も食わない)
二ヶ月に一度、月まで高速で往復するする骨の馬。
運動エネルギーは電気に変換して放出するため、移動の際に衝撃波が出ない代わりに落雷が起こる。どこのポケモンだよ。
性格は人懐こいが、乗ろうとすると蹴られる。
問題なく生きていたときはある人物に飼われていたらしく、その人物の遺体が月面から発見されている。
ちなみにこの人物、1963年の11月19日に亡くなったのだが、アメリカ政府により世間では22日に死亡したことになっており…。

  • SCP-973-JP(通称:エターナル・ダークホース)
日本支部が確保?しているオブジェクト。
様々な競技にしれっと乱入してくる謎の馬。
しかも認識災害を有しており、周囲は不審に思うことはない。
おまけに各種競技ではほぼ常に好成績を残す。
そして、書道大会に彼が乱入した際に、「自身を表すもの」というお題に応えて書いたものとは…?




SCP-042の背中の傷が何か察した人は追記修正をお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-042 - A Formerly Winged Horse
by xthevilecorruptor
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SCP-1156 - Wellington the Wonder Horse
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SCP-963-JP - ダラスの冗談は馬も食わない
by horuten777
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SCP-973-JP - エターナル・ダークホース
by perry0720
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生き物プロフィール: シガスタン!
by stengan774
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最終更新:2023年10月08日 06:45