死霊のはらわたシリーズ

登録日:2017/12/10 Sun 07:04:23
更新日:2022/12/04 Sun 18:29:12
所要時間:約 4 分で読めます




概要

あの「スパイダーマン」三部作で有名なサム・ライミ監督の超B級スプラッターホラーシリーズ。
というか、スプラッターホラーブームの嚆矢になった作品であり、未だにその筋では伝説の一作。
好評だったためか、続編もいくつも作られているが、実は設定がコロコロ変わっているため続けて見ると話が繋がらなくて混乱するかも。

なお、タイトルが似ているが、『死霊の盆踊り』とは全く関係が無い。
あちらはB級どころかZ級である。

因みに、スプラッター&ホラー好きからは『2』以降“どうしてこうなった…”と思われがちであるが、ぶっちゃけると元々サム・ライミはスーパーヒーロー好きでアクション志向の人だったというだけの話である。
そして、主演にして中学時代からの友人であるブルース・キャンベルも出会った頃から撮影に協力してきたという経緯があり、本シリーズに於いて本当にプロの役者として認められるまでにしてしまった訳である。(才能があれば子供同士のお遊びも本物になるのだ。)


アッシュ・ウィリアムズ

本シリーズの主人公にして 地上最強の日用品係 。演じているのはブルース・キャンベル。
スペック的には「ごく普通の一般人」としか言いようがないのだが、 なぜかゾンビや怪物相手には異様なまでに強い という謎の主人公補正を持つ。
普段はSマートというスーパーマーケットの日用品係として働いている本当に普通の人。
だが、一度化け物が現れるや否や、 チェーンソーショットガンを自在に操り無双をかます ゾンビハンターと化す。
また知識や技術も半端ではなく、 アーサー王伝説の時代に教科書レベルの知識を参考に蒸気機関の自動車や金属製の義手 を作っている。
しかし精神的には未熟というか、 調子に乗りやすい ところがあり、肝心なところで大ポカをやらかす傾向がある。

……とはいうものの、上記のパーソナリティが設定、確立されたのは3作目の「キャプテン・スーパーマーケット」から。
1作目では 比較的おとなしい性格の常識人枠 だし、2作目でも色々吹っ切れた感はあるものの割と真面目な青年である。
異変に巻き込まれる前の彼、それこそ職業などについてもほとんど語られず、代名詞のチェーンソーに至っては 1作目ではむしろ使用を避けている くらいであった。
逆に3作目での軽薄なタフガイっぷりこそ異常だったわけだが、そのインパクト故か、彼と言えばキャプテン・スーパーマーケットというイメージは根強い。

本シリーズを語る上ではこの主人公の存在は決して外せないだろう。
後には、ジェイソンフレディとも肩を並べるホラー映画界のスターとして捉えられたり、はてまたランボーの様なアクションヒーローの仲間としても見られたりして、コミックやゲーム、フィギュアの世界で共演していてりする。
大抵は片腕にチェーンソーを装備し、背中にショットガンを背負った“キャプテン・スーパーマーケット”仕様。


シリーズ作品

死霊のはらわた

原題は「EVIL DEAD」。原題の雰囲気絶無な邦題はこの当時の流行り。
「山奥の別荘で休暇を楽しもうとやってきた5人の若者が怪しい魔術書*1と呪文が録音されたテープを見つけてそれを興味半分に再生してしまい…」という超王道のシナリオ。
最初に殺されるのがビッチなのはもうテンプレと言ってもいいだろう。

何分自主製作でかつ古い映画なので今見ると特撮がチープなのは否めないが、職人芸的特殊メイクは見もの。
どう見ても体の体積を上回るようなありえない出血量 などの過剰極まりない演出はここから始まった。むしろ一周回ってギャグと化しているとも
2作目以降は方向が転換されているため、 「ホラーとして見ると一番怖いのは一作目」 という意見は多い。
ラストはかなりのバッドエンド。


死霊のはらわた2

前作の好評を得て作られた続編。
ただし、設定的には前作のリメイク であるため、前作ラストでアッシュがどうなったのかは実は 完全に謎 となっている。
なお前作のシナリオは 圧縮に圧縮を重ねてほぼ開始10分で消化 してしまい、後はオリジナルな展開になるため、前作を見ていても十分楽しめる。

開き直ったのか、ホラーよりはエンターテイメント、アクション映画としての色を濃くしている。
映画中盤の「死霊と化した自分の腕と死闘(?)を演じるブルース・キャンベルの一人二役」は必見。


キャプテン・スーパーマーケット

原題は''「ARMY of DARKNESS」''。副題として「死霊のはらわた3」が付いている。いくらなんでも原題の雰囲気皆無すぎるだし、舞台は終始古代ヨーロッパなのでスーパーマーケットのシーンは劇場公開版の最後しかない
ストーリー的には前作のラストで 異次元の穴に飲み込まれてしまいアーサー王の時代に飛ばされてしまったアッシュ のその後を描いているもの。
しかし、なぜか前作のラストシーンとは全く話が繋がらず、またも設定がリセットされてしまっている。そのため邦題が変更されている。

もはや ホラー要素はほぼ皆無 なコメディアクション映画と化している。一応スプラッターシーンもあるが…。
しかし、「過去の時代に現代技術を持ち込んで俺TUEEE」系のストーリーとしては王道もいいところであり、話の筋自体はよくできている。
また、意外と時代考証はしっかりされており、その辺の評価も高い。
単純なポップコーンムービーとして見る分にはかなり面白い作品であり、ストーリー的に前2作を知らずとも大丈夫なので、とりあえずこれから見てみるのもいいだろう。本作から1に戻ると雰囲気が違いすぎてショックを受けるかもしれないが。

また、別エンディング(映画)が存在する映画としても有名。
そしてこの手の作品としては珍しく、配給会社がごり押しで作成させた劇場公開版エンドの方が人気が高い。
確かにディレクターズカット版はあまりに救いがないので、映画としては劇場公開版の方が正解だろう。


EVIL DEAD THE MUSICAL〜死霊のはらわた〜(2003)

カナダで制作され、後にアメリカなどで輸入上演されたミュージカル。舞台なのに血がドバドバ飛んだりする。
2009年には日本版も制作され、元光GENJIの諸星和己がアッシュ役を演じた。


死霊のはらわた(2013)

第一作のリメイク版。またかよ
監督の強いこだわりで 現代の映画なのにCGはほとんど使われていない という怪作。
細かい設定が色々と変わっており、登場人物も増えているため、ほとんど別物と言ってもいいだろう。
しかしラストシーンでは…

死霊のはらわた リターンズ

キャプテン・スーパーマーケットから30年後を描いたTVシリーズ。
完全にホラーコメディと化しており、久方ぶりの新作にアメリカ全土のファンが沸いたとか。





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最終更新:2022年12月04日 18:29