常闇ノ皇

登録日:2011/06/30(木) 09:49:02
更新日:2023/12/01 Fri 14:42:56
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常闇ノ皇(トコヤミノスメラギ)

この怪物と日の神との死闘は永きに渡った。
その神の戦いを記す書物には、次のような一説が記されている。

常闇ノ皇は全てを無に帰せんと大地を割った。日の神はそれを許さず画龍にて正した。
日の神はその力で常闇ノ皇を断ち切ろうとしたが皇は輪になって防いだ。
月の光を浴びせると光が刃となって常闇ノ皇を両断せしめた。
常闇ノ皇が火を噴き雷を吐けば、日の神は一閃にて返し一進一退の戦いが続いた。
常闇ノ皇は考えを読まれぬよう素早く思考をめぐらし回したが、神は時を惑わしそれを防いだ。
日の神が雷を落とすと常闇ノ皇は種を吐き出した。ところが瞬く間に引っ込めてしまったので
日の神は「これぞ皇の核なり」と、吹雪の神業をもって閉じ込めた。

結局伝承に語られる物語の中では日の神と常闇ノ皇の決着は記されていない。
元から無いのか失われてしまったのか?
ともかく最後には次のように記されている。

闇が全てを覆うとも忘れてはならぬ。闇を祓う光明の暖かき温もりを。
祈りは力なり、力は祈りなり。


【概要】

ゲーム「大神」のラスボスとして登場する大妖怪。
「このオレに『空亡(全てを滅ぼすもの)』という別名があるような気がしていたが 別にそんなことはなかったぜ!」

月の民によって造られた箱舟ヤマトに潜み込み、
大量の妖怪と共に神々の國タカマガハラを襲い、更には箱舟に逃げ込んだ天神族を虐殺。
ヤマトを下界であるナカツクニに墜落させ、妖怪達によって平和を汚し、闇の國を作り上げんとした全ての妖怪の頂点に君臨する暗黒の君主。

百年に一度訪れる『玄冬の蝕(日食)』を箱舟の中で待ち続けながら、己の反存在で最大の敵であるアマテラスを抹殺するために、
スサノオを操り百年前に封印されたヤマタノオロチを復活させ、再び恐怖でナカツクニを覆い闇の者達を勢いづかせた。
オロチが倒された後も、その怨霊を利用してエキビョウにキュウビ
双魔神と次々に災いの種を撒き散らし玄冬の蝕の日ヤマトの最深部にて遂にアマテラスと対峙する。
それまでに登場した妖怪たちとは一線を画す機械的で無機質な体から、
軍事兵器のように様々な攻撃を繰り出し、アマテラスの力の源とも言える筆神を全て破壊。
後一歩のところまでアマテラスを追い詰める。
しかし、イッスンによって広められた
神を信じ感謝する人々の想いを受け復活、本来の姿となったアマテラスに敗北し消滅する。


西安京のカラクリ技師、ゲンナイによれば常闇ノ皇は全てのカラクリの元であるとのこと。
月の民が作った箱舟ヤマトも表面に施された模様から同じ技術(もしくは月の技術も常闇ノ皇を元にしていた)で作られた物を推察出来る。
(予想の範囲を過ぎないが常闇ノ皇の体は月の民にが作ったのではないか、という考えもある。)
機械の体内部には海豹と魚を合わせた(またはコイツ)ような姿を持つ、常闇ノ皇の本体といえる者が存在し、
この者はアマテラスや筆神達にある、神のくまどりが有ることから、アマテラス達とは違うベクトルの神の一種ではないかと思われる。
因みにこの本体らしきもの、よく見てみると直接アマテラスの攻撃を受けた時に慌てているのか、
金魚鉢の中でパタパタと手? を動かしている……可愛い……。
ゲーム中の戦闘では5種類形態が存在し、一定量のダメージを与える事で各形態につき入手した順に3つずつ筆業を取り戻しながら戦う。


◆第一形態

赤い模様が入った姿でハンマーで床を壊したり大量の埴輪ミサイルを放ってくる。
壊された床は放っておくとフィールドが狭くなり、落ちてダメージを受けてしまうので、早めに筆業『画龍』で修復しよう。
また、のこぎりを出して高速で突っ込んでくる攻撃には注意が必要。

◆第二形態

緑模様の宙に浮かぶ姿で第一からの変形直後に、
回避の難しい火炎体当たりを使用してくるので予め、走ってスピードを付けておくと回避がしやすい。
また輝玉で本体を露出させた時に、攻撃に集中しすぎて挟まれないように注意。
筆業『月光』を使うと……。

◆第三形態

青いスロットマシンになる。
一閃でスロットの目を止める必要があり、止まった目に対応した行動をする。
筆業を取り戻すには常闇ノ皇のマークを合わせなければならないが、多少のダメージを与えれば目押しする事なく勝手に揃う。
(この形態から取り戻せる筆業『霧隠』を使うと最初の数回だけ卑弥呼の幻影があらわれ、体力回復アイテムをくれる。)

◆第四形態

鞭状の腕を持つ黄色の二足歩行ロボットに変形。
ビームや腕を振り回す攻撃のスピードが速いので注意が必要。
腕を振り上げ衝撃波を放つ際に、筆業『迅雷』を当てて気絶させる事が出来、
更に『吹雪』を使えば卑弥呼の様にオキクルミの幻影が出現、攻撃に加勢してくれる。

◆最終形態

球体の表面が展開する形で、巨大な手を生やした姿に変形する。
いままで使ってきたものに似た攻撃なので回避は容易。
注意すべきはフィールド全体を闇で覆い隠し、
アマテラスの墨ビョウタンを0にする攻撃(攻撃後、墨ビョウタンは徐々にに回復)。
だが、世界が何度闇に包まれようと必ず太陽は昇るのである。
Let's フルボッコ。
大神のほかに『タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』にもラスボスとして第一、第四、最終形態の3形態が登場。
最終形態における戦闘BGMは「太陽は昇る」が原曲のまま使用されているが、やはりコイツにはテーマ曲の「常闇ノ皇」が一番似合っている気がする。


【余談】

設定画集「大神絵草子 絆」では、
『デザインした時は空亡という名前だった。真珠庵の妖怪絵巻で最後に登場し、全ての妖怪を踏み潰すという、まさに最強の妖怪。空亡は干支で0番という番号があり、デザインも○をテーマにした、大神最強にふさわしい敵』
と書かれている。

しかし「空亡」は妖怪ではなく、干支の思想における「不運の時期」や「凶方位」を意味する言葉である*1
また、真珠庵の百鬼夜行絵巻には妖怪の名が添え書きされてはおらず、絵巻の最後に現れる赤い半円は、闇夜を振り払い妖怪を祓う日の出、あるいは尊勝陀羅尼の火炎というのが民俗学における定説になっている。

おそらく百鬼夜行のイラストを使った『陰陽大戦絵巻』のトランプでこの絵のカードが「空亡」という名称だったのを元に誤解したのではないかと思われる。
荒俣宏による解説文をかいつまんで説明すると、百鬼夜行に対応した時刻盤における空亡の時刻には百鬼夜行という状態に隙ができるらしく、そのタイミングを狙って太陽が百鬼夜行を終わらすというもの。
妖怪絵巻のラストについて詳しく知りたい方はこちら: 小松和彦 『百鬼夜行絵巻の謎』 集英社、2008年



追記・修正は箱舟ヤマトに忍び込んでからお願いします。

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最終更新:2023年12月01日 14:42

*1 生年に対応した年盤における空亡が、いわゆる「天中殺」である。0学という占いでは「0地点」。