カバディ

登録日: 2018/02/20 Tue 03:39:12
更新日:2020/10/02 Fri 16:25:11
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カバディ(Kabaddi)とは、インドの国技。
一言で言うと、スポーツ版鬼ごっこ。知らない人からの印象は「ひたすらカバディ連呼する変なスポーツ」。
ただその本質は格闘技に近い部分もある。

概要

大抵のスポーツが人間同士の争いから生まれた歴史を持つのに対し、このカバディは 素手で動物を捕獲すること が発祥になっているという衝撃の歴史を持つ。インドすげぇ。
ルールの元になっているのは、なんとインド二大叙事詩の一つ「マハーバーラタ」。恐ろしく壮大なバックボーンを持っているスポーツなのである。

日本国内での知名度は高いとは言えず、部活動のある学校も極めて希少。ただ英語の教科書に載ったりしたことはあるので、全く知らないという人も少ないのではないだろうか。
最近では少しずつ全国大会が催されたりもしている。

ルール

まず、フィールドは男子13×10m、女子11×8メートルと数あるスポーツの中でも比較的狭い方になる。
しかもこのフィールドを中央で二分し、その中に1チーム7人の選手が密集することになるのだから、人口密度は極めて高い。

制限時間は男子20分ハーフ、女子15分ハーフが公式ルール。

攻撃と守備

野球のようにカバディでは明確に攻撃側と守備側が分かれて交互に交代しながらゲームを進めていく。
ただし試合終了は時間制であるため、そういう意味ではアメフトやラグビーにも近いか。

攻撃側

攻撃側はチームの中から一人「レイダー」と呼ばれる攻撃手を選出する。レイダー以外の選手は攻撃時にできることはない(指示を飛ばすだけで反則になる)。
レイダーがやることは、守備側に入って敵にタッチして帰ってくること。 ただし、攻撃している間は常に「カバディ」と連呼していなければならない (これを「キャント」と呼ぶ)。
当然キャントしている間は呼吸ができず一度でもキャントを止めると得点権を失うので、レイダーの攻撃可能時間は肺活量に左右される。この「攻撃時間の不定さ」がカバディの特徴と言える。

守備側のチームにタッチした数だけ点数が入る。ちなみにタッチは「どこか体の一部が接触すればOK」。極端な話足で足に触るのでも構わない、というかレイダーのテクニックの一つ。
また、守備側が6人以上いる場合は敵陣の最奥(ボーナスライン、男子の場合中央から4.75m)にまでたどり着けるとそれでもボーナス1点が得られる。
ただしいずれも「自陣に 指一本分でも 帰りつくこと」が最低条件。帰れなければ攻撃失敗になり、敵チームに1点が入る。
また、レイダーが守備側にタッチせず、ボークライン(男子の場合中央から3.75m)も越えずに自陣に戻った場合はやはり攻撃失敗になる。(ボークラインを越えて、敵にタッチせずに戻った場合は単に0点の攻撃となる)

守備側

守備側の7名は「アンティ」と呼ばれる。目的は上記レイダーのやることをとにかく阻止すること。こちらはキャントする必要はない。

意図的に殴ったり蹴ったり投げ飛ばすのは反則となるが、掴んだり抑え込んだりする(キャッチング)のはOKなので、時にラグビー顔負けの激しいぶつかり合いが繰り広げられることも。
また、守備側は相手レイダーを掴んで相手陣地に返さなければそれでも得点を得られるので、積極的に捕まえていくことも戦略。しかし、当然捕まえることも(体が接触しているので)タッチにカウントされるので、捕まえに向かってそのまま逃げられたら逆効果。

一気に抜けられないためにアンティは何人かで手を繋ぐ(チェーン)という体勢を取るのも特徴。しかしこれが特に男子だと妙に気恥しいとか

アウトとローナ

簡単に言うと、「得点された選手はアウト」。レイダーなら自陣に帰れなければ、アンティならタッチされて相手陣地に帰られたらアウト。
アウトとなった選手は、コート外の「シッティングブロック」と呼ばれるエリアに移動し、待機しなければならない。当然その間はレイダーとしてもアンティとしても試合に参加できない。
相手の有力レイダーをアウトにできれば相手の得点力を大きく削ぐことができる。

アウトになった選手は、味方の得点により復帰が可能。これはドッジボールに似た感じである。この時はアウトになった順に戻ることになる。
ただし、ボーナスによる得点では復帰は不可。(攻撃側の攻撃失敗による守備側の得点では戻ってくることが可能)

チームの選手が一人もいなくなると「ローナ(全滅)」となり、相手チームに2点のボーナスが与えられた上でメンバー全員が復活する。
なお、チームの人数が2人以下なら自らローナを宣告してもよい。ただ、基本的にメリットはあまりない(守備側の人数が少なすぎてすぐにローナしそうなことが予測される時、相手レイダーをキャッチングできる可能性に賭けてローナするなど)。

関連作品

日本ではぶっちゃけマイナースポーツと言う他なかったが、最近では少しずつ漫画も出てきている。

カバディ7

作/小野寺浩二。たぶん日本のカバディ漫画の元祖。しかし、実は ギャグマンガ 。一応熱血ギャグではあるけれど。
カバディ全国大会ではなく、 マイナースポーツ全国大会 なんてものが登場する辺りでお察し。
全3巻と比較的短命に終わっている。

灼熱カバディ

作/武蔵野創。裏サンデーに連載中のカバディ漫画。電子広告としても頻繁に出ていたことがあったので、見たことのある人も多いのではないだろうか。
元一流サッカー少年の主人公が、マイナースポーツであるカバディの魅力を知り、そして成長していく姿を描く王道スポ魂漫画。
非常に汗臭い絵柄で描かれる迫力満点の試合風景は、カバディへのイメージを覆してくれるだろう。


追記・修正はカバディと連呼しながらお願いします。

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最終更新:2020年10月02日 16:25