長瀬裕樹(仮面ライダーアマゾンズ)

登録日:2018/03/30 Fri 23:58:10
更新日:2024/01/06 Sat 17:53:35
所要時間:約 8 分で読めます









「何言ってんだよ。今正義の味方は俺達だろ?」


「お前…人食いの怪物、アマゾンだってな!!」





仮面ライダーアマゾンズ Season2の登場人物。




演:赤楚衛二






概要


不良集団「TEAM(チーム) X(キス)」のリーダーで17歳。
チーム内での愛称は「ヒロキ」。志藤が経営するクラブを拠点としてそこで他のメンバーと談笑したり食事をしていた。


本作品の第1話「NEO」を見た人は誰もが思うだろうが、彼(と言うか千翼を除くTEAM Xのメンバー全員)の第一印象は非常に悪い。
第1話の最初に取った行動を具体的にあげると…


  • 自転車をこいでいた警官*1にバイクに乗りながらバットで殴りかかる。
  • うずくまる警官に対して煽る様な発言をしながらさらにバットで殴る。(冒頭の台詞はその時のもの。)
  • 彼がアマゾンの姿になったところを仲間と共に大音量の音楽を流しつつゲラゲラ笑いながらバイクで逃げる。
  • その後千翼とアマゾンが戦闘になったところで動画を撮影しながら仲間と共にワイワイはしゃぐ。
  • アマゾン狩りを終えて撤収する際も蛇行しながら騒ぎまくる。


恐らくこの時点での彼の状態を簡単に言うと「バカ丸出しなテンションでアマゾンを狩るクズその1」である。
アマゾンを狩る理由もぶっちゃければ小遣い稼ぎとスポーツ感覚の遊びみたいなもので駆除班のそれとは全く違う。
また千翼の扱いも誤解を恐れずに言えば「金づる」の様なもので、彼を体よく利用している。


そんな彼だが、これらの活動の根底にあるのは両親との不和である。
彼は両親に抑圧されることを嫌って学校に行かなくなり*2、似たような境遇のタク・ケンタと出会いチームを組んでいた。
この「抑圧を嫌う」という考えは、後の展開での彼の行動に大きな影響をもたらしている。


4Cから脱走して行き場の無い千翼をチームに勧誘し、普通のものを食べようとしない*3彼の食事を用意しているのも長瀬であり、
アマゾンの力を都合良く利用するためとはいえ、彼の境遇にどこか自分と似たようなものを感じていたのかもしれない。
食人衝動の関係で人と深く接することが出来ない千翼との折り合いはあまり良くなかったが、彼に対する友情が全くないわけでもない。


そして彼は偶然にも1年前にイユと同じ学校・同じクラスに通う同級生であったため、生前の彼女についてある程度知っていた。
このように千翼・イユの両方とパイプがあった事で、物語後半において意外な役回りが回ってくることとなる。


TEAM X


アマゾン狩りを行い、その様を動画で投稿してアフィリエイトで収入を稼ぐ集団で長瀬の他は北村健太(ケンタ)、山下琢己(タク)、そして千翼の4人組。

その収入ルートから「Youtuber」などと言われたりしている。


アマゾン狩りをしているが、実際に狩りをしているのは仮面ライダーアマゾンネオに変身できる千翼だけで、他の3人はその様子を撮影したり、アマゾンの誘導やバイクのライトを当てて撮影しやすくしたりしている。
ぶっちゃけ狩るだけならこいつらは必要ない。


なお所詮素人集団が遊び感覚で作ったグループなので、アマゾンの情報などはあまり持ち合わせていない。
そして彼等の狩るアマゾンが溶原性細胞によって人間が変異したものとは知らず、所謂実験体のアマゾン達と同等の存在と考えている。


フォロワーは500万人を超えており、一般人からも不良集団と認識されつつも4Cが「不良グループにも劣る」と評される形で間接的に評価されており、認知度はかなり高い模様。
またアフィリエイトの収入もなかなかいいらしく食費等には困らないと取れる発言もしている。


上述の通り千翼が4Cに強制送還された事で戦力を失い、チームそのものも解散する旨の発言が出ていたが、その後は後述する様にタクがヒヒアマゾンに変貌して駆除、ケンタがヒヒアマゾンに襲われて右足を失う形で退場した為、自由に動ける状態にいる人物が長瀬一人だけとなり、TEAM Xは完全に崩壊する事となった。
その後、何とかアマゾン狩りを続けたい長瀬が偶然接触したイユをチームに勧誘する事で復活させようとしたものの、結局失敗に終わり立ち消えになった。




作中での行動



Episode1「NEO」 ~ Episode2「ORPHANS」


上述のTEAM Xの活動の中でアマゾン狩りの様を撮影している際に4Cと共にやってきたイユを見て、彼女がアマゾンとして活動していることに千翼とは違った意味で動揺を見せる。


その後千翼が4Cに連れ戻された為に、何もできずにクラブの中で話をしていた所、タクが突如アマゾン化。近くにいたケンタに襲いかかったのに対して何もできないでいた所、志藤がタクを攻撃。その際にケンタを連れて外へ脱出したのだった。


Episode3「PERSONA NON GRATA」 ~ Episode5「RAMBLING ROSES」


タクは志藤によって駆除され、ケンタは命こそ落とさなかったが、片足を失う重傷を負う。
タク・ケンタの二人の惨状を目の当たりにし、アマゾンの危険性をまざまざと思い知らされた長瀬。
志藤から溶原性細胞について、そして駆除班の存在について、更にアマゾン狩りを再開しようとしていることを知った長瀬は二人の件で怒り、彼等の敵を討つべく同行を願う。
(当然戦闘に関してはずぶの素人なので望からは反対されるが、志藤が許可した。)


そして溶原性細胞が検出されたウォーターサーバー「Aroma Ozone」の水の水源へと向かう中で、今回の騒動の元凶である、マモル達実験体アマゾンと遭遇。
マモル達が5年前から見てきた地獄、そして彼らが人間をアマゾン化させている理由を聞いて、怒りを爆発させて殴り掛かるも返り討ちにあって足に怪我を負う。

更に駆除班がマモル達の地獄を知って戦意を喪失したことに対して失望。
水源の汚染が水澤悠によって除去させられたと知り、アマゾン達はその場から立ち去っていく。

何も語らず去っていくマモル達、そんな彼らに対して何も言えない駆除班。
閑散とした森の中に彼の怒りと失望の混じった叫びだけが響くのだった。


「待てよ! オーナー!なんで撃たないんすか!?」

「あんた達も、撃てよ! 撃ってくれよ!」

「銃持ってんだろ!? 撃 て よ !!」




Episode6「SCHOOL DAYS」 ~ Episode9「VANISHING WINGS」


目的を失い、志藤のクラブを飛び出て彷徨っていた所を千翼と再会。
彼からイユがどういった存在になったのかを知り、マモルが話した実験体の実情を含めて、アマゾンという生き物に対して依然憎しみは持ちつつも複雑な思いを抱き始める。


その後はアマゾン狩りを何とかできないか考えている所で今度はイユと遭遇。彼女の「楽しかった場所」へ同行。そしてアマゾン駆除の現場に遭遇し、そこに黒崎隊・千翼、そして鷹山仁が登場。
彼が千翼の父親であり自分を殺そうとしている事を知る。


その後、紆余曲折を経て4Cに入ろうと入口付近で手ぐすねを引いている時に千翼がオリジナルとして暴走。

混乱している際に施設内に入り、そこでオリジナルの暴走の惨状を目の当たりに。
ショックのあまり4Cから逃走した千翼を狩る命令をイユが了解したことに対し衝撃を受ける……。





Episode10「WAY TO NOWHERE」 ~ Episode13「AMAZON”Z”」



黒崎隊が出動して現場に残っていた長瀬は壁に貼ってある千翼とイユのプリクラを見て千翼がイユに好意を抱いている事を知り、そのプリクラを手にイユが千翼を狩るのを阻止する為に動く。


(イユが千翼を…? ってそんなの…ダメだろ…っ!)


ある時はイユ本人に懇願し*4、ある時はカラスアマゾンとして千翼に襲いかかるイユをおさえつけて彼を庇ったりするも、結局自分だけではどうにもできない事を悟り志藤を頼ってクラブへ向かうと、そこには志藤ではなく千翼がいた。

千翼がタクとケンタを悲惨な状況に追いやった元凶であるオリジナルであると知った長瀬だったが、直後にやってきた仁との戦闘でボロボロにさせられる彼を見て自分の境遇と重ね見て店の中にあったショットガンで仁にゼロ距離ヘッドショットをお見舞いし*5、体を張って千翼を逃がした。



「千翼ォ! 逃げろォ!」



最終的に仁に首を絞められて気絶させられた。(気絶に留めたのは、仁は「人間を絶対に殺さない」方針の為。)


その後は千翼と連絡を取ったりしていたが、電話の状態から彼の異常を察し、千翼のもとに行った先では痛みを思い出して暴走したイユを抱きかかえながら涙を流す千翼の姿だった。


最終的にイユの廃棄システムを止める為に千翼とイユは退散。長瀬は残った1枚のプリクラを見ながら…。


(なんで……俺達は生きてちゃダメなんだ!)


(そんなもん……答えられる奴いんのかよ……?)



彼等の後を追って4Cについた長瀬だったが千翼は必死の抵抗も虚しく敗れ、集中砲火を浴びる。千翼はそれでもイユを抱き、彼女を砲火から庇う。


そんな彼等の様子から4Cの隊員たちは彼らを撃てなくなってしまう。
長瀬はその中に割って入りもう止める様に2人を庇う。
イユの腕輪を止めることが出来ないと悟った千翼はその間に逃走。




それが長瀬が見た千翼とイユの最後の姿だった……。




結局千翼とイユは命を落とし、彼の努力は報われることはなかったが、全てが終わったラストシーンでは学校に再び通い始め、その通学途中にスマホカバーに貼ってあるイユと千翼のプリクラを見て笑顔を見せるのだった。





余談


  • 始めは上記の通り救いようのないレベルのクズその1くらいの役回りだったが、友人の敵討ちを理由に物語に関わったことがきっかけで最終的には主人公・ヒロインである千翼とイユにとっての唯一人の味方になるなど立ち位置が大きく変わり、最後まで一般人でありながら大きな存在感を見せたキャラクターになった。物語後半で千翼の事を思いやって行動する姿から、彼こそがSeason2の真のヒロインではないかと推すファンもいる。


  • 彼を演じる赤楚衛二氏はあのバナナの強者中の人の所属グループ・BOYS AND MENの元メンバーである(当時は「赤楚衛(まもる)」名義)。
    ちなみにマモル役の小林亮太もBOYS AND MENの元メンバー。


  • 物語後半で彼の放った「千翼ォ!逃げろォ!」の台詞は使われる機会が多く、あまりの迫力や巻き舌気味に聞こえる*6ことがネタにされ、彼の代名詞となっている。後の『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』キャストコメンタリー予告編では意図的な物かは不明だが、「逃げろォ!」が登場している。


  • 赤楚衛二氏は後に『仮面ライダービルド』にて万丈龍我役でレギュラー出演。
    アマゾンズ終了から2か月ほど*7での仮面ライダーシリーズ再登場で、今度は一転して追われる役柄になったことがファンの間で話題になった。
    ちなみに長瀬と万丈には「やや荒っぽいが情に厚い性格」という共通点があり口調も似ている為、キャラが一致しているという意見がありネット上では彼らを同一人物扱いする中の人ネタが流行っている。
    何の因果か、後に万丈が変身する仮面ライダークローズのイメージカラーは千翼の変身するアマゾンネオと同じ青色であり、彼らの共演を待ち望むファンは多い。


  • エピソード11にて鷹山仁をヘッドショットしたショットガンだが、これをケースから取り出す際に思いっきりエアソフトガン用の取扱注意喚起シールが見えてしまっている。
    シールの貼り付け位置やディティールから、東京マルイ製のエアコッキングガン「SPAS12」と見て間違いないだろう。
    DX長瀬ショットガンが欲しい方は要チェックの製品である。



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最終更新:2024年01月06日 17:53

*1 溶原性細胞に感染したことで既にアマゾン化している。

*2 なお学校にはかなりの期間行っていないらしく、進級も怪しいラインの模様。

*3 と言うより体が受け付けず食べられない。

*4 当然黒崎に一蹴され、その際にプリクラも1枚を除いてグシャグシャにされた。

*5 使用経験のないショットガンの反動でうまく狙いを定められない為に確実に当てる為にこの方法に出た。

*6 表記ゆれに「逃げルルォ!」「逃げルルォ!」があるほどの迫真の巻き舌台詞であった。

*7 アマゾンズSeason2の最終回配信が2017年6月30日、ビルドの第1話が同年9月3日