メルグ・アリータ(快盗戦隊VS警察戦隊)

登録日:2018/04/06 Fri 23:17:19
更新日:2024/04/13 Sat 22:39:24
所要時間:約 7 分で読めます





おいしい料理を提供するレストラン「トゥインクル」。
そこではお客様たちがおいしい料理で心とお腹を満たし、シェフたちはお客様にそんな楽しい時間を過ごしてもらう為に料理を提供していた。
だが、そんな時間をぶち壊すかの様に一人のギャングラー怪人が現れる。


うまいメシを食いに来たぜ。


メルグ・アリータとは『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の第7話に登場したギャングラー怪人

CV:宇垣秀成

身長/188cm(巨大金庫身長/47.0m)
体重/207kg(巨大金庫体重/517.5t)
金庫の識別番号:「128」
犯罪歴/連続レストラン丸呑み
犯罪技/アリティメット胃ート
所有ルパンコレクション:「胸いっぱいの愛を~Tout ton amour~


ギャングラーでは「美食家」と呼ばれている左腕に金庫があるアリクイ*1に似たギャングラー怪人。
食べること、すなわち「食欲」しか頭にない様な奴であり、上記の台詞も訪れたレストランで言った台詞。
グルメガイドの本を持ってそこに載っている評判のレストラン「トゥインクル」に行くという完全にグルメ巡りしているだけだった。
が、レストランのシェフはお客様を守るためにメルグに自分たちの料理を差し出したものの


これじゃねえんだよ。俺が食いたいのは。なあ、シェフ?


と、目の前の料理には興味は示さなかった。
うまいメシを食べに来たはずなのにこれは一体どういうことであろうか?

後にメルグ以外いないトゥインクルにメルグが持っているルパンコレクションを盗り返しに来たルパンレンジャーが現れ、彼らに言う。
メルグの言う、うまいメシの正体を…それは……





美味しいもん食ってるやつらは美味しかったぞー!





そう、メルグにとってうまいメシとはおいしい料理を食べた人間のことなのである。
メルグの腹の虫の顔をしたところは実は人一人を簡単に丸呑みできる(非常にグロい)大口になっておりレストランにいた人たちを全員、丸呑みにした。
実は話の冒頭で国際警察がステーキハウスTAKADAという別のレストランにいた人たち全員、消失したという話をしていたのだが、そこにいた人たちもメルグが全員を食べたのだ(尚、ステーキハウスTAKADAにいた人たちは既に消化された模様)。
犯罪歴には「連続レストラン丸呑み」と書かれているが、実際は捕食による「大量殺人」。過去にはギャングラーが掌握した別の世界の住人を全員、食ったという恐ろしい経歴を持っている。*2

しかも、これがギャングラーの後継者になる為でもなければ金の為でもない純粋な「食欲」の為だけという今までのギャングラー怪人とは別方向でやばい奴。

「アリティメット胃ート」という大口で飲み込んだ人や物を胃袋へ送り込み、強力な消化ガスでじわじわと消化して、跡形もなく消し去るというメルグにとって食事特化の犯罪技を持つ。
しかも自身が所有する空間を拡張できるルパンコレクションの力で自分の胃を拡張し一度に大量の人間を食べられるようになっている。
ただし、拡張し過ぎた様で消化ガスの濃度が薄まってしまい、消化するのに時間がかかってしまうことになっているようだ。
そのおかげで食べられた人は丸呑みされたこともあってすぐには消化されず多少の時間は生存することが可能。
尤も、中から胃を攻撃しようものなら攻撃したところから消化ガスが噴き出し消化を早めてしまう為、食べられた人にはどうしようもなくじわりじわりと消化されるのを待つしかないという恐怖の時間を味わうことになるが…。

戦闘能力は高く左手の鉤爪による攻撃とアリクイの舌の様に長い『ベローチェウィップ』を巧みに扱う。ルパンブルーもベローチェウィップで拘束してから捕食した。
この際、トゥインクルの机と椅子も呑み込んでおり、そのおかげで胃の中にいた人たちはそれらを足場にして消化からしばらく逃れることができた。

ルパンブルーを捕食した後、ルパンイエローも捕食しようとしたがルパンレッドが庇った為、ルパンレッドを呑み込んでしまう。
が、元々、目的はトゥインクルにいた人たちであり、彼らは捕食済み。
ルパンレンジャーはメルグにとって口直しでしかなく、隠れたルパンイエロー*3を捜そうともせずさっさと出て行った。


ソネンって店はここだな?


翌日、今度はグルメガイドの本に乗っていた「ソネン」という店に現れ、捕食しようとするが運悪くパトレン2号こと咲也が客として訪れており、そのまま交戦。
戦いの中、残りのパトレンジャーも現れ、不利となった時、突如、ルパンイエローこと初美花が現れ、パトレン2号をカニばさみしながらそのまま回転でパトレンジャー共々、メルグをひっくり返す。
転倒した隙にメルグの金庫から胸いっぱいの愛を~Tout ton amour~を回収。
実はメルグはグルメガイドの本に載っている人気店を順位の上から順に訪れていたのだ*4
そのことを見抜いた初美花がメルグからコレクションを盗り返す為に、「デート」という名目で咲也をレストランに来させて、自分も客として訪れていたのだ。

初美花の目論見は成功し、まんまとコレクションを取られたメルグ。
コレクションの力で拡張していた胃は元のサイズに戻り、昨日、食べた人たちに机と椅子、全てを吐き出してしまう。
食べたられたお返しとばかりにルパンレンジャーに攻撃され、ベローチェウィップも叩き落とされ、最期はルパンレッドがサイクロンダイヤルファイターを使用。
快盗ブーストを発動して、その余波で切り飛ばされる周りの木々の下敷きとなって身動きが取れなくなったところで一撃を喰らって爆発四散した。

その後、ゴーシュ・ル・メドゥが所有するルパンコレクションである大きくなれ~Gros calibre~の力で残った金庫から巨大化復活


こりゃいい、街ごと食えるぜ!

まだ食うのかよ……


大きくなったことで今度は街を食べようと自分を倒したルパンレンジャーたちには目もくれず街の方へと向かう。
そこに「グッと来た」グッドストライカーがブラっと参上、ルパンカイザーに合体しようとするも、丸一日胃袋の中で過ごすハメになっていた魁利と透真は疲労困憊。
結局、街を食べさせてたまるかとパトレンジャーがさっさと帰ってしまったルパンレンジャーの代わりにトリガーマシン3台を呼び出して合体、パトカイザーを完成させメルグに挑む。


これ以上、俺のメシの邪魔するな!


早くメシにしたかったメルグはパトカイザーの銃撃をベローチェウィップで全弾、弾きそのままパトカイザーを拘束。
これに対してパトレンジャーはトリガーマシンバイカーを使用。
トリガーマシンバイカーはベローチェウィップの上を走り、そのままドーンとぶつかり、メルグはふっとばされ、その隙にパトカイザーはトリガーマシンバイカーを使ってパトカイザーバイカーへと換装。
前輪がヨーヨーの様に伸びる相手に圧倒され、最期は自分が捕縛され宙に投げられたところをパトカイザーロックアップストライクをくらい「最期にデザート、食いたかった~!」という断末魔の叫びをあげながら倒された。


◇余談
スーパー戦隊シリーズではメルグの様に大食い怪人は何体も登場しているがその大食いを作戦に活用されることがほとんど。
メルグの様に終始、自分の「食欲」を満たすことしか頭になくその為だけに行動するのはかなり珍しい。
こんな食欲しかない奴がギャングラーという犯罪組織でどう貢献していたのか?と疑問に思うが
劇中の会話から推測するにメルグは珍味などをドグラニオ・ヤーブンに献上することで組織に貢献していたようである。
美食家と呼ばれるのもそれが由縁であろう。

だが思い出してほしい。
メルグがなにを食べていたのかを…そう、メルグはそこに住む住人、地球では人間を食べていた。
そんな奴が献上する珍味というとその世界の住人である可能性があるのだ。
もしかしたら、ドグラニオ・ヤーブンもいや、他のギャングラーたちも………色んな意味でギャングラー怪人の中で一番、恐ろしい怪人であった。
もっとも、後に登場するライモン軍団は人間界に長く潜伏していたためか「人間界のメシ」として普通の食事を取っており、透真の料理を美味だと感じるほど味覚は人間に近い。

前述の通り作中では直接的な描写こそ無いものの、最初に襲撃したステーキハウスの人々を明確に殺害している事が間接的に示されており*5
こういった「直接的な殺人描写を描くことなく、細かい演出の妙で怪人の非道を示唆する」というやり方は、
脚本の香村純子が過去に参加した『動物戦隊ジュウオウジャー』でも何度か用いられた手法である。



追記・修正は国際警察から任務完了された方にお願いします。

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最終更新:2024年04月13日 22:39

*1 ただ、腹に蟻の様な昆虫みたいな顔がある為、一見ではアリクイがモチーフとはわかり辛い。

*2 というか掌握した世界の住人を全員、食べてよかったのか?と思うが、ギャングラーの面々はそのことを気にした様子はなかったので、もう用済みの世界だったか世界だけが必要で住人は必要なかったのかもしれない。

*3 実際はメルグの捕食を見て親友を失った時のトラウマが再発して物陰に座り込んで動けなくなっていただけ。

*4 このことからメルグはおいしいものは先に食べる派と推測される。

*5 吐き出されたのは魁利と透真、そしてトゥインクルの客とコック達のみだった。つまりステーキハウスの客達は既に消化済み