アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ(Fate)

登録日:2018/04/13 Fri 00:01:32
更新日:2024/04/20 Sat 20:18:39
所要時間:約 20分で読めます









アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァは、スマホゲーム『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント一人

整った顔立ちをもち、片目を薄っすら覆う銀髪と碧眼が特徴的な儚い雰囲気を持つ美女。
普段は白を基調としたドレス姿を取る他、常に赤子程度の大きさの縫いぐるみを大切そうに抱えている。


※注意※



この先にはFate/GrandOrder第2部1章『永久凍土帝国アナスタシア』の重大なネタバレが含まれています。













――――さあ、一緒に殺しましょう。ヴィイ

この絶対凍土の世界で、永遠に煩悶する彫像におなりなさい



●目次



【史実】

ロマノフ朝最後の皇帝(ツァーリ)であるニコライ二世。その子孫である五人姉弟(3人の姉と1人の弟をもつ)四女。


時は1917年。第一次世界大戦による国力の疲弊により、不満を抱いた国民たちによるデモが勃発したのが全ての始まり。
暴虐ともとれる政策に国民の怒りは爆発。軍の一部も叛乱を起こし、更には近衛連隊までもが決起。
父・ニコライ二世がこれらを鎮圧するよう兵士達に命を下すが、反乱劇を覆すことは遂に無くロマノフ王朝は事実上崩壊。後々に新たにソビエト連邦が設立される。

その後、アナスタシア達ロマノフ一家はイバチェフ館という場所に皇族という重要参考人の名目で軟禁されることとなったのだが、
1918年4月にチェコ軍や白軍のニコライ皇帝一家奪還の為に動く人々を危惧した政府は、その反骨性と未来を恐れ一家の処刑を決断。
これは当時の視点で観ても違法極まりない行動で、ロマノフ皇帝一家は裁判の猶予を待つこともなく、一方的に虐殺された。享年17歳だった。
その殺され方も、近年まで彼らが確実にそこで死亡したという証拠になるDNAすら見つからない程凄惨なもので、当時の彼ら一家に対しての狂気の凄まじさが垣間見える。

そして時は流れ、ソビエト連邦は不明瞭であったニコライ二世の処刑結果を当世に発表。
が、アナスタシア達娘・息子らの生死は当時は明らかにならず、またその混乱に乗じてニコライ二世の血縁者を騙る偽物が多数現れたことなどから、
アナスタシアの生存説なども囁かれる様になっていた。

しかし、時は1991年。
発見された遺骨に対し行われたDNA判定により、家族と共に上記の通り虐殺の末に全員が死亡していた事が改めて判明。
8年後の2000年、真実が白日の下に晒され誤解を解かれた証か、ロシア正教会によって新致命者として彼らの名は列聖される事となる。

彼女を含む姉3人、オリガ・タチアナ・マリアと弟のアレクセイとの姉弟仲はとても良く、
母親であるアレクサンドラ皇后に溺愛されつつも父親や周りの執事達には厳しく躾けられて育ったとされ、軟禁されてからもそれは変わらなかったという。
摘み取られた可能性、悲劇の女。
このように、父であるニコライ2世の政策の失敗から転落し、歴史的にはアナスタシアはそこで姿を消した……。



【概要】

が、『Fate』シリーズにおいては、アナスタシアには「その後」があった。

皇帝の死後、ニコライ一家が秘蔵していたインペリアル・イースターエッグの幾つかが当時の魔術世界へと流れ研究が進んだ結果、
ロマノフ一族はとある幻想種と代々契約を結んでいたことが判明。
もっとも、ニコライ二世はその幻想種の存在を認識していなかったし、皇帝家を救うこともなかった。
故に魔術世界でもデマだとされ目立って取り扱われることはなかった。

しかし、殺害の前日、弟アレクセイからアナスタシアはツァーリにつく『不思議なもの』の存在を伝えられた。
それが妖精、もしくは精霊ヴィイ。ロマノフ王朝と契約を結ぶ使い魔であった。

死ぬ間際にアナスタシアは彼を認知する性質を得たその特異性故か、
家族共々虐殺に遭い、肉体を刻まれバラバラにされ息絶えた後も、意識だけは現世に残り続けた。
自分たち家族を皆殺しにした兵士たちを、文字通り永久に死ぬまで監視し、時に不可視の鉄槌を下して館を鮮血と恐怖で染め上げたという。




わたしがみている


殺してなどやらない、一生涯を不安に怯え続けろ。ヴィイ(わたし)が見ているぞ

みているみているみているみているみているみているみているみているみているみているみている


みているみているみているみているみているみているみているみているみているみているみている


みているみているみているみているみているみているみているみているみているみているみている


みているみているみているみているみているみているみているみているみているみているみている







アナスタシアの死後、ヴィイはアナスタシアの霊基を補完するために彼女と一体化し、英霊への昇格を果たした。
それによってアナスタシアは精霊使いとしての能力を獲得。
氷を操るというロシアを象徴するような魔術師となり、その影響か臨戦体制では冷気を纏う。

なお、汎人類史におけるヴィイはあくまでゴーゴリ氏による創作の存在でしかなかった。
ニコライ2世や他の魔術師達が取り合わなかった理由でもある。
が、その源流はこの世界でも存在していて、バロールの流れを汲むこの精霊はヴィイとして扱われる。要は無辜の怪物に近い。

その力は汎人類史の常識を超えており、物理的な力は勿論、結果的に彼女のサーヴァントとしての力を引き上げるまでに至っている。
元々武勇が皆無な彼女が後述する比較的良好なステータスを持ち英霊足り得ているのも、パートナーとしての役割に収まった彼の力に寄る所が大きいという。


異聞帯のアナスタシア

◆第二部1章

シナリオには第2部開幕のintro.にて初登場。


第2部では異聞帯側のサーヴァントとして、凡人類史側の主人公達と対峙する。
マスターはクリプターの一人であるカドック・ゼムルプス
殺戮猟兵オプリチニキと呼ばれる雷帝イヴァンの兵隊を率いてカルデアを突如襲撃。
絶凍たる氷雪の魔力を存分に振るい、組織を壊滅に追い込んだ。
その際、同時にレイシフトを行う為の要であったカルデアスを完全に凍結させている。

同伴していたコヤンスカヤ(仲は険悪)によれば、この彼女はロシアの異聞帯に召喚され現界しており、通常よりも遥かに強力な神霊クラスの魔術を行使可能な存在と化している。
加えて、人格は汎人類史と異聞帯の性質が混ざり合い溶け合っているような状態。
その為か生前の記憶も曖昧なものになっていて、最愛の家族の顔ですら朧げな記憶に変わってしまっていると後にアナスタシアは語っていた。


カルデア制圧後はロシアの異聞帯に戻り、主にイヴァン雷帝に自分と同名の妻であるアナスタシアと誤認させ、大人しく眠りにつかせる役割とカドックと共に文字通り支配に乗り出すべく動いていた。
因みに、同じく雷帝をなだめる役の言峰(の中の人)の事は、その揚げ足取りな態度を胡散臭く感じ嫌悪感を示すこともあるが、同時に裏切ることはないとも評している。

某ロシア国家に関しては、かつて自分を含む家族を無慈悲に殺しつくした憎しみを抱いている。
が、同時にロマノフ王家の人間として国を統一し、その先に平和をもたらす事を己の責務と考える柔軟性も兼ね備えている為、決して凶暴なだけではない。
自らが異聞帯側のサーヴァントとして呼ばれたのであるならば、この切り捨てられたロシアを救うと他ならぬ自分が決めた。
カドックはそんな彼女の決意を全力で手伝うと公言しており、アナスタシアもまた彼個人の持つ理念を支援すると決め、お互いに全幅の信頼を置いている。

その姿勢は、カドックが慎重な策で物事に臨みつつ、アナスタシアはそんな彼を生前を思わせる持ち前の奔放さでグイグイと引っ張っていく、といったもので、
二人が(外見上は)年頃の男女であることも相俟って、傍から見ると非常に相性の良いおしどり夫婦、あるいは息の合った恋人かそれに近しい関係にしか見えない。
遠巻きに観ても結構なイチャイチャ、もとい微笑ましくも芯の入った両者の関係を、
言峰(の中の人)は『全てを諦めたからこそ強気なアナスタシアと、何も諦めきれないからこそ弱気なカドック』と評した。
実際、両者もその方面の認識は匂わせており、魔術師と英霊という関係でこそあるものの、存外満更でもなさげな様子ではある(大体はカドックの真面目さにアナスタシアがむくれて悪戯する事が多い)。
作中でも何度かやり取りが描かれるが、何も知らない人が観ればただの少年と少女であろう。

目指す目的の為、現在のロシアの存続には邪魔な存在でしかない雷帝をやがては打倒し、新たな皇帝(ツァーリ)に成り代わろうとしていた。
主人公達が異聞帯にやって来たのは丁度そんな頃合いの事。
本来は時間をかけて雷帝撃滅の準備を整える手筈だったが、主人公達がカルデア襲撃時に使用されたオプリチニキとの縁を辿ってロシア領に現れ、
更に霊脈を通じてアヴィケブロンを自力召還し、剰え明確な反乱軍であるアタランテ達と合流して雷帝を討つ戦力を整えるといった事態に発展。
なので予定を早めカルデアを利用して雷帝を討つことに決めたカドックの策に連れられ、彼女もまた行動を起こす。

幾たびもの激しい戦いの末、やがて幾つもの攻防戦を経て遂に目醒め暴走を始めた雷帝。
アヴィケブロンがその身を呈して発動した『王冠・叡智の光』によって創造された巨人が対峙し、
その後蓄積したダメージから瀕死ながらも未だ健在なイヴァン雷帝と皇帝の座をかけて一騎打ちし、これに勝利*1
雷帝が消滅し、ようやくロシアを統べる皇帝だけが持つことの叶う絶対の特権である「非常大権」の権利はアナスタシアの手に渡る。
こうして、彼女は晴れてロシア異聞帯の支配者と相成ったのだ。
そして、最初の執政にして仕上げとしてカドックと共に主人公とマシュ達へ決戦を挑む。
この時流れるBGMは必聴モノ。



さあ、ヴィイ。その真の姿を彼らにお見せなさい

ロマノフの秘宝、厄災の精霊

あらゆるモノを射貫く、おぞましき魔眼を晒しなさい

――――そう。私は最早、獣国の皇女ではありません

我が名はアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ

このロシアの新たな皇帝(ツァーリ)として、
我が契約者の敵を、我がロシアの敵を討ち滅ぼす……!






激闘の末、カドックとアナスタシアは敗れた。
力では優っている主人公らに対して、しかし諦めない彼らにあと一歩のところで届かなかった為に。
が、アナスタシアを皇帝にする事を諦めずに足掻き、最終手段である大令呪を使おうするカドック。
と、その場に居合わせていたビリーが一瞬の間に発砲。
避ける事は不可能。そもそも反応すら出来ない。そんな彼の弾丸は寸分違わずに真っ直ぐカドックへ向かい…心臓を撃ち抜く事はなかった。
アナスタシアが最後の力を振り絞って銃弾から庇い、霊基に致命傷を負ったから。
運命の悪戯というべきか、奇しくも生前己を殺した兵士達の持っていた銃に倒れ伏すアナスタシアと、彼女の行動が理解出来ず慟哭するカドック。
だが、その表情は穏やかに。彼を激励する言葉を残し、眠るように静かに消滅した。





殉死も許しません。自爆も許しません。

落ち着いて、カドック。……私は、信じています。

選択をどれほど間違えようとも――――、貴方は、正しく為すべきことを為すと

よろしい?私は、貴方が優れていたから助けた訳ではありません。

私を信じてくれたから、サーヴァントとして、当然のことをしたのです。

……光栄に……思って…ちょうだいな……。
本当に……かわいい……人……




その様子は、私財をはたき買い取ったカルデアを凍りつかせられた恨みを持つゴルドルフ・ムジークに「その一点は評価する」と言わせたほどの光景だった。

◆その後

なお、最終決戦前。偽名を名乗っていたが雷帝が堕ち、宿っていたラスプーチンも消えて自由の身となり、その場を去ろうとする言峰綺礼に対し読唇術で「あること」を伝え願っている。
5章後半で明かされたその内容は「カドックをお願いね」というもの。
カルデアとの決戦の前であるが、自身の敗北を予想していたのか、念の為であったのか。

そして、オリュンポスでキャスター・リンボに瀕死の重傷を負わされたカドックはこの言葉を受けた言峰に回収された。
その後、言峰はカドックをカルデアに引き渡し、「次は犬に食われていようが無視する」と言い残して去っていったのだった。

ラスプーチンが去った後、あえて敗残クリプターを助けるべき義理は言峰にはない。
大令呪もそのままであり、最悪の場合、背信行為とみなされて粛清の対象となる可能性もある。
しかしいたずらっ子アナスタシアが最終決戦を前に自身より他人の将来を願ったことに「英霊ラスプーチンの残滓」の言峰は心を動かされたのだった。


この他にもヴィイの残滓をカドックに宿らせており、言峰による最初の回収前に手錠を破壊していたり、2部6.5章でカドックの力となっている。
見た目はアナスタシアであるが、本質的にはヴィイであるためか、話し方はどこか子どもっぽく、そちらにはアナスタシアらしさは見られない。
また、2部7章でカドックが神代のファラオと近代のキャスターを露骨に比較する一言を発した際は寒気を覚えており、
どうやらこの残滓、あるいはアナスタシア自身はまだカドックから離れ切っていない様子。

マンガで分かる!Fate/Grand Order

ギャグ漫画。『ますます』第63話にて初登場。
百合好きだが、同時にカドック大好きでありカドックとイチャイチャしている。





…と、ここまでが異聞帯におけるアナスタシアの話。







カルデアの皇女アナスタシア



サーヴァント、アナスタシア。召喚の求めに応じ、ここに参上したわ

この子はヴィイよ。わたくし共々、よろしく

ここからは汎人類側の存在として召喚される彼女について記述する。
クラスはキャスター


◇データ

ILLUST:sime
CV.原由実

身長:158cm
体重:47kg
出典:史実
地域:ロシア
属性:中立・中庸(人・女性)


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
E E C A D C


◇スキル

○クラス別スキル

陣地作成:EX
彼女がサーヴァントとして召喚されている間は、一時的に周囲数メートルが「ロシア皇帝の陣地」として機能する。
他スキルと重ねることで、その陣地は更に拡大していく。
当FGOにおいては『自身のArtsカード性能を常時12%向上させる』効果を持つ。


妖精契約:A
ロシアの大地に住む妖精ヴィイとの契約。
本来、妖精は不可視の存在であるがロマノフ王朝と契約したヴィイは特例で第三者にも視認され、能力も行使できる。
なお、そもそも創作の産物であるヴィイは妖精のカテゴリに入っていない、という説もある。
FGO本作においては【自身の弱体化耐性アップ】と【自身の弱体化付与率アップ】を併せ持つ珍しいもの。



○保有スキル

透視の魔眼:D
バロールを祖とし、直死の魔眼とは別系統の退化を辿った魔眼。
アナスタシアの力ではなく、ヴィイの能力。
あらゆる結界を打破し、時には城塞の弱点すら見つけ出す。
ロシアのツァーリは、ヴィイよりこの能力を授かることで攻城戦において極めて有利に戦ったという。
ゲームにおいては【自身に無敵貫通とArtsカード性能アップ状態を付与(1ターン)し、敵単体の弱体化耐性をダウン(1ターン)】させる。
某直視の魔眼とは似たような構成効果。


絶凍のカリスマ:B
ロシア皇帝の血を引く者にのみ伝わる特殊なカリスマ。
ゲームでは【味方全体の攻撃力を上げ、敵全体の攻撃力を下げる】というシンプルで使い勝手の良いスキル。


シュヴィブジック:B

アナスタシアのかつてのニックネーム(意味は小さな悪魔)を発端とする、精霊ヴィイの能力の一つ。
あらゆる『小さな不可能を可能にする』力。
相手が持っている物をこちらの手元に移動させる、小さく大地が割れて相手を蹴躓かせるなどの「イタズラ」に類する空想具現化を可能とする。
イタズラレベルとはいえ、空想具現化を可能とするとんでもない能力であるが、有効範囲は狭く、
加えて何かを殺傷するレベルで傷つける、破壊するなど、自身以外への直接的な物理攻撃として使うのは不可能。
ゲームでは【NPを30〜50%増加させる】と【確率で敵単体にスタン付与】という変則的なNPチャージスキル。
魔眼と組み合わせると某太陽王の様な確定スタンコンボを決める事も可能。


宝具

疾走・精霊眼球(ヴィイ・ヴィイ・ヴィイ)
ランク:EX 種別:精霊宝具 レンジ:? 最大補足:?



ヴィイの瞼を上げるわ。

ヴィイ、全てを見なさい。全てを射抜きなさい。
我が墓標に、その大いなる力を手向けなさい――

ヴィイ、お願い。全てを呪い殺し、奪い殺し、凍り殺しなさい――

疾走・精霊眼球(ヴィイ・ヴィイ・ヴィイ)』!!


精霊ヴィイの魔眼と彼女の魔力の全力解放。
全てを見透かす眼球は因果律を捻じ曲げ弱点を創出し、
その後アナスタシアが生成した氷で対象を氷結、一気に砕くことで強力な攻撃を行う、所謂コンビ技。
ゲームにおいては【敵全体に強力な攻撃を行い、防御力を下げる(3ターン&OCで効果アップ)・スキル封印状態を付与(1ターン)】。
ヒット数は5回で、スターはArts宝具故に殆ど産めず0に等しい。
が、その多段ヒット性からやり方次第ではNPリチャージしやすいという長所も持ち、彼女自身の効率も相まって宝具回転率は中々良好。
余談だが、発動の際にイバチェフ館を彷彿とさせる風景に切り替わるので、固有結界かそれに類似する効果を兼ねている可能性がある。


残光、忌まわしき血の城塞(スーメルキ・クレムリ)
ランク:A+ 種別:城塞宝具 レンジ:1~99 最大補足:11人+1匹

ロシアのあちこちに点在する城塞(クレムリン、またはクレムリ)を再現させる宝具。
皇帝(ツァーリ)の血を引くアナスタシアは、極めて堅固かつ壮麗な城塞を召喚、己を含んだ身を守る事に使用することができる。
そして、この城は生前彼女が暮らした思い出の再現でもあり、その為彼女が選んだ者しか城塞の内部に入ることはできない。
もしそれ以外の者、主に侵入者を感知した場合は城塞全体が襲い掛かり敵を殲滅する。
当FGOでは基本的に使用されない。…城重ね案件かな?


◇概要

カルデアに召喚されるアナスタシアは汎人類史側の英霊で、先に記述した異聞帯の彼女とは別人

後に異聞帯の本人が召喚に応じた異聞帯の王達とは違って「汎人類史のアナスタシア」が召喚に応じているため、当然異聞帯の記憶も持っていない*2
キャラクターも異聞帯のアナスタシアと少し異なる部分があり、また、汎人類史側のアナスタシアが召喚されているためか、汎人類史側で戦うことに違和感を持っている様子はない。
ただ、異聞帯の自分と戦ったことは聞いたらしく、「色々な重荷を背負わせてしまってごめんなさい」とマスターに謝っている。

◇人物

基本的には育ち故に貴族然とした品のある言動を取る皇女(正確には皇帝の血筋に産まれたので可能性としてあったかもしれない自称のニュアンス)。
令嬢としての立ち居振る舞いは身に付けているものの、「悪戯好き」「お転婆」と親しい人に称されていた性質からか、
「サーヴァントとしては不適切なことをやらかすかもしれませんが」と自己紹介の際の言葉選びがちょっとズレていたり、
霊基再臨時の台詞で「さぁ、あなたもマスターなら、責任の取り方は分かっているわね?」と無意識か否かこちらをドキッとさせるような冗談を口にしたり、
主人公の誕生日にロマノフ王朝が所有していたとされるイースターエッグを贈ろうとするなど、時折史実で語られる本性を覗かせる台詞がある。

ちなみに、主人公に遠慮されて「勿体ないことするのね」と返すところからも、贈ろうとしたのはインペリアル・イースター・エッグと思われるが、
本物のインペリアル・イースター・エッグは現在世界に44個(他に未発見14個)しかなく、オークションに出せば楽勝で10億円以上の値段が付くド級の代物だとか。

なお、2部からシナリオに登場するサーヴァントであるが、恒常枠なので1部をクリアしていない段階でも召喚は可能。
そのため、ずっと攻略で頼りにしていたアナスタシア(の別人)が2部に入った直後に敵として出てきて驚いたなんてプレイヤーも。

好きなものは特になし。呼ばれてからはヴィイ(普段は持っている縫いぐるみに隠れている)と過ごせれば他はあまり気にしないそう。
が、嫌いなものは一転して粗野、野蛮、横暴、我侭、狡猾な兵士を忌々しげな態度と共に挙げており、明確な嫌悪感と殺意の片鱗を見せる。
前述にあるように、そういった兵士たちに一方的に殺されたことを思えば当然の反応と言えよう。

マイルーム関連台詞があるサーヴァントは登場時期ではおっきー(刑部姫)、歴代サンタ達、メッフィー(メフィストフェレス)、イヴァン雷帝の4人。
刑部姫とは出会った頃に彼女がいつも籠っているKOTATSUの魔力にやられたらしく、自分の部屋にも設置するよう主人公に迫ってくる。
中の人の熱演も相まってやたら艶っぽい声音だが、言ってることからして台無し感があるのはナイショ。
氷に関する魔術を得意としており、別人ではあるが異聞帯では-100°を下回る極寒地帯でも平然としていたことから、
寒さに強いのは間違いないものの、元は普通の人間なので暖かい方が個人的には好きらしい。
加えて特筆して何かに耐性があったという話も聞かないので、そこら辺の感覚は常人のソレ。極端に暑くなると強烈な言葉を吐くが。
ガッデムホット(めっさ暑いわ)。」

氷のサーヴァントということで達に絡まれてもいるらしく、
「サンタとは関係ない」と困惑しながら関係性を否定している。次のサンタ候補かな?
メッフィーには「道化の振りをして楽しませる人には注意しろと教わった」として非常に警戒している。ぶっちゃけその通りである。
異聞帯で絡みがあったイヴァン雷帝とは、彼からは寵愛の念を向けられているが自身には異聞帯の記憶がないので、
険悪な関係ではないものの「目が苦手」と意図的に避けている様子。ところで雷帝の目ってどの辺にあるんですかね?

他では史実での自撮りの開祖とも呼べそうなエピソード(カメラを鏡で映すことで自分を写して撮影する、といった手法)からか、
イベントを始め、他のサーヴァントとの自撮りをコレクションして巡っていたり、
ジャンヌなどの名高い人物達とのレアな自撮り写真を手に入れてはしゃいだりと、年相応の少女らしいミーハーで可愛らしい一面も。

シュヴィブジック(小さな悪魔)のあだ名は伊達ではなく、
自分に泥団子をぶつけたサルにカウンターで石入り泥団子を見事なアンダースローと共に投げつけたり、
「工夫と魔術的サポートのアレコレ」を駆使してイヴァン雷帝を持ち上げたまま猛ダッシュしたりと、
見るからにお淑やかな見た目に反して、イベントではかなりはっちゃけた姿を見る事が出来る。そこまでにしておけよ皇女殿下。
本人曰く、「姉さまを雪合戦で泣かせた逸話は伊達ではない」との事。
ちなみに上述の泥団子、とあるイベントのとあるシーンにて援護スキルとして発動するが、エネミーのHPを問答無用で1にする効果がある。悪戯ってレベルじゃねぇ!

先述のように異聞帯とは別人という事もあり、マスターと仲を深めていく。
絆を深める際の会話は見事なほどに移行型のツンデレで、最初は「近寄らないで」と明確にこちらと線引きして距離を取ってくるが、
絆レベルが上がるごとに「まぁ…壁越しなら」「まぁ…同じ部屋にいるくらいなら」と徐々に距離感が縮まり、
絆レベルが4になると手ずから紅茶を淹れてくれるようになるほど好意的に。
そして絆レベルが5になると「私の目の届く範囲にいて」とデレる。その破壊力やいなや必見レベルである。
しかし、そのデレもまた一筋縄ではいかず、生前の経験からか絆レベルはかなり上がりにくい部類に入る。要は人見知りなのだろう。
特にデレを見せ始める絆レベル4までは亀の歩みのごとく遅々とした上昇率となるので、ボイスを聞きたいマスター諸君は頑張ってほしい。


性能

実装されたユニットとしてはArts×3、Quick×1、Buster×1と典型的なカード構成のキャスター。
バトルモーションは氷を吹き付けたり、ヴィイにビームを撃たせたりと中々に見栄えのするもので、
全体的にヒット数が多めなことと、陣地作成スキルの恩恵でNP効率もかなり優秀。
スキルも、自己バフ、味方支援、敵へのデバフとやや攻撃偏重ながらもそれなりに優秀であるため、
スキルで味方を支援しつつ、ガンガン攻撃してNPを獲得し、高回転率で宝具を連発できるアタッカー。
その性質から、基本的に誰と組ませても腐り難く、高難易度・周回・雑魚狩り共に確実に仕事をこなしてくれるスペックを持つ。

なお、バトルキャラの足元には常に小さな氷が出現しては散っている演出があり、
同じく足元に変化があるマーリンなどと並べると足元が随分華やかなことになる。
スカサハ=スカディにシトナイと氷を主体とする仲間も増えたりしており、見栄え重視で趣味パを組んだり、彼女らの会話などを妄想するマスターも。

スキルは上記の通りどれも自分・味方へのバフと敵へのデバフ効果両方を持つ、珍しくも優秀なもの。
総じて、キャスター故の攻撃力の低さを除けば優秀なサーヴァント。
だがしかし、その強力なスキルを強化するためには2章で登場した新素材*3と、
1部でも入手できるが、手に入りにくい禁断の頁、虚影の塵などレアな素材を大量に要求する一騎であるため、
育て上げられれば相応に強さを発揮するが、本領発揮に至るまでの難易度が高めなのが最大のネック。
幸い2部1章クリア時点で全て入手可能な素材なので、じっくりコツコツと進めていこう。


【余談】

  • 一部の反則勢を除くと最も生まれの遅い英霊。なんと20世紀の産まれであり、カルデアの時間軸にしてみれば僅か100年ほど前の人物である。

  • 生前自撮り*4を趣味にしていたことからも分かる通り生前の写真が残っている数少ない英霊のうちの一人。
    しかも上述の通り20世紀に入ってからの産まれなので幼少期の姿からバッチリ写真が残っている
    写真を見る限りFateのアナスタシアの銀髪ではなくどうやら黒に近い髪色であったようだ。
    ちなみにその写真は『史上初の美少女の自撮り』と言われている。


追記・修正は悪戯(勝利)してからお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 20:18

*1 『FGO』のバトルシステム上はライダークラスの雷帝の方がキャスタークラスのアナスタシアに有利となるが、この時雷帝は瀕死の状態である。また、パトルパートにおけるクラス相性がシナリオパートにどこまで反映されるかも不明である。

*2 カルデアの戦闘記録を閲覧したのか、それとも英霊の座から引き継がれたのか、記録としては朧気に認知している節はある。

*3 その数実に72×3の216個。エレシュキガル同様「216族」とも呼ばれる本作の育成における最難関

*4 当時はスマホやデジタルカメラなんてなかったので鏡の前でカメラを固定し撮影している。