ピーター(あまんちゅ!)

登録日:2018/05/17 Thu 15:50:25
更新日:2020/11/06 Fri 22:39:47
所要時間:約 8 分で読めます





俺の名前?うーん…名前かぁ
そうだっ
俺のことはピーターとでも呼んでよ



PETER PAN
誕生日 2月29日
年齢 ?歳
身長 175cm
血液型 B型



ピーターは漫画あまんちゅ!に登場するキャラクター。
常にカッターシャツや学ラン姿で、切れ長の目が印象的な青年だが、その素性を知るものはほとんどいない謎の人物である。


十年以上も同じ姿をしており普通の人間ではないらしく、名前がなかった彼に童話の主人公の名を付けた火鳥真斗は「未来を拒み永遠の今を望む者を、自らの領域である『永遠の国(ネバーランド)』へと連れ去ろうとする、学校の七不思議のオバケ」だと言う。




以下、本編ネタバレ注意。



作中では第34話「前夜祭」で初登場。


文化祭を翌日に迎え夜通しの準備が行われている夢ヶ丘高校で、屋上の自販機コーナーで一息ついていた二宮愛に学校の生徒を装い接触、「自分のサボりに付き合ってよ」と誘う。


当初は警戒していた愛だが、階段から足を滑らせて落ちそうになったところを縞パンしっかり見られつつ助けられて、なし崩し的に彼の「サボり」に同行することに。



見知った学校の見知らぬ幻想的な風景をピーターと共に見ていくうち、愛の心に「このままずっと終わらなければいい」という思いが芽生えるが、
真斗に発見されたことと、「楽しい時間も悲しい時間も等しく終わりが来るもの。だからこそ楽しい時間は光り輝く」と考える愛の姿をみたことで、ピーターは自分の見当違いだったと愛を連れていくことを断念し姿を消す。


真斗に彼が七不思議のオバケと聞かされた愛だが、彼と短いながらも一緒の時間を過ごした愛は「ピーターは前夜祭の夢のような時間を一人ではなく誰かと過ごしたいだけなのではないか」と思うようになる。







その後「ピーターそのもの」はしばらく登場しなくなるが、第52話「迷い人」から再登場。第55話まで4話に渡り、彼と「永遠の国」の核心に愛と真斗が迫る「ピーター編」が繰り広げられる。




以下、ピーター編のネタバレ注意











卒業式の日、愛はうたた寝の夢の中で「永遠の国」に迷い込み、ピーターを探し続けている高校生の頃の真斗に出会う。
真斗は自分のことを知る愛にただならぬものを感じ、ピーター本人から聞いたという「永遠の国」とピーターの成り立ちを語る。


冬の夜、神社に捨てられた乳飲み子。傍らにやってきた不思議な黒猫、ケット・シーの力で、彼は自分の夢の中の世界で生き続ける。
それが「永遠の国」の始まり。
やがて「永遠の国」に、自らの時間を止めたいと願う様々な時代のものたちが夢を通じ「迷い人」として現れるようになる。
彼らから伝え聞く情報や記憶、経験などで自らの見聞を広めていった赤ん坊は、徐々に成長していき、そして神社の周りだけだった「永遠の国」も、赤ん坊の意志によって広がっていった。
その成長した赤ん坊こそがピーターパンと呼ばれる存在。


中学の卒業式前に初めて「永遠の国」でピーターに会ってから、真斗は少し霊感を備えていることもあってか度々「永遠の国」を訪れるようになり、彼にピーターパンの名前をつける。
前例のない事態にピーターは驚きつつもどこか嬉しそうであったという。

だが、真斗が「永遠の国」を訪れるようになってから、「永遠の国」が生まれた時から上空に浮かぶ船からこぼれ落ちる水の量が増え始めたという。
水は「永遠の国」を徐々に浸水していき、それと同時に迷い人の数も減っていく。
このままでは「永遠の国」そのものが無くなってしまう。
ピーターはこの世界を存続させるために、ある考えを思いつく。
「水を止められないのなら、受け皿であるこの世界そのものを広げればいい」
「この世界は俺が見聞を広める度に広がっていく。この水没のせいで迷い人の数が激減しているのなら、俺自身が現実世界に出向いて大勢の人をこちら側に連れてくればいいんだよ」

しかしこのピーターの案を真斗は「偶然迷い込むのは仕方がないが、いつ閉ざされるかわからない夢の世界に、意図的に関係のない人を巻き込むのはいけない」と否定。
それを拒絶ととらえたピーターは、以降「関係のない」高校生の真斗の前から姿を消し、現実世界に現れるようになった。


真斗は「永遠の国」中を探しても見つからないピーターが上空の船にいると確信するが、空の上とあっては手も足も出ない。
しかし、「夢のプロフェッショナル」の後輩から夢の中での空の飛び方を聞いていた愛が、真斗と共に箒で船へと飛んでいく。
ピーターはそこにいた。

ピーターは愛と真斗を船の中へと招き入れる。
そこは、現実世界の赤子のピーターが眠る神社を模した、時間の狭間にして「永遠の国」のはじまりの場所。

神社よりも巨大な黒猫の像の手から溢れる水。
それが「永遠の国」に降り注ぐ水の正体。

ピーターは語る。
現実世界で見聞を広め「永遠の国」を広げてきたが、その度に水の量も増していく。もはや「永遠の国」の水没は止められない。



今になって真斗の言葉が正しかったと悟ったピーターは、愛と真斗に「永遠の国」から立ち去るように促すが……

「…嫌だっ これから先も…何度だって来てやる!」
「…真斗ちゃん? 君には、帰ることができる場所があるんだ。…この世界に取り残されるかもしれないんだぞ」
「わかっている!だから ずっと私だけは…お前の傍にいてやるっ!」
それはあの日、すれ違って言えなかった言葉。


「真斗ちゃん、ありがとう」







「さよなら」


「え?」





ピーターの力で、愛と真斗はそれぞれの時代の現実に戻された……つまり、目を覚まさせた。


夢うつつの愛の耳に、「夢のプロッフェショナル」の言葉が聞こえる。
完全に目が覚める前なら、夢の続きを見ることができる。もう一度目を閉じて、夢の続きを思い描き……

こうして再び「永遠の国」へと戻ってきた愛に、ピーターは驚く。


「まさか、確かに送り帰したのに…」
「根性で戻ってきたのよ!」
「そんな…一体どうして……どうやって?」
「どうして?どうやってですと!?」



「んなのあんたが好きだからに決まってるでしょ!!」





愛は自分は真斗と違って一緒に夢の中に居続けることはできないから、一緒に目を覚まそうと提案する。
しかしピーターは「目を覚ませば赤子として神社で凍え死ぬだけ」「元からこの世界に独りだった。楽しい思い出を胸に、元の一人に戻るだけだから大丈夫」と拒否する。


「…嘘つきピーター!大丈夫なんて嘘…」
愛は猫の像の手の中を指す。そこには涙を流し続ける赤子の像。「永遠の国」を覆う水の正体は、赤子の像の涙だった。
この赤子の像はピーターの心を表しているのではないか。最初は母に捨てられた悲しみで泣き始めた。でも今は、大切な人とのお別れが寂しくてさらに泣いているのではないか。


そして愛は「永遠の国」が自分の住む今の街にそっくりなことから、赤ん坊のピーターと自分は近しい時代で同じ町にいる人間のはずと考えてもう一度言う。
「こんな場所で独りぼっちで泣き続けるくらいならっ…一緒に起きて現実の世界で逢おうよ!」

夢は時間と共に忘れていくもの、その内自分の姿さえ思い出せなくなると言うピーターだったが、「絶対に忘れない、おばあちゃんになってもピーターを捜し出す」と固い決意を口にする愛に、遂に「永遠の国」から目を覚ますことにする。

ピーターはケット・シーに感謝と別れを告げ、愛と必ず再会しようと約束を交わした。








目を覚ました愛は「夢のプロフェッショナル」……てこに「夢を忘れない方法」を尋ねる。
「それは第3者に伝えるのが一番ですよ!」
「…そっか。ねえ、聞いてくれる?私が今見てきた大切な夢の話を」



ピーターの存在を知らないてことぴかりからしたら、それは壮大で乙女チックな、でもただの夢の話にしか思えなかったようだ。


しかしその場に居合わせた現在の真斗は、愛にそっと「永遠の国」から目覚めたその後のことを話した。
大人になるにつれ、ただの絵空事だったと思うようになっていたと。
でも、ピーターが目を覚まして現実に戻ってよかったと。
その真斗の言葉に、愛は「永遠の国」が自分1人の空想ではなかったと安堵した。

そんな2人の前に、あの「永遠の国」のケット・シーそっくりの猫が姿を見せる。
猫は2人を導くように走り出す。
2人が追いかけたその先は、「はじまりの場所」によく似た神社。
そしてそこにいたのは……










二宮と火鳥先生じゃないですか
その後、ピーターがどうなったか知りたいですか?
あの後、母親がすぐに戻ってきてくれたみたいだよ
愛の言う通り…また逢えたな



永遠野 守(とわの まもる)
誕生日 2月29日
年齢 35歳
身長 180cm
血液型 B型


ピーターと同じく第34話「前夜祭」で初登場した、真斗の同僚で愛の担任教師。真斗に惚れていて、第49話で告白した。
不精ヒゲを生やし目が隠れるほどの長い前髪で表情が読みにくいが、生徒思いな良い教師で、第46話では身を呈して愛の縞パンを守り抜いた。

そして彼こそが、現実に戻った赤ん坊のピーターが成長した姿であった。



母親は当時重度の育児ノイローゼであり、息子を置き去りにした直後に我に返り連れ戻した。そのことは中学に上がるくらいまで何度も謝られたらしい。
彼もまた成長と共に「永遠の国」のことはただの夢だったと思うようになっていった。
教師となった真斗と出会ったことで「永遠の国」のことを断片的に思い出すようになった頃に、現在の愛の縞パンを目撃してしまう。
文化祭の前夜に見た愛の縞パンとそっくり同じ光景を見たことで、自分がピーターとして過ごした時間は本当にあったことだと理解したという。
そしてこの日、彼もケット・シーに導かれてこの神社にやってきていたのだ。




それぞれの時間を経て再会を果たした3人。
愛は真斗と永遠野を2人きりにするべく先に帰っていった。
真斗は照れ隠しのように永遠野の無精ヒゲを抜いて悲鳴を上げさせていた。





神社の石段のふもと。誠が姉である愛を待っていた。
誠は特別なにかを言うわけでもなく、ボロボロと大泣きする愛と共に帰路につく。


出会いと別れの季節、桜の散り始める頃の話であった。



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最終更新:2020年11月06日 22:39