根元陽菜

登録日:2018/07/08 (日) 12:23:28
更新日:2024/01/27 Sat 22:03:20
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根元だからネモでしょ 黒木だからクロ
まあ黒木さんのあだ名にしてはかわいすぎだけど

ようやく会えたって感じかな

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の登場人物。
名前の由来は千葉ロッテマリーンズの根元俊一選手。

CV:黒瀬ゆうこ


【人物】

◆プロフィール
  • 身長:161㎝
  • 体型:普通
  • 血液型:B型
  • 生息地(お気に入りの場所):3-5
  • 好き:ゆめかわファッション
  • 嫌い:誤解
  • 趣味:アニメ・ファッション
  • 特技:モノマネ

◆パラメータ
  • 知力:3
  • 体力:3
  • 精神力:4
  • 幸運度:3
  • 器用さ:5
  • カリスマ度:4
  • クリティカル:4

ピンク色のツインテールが特徴の女の子で、もこっちこと黒木智子とは1年生から3年間同じクラス。
ついでに進級時点での席並びも3年連続で隣同士である。

いわゆるクラスの男女混合のリア充グループに属していて、
グループ内では特に岡田茜と仲がよく、「あーちゃん」「陽菜」と呼び合う関係。
いつも明るく楽しそうに学校生活を送っており、もこっちが一方的に羨望と逆恨みを向ける対象の一人だった……当初は。

本格的にもこっちに関わってくるのは2年生の始めからだが、初登場自体は4話と非常に速い。
ただ、当初は『リア充グループの一人』という概念として扱われていた節があり名実ともにモブキャラだった。
(むしろ同グループ内では清田や岡田さんみたいな音頭を取る人間にもこっちの関心=劇中の描写が向けられていた)
当然ながら、1年生の頃を描いたアニメ版でも(配色すら決まってなかったようで)茶髪のモブキャラである。
ただし、もこっちの理想の学園生活を象徴する枠という事でむしろ原作より出番はちょっぴり多かったりする。
(ちなみに、中の人のデビュー役だとか)

作品が大きな転機を迎えた2年の修学旅行後、もこっちに「リア充で居続ける為の苦労」を身をもって教える重要な役割を担う。
更に、もこっちに対して中々重たい感情を抱えている事まで発覚、一躍メインキャラの一人に躍り出る。
初期のモブ⇒脇役⇒メインキャラと変遷した本作屈指の出世キャラと言えるだろう。


【ただのありふれたリア充役】

前述のとおり、もこっちに本格的に関わってくるのは2年生の自己紹介の時。
昨年度の自己紹介でスベった事を思い返して煩悶としているもこっちに「黒木さん また一緒のクラスだね!」と声をかけた。
もこっちは話しかけられた事に感激したが、目の前の少女の名前を完全に忘れていた。
一生懸命記憶を掘り返した所、よく似た名前のモビルスーツから連想してどうにか苗字を思い出すことに成功。以降、もこっちの心の中での通称が『ネモ』になる。

「あっ もしかして私の名前とかわからない?」
「よかった!覚えててくれたー 私存在感薄いからさー

とは彼女の弁だが、後にものすごーく重い一言に化けるとは当時の誰もが思わなかった。

ネモは去年のもこっちの自己紹介を覚えており、しかも「黒木さん1年の時 自己紹介で何か面白いことしてたよね」と中々の好感触。
もこっちは理解者がいた事に再び感激したが、ネモからは更にもう一言。

「黒木さんがトリだね」
「黒木さんのこと話したらみんな凄い楽しみにしてるよ」

このような煽りを受けてペースが乱れたもこっちは、見事に2年連続自己紹介でスベってしまうのだった……。


その後も交流は続き、リップクリームを貸してもこっちに後の自分自身に対する予知百合展開を彷彿とさせたりと緩い関係が続いた。

ちなみに後述の件を考えると、「どうして1年の頃からもこっちに積極的に絡まなかったのか?」という意見が出るのもやむなしである。
まぁ、この作品が今みたいな路線になるなんて誰にも(作者含む)にもわからなかったし、そんな余裕もないぐらいにネモが人間関係の基礎固めで苦労していた可能性も無きにあらずだし、
そもそも当時のもこっちはリア充や陽キャを一方的に敵視していた&今以上にコミュ障だったので却って拗らせてしまった可能性もありえるのでなんとも言えない所。


【ただ一人に見せた自分自身】

両者の関係が大きく変わるきっかけは、秋の三者面談から始まった。
面談中に担任の荻野が「声優を目指している子のために演劇関係の学部を薦めた」とついもこっちにこぼす。
その時は自分の事で精いっぱいだったのであまり気にしていなかったもこっちだが、次の日ネモの机に演劇関係の学部の資料を大量に置くデリカシー/Zeroな荻野の姿が!
気になって教室から出た二人をこっそり追いかけ、件の声優志望の生徒がネモである事・それをネモ本人は誰にも知られたくない事を知る。

後日、久しぶりに一人で学食を食べていた黒の淑女(笑)もこっちは食堂が混んでいるという理由でネモ達のグループと相席になる。
しかし、もこっちがアニメの話を振った影響で話題が声優志望のクラスメイトに移り、ネモは自分の秘密がバレる窮地に立たされてしまう。
だが、ネモが困ってしまったのは自分の責任だと感じていたもこっちが声優志望は自分だと嘘を吐き事なきを得る。

そして放課後、ネモは帰宅しようとしていたもこっちを呼び止める。

「私はあのアニメ嫌い」
「ていうか戦ったり死んだりするのは全部好きじゃないかな」
「基本アニメは日常ものが好きかな」

日陰の中から、昼間のアニメの話題について語りだすネモ。
今まで見せていた明るい言動とはまるで異なる、どこか陰湿な雰囲気を漂っていた。

「お昼休みのあれ 私に対して言ってたでしょ?」
「私あまり他の人の前でアニメの話したりするの好きじゃないから私が一人の時にしてね」

話を終えたネモは立ち去る。
日向を歩く彼女は先程とは一転して、いつもどおりの社交的な笑顔を浮かべていた。
一人残されたもこっちは(リア充はリア充で疲れそうだな……)と色々納得したのだった。

一見何の変哲もないリア充で陽キャ。その実、誰にも『将来の夢』を話したくない隠れオタク
ただの脇役だった『根元陽菜』が本当の意味で劇中に登場したのはこの一場面からだったのかもしれない。


【ただ一言だけを告げる勇気】

実を言えば、根元陽菜と黒木智子の繋がりは入学以前からあった。

入試試験の時、試験問題の難度のせいでハイライトが消失したゆうちゃんを尻目に高校で仲良くなれそうと思った右隣の地味目の女子に声をかけるもこっち。
「うぇーい、やったね」とアゲアゲで拳を合わせ自己紹介、相手の名前を聞く前にすぐさま左隣の女子にも同じリアクション。
その地味な女子こそ後の根元陽菜であり、当時のやり取りをずっと覚えていたのである。

ちなみに、当のもこっちはそんな繋がりがあった事など完全に忘れている。
これは受験当時の地味めな受験生と高校デビューした今のネモが結びついてない上、当時の調子に乗っていたサマを思いっきり恥ずかしがっている=あまり蒸し返したくない為。
あの時の受験生が自分だったと未だに思い出してくれない事はけっこう根に持っているようで、今なお入試関連の話題はネモの瞳のハイライトが消えるのがオチになっている。

時は流れ、三年生に進級したネモ達。
奇しくも、もこっちと再び隣の席になる。

「黒木さんも普通の子になったんだねー」

自己紹介は今度こそ無難に、と決めていたもこっちを煽るネモ。
つまらなそうな顔をするネモに怒ったもこっちは敢えて恥ずかしい宣言をぶちまけ、三度自己紹介でスベる。
しかし、席に戻ってネモに向けたのはこれまでの「しでかした」渋い顔ではない「してやったぞ」な笑顔。
恥を晒してでも自分自身を貫いたもこっちの姿にネモの心は大きく揺れる。もこっちの次の小宮山さんは唯我独尊っぷりを見せつけたが二人ともスルー

かつて、自分を偽る事が出来ない黒木智子は「友達がたくさんいて」「クラスを盛り上げる人気者」に憧れていた。
しかし、自分を偽る事が出来てしまう根元陽菜にとっては「たとえ友達が出来なくても」「クラスで自分自身を曲げない人間」は余りにも眩しく見えた。

(一年間をどう過ごそうか考えていたけど……)
(上手く演(や)るのはもういいか)

「根元陽菜です」

(黒木さんを見てると そう思えてくる)

「声優目指してます」

たった一言。これまで誰にも打ち明けたくなかった『将来の夢』を自己紹介で宣言する。
ネモにとっては相当に勇気を振り絞った行為であり、席に戻った彼女の体は小刻みに震えていた。

「もしもの時はぼっちのやり方教えてね プロでしょ?」
(ぼっちのプロってなんだよ……)

幸い、彼女のグループのメンバーはあまりネモを弄らずにありのままを受け入れてくれた……ただ一名を除いては。


【ただ貴女と再び会えただけ】

自己紹介以降、よりにもよって高校の一番の友人とも言える岡田さんとの関係に暗雲が立ち込める。
始業式前に三年のクラス分けのフラゲ情報をとても嬉しそうにネモに報告していた岡田さんだが、お互いに目も合わせない。
春の遠足でも、もこっちのグループを見かけたネモが早々とそちらに鞍替えするなど目に見えてギクシャクした空気になっていた。


閑話休題、グループに飛び入りしたネモにどういう話題を振っていいか悩んでいたもこっちは彼女をうっかり『ネモ』と呼んでしまう。
それを聞き逃さなかった彼女は怒涛の質問攻めを開始。

「さっきネモって言わなかった?」
「いや 言ってたよ。 絶対言ってた」
「もしかして心の中ではネモって言ってたの?」
「いつから?」

「いや、ネモって言いなよ。いつも心の中ではそう言ってるんでしょ」
「言わないと返事 しないよ

最後の方のコマは瞳のハイライトが消えており、ヤンデレじみた笑顔になっていた……。
結局、観念したもこっちはこれ以降彼女の事を『ネモ』と呼ぶ事になる。

「…ね、ネモ……」
「なぁに、クロ」

直後に吐いた記事冒頭のセリフは、「入試の時の遠慮がない黒木智子に再び会えた事」への言葉だろう。


【ただ話し合うだけでいい事】

その後、南さんと喧嘩別れした岡田さんを引き連れた加藤さんがもこっちグループと合流。
合流してなお、ギクシャクするネモと岡田さんだが、
もこっちから「友達だからこそ言い辛い事はある(要約)」と諭された(&余計な声優知識を一方的に教え込まれた)岡田さんが意を決してネモと対面する。

「声優ってエロいことやるんだろ!そんなのダメだ!!」
「は!?何言ってるの?」

初めは警戒していたネモだったが、(もこっちのせいで)妙に頓珍漢な訴えが混じっていた事に気持ちを緩める。

「ずっと一緒にいたのに陽菜が本当のこと言ってくれないから怒ってるってなんでわからないんだよ」
「結局さ……今こうして声優やめろって言ってるけどそれでも…最初に相談してほしかった」

「ごめんねあーちゃん。ずっと黙ってて」

根元陽菜は岡田茜に嫌がられたと思っていた。人によってはネガティブに映るオタク趣味を明かしたから。
岡田茜は根元陽菜に信用されていないと思っていた。よくわからない奴にだけ自分の夢を明かしたから。
紐解いてしまえば、これだけの単純なすれ違い。
岡田さんの真正面からの本音を受け、ネモは互いのすれ違いに気付く。
同じく自分の本音を打ち明け、両者のわだかまりは解消された。

(さっきの茜ちゃんはおもしろかったな――)
(エロゲーくらいであんなに取り乱して)
(もし私がHなゲームやアニメの声やったらどんな顔するかな?その時は最初に教えてあげるね)

ほんの少しの悪戯心だけを隠して。


【如何にして彼女は仮面を被るに至ったか】

盤外で様々な騒動を引き起こした人気投票で1位になり、彼女を主役とした番外編が掲載された。


中学時代の根元陽菜は様々なグループと仲良くしようとする少女だった。
陽キャのグループやオタクのグループなどと幅広く交流し、日常アニメのような学校生活を求めていた節がある。

しかし、現実はそうはいかない。

陽キャグループの腐女子グループへの悪口を肯定も否定もせず受け流すが、それに対する腐女子グループの自身への陰口までも聞いてしまう。
それらの生々しい現実を知った末に彼女が選んだのは、クラスメイトの誰とも一定の距離を空ける学校生活
男子からの告白は断り、陽キャグループの誘いも断って自宅で受験勉強。
明確なイジメがあったわけではないが、彼女が辿ったのは緩やかな孤立の道。
それが根元陽菜の心にどういう影響を与えたかは語るまでもないだろう。

「今度は上手く演(や)る」

高校に進学後、根元陽菜が選んだのは陽キャの仮面を演じ切る事。その後の経緯は上述の通りである。
そんな彼女の高校生活で最も幸運だったのは、所属したグループのメンバーが良識的な面子だった事と
自分を曲げずに泥臭く足掻くあの少女と縁が生まれたことなのかもしれない。

「根元陽菜、覚えといてね黒木さん」


【根元陽菜という少女】

本性を曝け出す前からその兆候はあったのだが、他人(主にもこっち)に対しては本音を炙り出す為にあえて煽るという手法をよく用いている。
別に相手を怒らせるためという訳ではなく、自分が相手をリードしたいという一種の主導権願望の現われだと思われる。
また、あだ名の件から推察できるようにやると決めたら多少強引でも突き進もうとする行動力もある。
しかしながら、根元陽菜という人物。そういった攻めのスキルは高いがはっきり言って守り方面はダメダメである

最たる例が、GWのオープンキャンバスの帰りに秋葉原に寄った時に、
「あーちゃんをより引かせた方が勝ち」という岡田さんにとっていい迷惑な勝負をもこっちに吹っかけた場面。
先行のもこっちが向かったのはBLショップ。
もこっちにしては比較的大人しめの選択で、岡田さんの反応もそれなりだった事にネモは「私はクロの本気見たかったなー」と不満げに煽る。
しかし、後攻のネモが向かったSMショップでもこっちがバ〇ブを持ち出して岡田さんをフリーズさせた時点で、ネモも若干引いていた。
この時点で既に怪しい雰囲気が漂っていたのだが、
困窮していた岡田さんを休憩させている間にもこっちにドヤ顔で話したエロゲーの体験談がこちら。

「それにエロゲなんて大したことないし。アニメにもなったエロゲv〇taでやったけど普通だったよ」
「ガチエロゲ?よくわからないけどそんなエロゲばかりやるわけないでしょ」

要約すると、プレイしたのはアニメ化した作品の全年齢版とR18なPC版(多分元ネタはこの辺)で付け焼刃同然のエロゲ知識であった。
エロゲーのディープさを知っているもこっちは「いやそれエロゲーじゃないじゃん」と思いっきりツッコミを入れた。
そして、

「いい機会だから見ていく?」

本気を出したもこっちはPCゲーム屋のR18コーナーという深淵に二人を誘う。

先ほどの勝負とは比にならないアレな画像やら音声に岡田さんは処理落ち寸前。
加えて、もこっちはネモに対してガチでディープなエロゲーのサンプルを見せたところ……

へ…へーーーーー…
こ…こういうのもあるんだね~…

顔面蒼白でドン引きしていた。
もこっちのつまらなそうな目線に煽られて結局購入&プレイしてしまう羽目になるのだがそれは別のお話。
声優志望と言えどどちらかと言えばライトオタクの枠組みに入るネモ、もこっちから主導権を得るのはまだまだ遠い話になりそうである……。


【余談】

特技は(声優志望の副産物と思われる)モノマネ。
もこっちの評判はよく似ていると評判になったが、
うっちー曰く「まあ少しだけ似てるけど…本人はもっと声低そうで高くて暗くてキモいよ。で、キモさの中に蠱惑さがあって……」との事。
近年の本作を表現する概念である『蠱惑』の誕生である。
なお、過去の経験からか明らかにバカにするためにモノマネを頼んだ人にはハッキリと不愉快そうな対応をしている。

発声の為に筋トレやマラソンなどの体作りもしっかりやっているようで、長距離走ではもこっち(唯一の得意競技)とタメを張れる程。
尚、鍛えた腹筋はある場面で顔に出さずに必死に笑いをこらえるという思わぬ活躍をする事に……。

彼女を見てもこっちは「リア充はリア充で大変」「自然な形でいるのが一番」と思うようになり、奇行こそ目立つが作品序盤のような空回りはしなくなった。
結果それが功を奏して友人が増え、晴れてリア充生活を送れるようになったと考えると、田村ゆり南小陽と並んでもこっちの高校生活の分岐点になった重要なキャラクターである。

Webラジオに出演した際の作者(原作担当)曰く「初期からネモの隠れオタクの設定はあった」「ネモの髪型はその設定を基に作画担当がアニメキャラっぽいものにした」。
つまり、作品の方向性の変化により裏設定で終わっていたキャラの掘り下げを表に出してきたという事になる。

前述のとおり、もこっちからの呼び名である『ネモ』の語源は彼女の苗字とガンダムのMSなのだが『ネモ』の名を冠する有名なキャラがもう一人いる。
その人物とは『海底二万マイル』のネモ船長。『ネモ』という名前は自分の出自を隠す為の偽名であり、その語源はラテン語の「nemo(誰でもない)」。
……結果として、根元陽菜にとって色々と皮肉めいたニックネームになっている事を劇中の誰もが知らない。

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最終更新:2024年01月27日 22:03