ミノタウロス(白猫プロジェクト)

登録日:2019/02/11 (月) 00:29:26
更新日:2021/01/10 Sun 16:56:26
所要時間:約 11 分で読めます






アプリゲームのアクションRPG『白猫プロジェクト』に登場するモンスター。



概要

リリース開始初期から存在する大型モンスターの一種。分類は魔族。
数多のアップデートとイベントを重ね続け、プレイアブルキャラもモンスターも総数が凄い事になっている本作では星たぬき、コボルト等と並んで最古参のモンスターでもある。

見た目は角を生やし、鎧を身につけ、斧を携えた逞しい牛人で、ファンタジーの有名な怪物ミノタウロスにデフォルメかけたような姿をとる。
知性もあり、傭兵として戦場に赴くこともある戦闘種族。


ミノタウロスと言えば、多くの創作において「パワー一辺倒のキャラ」というイメージが定着しており、例外の作品こそあれども基本は脳筋であった。
本作のミノタウロスも例に漏れず、斧と巨体を活かした肉弾戦を仕掛けてくるのだが、とある一点のみ、他作品でもそう多くは見られないだろう最大の特徴がある。



牛のごとき頭部をもった魔族。
手にした斧を投げつけてくる。
(モンスター図鑑より)


手にした斧を投げつけてくる


そう、この一点に尽きる。
しかもただ投げるだけではない。何やら斧を頭上で振り回したかと思えば、一気にブーメランの如くブン投げてくるのである。通称「斧ブーメラン」。
当たると勿論ダメージを受ける上に連続ヒットする性質を持つため、スピードが落ちる折り返し地点に突っ立っていると凄まじい勢いでHPが削られていく。
敵味方の強さの差によっては、これだけで即死も有り得るほど。

斧ブーメランはプレイヤーキャラとの距離が遠いほど優先的に繰り出す傾向があり、間合いを詰めない限り延々と行い続ける。
更に、飛距離もミノタウロスのサイズにそのまま依存する性質がある。
小さければ短く、大きければエリアの端から端まで捕捉可能と脅威的。

このせいで飛び道具中心に戦うキャラクター、職業であっても油断できず、モンスターの群れに混じっていたら優先して処理するのが望ましい。
最初から発見状態のミノタウロスが遠距離ないし画面外にいる場合、HPが足りない時に突然の斧ブーメランでご臨終……なんてこともある。消音でプレイしている時ほどかかりやすい罠。
ソロプレイでも十分に厄介だが、他人の状況を把握することも必要だった協力バトルでは、ミノタウロスのターゲットを取ったプレイヤーは不用意にミノタウロスから離れず、仮に斧ブーメランをされても他のプレイヤーに飛んで行かない位置どりで戦う事が求められる風潮が生まれたほど。
初期から遅れて実装された高難度の協力バトルでは、プレイヤーが行くことのできない離れた場所に出現=斧ブーメランを誘発しやすい、といったある意味固定砲台のような個体も存在する。
エリアによっては複数出現するうえ、サイズが小さく折り返し地点で被弾しやすい。そんな斧ブーメランがあちこちから飛び交う大変な状況になりうる。
この個体は倒さなくても進めるので無視したいところだが、他の敵に手間取っていると余計に巻き込まれやすくなる。ミノタウロスのやっかいな部分を上手に利用している例と言えよう。


最古参モンスターという事もあり、現在ではミノタウロスより危険度が上のモンスターは(自身の派生種含め)ゴロゴロ転がっているのだが、
リリース当初は多くのプレイヤー達から脅威の一つとして恐れられていた。
今では当たり前のシステムである神気解放*1も、石板*2も、クラスチェンジ*3なども一切存在しなかった時代である。
特にこの頃は現在と比較して、味方のHPはレベルMAXでも3桁台のキャラクターが殆ど。
味方の火力の低さも痛く、各職業は固有アクションも無く通常攻撃は貧弱*4……と、インフレのイの字も見当たらない程度にキャラクター達が弱かったので、敵が高レベルのクエストにおいて「殺られる前に殺れ」を実践することも困難な環境であり、尚のこと斧ブーメランは割と現実的な死因でもあった。
初期の敵キャラゆえ、後に実装されたデンジャラスアタック*5ではないので、タイミングよくスキルを使ってやり過ごすという手もあるが、当時はスキルはなるべく温存しここぞという所で使いたい物であり、前述の通り通常攻撃も貧弱でSPも稼ぎにくく、あまり乱発できる物ではなかった。
このような環境だったので、斧ブーメランの予備動作のブンブンと乾いた威圧感のある音に身震いしたプレイヤーも多かったのでは。
今では総合的にキャラクター達の強さも底上げされ、事故死が簡単には起こらなくなった辺り、時代の流れを感じさせる。



斧ブーメラン以外の技

斧ブーメランばかり注目したので他の技も取り上げる。


  • 斬りつけ
正面を斧で斬りつける。
ただそれだけの技で威力も低いのだが、ミノタウロスの技ではかなり出が早く、接近戦で意外と食らいやすい。

  • 叩きつけ
ジャンプして斧を叩きつける。走ってくる際にそのまま出す場合もある。
斬りつけよりも予備動作がちょっと長い。

  • 大ジャンプ
かがんだ後に空高く跳躍し、着地の衝撃で周囲を攻撃する。
当たるとほぼ確定で気絶してしまう。

  • 突進
鼻息を荒げた後、角を突き出しながら突進。
中途半端な距離だと斧ブーメランとの二択になることもある。



モンスターとしてのバリエーション

ミノタウロス種

  • ハイ・ミノタウロス
様々な戦場で戦う傭兵魔族。
所かまわず突撃する。
  • デス・ミノタウロス
非情な戦いで知られる魔の一族。
死を恐れない。

ミノタウロスの色違い。通常のミノタウロスが茶色なのに対し、ハイが白、デスが黒。
ただの色違いなので行動パターンの違いは無い。


  • 赤鼻・ミノタウロス
赤い鼻が光り夜道を照らす。
ところで悪い子はどこだ?

主にクリスマスイベントで登場するミノタウロス。
トナカイのような装いをしており、肩当てや背中にプレゼント箱が生えている。
こちらも行動パターンは変わらないが、炎属性が弱点になっている。

  • サンダーミノタウロス
興奮していたらいつの間にか
帯電していた魔族。短気。

雷属性の黄色いミノタウロス。
常に全身が帯電、発光している。

純粋なミノタウロス種のモンスターとしては実質最強にあたる。
それというのも、名前に「フレイム」「サンダー」等とつく属性モンスターは自身の属性に応じた属性ダメージと状態異常を攻撃に付加する上、
弱点以外の全属性攻撃や職業が持つ属性に耐性を持つという厄介な特徴があり、サンダーミノタウロスも例外ではない。
雷属性モンスターは炎属性が苦手なため、安定して倒すなら炎属性ダメージが大きいスキルを持つキャラクター、特に炎属性キャラクターが必要。

各攻撃は雷属性ダメージと感電が加わっていることを除けばミノタウロスと同じ。
だが、自慢の斧ブーメランは自身の周囲を回転する軌道に変化しており、その関係で近距離にいても構わず使用する。
更にHPが半分を切ると、「短気」と評されるように怒りの咆哮と共にデンジャラスモードへ移行。
赤いオーラが発生中はモーションが高速化し、あらゆる攻撃がデンジャラスアタックと化すようになる。
行動パターンとしても休みなくガンガン攻撃してくるかなり危険な状態であり、ゴリ押ししていると自身までHPが削られてしまう。
しかし一定時間経つとデンジャラスモードが切れてフラフラになり、再度発動するまで隙ができる。


  • メギド・ミノタウロス
瘴気結晶を取り込み異形と化した魔族。
吹き上げる瘴気に注意。

イベント『討滅士ガルガ』で初登場した、異形のミノタウロス。
身体や斧が紫色の結晶と一体化し、白目を剥いている不気味な姿が特徴。特に背中は本イベントの重要な敵である「命滅獣(メギド)マスティマ」の背中に生えた突起物と同じものが確認できる。
種族系統も魔族から命滅獣種となっているため、魔族特攻は通じない。また、打属性と魔属性に耐性を持っている。

各攻撃にキャラクターのSPを奪う効果が付随しており、ゴリ押しで戦っているといつの間にかスキルが発動できない、なんてことが起きる。
ただ、攻撃モーションは元のミノタウロスと大して変わらないという、前述のサンダーミノタウロスや後述のナハトドンナー実装後の亜種としては珍しい点も。
この辺りは同時実装されたメギド・マンティコア*6にも同じことが言える。


派生種

  • ウッホ種
ハンマーを掲げたマヌケ面の大猿。傭兵団を率いることもある。
学名は「ウッホ・ウッホ・ウッホ」*7
魔族のミノタウロスと違い幻獣に分類される。
同じ黎明期でミノタウロスより後に登場したモンスターで、大ジャンプなど共通する技もあるが、待機モーションを始めとして殆どの動作が大きく異なる。
ブーメランは使わない代わりにハンマーでグルグル回転する。これも当時はよくある事故死因として恐れられた。
純粋なウッホ種としてのバリエーションが何気に多く、「見ざる聞かざる言わざる」をモチーフにした個体がいれば、ただの迷惑な酔っ払いの個体もいたり、王の名を冠する超強いウッホがいたりなどとにかく豊富。


  • クジャタ
天への階に潜む聖なる獣。
一歩を踏み出すか、それとも――

高難易度イベント「アトランダムタワー」*8シリーズで最初に登場したボスモンスター。ウッホと違いミノタウロス骨格の完全な別種。
白猫プロジェクトの海外版であるRune Storyにて日本版より先に登場しているため、逆輸入としての登場となった。
肩や腕にも角が生え、目は拘束具で覆われた不気味な風貌の持ち主であり、常にオーラを纏っているなど外見から既にヤバさが漂っている。
系統は幻獣。水属性が弱点で、突および炎属性に耐性を持つ。

それまでのミノタウロスとは一線を画す強敵。
まず、登場一番に封印状態をもたらす咆哮*9でこちらの出鼻を挫き、次に斧を掲げて地に穿つと周囲にダメージ判定有のマグマが複数噴出する。
このマグマ設置はスパイダー種の蜘蛛の巣と同様、地雷型の置き技という性質を持ち、マグマはもちろん斧で穿つ動作にも当たり判定がある。
触れれば炎属性ダメージと共に転倒&燃焼状態でスリップダメージを受け続ける。ごく微量なダメージとスロウで移動速度を下げるだけの蜘蛛の巣とはダメージ量も危険度も段違い。
しかも一連の攻撃はHPが半分を切った時にも再使用するので、油断するとまた封印されてえらい目に遭う。
マグマ設置は単体で使うこともあるので、フリック回避などで適宜処理していくこと。
他の技も炎属性が付加されただけでなく、突進はたまに高速化し、手からは火炎弾を連続で撃つなど、ミノタウロスにはない行動も使ってくる。
登場する機会が増えてからは乱戦時に突然現れ*10封印咆哮をしてくるという、奇襲のような使われ方もされ始め厄介な存在に。

海外版では封印咆哮をしてこなかった。


  • 暴虐の海魔(ドレイク・ガルン)
この男がもっとも怪物じみていた
のは、人間だったころである。

「ぴょーぴょぴょぴょ。お姫様は聞き分けがわるいっぴー。」

2周年記念イベント『ソウルオブナイツ』の敵方の登場人物、ドレイクが「闇」の影響で異形化した姿。
見た目は肌が黒くなったクジャタだが、ドレイクの台詞付きで戦闘中に喋る。
何気に名有りのキャラがミノタウロス骨格のモンスターとして戦うのは、2019年時点でもおそらく暴虐の海魔(ドレイク)が唯一。
幻獣族に加え、軍に入っているためかナイト族も併せ持つ。斬属性と水属性が弱点。打、突、魔および雷、炎属性に耐性を持つ。

ドレイクは連邦が闇に対抗すべく結成した精鋭部隊「征討軍」の将軍が一人と同時に、提督として鋼の国を統治する海賊。
征討軍の中でも絵に描いたような悪逆非道の巨漢であり、序章時点で王女ソフィに対し、捕縛した国民の安全を盾に逆らえない状況に追い込み、優位に立った余裕でからかう目的か、彼女が治める氷の国のマスコット、エドっぴー*11の「~っぴ」という語尾を真似した上、エドっぴーの人形を握りつぶすという用意周到ぶりと底意地の悪さが際立つ。
素の口調なのか気に入ったのかは不明だがほぼ上記のような喋り方をするので、太ったいかにもな海賊、さらに暴虐の海魔へ変貌した後でもこの喋り方のままなのでとてもキモい。
捕虜を生きたまま火炙りにする行為(ドレイク曰く「海賊名物ドレっぴー焼き」)を平然とやってのけるなど良心の欠片もなく、連邦サイドの数ある負の側面を如実に表した存在である。

本編でも聖地ディルムン*12で帝国軍の兵士らを捕え、火炙りにしようとした所で主人公一派と遭遇。
しかし、実は一部の幹部も含め、自分自身は表向き敵視している筈の闇と結託しており、魔物に変貌して自ら襲いかかる。
最終的に倒されたものの、既に人間を捨てていた事から主人公一派に「征討軍こそが闇と繋がっているのでは?」と疑念を抱かせることに繋がった。


  • ウェンディゴ
すべてを凍らせる異形。
元は人であったとも伝えられる。

こちらも「アトランダムタワー」シリーズが初出の幻獣。炎属性が弱点。斬、打属性に耐性を持つ。
クジャタの亜種で、体表は白く、角は氷のように変化している。
こちらは水属性と凍結に長けており、凍結は少なからず隙を晒すことになるため燃焼とはまた違ういやらしさ。
また封印咆哮にはSPダメージとSP回復を阻害する状態異常まで加わるなど厄介さもアップ。
後はクジャタの各攻撃を氷に置き換えたものが中心だが、斧ブーメランだけデンジャラスアタックになっているため正面でスキルを使うのは危険。
クジャタと同じく登場する機会が増えてからは突然現れ咆哮を放ってくる時がある。前述の咆哮の特性上、かなり厄介。

  • ナハトドンナー
凝固させた暗黒をまとう幻獣。
その黒き雷はすべてを討ち滅ぼす。

「アトランダムタワー」シリーズ初出の中では最新の派生種。こちらも幻獣。弱点は持たず打、突および雷、闇属性に耐性を持つ。
各種攻撃に紫っぽい電撃のようなエフェクトが出る事から、名前の由来はドイツ語で「Nacht(夜)」「Donner(雷・雷鳴)」をそのまま合わせたものだろうか。

白い外殻に覆われ、のっぺりした顔を持つ奇妙な人型の魔物。
クジャタと違って封印咆哮は使わず、手からは火や氷の代わりに巨大な闇の球体を射出する。でかい分スピードは遅め。
斧ブーメランも行うが意外にもデンジャラスアタックではない。
そのかわりと言うべきか、新たなデンジャラスアタックとして斧を掲げた後に叩きつける技があり、前方広範囲に衝撃波を巻き起こす。食らってしまうと大ダメージに加えSP回復を阻害する状態異常が付与されてしまう。

HPが約半分を切ると様子が一変し、咆哮と共に外殻が黒く変色。恐ろしい怪物の顔が露わになった本性を曝け出し、攻撃UPと防御UPのバフを纏うようになる。
また、マグマ設置のモーションでターゲットしているキャラクターがいた位置に吸引効果のあるブラックホール(ダメージ判定有り)を設置する攻撃を行うようになる。
それ以外の行動に変化はないが、ブラックホールに吸い込まれる間にもナハトドンナーは構うことなく攻撃を繰り出し、非常に戦い辛くなるため、短期決戦で仕留めた方が精神的にも楽。
乱戦時ほど厄介な攻撃であり、先に処理するにしろ後回しするにしろ、なるべく形態変化をさせない事を念頭に置いておきたい。




追記・修正は斧ブーメランが来る前にお願いします。
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最終更新:2021年01月10日 16:56

*1 キャラクターの各パラメータが大幅アップし、スキル内容もオート・アクション両方が強化される。中には2段階の神気解放が用意されたキャラクターも。

*2 装備することでパーティ編成時のコストアップと引き換えにパラメータを強化する。最大育成すると石板ごとに決まったオートスキルが解放される。

*3 キャラクターの各パラメータが大幅アップし、通常攻撃が専用のモーションに切り替わって範囲・威力ともに強化される。キャラごとに実装の有無が異なる神気解放とはあくまで別物であり、全キャラクターが恩恵を受けられる。またスキル自体の直接強化には関わらないが、一部のダメージ計算式が変化する。

*4 例えばウォリアー。通常攻撃コンボは見るも無残なノロマっぷりで、フリック回避からのバスタースピンも無いためSPが稼ぎにくいと悲惨な状態だった。

*5 スキル使用時の無敵時間を無視する攻撃。だいたいモーション開始前に赤いオーラを発するのが合図。

*6 ジャガー種の派生種、マンティコアのメギド版。マンティコアはジャガーには無いスキルカウンターや敵召喚を備えた強敵。

*7 実はゴリラの学名のパロディ。本家もまんま「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」である。

*8 ちなみに2019年時点でルーンメモリーに収録されていない。後述のソウルオブナイツも同様。

*9 解除されるまでスキルが一切使えなくなる。かなり危険度が高く、スキルに強さが寄っているキャラクターはこれ一つでピンチに追い込まれることもある。

*10 カメラの移動を固定にしているとカメラの範囲外に出現する事もしばしば

*11 エドガルドという海賊の人物を可愛らしくデフォルメしたもの。

*12 元は帝国と連邦が半分ずつ統治していた島だが、帝国が闇と手を組み悪辣な合成魔獣実験を行っていた、とする獣人の告発から大義名分を得た征討軍が攻め込み帝国と戦争になった。だが、結論から言ってしまえば合成魔獣実験そのものは事実で、それを帝国の所業とした上で闇と繋がっていた……という告発の方が全部でっち上げ。なおこの手の派手な実験は、本来なら鋼の国が好んでやりそうな事らしい。