ビブリオバトル

登録日:2019/06/23 Sun 01:00:00
更新日:2024/01/29 Mon 22:23:10
所要時間:約 5 分で読めます




ビブリオバトルとは、それぞれが持ち寄った本を5分間ずつプレゼンし合い、「一番読みたくなった本」を決めるゲームである。
キャッチコピーは「人を通して本を知る、本を通して人を知る」。


ルール


発表参加者は5名前後がちょうどいいとされる。
それに加えてタイムキーパーがいれば、ビブリオバトルは成立する。
規模が大きいビブリオバトルでは、投票にのみ参加する聴衆がいる場合も。

1:発表参加者が読んで面白いと思った本を持ち寄る


まずは紹介したい本を探すところから始まる。
参加者自身が選んだもので、その本について5分語れるくらいにちゃんと読み込んでいればどんな本でもOK。
漫画や雑誌でも問題はないが、ローカルルールで禁止されていることもある。

初心者は中身よりも表紙やタイトル、帯で選ぶのがおススメ
自分が一目見ただけで「読みたい」と思ったのであれば、大抵他の人も同じように感じるため。
帯に本をオススメする文章が書かれていれば、それを参考にプレゼンの枠組みを作ることもできる。
一方、ベストセラーは「もう知ってるという人が多い」「他の人と被る可能性がある」といった理由から不利になりがち。

テーマが設定されている大会では参加者の選ぶ本の傾向が似てくるため、その中でいかに注目を引く本を選べるかが腕の見せ所となる。
テーマに一見関係なさそうな本でも、プレゼンの中でテーマと結び付けられればセーフとなることが多い。


2:順番に一人ずつ本を紹介する


5分間、自分の選んだ本についてプレゼンする。
資料の事前配布などは原則禁止、身一つと紹介する本だけで5分語り切るのが王道。

慣れてくるにつれ話す分には短く感じるようになっていくが、聞く側にとっての5分は結構な長さ。
最初にいかに参加者の心を掴み、その後の話を聞かせるようにするかが鍵を握る。
そして「読みたい」と思わせるためには、いかに感情を伝えられるかが重要。身振り手振りや声の抑揚など、全身でその本の面白さを伝えてるのがコツ。

本の中身を開いて見せるのは認められている場合が多いが、一つの机で行うグループワーク方式であれば参加者全員に見てもらえる反面、聴衆が大勢いる場合は後ろの人には見えないのであまりl意味がない。

なお、発表を切り上げることはできず、必ず5分話さなくてはならない。ネタ切れには要注意。
最後の一言と同時にタイムアップの音が鳴るととてもカッコいい。

ローカルルールでは時間が3分になることも。
言いたいこと全てを話すのは不可能なので、取捨選択は必須。


3:それぞれの発表後、ディスカッションを2〜3分行う


一人の発表が終了するごとに、発表内容や本自体に関する質疑応答を行う。
質問の内容は本について詳しく知りたい点や、「一番読みたい本」を決める上で手がかりとなる情報など。揚げ足取りや批判はご法度。

発表者側としては、あらかじめどんな質問が来るか予想しておくのが基本。
本を普通に読むときにはスルーしがちな「あとがき」や作者の来歴あたりもちゃんと読んでおくと、さまざまな質問に対応しやすい。
ネタバレに関わる質問は「それは読んでみてのお楽しみです」と言っておけばなんとかなる。


4:全ての発表終了後、投票で『チャンプ本』を決める


参加者全員+聴衆が1人1票「一番読みたくなった本」に投票。
もっとも得票数の多かった本がチャンプ本となる。

評価の基準は「プレゼンが良いか」でも「本が面白いか」でもなく、あくまで「その本が読みたくなったか」。これ以外の基準を持ち込むことは禁止*1
ゆえに、どんなに面白い本でも既に読んだ本であれば投票しないということになり、極端な話どんなにプレゼンが下手でも、紹介された本を読みたいと思ったならそれに投票するということになる。

ビブリオバトルはあくまで参加者の主観によってチャンプ本が決まる。これは大規模な大会でも変わらない。
このため、参加者の傾向を見極めて好きそうな本を選んだり、特定の誰かを狙い撃ちするようなプレゼンをするのも立派な作戦といえる。

なお、自分に投票することはできない。


ビブリオバトルを題材にした作品


  • BISビブリオバトル部シリーズ
ビブリオバトルをテーマにした青春小説。
部員はSF、ノンフィクション、ボーイズラブといった得意ジャンルがあったり、独特のトークセンスを発揮する個性的な面子が揃っており、奥の深いビブリオバトル描写が魅力。

  • ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌
正確には異なるのだが、ビブリオバトルならぬ「ビブリアファイト」を題材にしたライトノベル。タイトルの通り『ビブリア古書堂の事件手帖』のスピンオフ作品。
厳密な意味でのビブリオバトルとはまた違った側面から「本好き」な人々を描いており、本家にも譲らない青春小説としての魅力を持った作品。


追記・修正は5分ピッタリで発表できた人にお願いします。

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最終更新:2024年01月29日 22:23

*1 その理由の一つは組織票を防ぐこと。例えば、発表者の所属する学校の関係者や友人が応援のために票を投じることは、この評価基準に反しているため違反となる。