朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER

登録日:2019/09/15 Sun 21:56:00
更新日:2022/08/04 Thu 06:03:22
所要時間:約 7 分で読めます




音無小鳥 16歳。母を追いかけアイドルへ!?

概要

『朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER』は、BNEI/PROJECT Im@s:原作、高橋龍也:脚本、まな:作画による『THE IDOLM@STER』の公式コミカライズ作品。
お馴染み、765プロ本社事務員音無小鳥を主人公としている初めての長期連載作品でもある。
そして、毎回の扉絵で若小鳥さんがコスプレ披露しているぞ!

2017年7月号~2021年4月号まで一迅社の『月刊comicREX』にて連載。全5巻。
余談だが、1~3巻が出た後に4~5巻が出るまでに非常に期間が空いてしまったが、最終巻となる5巻は多くのファンや作者の希望が通りアイマスコミカライズではお馴染みとなっているCD特装版でも発売されることとなった。

以前に、同じく『comicREX』で連載されていた、名作と名高いアニメ版『THE IDOLM@STER』=アニマスのコミカライズ作品(『REX版』『まなマス』)と同一のスタッフ、世界観により描かれた、公式での過去編となっている。
特に、アニマス21話で匂わされていた765プロ現社長高木順二朗と961プロ社長黒井崇男のふたりが袂を分かつ切っ掛けとなった過去の因縁と、その原因となったアイドル……小鳥さんの母親である音無琴美の存在がテーマとなっている。

つまりは、色々と過去が想像されてきた“あの話題”について、初めて公式で描かれた作品という意味でも、P達にとっても興味深い内容となっている。尚、小鳥さんの年齢から本編開始の13年程前の出来事と予想される。

若い時の小鳥さん、いや小鳥ちゃんの可憐な姿既に熟してきてるがは勿論のこと、まだ日焼けにハマる前なのか、普通に顔が描かれている社長達にも注目である。

【物語】

日高舞の電撃引退により到来したアイドル冬の時代……過去に負った瑕疵を各々に背負いつつも同僚として、尽きかけた夢の糸を何とか紡ごうとする二人の男……高木順二朗と黒井崇男。

しかし、高木は過去の“ある出来事”から脱け殻の様になってしまい、黒井はそんな高木の姿に苛立ちを覚えていた。

……そんなある日、高木は街でティッシュ配りのアルバイトをする少女、音無小鳥と出会う。

彼女は、かつて去っていった音無琴美と瓜二つで……。

【主要登場人物】


16歳。
10年以上前だが現代編の主人公。当時はセミロング。
母親の影を追って実家を離れて上京して一人暮らししており、アルバイト生活をしながら高校に通っている。
明るく前向きで、当たり前のことを当たり前に感動出来る性格でアイドルも好き。
一方で、信じたものを譲らない、物事の裏にある本当の気持ちを察せられる芯の強さや洞察力を持ち、小鳥との出会いは琴美の喪失による空虚さを抱えていた高木(や黒井)にも変化をもたらすことに。
また、小鳥も高木と出会ったことで琴美の語っていた恩人が高木であることを理解していった。
母親の影響で、小さい頃から歌を聞いたり歌ったりするのが大好きで、母親との思い出の歌を録音して普段から聞いている。
本作では、小鳥さんが過去にアイドル活動していたのか否かが明らかになるのかも気になる所。

  • 音無琴美
16歳。(当時)
吹奏楽部で、野球部の応援で球場に来た所を黒井と待ち合わせていた高木にスカウトされた。
小鳥の実母で、アニマス21話で若いときの善澤記者や高木社長、黒井社長と写真に写っていた小鳥さんにそっくりな謎の少女が彼女であり、本作にて小鳥さんの母親であると確定すると共に、初めて彼女自身の名前も登場した。*1
娘との見分け方は、泣きぼくろがあるのが琴美、艶ぼくろがあるのが小鳥。後は一緒。
多くの人が予想した通り、過去(本作から18年前程と思われる)に高木順二朗と黒井崇男のプロデュースを受けていた少女であり、予想以上に重かった真相が付いてきた彼女の喪失が、コンビ的存在であった高木と黒井の関係の終焉に繋がった模様。
過去編の主人公……というか、連載開始から暫くは売り出し中のアイドルであった彼女の過去と、突然の“失踪”の真相がテーマとなっている。
肺動脈性肺高血圧症*2という持病を患わっており、あるレッスンの日に彼女が倒れてから3人が夢見た理想のライブへの道が揺らいでしまう。
高木も他人に真相を明かそうとしなかった失踪から2年後に善澤記者が出産2カ月前の彼女を見つけ出しており、この時のことは高木にすら明かされていなかった。
3巻のカバーではウェディング姿の小鳥さん……ではなく琴美さんが見られるがお相手*3は不明。

43歳?位。
後の765プロ代表取締役。現社長。
大手芸能事務所で課長職にあるものの、今も精力的に斜陽のアイドル業界を盛り上げようとしている同志の黒井に対して、過去に、偶然から出会った音無琴美を見出だしながら経験した彼女との不幸な別れから、ショボくれた姿を晒している。(世間的にも大事件となり、責任者として矢面に立ったのが高木だった)
その為か、同世代の黒井と比べて老け込んでしまっている。
それでも業界から追放されずに管理職に残り、業界内にも親しく接してくる相手が居るあたり、相当な辣腕の持ち主だったことが窺え、後には然り気無いフォローを見せる場面も。(高木よりも琴美への批判が集中して望まない同情が寄せられた模様)
実際、黒井とのコンビはアメと鞭と言われつつも野心に於いては共通するものを持っていたようで、黒井からは積極的に話しかけられている。
従兄弟の一朗ちゃん*4からは、積極的に設立予定の独立事務所(多分765プロ)に誘われているものの応えるつもりはなく、無視したり曖昧な返事を続けている。
琴美と瓜二つの小鳥との出会いの中で琴美が早逝したことを知るも、小鳥から伝えられる琴美の姿と言葉に救われていくことに。
高級マンション暮らしだが、待っている筈の妻と娘には逃げられており、連載開始当初は部屋も荒れ放題という有り様だった。(後には綺麗に片付いてるので、小鳥との出会いから幾らか活力を取り戻したことが窺える)

41歳?位。
後の961プロ社長。
本作の時点では順二朗と同じ大手芸能事務所で課長職にあり、琴美の“失踪”まではコンビ的存在としてアイドル業界に革命を起こすべく二人で頑張っていた模様。
“今”の時間軸では、悪党ながらもツンデレな所もあるおじさんとして知られるが、その性格は悪党ではないが昔からのようで(つまり、この頃は只のツンデレなおじさん)、更に言動の節々にタカギスキーが滲み出ている。(小鳥「┌(┌.^o^)┐<ピヨォ」)
なので、順二朗が会話の中で昔の野心を思い出した時には、瞬間的に「それでこそ高木順二朗」と空気も読まずに喜んでいた。(そして、即否定された)
また、琴美を引退させたのは自分と確信しており、それは順二朗を心配しての行動からだった。
そうした事実も含めて、言動とは裏腹に音無琴美の失踪は黒井にも相当なショックを残していたと予想される。
右肩下がりのアイドル業界とアイドルの地位向上の為に邁進しており、相変わらず厳しい態度で誤解され兼ねない行動を取っているものの、分かっている人間は分かってくれている……といった所。
細かい話だが、公開されていたプロフィールでは高木(順一朗、順二朗)より身長が僅かに低かったが、本作では少し長身に描かれている。
また、高木と黒井の補佐的な地位の人物として、後の876プロ社長の石川実も登場しており、他にも何人か……?

  • 善澤記者
アニマス(と、それに続く)世界ではお馴染みのベテラン記者。
高木(や黒井)との関係の深さは昔からだったようで、琴美の失踪の時には仕事を越えて捜索に協力していた模様。
そして、失踪していた琴美を見つけ出すも彼女を慮り、公表は勿論、高木にすら秘密にしてきた。

  • ブラックニードル(若宮一沙、香椎アオ、久米うらら)
本作時点で黒井が売り出している如何にも961的なクールとかFairlyなトリオユニット。おぉ、蒼い蒼い。
生真面目で責任感の強いリーダー、気まぐれでやる気のない問題児、気弱なビジュアル系とバランスが良い。
アイドルが軽んじられている時代に実力を見せつけて世間を変えてやれ、と過剰なプレッシャーをかけられているが、やがて、一沙は反骨心が転じて琴美の件も知ってしまい、それも踏まえて黒井の期待に応えたいという思いを抱いていくようになる。

【余談】

  • 音無小鳥の持ち歌である『空』『花』は、かつて“あるアイドル”の歌であったという裏設定があり、本作の描写から“あるアイドル”とは琴美になるのではないか、と予想されている。
    本編では琴美のデビューにあたり三曲が用意されたようだが……?


※以下は終盤までのネタバレ含む。



追記・修正は、何処でこの純真な娘が腐ったのか突き止めてからお願いします。

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最終更新:2022年08月04日 06:03

*1 通称として小鳥母や親鳥等と呼ばれていた。

*2 通称「PAH」。心臓から肺に血液や酸素を送るための肺動脈の血圧が、血管が固くなったり狭くなったりした影響で高くなったり、その結果少し運動しただけで息苦しくなってしまう難病。

*3 小鳥の父親となる男性との正式な結婚は出来なかった模様。その為、小鳥の「音無」姓は母方の旧姓となっている。(その事は4話の順二朗からも言われている)

*4 ちなみに最終回では、今の小鳥が順二朗と面接の形で再会するシーンで締められるが、逆に言えば小鳥は順一朗とはその時会っていないと思われる。恐らく『2』で765プロの社長が順二朗になったという設定変更を受けたからだと思われる。

*5 基本的に本編ではレイアウト等から匂わせるだけに留めていたものの最終回にてお馴染みの雑居ビルの全景と窓に張り付けられたロゴが登場した。

*6 尤も、本作を描くにあたり過去のコンテンツ内で開示されていた情報で足りない部分をプロジェクトアイマスやディレ1から得た情報で埋めた。──とのことなので公式での見解と見ても差し支えないだろう。