SCP-4514

登録日:2019/11/02 (土) 02:52:55
更新日:2024/04/09 Tue 07:07:07
所要時間:約 7~8 分で読めます




人生なんてクソ喰らえだ。

SCP-4514は、シェアード・ワールド SCP Foundation に登場するオブジェクトである。オブジェクトクラスは Safe。タイトルは『お前を殺すもの(The Thing That Kills You)』。
Safeクラスとメタタイトルから何かを察した方もいるだろうが、
このオブジェクトはそこまで厄介なシロモノではないので安心してほしい。

特別収容プロトコル


SCP-4514は標準Safeクラス用コンテナに保管されます。SCP-4514はO5評議会の承認を得た場合にのみ使用されます。

…標準Safeクラスコンテナに入れるという大して厳重ではない取り扱い方法のくせに、
 実験などで使用する場合にO5の承認が必要?
 何やらちぐはぐな感じがするが、概要を見ていこう。

概要

SCP-4514は標準的なスイッチナイフです。SCP-4514の異常性は以下のような条件で表れます:

  • 血液の40%を失うように個人を傷つける
  • 脳へ重篤な損害を与えるように個人を傷つける
  • 心臓へ重篤な損害を与えるように個人を傷つける
  • 呼吸不全を引き起こすように個人を傷つける

SCP-4514の異常性のトリガーとなる新たな方法を発見する為の調査が進行中です。

個人がSCP-4514の異常性を活性化させるような方法で傷つけられた場合、その個人は死亡します。

???
異常性についての概要が一切書かれていない。これは一体どういうことだろうか?
まるで上の4つの事柄で死ぬことが異常であると言っているような書き方である。
もしかすると、報告書に反ミーム的特性でもあるのだろうか?
次に実験記録だが、長いので折りたたむ。

実験記録


+ 実験記録
実験記録:

実験 #: 1

被験者: D-3314、36歳白人女性。健康体。

手順: SCP-4514を用いて、被験者に腕に小さな切開(深さ0.125cm、長さ3cm)を作る。

結果: 被験者は生存した。

実験 #: 2

被験者: D-3314、36歳白人女性。健康体。

手順: 被験者を鎮静させ、SCP-4514を用いて被験者の脚に大きな切開(深さ1cm、長さ10cm)を作る。その後、傷口は縫合される。

結果: 被験者は生存した。

実験 #: 3

被験者: D-8833、93歳アジア人男性。脳機能障害有り。

手順: 被験者を鎮静させ、SCP-4514を用いて刺す。刺突は脳を目標とし、可能な限り迅速に行う。

結果: 被験者は終了した。

実験 #: 4

被験者: D-11424、131歳白人女性。頸部の手術に起因する合併症により、筋肉の痙攣、麻痺に苦しんでいる。

手順: 被験者を鎮静させ、胴体の中央部に大きな切開(深さ1cm、長さ10cm)を作る。切開部を通して50%の血液が失われてもなお被験者が生存している場合、傷口が縫合され、十分な量の血液が自己血輸血により被験者へ戻される。

結果: 40%の血液を身体から失った後、被験者は終了した。

<簡潔に秘匿された追加テスト>

実験 #: 47

被験者: ジョージ・ハウス研究員、132歳白人男性。

手順: 標準的45口径弾と融合させる為、SCP-4514のごく一部を取り出し融解させる。被験者は鎮静され、頭部を弾丸で射撃される。

結果: 対象は終了した。

実験 #: 48

被験者: ターニャ・ルヴォイ研究員、89歳白人女性。

手順: 被験者は鎮静される。被験者が窒息するよう、SCP-4514の持ち手を用いて被験者の咽喉部に圧力が与えられる。

結果: 被験者は終了した。

実験 #: 49

被験者: チャールズ・パンサー・サイト管理官、149歳白人男性。

手順: 被験者は鎮静され、SCP-4514を用いて刺される。刺突は機械製アームによって行われる。

結果: 被験者は終了した。

多すぎじゃない?
こんな実験、49回も行う必要はあったのだろうか。
しかも概要と同じく、一切異常性についての言及がない。
…というか最後の方、研究員や管理官が密かに殺されているのだがどういうことだ?

考察

これはあくまで筆者の推論だが、このオブジェクトは「このオブジェクトを用いて人を殺した場合、死んだ事が異常として認識される」というものなのではなかろうか。
ただ、O5の許可付きで使用できること、研究員らが殺されたことについては謎である。

別の考察がある方は追記、修正お願いします。




































財団ネットワーク・サイト内通信サービスv.3.155



===倫理委員会よりメッセージを受け取りました===

ヤング博士、

私達は貴女の実験記録を審査し、過度かつ不当な物だと見做しました。

しかしながら、正直に言えば少し前には、貴女のSCP-4514の過剰な試験には気付いていました。実験の為にDクラスを積極的に集めるのは稀なことです。結局、実際の職員の試験は避けられませんでした。

私達は、次のステップの在り方を議論する必要がありました。SCP-4514の被験者を選出する為の標準化されたプロセスを作成する、この事業を一般に提供する、等です。

とどのつまり、お分かりの通り私達は、組織としての私達の基本原則に立ち戻りました。世界は私達に現状を再定義することを余儀なくさせましたが、それを元に戻すことは私達の仕事ではありません。私達がどれほど永遠の安寧を望もうが、そこへ手を伸ばす行為を正常性は決して許しはしません。

表向きには、貴女はSCP-4514プロジェクトから外されます。

内実には、何も問題ないでしょう。 人生なんてクソ喰らえだ。

  • 倫理委員会、バイオレット・メスメル博士





ネタバレ


このオブジェクトには、「end-of-death」タグが付いている。
つまり、この記事は「死の終焉ハブ」の世界の出来事である。
+ ハブについて
基本的に、財団の世界にはカノンは無いものとされているが、ハブはそれに該当しない。
つまり、そのハブの中の財団世界は共通のものとして書かれる。
このハブでは、「死の終焉」をテーマとした一連のストーリーが綴られていて、
このオブジェクトもその中の一つである。
なお、この記事ではこのオブジェクトに関する情報しか載せていないので、
興味があれば是非本家を読みに行くことをお勧めする。
アニヲタwiki内の記事では、SCP-1682-JP/AiliceHersheyがそれに近いだろうか。
この世界は、とあるK-クラスシナリオが起きた後の世界なのである。
そのK-クラスシナリオについての説明を引用すると、

説明: ΩK-クラス("死の終焉")シナリオは、その他の生物学的な変化(例えば、老化の停止や強制的な不妊)なしにすべての生命が強制的に不死となる状況を指します。このシナリオを想定した全てのプロトコルは壊れた虚構を回避するための段階を想定しています。このシナリオは財団が現在の組織構成と部局を維持することも想定しています。

とある。細かい説明は省くが、
つまり、この世界ではすべての人間が死なないのである。(が、老いはするし、病気にだってなる。)

もうおわかりだろう。何故財団が、このオブジェクトを異常物認定しているのかが。


改めて、説明


そのナイフにしか断てぬものがある。だからといって断つべきだと言えるはずもなく。

この財団世界では、すべての生物が不死(不老不死ではない)である。
ただ、このオブジェクトを使用することでのみ、死亡することができるのだ。
研究員らが132歳や141歳などの高齢だったことにも説明がつく。だって死なないんだから。
おそらく、死を渇望する研究員たちはヤング博士に実験と称して殺してもらうよう頼んだのだろう。
ただ、あまりに実験を行いすぎた結果、ヤング博士はSCP-4514プロジェクトから外されてしまった。
何故か?財団の理念上、異常物は世に公開しない。
財団の目的は異常物によって世の中をより良くする事ではない。
あくまで、異常存在の脅威から人類を守る事である。
たとえそれが、皆の待ち焦がれた、

SCP-4514 - The Thing That Kills You(お前を殺すもの)

だとしても。

財団世界は明日も生き続ける。

不死の方は追記・修正お願いします。


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最終更新:2024年04月09日 07:07