九王家(グラブル)

登録日:2019/11/04 (月) 23:51:00
更新日:2024/01/09 Tue 15:41:01
所要時間:約 10 分で読めます




「九王家」とは、グランブルーファンタジーに登場する用語。
プレイアブルキャラクターであるユエルとソシエに関する物語に深く関わる。



  • 概要

千年前、九つの王家が治める国があった。
その国は意思を持つ炎「九尾」を崇め奉っていたが、ある日炎が暴走し、行方をくらませてしまう。
千年経った現在はとうに国は滅びているが、九王家の末裔は各地にひっそりと存続しており、九尾の力を宿した九つの神器と、九尾に捧げる演舞を代々受け継いでいた。
ユエルとソシエもまた王家の血を継いでおり、二人は失われた王家を復興させるために神器を探す旅に出ていた時に主人公と出会った。
九尾自身と九尾に捧げる舞、そして舞と神器の継承者を探すことが、ユエルとソシエの旅の目的となっている。

九王家が受け継ぐ舞は、漢数字のつく舞と色の名前のつく舞とがある。
数の舞は壱から玖に終を加えた十番まであり、継承者は、そのうちの最低一つを覚える必要がある。
ソシエは壱、陸、終を覚えているが、ユエルは最初は数の舞は覚えていなかった。



  • 王家一覧

壱之王家
神器:緋舞扇
演舞:白之舞

弐之王家
神器:緋穿槍

参之王家
神器:緋双剣
演舞:紅之舞

伍之王家
神器:緋砕斧

玖之王家
神器:緋閃刀
演舞:黯之舞(くろのまい)

所属不明
神器:緋艶布



  • 仲間ユニット

九王家関係の仲間ユニットは現在2人。
いずれも九王家の末裔で、ほとんどが二つ名に「千年を~する者」という形式を使っている。

ユエル
「今日もええ天気やなぁ。絶好の探検日和やわ」
CV:植田佳奈
属性:火(SSR)/水(SSR・イベント配付版SR)/風(水着SSR)
種族:エルーン
二つ名:千年を探す者(火SSR)/千年を知る者(イベント配付版SR)/千年を封ず者(水SSR)/蒼紅之絆(水着SSR)
王家:参之王家

火属性のSSRユニットとして初期に登場した。
旅の途中、とある小さな島の森で迷子になっていた時に助けに来た主人公が斧(ユエルのキャラ解放武器)を持っていたことから人さらいと勘違いして襲って来る。
すぐに誤解が解けるが、斧に王家の紋章が刻まれていたことに目を付け、同行を申し出て来る。

自由奔放で好奇心が強く、珍しいものがあるとすぐに飛び出して行ってしまう。
明るい性格だが気が強く、敵対者には容赦しない一面もある。
すれ違いから親しい人と喧嘩になることも時々あるが、誤解が解けるとすぐに笑顔になって後に引きずらない、さっぱりとした人柄。

ぐらぶるっ!ではツッコミキャラとしての側面が強く、初期のツッコミキャラだったイオがエロキャラと化してボケ堕ちした後は貴重なツッコミ要員として、ツッコミ代表のサンダルフォンを支えている。



◆ソシエ
「え、えと…あっ…う…うちの名前はソシエ。よ、よろしゅうお頼申します」
CV:白石涼子
属性:水(SSR)/火(SSR)/風(浴衣SSR)
種族:エルーン
二つ名:千年を探す者(水SSR)/千年を追いし者(火SSR)/千年を癒す者(浴衣SSR)
王家:壱之王家

ユエルの幼馴染で、王家再興のため旅に出たユエルを追って自らも旅立った。
炎の魔物と戦っている時に主人公と出会い、共に旅をすることになる。
ユエルと同様、関西弁で話すが、活発な彼女とは対照的に非常に照れ屋で、最初は主人公ともまともに話すこともできなかった。
優しい両親がいたが、王家の情報を探る賊によって殺害されてしまったことがあったため、
ソシエは自分と親しくなると相手に危険が及ぶと思って友人を作ることに臆病になってしまっている。
そんなソシエの凍った心は主人公との出会いやユエルとの再会によって、少しずつ溶けていくことになる。
ユエルとは別の里に生まれたが、母の最期の言葉に従い、ユエルの里に引っ越していた。

九王家にまつわる情報は、主にソシエのフェイトエピソードで語られ、
本格的にストーリーが展開されるのは2017年10月に開催されたイベント「ごめんなさいとありがとう」からになる。

ちなみに水バージョンと火バージョンで異なる出会いのエピソードが描かれており、
水では前述の魔物との戦いの中で、火では町の酒場で出会ったことになっている。
イベントでは水バージョンが正史となっている。



  • 関係者

◆コウ
CV:小林裕介
種族:エルーン

ユエルとソシエが幻視で見た、殺生石の秘密を知る少年。
瘴気で近付く者の体に強烈な害を与え、死にすら至らしめる殺生石に近付ける不思議な力を持つ。
「ごめんなさいとありがとう」において、アキノ島で主人公やユエルたちと邂逅する。
ほっそりとした優雅な美少年だがユエルたちに冷徹な態度をとり、島民を刀で脅したり畑を荒したりと不可解な言動をとる。
ソシエは彼が何かを隠していると気付くが……。




  • 九尾の謎

ユエルのLv100のフェイトエピソード「燼と化し、花は咲く」にて、九王家の崇拝対象であった「九尾」の力の断片が登場する。
しかし、その時の九尾のユエルに対する態度は、参の舞の習得に苦戦し、
力を暴走させそうになっていたユエルを「不要」と断じて焼き殺そうとする、冷酷なものだった。
さらにある時、ユエルとソシエが舞を踊っていた時、燃え盛る町の中で九尾とおぼしき怪物が伝承者たちを瘴気を撒いて殺していく光景を幻視する(火ソシエのフェイト)。
さらにあちこちの島に、幻と同様、瘴気を撒く「殺生石」なる魔法の石が存在し、人々や動物に危害を加えているという情報も伝わってくる。
二人の幻視はさらに、石化した九尾が三つの殺生石に分裂して各地へ散っていく光景を示した。
これらの出来事以来、ユエルは神体である九尾に疑惑を抱くようになるが……。












以下、ネタバレ注意












  • 九尾の正体



醜い者共め。誰の許可を得て、生きておる。
我が全てを喰ろうてやろう。
美しき我の血肉になれるのだ。喜べ、醜き者共よ。

ユエルが睨んだ通り、九尾は九王家の守護神などではなかった。
それどころか、九尾こそは千年前の舞と神器の伝承者たちを殺害し、
それ以前も空に住まう多くの人々を笑いながら虐殺して回った恐るべき魔物だったのだ。

九尾の正体は、千年前、覇空戦争の後に空を支配する野望に取りつかれた魔術師のグループが人間の負の感情と邪悪な魔物の血肉を素材に作り上げた人造の魔獣。
強い自我を持つ九尾は誕生直後から魔術師たちの制御をあっさりと無効化し、自らの創造者たちを皆殺しにして暴走。
この世の全てに憎悪と憤怒を抱き、「美しき我以外の生命はこの空にいらない」として全人類の滅亡を目論む危険きわまりない怪物となって人々の住む島を次々と滅ぼして回った。

本当の名前は「九妲(くだつ)」。ボス戦時の英語表記では「Ninetails」ではなく、「Ninpress」(Nine+Empress=女帝)となる。

よこしまな創造主の欲望によって道具としての生命を与えられた点は星晶獣とも共通するが、九尾の場合、自分のことを「美しき我」と自賛し、自分以外の生命体の存在すら認めない傲慢きわまりない人格を持つ。
さらに、九王家同士の権力闘争に付け込んで玖之王家を取り込み、ひそかに復活の機をうかがうなど残忍なだけでなく非常に狡猾でもある。
生まれこそ同情の余地があるものの、何人もの人間の人生を自分自身のためだけに狂わせてきた、グラブルでも屈指の邪悪な存在の一体である。

その姿は純白の体毛に九本の尾を持つ巨大な狐。犬属の姿に巫女から歌舞を捧げられるなど、イベント「舞い歌う五花」に登場した犬の星晶獣ショロトルとの共通点も多いが、純粋な心の持ち主だったショロトルに対して九尾は伝承者にも人間にも悪意と軽蔑しか抱いていない。
しかし伝承者の舞を初めて見た時には初めて自分以外のものを美しいと思っており、もう少し九尾が変化できていたならショロトルと同じ存在になれたのではないかと考察されることもある。



  • 九王家の真実

封印されたはずの九尾が現代に蘇ったことと、本来邪悪な怪物のはずの九尾が守護神だと言い伝えられていたこと。
その理由は、コウの祖先である玖之王家にあった。
玖之王は九尾を兵器として利用し、自らが空の支配者になろうと目論んでいたのだ。

そう書くと玖之王が全ての元凶に見えるが、玖之王が権力に狂った原因はソシエの祖先たる壱之王だった。
九王家は数字の順に権力の序列が定まり、末席である玖之王家はほとんど発言権もなく、民からさえ軽んじられる存在だったのだ。
玖之王家は権力獲得の悲願成就のため、千年の歴史の間に情報操作を行って九尾を復活させようとしたのだった。
ソシエの両親が悪人に殺されたのも、「神器を集めると強大な力を得られる」という玖之王家の情報操作が遠因だった。

ソシエと瓜二つだった壱之王は玖之王に対しては過酷な仕打ちをしたものの、九尾を封じて人類を救うという意志は本物であり、自分たちの命を代償に九尾を千年の間封じることに成功する。
九尾に捧げる舞として知られた数の舞は九尾を封じる舞、そして色の舞は九尾を滅ぼすための舞というのが歴史の真実だったが、九尾を利用しようとする玖之王家によって改ざんされ、特に色の舞の情報は九尾復活に邪魔な情報のため、念入りに隠蔽されていた。



  • 関連イベント

「ごめんなさいとありがとう」

2017年10月31日に開催されたイベント。
舞台は野菜が名物の平和な島・アキノ。
第三の継承者・コウと九尾本人が登場し、九王家関連の点が一気に線で結ばれた。
きな臭さを漂わせていた九尾の驚くべき邪悪さが明らかになると同時に、ソシエの優しさ、ユエルの勇敢さなど、キャラの魅力と成長がふんだんに盛り込まれたイベントである。
九尾の分かたれた身体である三つの殺生石のうち、一つはコウがすでに破壊し、アキノにある二つめの石もこの戦いで破壊されたが、残り一つの所在はいまだ不明。



「コウと空っぽ影法師」

2019年10月28日に開催されたイベント。
舞台は温泉の町・ミマカ。
九尾との戦いの後、九王家の末裔たちに真実を伝える旅を済ませたコウはユエルたちと再会しようとしていたが、その時に謎の少女に襲撃され、深い傷を負ってしまう。
その負傷を癒すためコウはユエルたちと共にミマカの温泉を訪れ、そこで襲撃者の少女・ヨウとの再会を通じて九王家のさらなる闇と、再びの九尾の暗躍を知ることになる。
事件を通じて大きく成長したコウ。そして過去の傷と憎しみ、自らの犯した罪に向き合いつつも屈さず前に進もうとするヨウ、そして決めるところでビシリと決めるユエルの強さやソシエの包容力など、今回もキャラの魅力が丁寧に掘り下げられている。



  • 仲間ユニット(ネタバレあり)

◆コウ
CV:小林裕介
属性:闇(SSR)
種族:エルーン
二つ名:千年を語る者(闇SSR)
王家:玖之王家
「僕でよければ添い寝……しましょうか?」

復活した九尾をユエル、ソシエと共に倒したコウは、一旦二人と別れ、他の王家に真実を伝えるたびに出る。
そして久々にユエルたちと再会しようと思っていた矢先に継承者襲撃事件に巻き込まれ、再び九尾と九王家の闇との戦いに臨む。
すべてが終わった後、今度こそユエルたちと同行することを決意し、プレイアブルキャラとして正式に加入する。

初登場時は過酷な境遇や明かせない秘密もあって刺々しい態度を取っていたが、「ごめんなさいとありがとう」終了以降はすっかり棘が取れて善良かつ利発な少年となっている。
そのハードな半生ゆえに年齢不相応に成熟した人格を持った点はサラとも共通する。
……それだけならいいのだが、仲間になってからは少年男娼めいた謎の色気を発散するようになり、プレイヤーたちを倒錯の道に誘う小悪魔と化している。
加入時ボイスや上限解放イラストなど、完全に確信犯である。

ついでに「コウと空っぽ影法師」では、二人の年上美女(ユエル・ソシエ)に温泉に同行されそうになるわ、心の傷を抱えた年下のオレっ娘(ヨウ)を救ってお兄ちゃん扱いされるわと、団長を差し置いて順調にギャルゲ主人公の道も進みつつある。爆発しろ



◆ヨウ
CV:渡谷美帆
属性:闇(SR)
種族:エルーン
二つ名:藍炎の舞い手(イベント配付版SR)
王家:捌之王家
「ユエ姉ぇとソシ姉ぇって可愛いよな。
……いつかオレも、二人みたいに可愛らしくなれるのかな。
……って、何考えてるンだオレはッ! バカかッ!」

コウの代用品として親から引き離されて育てられ、九尾に洗脳されてコウへの憎悪を植え付けられた少女。
コウ以上に虐待されて育ったうえ、コウに依代の資質が確認されたことで不用品とされ廃棄され生き埋めにされてしまう。
「ヨウ」という名前も「九尾の容器」という意味に過ぎなかった。

両親はヨウを本心では愛していたが、捌之王家の一族の圧力から娘を庇えず、せめて廃棄された後はどこかで幸福に生きて欲しいと密かに見逃していた。
両親はヨウに愛情を綴った手紙を密かに送り、ヨウもそれを読んでいたのだが、ヨウの中の憎悪を利用しようと目論む九尾によって手紙の記憶を抹消され、コウへの憎悪だけが増幅されていた。

その後、コウの抹殺のために九王家の継承者たちを襲撃し、ミマカの町を破壊するなど悪事を重ねるが、洗脳が解けて九尾を再び倒した後は、純情で素直な少女に戻った。
ミマカの村人にも皆の前で謝罪し、初めは冷ややかな言葉を浴びせられるが、ユエルやコウも一緒に謝罪し、償いのため懸命に復興活動への参加もしたことで、最後は村人たちとも打ち解けて温泉宿の看板娘として愛されるほどになっていく。

そしてヨウ自身に眠る憎悪との対決を経て完全に過去を克服したヨウは、騎空団の仲間となり配布キャラとして加入する。
一人称が「オレ」で言葉遣いは荒いが、自分が可愛くないと卑下しながらもおしゃれに憧れるなどとても純情な少女。
他人によって道具として利用された過去を持つ・一人称が「オレ」で男言葉・獣少女属性など、フェンリルとの共通点が多くあり、「ぐらぶるっ!」でネタにされている。




追記・修正は舞を踊りながらお願いします。

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最終更新:2024年01月09日 15:41