姉は傍にいまし、世はなべてこともなし

登録日:2020/01/01 Wed 00:00:00
更新日:2024/02/05 Mon 02:09:02
所要時間:約 17 分で読めます



『姉は傍にいまし、世はなべてこともなし』は、清末邦彦による漫画作品。全2巻。
双葉社の青年誌『コミックハイ!』VOL.66(2010年10月号)からVOL.86(2012年6月号)にかけて掲載された。


【概要】

天才だが変わり者でマイペースな姉「綾」と、家事と運動が得意で常識人な弟「直樹」。 
そんな姉弟の騒がしくも賑やかな日常を描いたショートストーリー。

「姉萌え」と言えるほど激しくはない、けれども確固たる姉弟愛が話の中心となっている。
姉の過去など暗い要素も少々見られるが、基本は現実的でクスリと笑えるコメディ。

表紙には快活な表情とポーズをした姉の姿があるが、実際の姿とは 真逆 と言っていい。


【登場人物】


神倉綾

本作の主人公。直樹の姉で中学3年生。
中学生離れした知識と技術を併せ持つ発明家タイプで、特にプログラミングや設計が大の得意。
世の中の様々な事柄に興味を持ち、思いついたら即行動に移す行動派。
製作物の中には、連載時期(2010年~2012年)において未来を先取りしていたようなものも。

  • 気温・湿度・気圧・風向き・極短波等を記録、無線通信でデータ傍受も可能な観測機(Episode.02)
  • 仮想空間の物体を操作できる手袋、いわゆるVRグローブ(Episode.03)
  • 湿度・温度・赤外線・マイクロ波・振動・磁気のセンサーを搭載した監視カメラ(Episode.05)
  • かぶるだけで仮想空間にいるような感覚を味わえるヘルメット型VRヘッドセット(Episode.10)
  • 内蔵コンピューターで対象を追跡し、必ず当てるブーメラン(Episode.13)
  • 走り書きや崩し字といった手書き文字も認識して読み上げる朗読ソフト(Episode.21)
  • スーツの動きと同期し、自分の分身のように動かせる人形型ロボット(Episode.22)

一方、運動神経は壊滅的に悪く、簡単なストレッチだけで翌朝に腰が立たなくなるほど。
家事関連もてんて駄目で、ほぼ弟に任せきりの状態。

良く言えばマイペース、悪く言えばKYな性格で、突拍子もない行動で周囲(特に弟)を巻き込むこともしばしば。
小学校ではクラスメートからいじめに遭い、不登校に陥っていた時期もあったが、現在は普通に通えるまでにはなった。
小さい頃から自分を助けてくれた弟をとても大事に思っており、ブラコンと言えるほど依存している。

思春期の女の子にしては性的な事柄に対する恥じらいが皆無で、
作中では脱ぎたての下着(上下両方)を弟に何の躊躇もなく投げ渡す弟のアソコに興味を持ち一緒にお風呂に入りたがる(下心はない)
売り物のド派手な下着を人前で弟に見せつける下着のサイズ選びのためだけに弟の全裸イメージを店員に見せつけると、
エロ漫画顔負けのハプニングを何度も起こしている。
姉がいない身からすれば死ぬほど羨ましいだろうが、思春期の弟からすれば死ぬほど恥ずかしいだけだろう……。

神倉直樹

もう一人の主人公。綾の弟で中学1年生。
身長159cm、体重58Kg、チン長8.5cm(平常時)

インドア派な姉に対し、こちらは家事全般と運動が得意なアウトドア派。
父が普段家におらず、姉が非力な事もあってか大工仕事はほぼ彼の仕事。
また、漫画のキャラクターとしては珍しく合気道を習っており、中1にしては引き締まった体をしている。

姉のインパクトに薄れがちだが、2メートル先のGに裁縫用の針を命中させる
読心術で表情からトランプの手を読み取るなど、彼もまた姉とは別方向で中学生離れしているかのような描写が見られる。

一般人とは感性がずれている姉とは異なり、やや大人びているがごく普通の感性を持つ。
それゆえ姉の考えや行動に呆れたり怒ったりはするものの、
甲斐甲斐しく姉の世話を焼き、姉が新しいことに挑戦する際は協力を惜しまず、
姉のせいで危険な目に遭っても姉を責めずに許す、まさによくできた弟。

小さい頃は今ほど大人びてはおらず、わがままを言って親を困らせたり、姉にもよく甘えていた。
この頃の経験が今に繋がっているのは明らかで、彼もまたシスコンの気があると言える。

母親

二人の母親。
姉弟に次いで出番が多いが、姉弟が話の中心なので最後に一~二言の場合がほとんど。

父親

二人の父親。回想のみの登場。
現在の動向は語られていないが、Episode.04に「父さんが帰った時まで~」というセリフがあるため、存命ではある様子。

【各話のあらすじ】



【余談】

  • 特徴的なタイトルは、イギリスの詩人ロバート・ブラウニングの詩『春の朝』の一節、「God's in his heaven, All's right with the world」から来ている。
    訳者によって様々な訳がなされているが、アニメ『赤毛のアン』最終話におけるセリフ「神は天にいまし すべて世は事もなし」が一番近い。
    この他『新世紀エヴァンゲリオン』のネルフのロゴに原文が掲載されていたり、
    『ルパン三世 Part5』で「泥棒は影にあり、世はすべてこともなし」とパロディにされていたりする。

  • 本作の舞台は、神奈川県にある波多野市という架空の都市である。
    現実の神奈川県には秦野市というよく似た名前の市があり、元ネタと思われる。

  • Episode.06冒頭の台詞「家庭料理は真実の人生」は、北大路魯山人の著書『料理芝居』から取られている。
    アニヲタ的に言えば、かの海原雄山のモデルとなった人物である。

Wiki篭り観察日記

今日はWiki篭りと一緒に追記・修正しました。
Wiki篭りはかわいい。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 姉は傍にいまし、世はなべてこともなし
  • 姉弟
  • ブラコン
  • シスコン
  • 日常
  • 天才
  • コミックハイ!
  • 合気道
  • 神奈川県
  • 漫画
  • 2020年初の項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月05日 02:09