寄生虫(地獄先生ぬ~べ~)

登録日:2020/01/23 Thu 01:42:00
更新日:2023/11/02 Thu 05:51:52
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にゅる…にゅる…

「ピキーーッ!!」



漫画『地獄先生ぬ~べ~』に登場する怪生物。単行本14巻収載の「寄生虫の巻」に登場。

地獄先生ぬ~べ~は脳や臓物が露出したグロテスクな怪異と過激な読者サービスを大胆に描く作風が魅力の一つであり、読者各々がトラウマ回を抱えていることだろうが、この寄生虫はそれらとは別のベクトルでトラウマになるグロテスクな存在として名高い。


【容姿・生態】

幼虫は糸ミミズのようなサイズで、宿主の消化管に寄生し3日ほどで成虫になる。雑食性なのか、本編中では給食の肉団子スープ(らしきもの)を食っていた。
成虫はさながらヒドラのような無数の頭部と卵管を持ち、卵を産み付けて繁殖する。卵から生まれた幼虫は保存食に入っていたものと違い、成虫の頭部をそのまま小さくしたような姿をしていた。
「ピキー!」「ピーピー!」等と鳴く。

頭部はアゲハ蝶の幼虫(いわゆる青虫)に似ているが、目のような模様が無数にあるほか、体毛とも触角ともつかないものが疎らに生えている。体色は不明だが、多くの人は緑色をイメージするだろう。
また、円形の口には奥まで無数の歯が並んでおり、ヤツメウナギを思わせる。
字面だけではいまいち伝わらないかもしれないがとにかくグロテスクな外見をしており、虫が苦手な人にとってはシリーズ最大のトラウマ回になったであろうことは想像に難くない。

作中では新種と言われているが、江戸時代の保存食に潜んでいた点からすれば、資料が残っていないだけで江戸時代には既に存在していたものと思われる。

この存在が最も恐ろしいのは、妖怪でも何でもなく自然界に生きるごく普通の生物ということであろう。
ぬ~べ~最強の切り札である鬼の手でさえ、美奈子の力がなければ手が出せなかった辺り、ある意味ぬ~べ~史上最強の敵と言えなくもない。作中のぬ~べ~自身も「化け物」「妖怪以上」と戦慄していたほど。

なお、寄生虫の生態は未だ研究中のため一概には言えないが、サナダムシなどの寄生虫は人間を死に至らしめるまで病状を悪化させることはないとされている。なぜなら宿主が死んでしまっては寄生虫も死ぬしかないからである。
「いやいや、アニサキスとかエキノコックスで死ぬ人たくさんいるじゃん」と思うかもしれないが、あれは人間が本来の宿主でないために、自分たちが過ごしやすい場所を求めて体内を移動したり内臓を突き破ることによって引き起こされるものである。*1

例の保存食は魚肉が元になっている点からみて、本来の宿主はそれらの魚か、もしくは魚を主食とする海洋生物辺りと考えるのが妥当か。


【活躍】

童森小の郷土資料室を掃除中に発見した奇妙な肉団子(文献によれば、イワシなどの魚肉から作った江戸時代の保存食)を食べたが、3日後の給食中に体調を崩したかと思うと、いきなり口から巨大なワーム状の虫の頭が飛び出してくる。
慌てて病院に行くと、広の消化器官にびっしりと寄生虫が詰まっていることが明らかになり、緊急入院することに。
しかし、外科手術は不可能な上に、寝ている間に虫が広の体外で卵を産んで朝起きたら小さい虫が彼の体を覆いつくしているなど、絶望的な状況となった。

霊体ではなく実体のある虫ゆえに、鬼の手でも取り出せないと悩むぬ~べ~だったが、とうとう虫が広の身体を突き破り始めたので、やむを得ず虫をつかんで引っ張り出すことを決断。
そして、鬼の手に封印されていたぬ~べ~の恩師・美奈子先生のヒーリング能力のおかげで、なんとか虫の摘出に成功。
グロテスクな全身を露わにし郷子に襲いかかろうとするも、ぬ〜べ〜が蹴飛ばした棚に身体を潰され、駄目押しに郷子にも潰され絶命した。

ぬ~べ~はその恐ろしい生態に「二度とお目にかかりたくない」と呟くのだった。


【余談】

前述の通り寄生虫はれっきとした生物であり、妖怪や怪異の類では全くないのだが、
第224話~第235話「結成!!童森妖怪妖撃団編」において妖怪博士・百鬼 久作(なきり きゅうさく)が創った妖怪軍団の一体に今回登場した寄生虫が混じっている。亡霊を捕まえて使役でもしたのだろうか。


追記・修正は腹の中の蟲を退治してからお願いします。

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最終更新:2023年11月02日 05:51

*1 エキノコックスに至っては「ネズミや人間などの中間宿主が本来の宿主である肉食獣に捕食されることでそちらに移動する」生態を持っているため、たとえ中間宿主が死んでもその死骸が最終宿主に喰われれば結果オーライなのである