ウォレスとグルミット 危機一髪!

登録日:2020/02/24 Mon 22:18:00
更新日:2024/03/01 Fri 23:45:30
所要時間:約7分で読めます




概要


『ウォレスとグルミット 危機一髪!』はクレイアニメ『ウォレスとグルミット』シリーズの第三作である。
OPでいつものBGMが流れないなど不吉な始まり方をしており、事実タイトル通りウォレスとグルミットがシリーズ最大のピンチを迎えることになる。まぁ後のシリーズでも毎回ピンチを迎えるのだが。
初めてウォレス以外の人間が登場した他、『ひつじのショーン』でおなじみのショーンのデビュー作でもある。


登場人物


  • ウォレス 声:ピーター・サリス/萩本欽一(日本語吹替版)
チーズが大好きなおとぼけ自称天才発明家。前2作では働いている様子が見られなかったのから一転して、今作では窓ふきサービスを営んでいる。借金による不幸の連鎖には相当懲りた様子。
が、肝心の窓ふきはグルミットに丸投げで彼は運転以外に仕事をしている様子は見られない*1
ふとしたことから毛糸屋の女性店主ウェンドレンに想いを寄せるようになる。
新聞でグルミットが逮捕されたことを知った際には相棒の無実を信じず「見損なった」と言う薄情な一面を見せたが、
彼が終身刑になった時には自分の身を顧みずにすぐに助けに向かうなどなんやかんやで大切に思っている。

  • グルミット
ウォレスのパートナーのビーグル犬。窓ふきサービスではもっぱら彼だけが仕事を担当している。
中盤罠にはめられ羊泥棒の罪を擦り付けられ終身刑にされてしまうが、ウォレスの助けで脱走した後は彼(とショーン)と共に犯人逮捕に尽力し、無事無罪を証明できた。

  • ショーン
誘拐された羊の1匹だったが、ふとしたことから脱出しウォレスの家に上がり込む。他の羊達と違い、頭にも毛がある。
この頃は大食いなんて言葉では生ぬるいほどの悪食で、確認できただけでも毛糸・電源コード・調理前のオートミール・植物・クッションの藁・骨(グルミットのおやつ)・チーズ(ウォレスのおやつ)などを食い荒らしているなど行儀も悪かった。
ウォレスに発見された後はあまりにも汚れていたことで洗浄マシンで洗ってもらうが、機械の誤作動で毛皮を全部刈り取られてしまいそれ以降は刈り取った毛皮で作られたセーターを着用するようになる。
身体は小さく臆病なものの勇気は人一倍で、何度もウォレスとグルミットを助けた。彼の活躍無しではグルミットの無実を証明できなかったといっても過言ではないだろう。
ちなみに吹き替え版では「プルプル」という名前で呼ばれていた。「プルプルプルプル~♪」ではない。
ひつじのショーン』シリーズでは悪食さと行儀の悪さは鳴りを潜め精神的に大分落ち着いている。

  • その他羊達
中盤ショーンと共に羊泥棒に捕らえられていたものの、グルミットと入れ違える形で救出された。
そして何故か何の脈絡もなくウォレスの家に居付いていた。がめついにも程があるだろ・・・。
だが新聞でグルミットが終身刑になるとウォレスと共に涙を流し、脱獄&無実の証明をするために協力する。
グルミットの無実を証明するために再び真犯人に捕まる囮になる等、ショーンにも劣らぬ活躍をした。

  • ウェンドレン 声:アン・リード/小原乃梨子(日本語吹替版)
毛糸屋の女主人。ウォレスが一目見てゾッコンになる程の美女。窓ふきサービスをきっかけにウォレスと知り合うことになる。「父親は発明家」で彼から店と共に「借金」を引き継いでいる「苦労人」。どっかできいたような…。
グルミットが逮捕された時にはウォレスに「もう自分と会わない方がいい」と言って去って行くが……。

  • プレストン
ウェンドレンの飼い犬で、二足歩行ができる。無愛想な上に仕事中のグルミットにいたずらするなど性格もよくない。
彼の乗るトラックには無数の羊が積まれており、助けようとしたグルミットを警察に突きだし無実の罪を擦り付ける。
終盤、正面から突っ込んできた飛行機のプロペラを掴むというとても犬の力とは思えない荒業を披露するが
…。


発明品


  • 早起きマシン
前作から引き続き登場するマシン。詳細は前作と全く同じだが、食事はパンからオートミールに変わっている。「火曜日はオートミール」とのこと。
地味に尻を痛めるという欠陥は解消された模様

  • オートミールマシン
早起きマシンとセットで登場。着替えが終わった後マシンからオートミールが飛びだし、テーブルが回転して出現した皿に入る仕組み。ただやっぱりというかじゃっかん零れるが。
しかしショーンがケーブルをかじっていたせいでマシンが暴走、ウォレスはオートミールの集中砲火を喰らう羽目になる。
後に改良を施されてサイドカーに搭載され、オートミールだけでなく洗剤も発射できるようになる。

  • 発進装置
窓ふきサービスを始めたウォレスが迅速に出動するために作ったマシン。
内容は早起きマシンよりもさらに複雑かつ無駄に大がかりになっており、

グルミットがレバーを引くと同時にウォレスの乗ったソファーが上昇

ソファーが傾斜、穴にウォレスが突入

傾斜を繰り返して長靴、ヘルメットの順に装着

ヘルメット毎ウォレスが回転、垂直になる(ここからサイドカーに乗るまでウォレスはヘルメットに繋がったまま宙吊り)

スポンジとバケツを受け取りながらズボンを掃いてサイドカーに搭乗、サイド部分にスポンジとバケツをしまう(最初からしまってはおかない)

サイドカー上昇後、グルミットが変なギミックなしに普通に搭乗

梯子を装着、足型の機械が出てきてエンジン始動(ウォレス自身はやらない)

池が回転して道になり、発進

とまぁ、早起きマシンとはまた違うベクトルで無駄に壮大で大がかりかつ突っ込みどころ満載である。これサンダーバードじゃないんですが。
この後の作品においてもそれぞれの仕事に合わせた(?)発進装置が登場する。

  • サイドカー
窓ふきサービスでウォレスとグルミットが搭乗するサイドカー。運転手はウォレスで、グルミットはサイド部分に搭乗する。
メイン部分は意外にも極々普通のバイクだが、
サイド部分には前述のオートミールマシンを搭載している他、緊急時には飛行機に変形する機能もある。

  • 洗浄マシン&乾燥マシン&刈り取りマシン&試着マシン
洗浄マシン~刈取りマシンまでを一つに連結した装置と、刈り取った毛皮から服を作り上げる装置の二つから構成される。
巨大なプールに水と洗剤を入れて二つの大型スポンジでプレスするように洗う、乾燥する際に凄い勢いで吸引され何故か逆さまになりながら乾燥されるなど、動物用だけあってかなり大雑把。
刈取りマシンに至っては見た目がもはや拷問器具そのものだが、仕事は意外と丁寧で傷一つ付けずに完遂する動物に優しい設計。
そして刈り取った毛皮で作ったセーターを試着マシンが自動で着せてくれる。サイズが合わなくてもおかまいなしに。
ちなみにグルミットも使ったことがあったが、割と気持ちよかったらしい。
後に設計図をプレストンに盗まれほぼそっくりそのまま同じ物を作られることになる。ちなみに特許申請中とのこと。
そしてウォレス作恒例の誤作動を起こす欠陥あり。


余談


本作初登場となったショーンはその愛くるしさから大人気となり、スピンオフまで作られた。
本家以上の人気を得たショーンだが、日本で大ヒットした一番のきっかけはおそらく『プッチンプリン』のCM。
大量の羊達(とウォレスとグルミット)が音楽に合わせてダンスするシーンが印象に残っている者も多いだろう。
このCMがきっかけでウォレスとグルミットを知った人も多い。
後期のCMでは「ウォレスがおやつにプッチンプリンを食べようとして、寸前でショーンに食べられてしまう」という一連の流れがお約束になっている。

後にショーンは『おすすめ生活』のワンシーンに再登場している。この時は吹替版でもちゃんと「ショーン」と呼ばれていた。

グルミットが収監された独房には、前作『ペンギンに気をつけろ』に登場するペンギン、フェザーズ・マッグロウが収監された形跡がある。(グルミットの枕側の壁に”McGraw was here.”「マッグロウ参上。」の記載がある) なお、彼の脱走後の行く末は日本未発売の3Dアクションゲーム『Wallace and Gromit in Project Zoo』にて描かれている。


追記、修正は窓ふきサービスに依頼してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウォレスとグルミット
  • クレイアニメ
  • プルプル
  • ひつじのショーン
  • ショーン
  • プッチンプリン
  • アードマン・アニメーションズ
  • イギリス
  • アニメ
  • 映画
  • ネタバレ項目
  • 気の毒な被害者
  • ダブル主人公

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月01日 23:45

*1 一応各種発明品の開発・施行・修理点検、そして事務処理などは彼が担当していると思われるが。

*2 これに関してはこの後警察に出頭したであろうことを考えると、ウォレスを突き放すための「優しい嘘」である可能性もある。