SCP-3127

登録日:2020/03/14 Sat 16:03:11
更新日:2024/02/26 Mon 07:46:05
所要時間:約 15 分で読めます




注意: あなたが閲覧中のファイルは旧版です。現在の収容プロトコルと概要は更新ログを参照してください。

SCP-3127はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスはEuclid。


概要

SCP-3127はイリノイ州に住んでいたジェシカ・ランバートという19歳の少女だった。
無能集団UIUことFBI異常事件課に「私に超能力がある!」と連絡をとっていたところを財団に傍受され、
エージェントの独自調査によってその「超能力」の確証が得られたため、家族や友人への記憶処理を行ったうえで収容された。UIU?デマだという結論に至って黙殺してましたが何か?
現在ジェシカ・ランバート嬢は自動車事故により死亡済みということになっている。

で、そんなジェシカ嬢の超能力こと異常性とは、自分の感情と同じ感情を相手に持たせること。
彼女と物理的に接触した人間は、およそ20から30分程度彼女と全く同じ感情状態になり、ほかの感情が一切持てなくなった。
とはいえ時間が過ぎて感情が薄れてくると永続的な影響はない点で、だいぶSCiPとしてはおとなしめと言えた。
これ以外には肉体的にも精神的にもごく普通の健康な19歳少女だったし。
……まぁ収容下に置かれたこと自体へのストレスはあったようだが、それは驚くべきことではないだろう。
補遺3127-1によれば2015/11/19にはクロステストとしていくつかの異常物品への暴露も行われたが、
財団視点で特筆すべき結果はなかったため報告書には詳細な記載がなく、我々がその中身を知ることはできない。

まぁ接触さえ回避すれば何ということはない人型実体、というわけで
SCP-3127は2人の保安職員の警護下でサイト-43にある5m×5m×5mの収容チャンバーに収容され、
セラピストによる精神状態の監視を続けられていた。無論実験以外での物理的接触は厳禁。
ちなみに食事は専用の栄養チャートに従って1日2回だったそうで。


補遺3127-2

これで終わりなら良かったんだが、そうは問屋がおろさないのが財団世界。
2016/12/10、SCP-3127は体調不良を訴えると、そんな兆候なかったのに雌の子豚を出産
当人は緊急手術中に合併症を起こしてあっけなくお亡くなりになり、後には子豚が残された。
この子豚は異常性を示しており、分類が待たれるところであった……
というわけで、8日後の更新内容を見に行こう。































SCP-3127

登録日:2020/03/14 Sat 16:03:11
更新日:2024/02/26 Mon 07:46:05
所要時間:約 11 分で読めます




更新 2016/12/18

SCP-3127は、知性ある雌の子豚です。SCP-3127はジェシカ・ランバートの声を使った発話が可能ですが、ジェシカ・ランバートについての知識は無いと主張します。

ジェシカから生まれた子豚、SCP-3127認定。
ジェシカの声でしゃべるこの異常存在、自己認識としては1827年からやって来たイギリス貴族の“公爵夫人イザベラ三世”とのことだが、財団によれば公爵夫人イザベラ三世とやらはSCP-3127の虚偽か妄想によるものであると示唆されているとか。
少なくとも、そうした人物が歴史上実在しなかったことは確からしい。

問題なのがこいつの異常性。
この豚と物理的に接触した人間は、ジェシカの声で喋る雌の子豚になる。
この変身は1時間程度続くが、終わると元に戻り、永続的な影響は残らない。
……まぁ、戻ってくれるならかろうじて異常存在としてマシなほうかもしれないが、
ともかく、こいつの異常性にはなるほど前SCP-3127ことジェシカ嬢の異常性をほんのりと感じさせるものがあり、
SCP-3127に指定されるのも頷ける話ではある。明らかに性質悪くなってるけどな!

とりあえず収容プロトコルは相手が豚なのと今の異常性にあまり精神的な要素が絡んでないことからセラピストの監視だけ取りやめ、
あとはそれまでどおり収容チャンバーに保安職員2人の警護下で収容せよ、ということになった。食事は栄養チャートに従い1日2回。
……いやこれそれまでどおりじゃないのでは?取りあえず流用できるから文面書き換えなかっただけで、
栄養チャートあたりは豚用に組み替えられてないか?


補遺3127-1

で、2016/12/29に定期的な医療分析を行ったところ、脳に腫瘍めいたものを発見。
こいつは24時間かけて急速に拡大しSCP-3127の頭を弾けさせながら飛び出すとジェシカ・ランバートの姿に変形。
さらに1時間後には生理学的に完全に人間、という状態まで変化した。
……大体この異常存在の流れが掴めてきたところで、次の更新ログに行ってみよう。






























SCP-3127

登録日:2020/03/14 Sat 16:03:11
更新日:2024/02/26 Mon 07:46:05
所要時間:約 11 分で読めます




更新 2016/12/18

本稿執筆現在のSCP-3127は、故 ジェシカ・ランバートと同一の19歳女性の外見をしたヒト型実体です。SCP-3127はジェシカ・ランバートについての事前知識は無いと主張し、1827年からやって来たイザベラ・スタンフォードという養豚家を自称しています。

まぁ新SCP-3127自体は予想通りとして、まさかの精神面にジェシカ要素なし。
イザベラはイザベラでちょっと豚要素に侵食されているようだがこれどうなってるんだ。
取りあえず財団は「養豚家イザベラ」に関する検証は行っていないようである。

さて今回の異常性……の前に、実はさらなる異常性がここに来て増えた。
この自称イザベラ女史、内臓の代わりに家畜ブタめいた生物が体に多数詰まっている。
内臓としての機能をこのブタは持たないにもかかわらず、SCP-3127は何らかの副次的異常性により死亡することはなく、
ついでに言えば食事も水も睡眠も別段必要としない。
イザベラ本人は「元からこんな体だし」と気にもしていない。大丈夫?おかしな形で肉体もだいぶ豚に侵食されてない?

そしてイザベラ女史が物理的に接触した人間なのだが……内臓が豚めいた生物に置換される。
困ったことにイザベラ女史の副次的異常性のほうが伝播しないものだから、当然人間は即死する。あとブタのほうも2~3分で死ぬ。
いよいよ異常性が碌でもなくなってきた。

かくして財団は再びセラピストによる監視を行いつつ、
また起こるであろう異常生物の産み落としをモッカス・イベント*1と呼称し、
SCP-3127の体調悪化が確認され次第これに備えることが収容プロトコルとして定められた。


モッカス・イベント

で、2017/01/11に予想通りそれは発生した。
始まりこそ最初のジェシカと同様の体調不良だったが、今回は1時間後にイザベラがすべての体内のブタ型生物群を吐き出して死亡。
出てきたブタ型生物群は互いに融合しながら1匹の異常巨体な雌ブタを形成。
例のごとくこいつを対象に新たな更新ログが作られることになる。






























SCP-3127

登録日:2020/03/14 Sat 16:03:11
更新日:2024/02/26 Mon 07:46:05
所要時間:約 11 分で読めます




更新 2017/01/14

SCP-3127は、知性ある異常に巨大な雌のブタであり、当初SCP-3127に指定されていた実体であるジェシカ・ランバート(享年19歳)の声で発話が可能です。SCP-3127は自分がジェシカ・ランバートの死体であると信じており、しばしば既に死んでいると主張して埋葬を要求します。

ジェシカ、帰還。
上記のとおり久方ぶり(といっても死亡から一月ほどだが)に確認されたジェシカは、自身は死亡済みであると主張する巨大ブタになった。
イザベラ要素は目に見える形では消滅した……のだが、内臓の代わりにミニサイズのジェシカめいた生物が多数詰まっていることが確認されている。例によって臓器の役割は果たさないが、ジェシカ自身は「もう死んでるんだから体調はどうでもいい」とほとんど懸念を示しておらず、また食事・水分・睡眠の欲求も示さない。

問題はミニジェシカである。これらは絶えず叫び声を上げ続けており、
叫び声を聞いた人間は自分はジェシカの死体であり、埋葬されねばならないと思い込む。
こうなったら既知の手段ではもう戻せない。本当に異常性が洒落にならなくなってきたんだが……
異常性発現の条件が悪化したため、新規の収容プロトコルでは職員が彼女と交流する際には
ノイズキャンセリング・ヘッドフォンの着用が義務付けられるようになっている。


モッカス・イベント

2017/01/29、例によってモッカス・イベントが発生。
すべての内臓……というかミニジェシカがSCP-3127の腹を突き破って逃走を試み、
1体だけ外部環境で生き残るもそれも3分後に心臓発作を起こし死亡……と思いきや。
この無傷の内臓は3日かけて巨大化し自発的に蘇生、次のSCP-3127実体へと変化した。
その姿は……更新ログの記述を見よう。






























SCP-3127

登録日:2020/03/14 Sat 16:03:11
更新日:2024/02/26 Mon 07:46:05
所要時間:約 11 分で読めます




更新 2017/02/02


SCP-3127は、家畜ブタとジェシカ・ランバート(享年19歳)の交雑種を思わせる姿のヒト型実体です。

なるほど、わからん


えー、今回のSCP-3127は、上記のごとき人型実体である。
表現力豊かなハンドジェスチャーをスタッフに示すことが確認されているためおそらく知性体なのだが、
絶えず絶叫し続けているため会話は行えない。
非言語的インタビューによれば異常実体は自分がジェシカ・ランバートだと信じており、
死亡して以降数々の悪夢にうなされてきた、と主張している。
また自身の叫び声を制御できないようだが、一方で叫び声を抑え込み、不明瞭にしようとする試みが頻繁に見られるとのこと。

以上からも察せられる通り彼女の叫び声を聞いた人間は例によって異常性の対象となり、故人ジェシカの姿の死体へと即座に変化する。
SCP-3127が報われないことに、この異常性はくぐもってようが不明瞭だろうが平然と発動する。
このため、収容プロトコルにはさらにSCP-3127に常時口枷を嵌めることが追加された。
ついでに、この異常性で発現した死体は、外見と裏腹に遺伝的には家畜ブタと同一である。

SCP-3127はモッカス・イベントの見通しに激しく苦悩しており、
財団職員にイベントの阻止を強く要請している。

財団としても発生するたびに異常性の性質が悪くなるモッカス・イベントは防ぎたいところであり、
より広範な実験のために実験基地-33へと移送されることとなっている。



追記修正は更新ログを参照してください。

















一つの巨大な輪の上で、少女と豚の追いかけっこは永遠に。




SCP-3127

19歳のジェシカ・ランバートと異常な大きさの雌豚よ、永遠に


オブジェクトクラス:Keter



SCP-3127は、かつて研究基地33の名称で知られていた施設です。この施設は、当初SCP-3127に指定されていた異常実体 — ジェシカ・ランバートという名の19歳の女性 — が到着した2017/02/21に、大きさを維持したまま1頭の家畜ブタに変化しました。

な ん で そ う な る

というわけで現時点でのSCP-3127は基地1個分のサイズの巨大豚である。
今まで同様食わない飲まない眠らないの他、物理的に刺激されないと動かないという性質も示すようになった……が、
断続的に上げるジェシカ声の叫び声を聞いたあらゆる生物を
家畜ブタとジェシカの交雑種を思わせる、ブタ程度の知性を持つ生物へと変換する異常性へと至っている。
防音チャンバーで閉じ込め、担当職員は常時ノイズキャンセリング・ヘッドフォンを身につけ、
その声に汚染された生物は例外なく終了し焼却処分することが定められた上で、
研究者にはモッカス・イベントの阻止に全力を注ぐことが求められている。

なお、SCP-3127の叫び声は発生間のギャップが一貫しており、
ジェシカが限定的に使うことができたモールス信号に翻訳できることがわかっている。
今までに伝達されたメッセージは以下の3通り。
わたしはとこ[原文ママ]にいるの

これをとめて

ブウ


……果たして今、どこまでジェシカはブタに侵食されてしまったのだろう。


考察

本記事は、SCPという創作世界のもつ属性のうち、異常現象のナンセンスさを強く押し出した記事である。
よって考察するだけ無意味な点も多いが、ある程度読みとれる点もあるので、以下に考察を試みる。

まず報告書に付与されたタグ、「自我」について。

元ジェシカから元研究基地33に至るまで、他者に与える影響がたびたび変化するSCP-3127であるが、
「接触した相手を、その時点での自己認識と同一のものに染め上げる」
と仮定すると、一連の異常性にある程度一貫性を見出すことが可能になる。
もっともその場合、最後の時点でのジェシカは身も心もほぼほぼブタということになってしまうが……。

また、異常現象に巻き込まれて自我、もとい精神がどっかに行ってしまうSCPは数あるが、SCP-3127ではいったんイザベラ某やら死体やらへと変貌したあと、 「本来のジェシカ・ランバート」 らしき精神が復帰している点は特異といえる。
ましてや本来の肉体は死亡し、今の体は語るも悍ましい過程を経て生成されたキメラ生物。
そして一度は自身で死を認めて「埋葬を要求」なんてしているというのに……。ヒトの自我とはなんなのであろうか?
わたしはとこにいるの (were am i)
「i」 が指すものは、果たして今なおジェシカと呼べるものであろうか……。

さらに、その点を踏まえて(多分に想像を含まざるをえないが)、 SCP-3127の陥っている状態 についても考察してみる。
自身の性質を他者に写すというジェシカの超能力、そして豚とジェシカがその比率を変えながらごちゃごちゃと混じっていくSCP-3127の性質を合わせて考えると、もしかするとジェシカの中にジェシカと同じ能力を持った「豚」がいて、 相互に影響を及ぼし合うという状態 にあるのかもしれない。
そしてまた、「豚」と「ジェシカ・ランバート」の肉体の比率を変えることで様々なキメラが生まれたように、 自我 もまた比率を変えて合成することで――まるでゲームのアバター素材を組み合わせて正規の登場人物の似姿を作るように――「公爵夫人イザベラ三世」や「養豚家イザベラ・スタンフォード」を作ることができるという事実を示しているのかもしれない。

続けて、大惨事となってしまった 原因 について。

当初、ジェシカの超能力はほぼ無害といってよいものだった。
SCP-3127というエスカレートする異常性は、この時点で潜んでいたとすることもできるが、収容当初に財団で行われたクロステストが原因ではないかという考察もある。
テストの結果は財団の観察によれば特に何もなかったとのことだが、なにせ元が「原理不明の異常実体」同士の接触である。
忘れがちだが、Safeとされるアノーマリーが真に危険な性質を持っていない保障などどこにもなく、また異常同士を接触させた際、正常な世界運行に破滅的なトラブルを引き起こす危険性は常に存在するのだ。
それゆえ、現在の財団ではクロステストは慎重に行われているのだが、SCP-3127では運悪く 「大凶」 の組み合わせを引いてしまったのだろう。
クロステストという行為に潜む、目隠ししながら劇毒の調合をするような危険性を、SCP-3127のテーマと捉えるのがこの考察である。

同様に記事の最後、モッカス・イベントの阻止のために実験基地-33への移送と実験が計画され、その後Keterクラスに達するほどの異常現象の深刻化が起こったわけだが、これもまた財団が 「やらかして」 しまった結果ではないかと疑うことができる。
つまり、イベント阻止のため本格的に、SCP-3127に異常実体や財団保有の特異な科学技術でアプローチをかけたのだが、それがまた神の視点で見ると大変よろしくない組み合わせであり、異常性を大規模化させてしまった……ということである。
もっとも、基地への到着当日にこの有様となっているので、これは考えすぎかもしれないし、初手で最悪を引き当てたのかもしれない。



追記・修正は自分がブタじゃないとの確信のうえでお願いしますブウ












補遺3127-1: モッカス・イベントが現在進行中です。更新は保留されています。


もう勘弁してくれぇ!



SCP-3127 - Nineteen Year Old Jessica Lambert And A Female Pig Of Abnormal Size, Forever
by Tanhony
http://www.scp-wiki.net/scp-3127
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3127#
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最終更新:2024年02月26日 07:46

*1 Moccusはケルト神話における豚ないし猪の狩人の神