SCP-1131-JP

登録日:2020/04/25 (土) 18:35:00
更新日:2024/02/05 Mon 19:28:43
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9点 ─踏み込みが少し甘いですね。非常に惜しい



SCP-1131-JPはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスはKeter。

項目名は『数奇に翔んでごらん』
JPとある通り、日本支部で作成されたオブジェクト記事となる。


概要

SCP-1131-JPは、四国に存在する中高層の建物*1投身自殺が発生した際、落下地点付近に時々出現する7つの物品である。
出現場所や時間に法則は無いが、同日に2回以上出現することはない。
一方で、オブジェクトの発生は自殺者の死亡推定時刻から10~20分後で確定している。


日本の一地方で特定の条件を満たさないと発生しない現象ではあるが、四国の総面積18000km²の中に中層以上のビルや施設等数えきれないほどある。まず3階建て以上の学校とかアウトだし。
また投身自殺を図る者ならば必然的に高い建物に赴こうとするので、発生条件は自ずと満たされやすい。
おまけにこのオブジェクトが発生する場所や時間は現状法則性を見出せないため、事前に現場を押さえることはほぼ不可能。
警察に押収されたオブジェクトを回収したり、野次馬が撮影してSNSにアップしたりしたオブジェクトの画像を抹消するなど、事後処理にも地味に手間がかかる。


異常性に派手さはないが、収容不可能かつ衆目に触れやすいオブジェクトのため、クラスがKeterとなっているのだ。


ちなみに特別収容プロトコルとしては、投身自殺者の情報が出たら直ちに回収作業員を現場へ派遣しオブジェクトを入手すること、四国内にある中高層の建物の屋上立ち入り禁止を普及化させる取組の推進等が組まれている。
財団がオブジェクトの収容手段として特定エリアや建築物を完全封鎖することはよくあるが、いくらなんでもオブジェクト収容のためだけに四国全域から人を追い出して封鎖するというのは現実的ではない上、仮にそれを実現できたとしても収容違反が起きない保証がない以上これが財団にとりうる最大限の措置であろう。
四国のちびっこたちはデパート屋上のテーマパークを楽しめず、中高生は屋上で青春することすらできないのか……



出現する7つの物品(SCP-1131-JP-1~7)について

さて、では自殺現場に一体何が出現するのかというと、「0~10までのいずれかの数字が印字された採点プレートと、各プレートに付属した手書きのメモのセット計7組」である。
メモの内容は、自殺者の落下から激突までの姿勢等を評価したコメントとなる。


すなわち、投身自殺を飛び込み競技に見立てて勝手に批評した採点結果なのだ。
エクストリームスポーツを通り越してただの悪趣味である。


また、各コメントは字体も語調も異なること、かつ同じ番号のメモでも頻繁に語調が変化することから、このオブジェクトには単独でなく複数の知性体が関与していると推測される。


さて、ではここで2017年5月7日から5月13日の間に発見された、各採点プレートと批評コメントを見ていくとしよう。
なお、SCP-1131-JP-1~7については、便宜上「採点者1、2…」という風に記載させていただく。

記録(5/7)(元記事では日付番号は付与されていないが、ここでは整理するために便宜的に日付番号を振るとする)

自殺者:滝本龍人(12歳、小学生)

現場状況等: 7階建て自宅マンションの屋上から投身。同級生から執拗ないじめを受けていたことが判明。

採点者1:9点 ─子供らしく生き生きとした飛び様だ!

採点者2:2点 ─飛び方は良いが、男児だからな…

採点者3:8点 ─良い前飛込みだったが、目を瞑ったのが減点かな

採点者4:9点 ─血の飛び散りが花火のよう…

採点者5:7点 ─途中で姿勢が崩れたのがデカイわな

採点者6:10点 ─素晴らしい最期だったよ

採点者7:9点 ─踏み込みが少し甘いですね。非常に惜しい

初っ端から重いなぁ……
いじめを苦にしてとうとう自殺に至った小学生という、この上なく痛ましい事件に対して、採点者たちの反応は完全に娯楽審査といった印象。


記録(5/8)

自殺者:山村 俊彦(32歳、会社員)

現場状況等: 職場である8階建てビルの屋上から投身。先日解雇通知を受けたばかりだったという。

採点者1:8点 ─体型がスマートだと飛び様もスマートだね!

採点者2:1点 ─男は需要がないね

採点者3:6点 ─眼鏡が飛んでいって思わず目を瞑ったね、不運だけど減点

採点者4:7点 ─流れた臓物が桃色の綿毛のよう…

採点者5:6点 ─前方回転に勢いが足りんかったな

採点者6:10点 ─とてもかっこよかった

採点者7:5点 ─ただ倒れただけで少し工夫が足りないように感じました

これまた気の毒な事例である。
そしてこの2件の記録から、おおよそ採点者たちの個性が見えてきたのではなかろうか。
採点者2は女以外興味ないし、3は眼球見開きフェチ、4は厨n詩人と見える。
あと6は急に語彙力が小並感に。


記録(5/9)

自殺者:田中 仁(57歳、自動車工場勤務)

現場状況等: 元請け先の12階建てビルの屋上から投身。下請け契約に関することでだいぶ不満を抱えていた様子。

採点者1:8点 ─最期に相応しい、哀愁漂う素晴らしい飛び様だった!

採点者2:0点 ─論外、ふざけるな

採点者3:9点 ─地面を見据えた素晴らしい前飛び込みだった

採点者4:2点 ─流れ出る血液は吐瀉物のよう…

採点者5:8点 ─おそらく良い飛び方だったのではないでしょうか

採点者6:3点 ─ちょっとダサかった

採点者7:7点 ─両足を揃えて飛び込むともっと良かったでしょう

今度の自殺者は工場勤務の中年男性。
案の定、採点者2の評価がひどい。
今度は5の語調が変わっている。妙に謙虚というか、当たり障りないコメントに。
そして中n詩人さんの評価のツボが分からない……


記録(5/10)

自殺者:橋本 真理亜(17歳、女子高生)

現場状況等: 4階建ての高校の屋上から投身。恋人と仲違いをしていた時期らしい。

採点者1:7点 ─キレイに飛んでいたが、挑戦するにはまだ若いな

採点者2:10点 ─絶頂

採点者3:7点 ─飛込みの一環だろうが、目を瞑るのは個人的に減点対象

採点者4:10点 ─這う姿が逞しい毛虫のよう…

採点者5:7点 ─良い後飛込みだったと思いますが、即死できなかったのは不運ですね

採点者6:10点 ─すごくきれいだった

採点者7:7点 ─飛び込む瞬間がややぎこちないですね

おい2番。
今回は恋愛で悩みを抱えていたJKが自殺者。
多感な時期の恋というのは一層視野を狭めやすいというが、所持品には子宮内避妊具もあったことから、自殺の理由は単なる失恋というよりもっと闇が深かったのかもしれない……
あと、即死できなかったらしい。余計悲惨……


記録(5/11)

自殺者:古海 光枝(49歳、主婦)

現場状況等: 6階建てのセンター駐車場屋上から投身。直前に夫から運転技術についてダメ出しを受けていた様子。

採点者1:3点 ─場所を考えるべきだ、自分勝手すぎる

採点者2:0点 ─飛び方ダサいし、マジでうるさい

採点者3:2点 ─終始目を瞑っていて覚悟が足りない、減点

採点者4:4点 ─叫び声は喉の潰れた蛙のよう…

採点者5:6点 ─怖いのは分かりますが、少し声が大きいように思いました

採点者6:1点 ─ちょっとうるさかった

採点者7:5点 ─突発的ではなく入念な準備が必要でしたね

概ね低評価。JKとおばさんとではこんなに違うものか……
まぁ動機が突発的だし、自分から飛び降りておきながら叫んだり喚いたり騒々しかったみたいなので、この評価も止む無しか。
2番は昨日絶頂したせいかキャラが変わり過ぎである。
あと珍しくちゅうn詩人さんの表現が直球。


記録(5/12)

自殺者:深澤 光良(31歳、指名手配犯)

現場状況等: 4階建ての雑居ビルの屋上駐車場から投身。警官に追跡され、追い詰められた末の自殺と思われる。

採点者1:4点 ─思い切りのある飛び方だったが、自動車の上に落下したのは許せない

採点者2:0点 ─殺人犯マジでざまあみろって感じ

採点者3:4点 ─この方殺人犯でしょ?勢いのある飛び方でしたが嫌ですね

採点者4:9点 ─派手に散るガラス片は葉から零れる雫のよう…

採点者5:8点 ─伸びのある姿勢で良いと思いました

採点者6:7点 ─テレビで見たことある

採点者7:9点 ─助走と踏み込みのタイミングが一致していたら完璧でした

テレビで報道されるレベルの指名手配犯が対象に。
若い数字のメンバーからは不評だが、4番以降は思いの外高評価。
あと中二詩人さんのツボがほんと分かんねぇ。


記録(5/13)

自殺者:滝本 遥香(37歳、ショップ店員)

現場状況等: 7階建て自宅マンションの屋上から投身。記録(5/7)で自殺した滝本龍人くんのお母さんで、息子の死を起因に後を追ったと思われる。

採点者1:10点 ─そそられるような素晴らしい飛び方だったな

採点者2:10点 ─色気ありすぎてマジ憧れる

採点者3:8点 ─若い子にしてはなかなかやるじゃないの

採点者4:10点 ─もったいない、死ぬくらいなら俺が相手してやったのに

採点者5:10点 ─腰の捻りが非常に綺麗で素晴らしいと思いました

採点者6:0点 ─またおそかった

採点者7:7点 ─あなたも踏み込みが甘いですね。悪くはないですが、見込み違いだったようです

廚二詩人さんが壊れた。
今回は最初の記録で亡くなった小学生男児のお母さんが投身という、これまた後味の悪いケースである。
現場には息子さんの写真も落ちていたらしい……
点数は概ね高評価だが6番のみバッサリ。
あとこのお母さん、相当艶っぽいらしい。


補遺と追記

さて、以上7つの事件記録の他に、当記事には短い補遺と追記が付記されている。

まず第一に、SCP-1131-JPが発生した過去の記録を洗ったところ、どう考えても自殺の動機として弱いものが多数混じっていること。
そのためこれらの自殺そのものがこのオブジェクトによって誘発されているのではないかという疑義が補遺で提示されている。
ただしこれについては断定できる程のデータがまだ財団でも見つかっていないらしいため、あくまで疑惑に留まる。


第二に、採点者1~6まで手書きメモを基に調査したところ、自殺者の筆跡と一致する事例が多数あったこと。
そこからこのオブジェクトは自殺者の筆跡を真似るか、あるいは自殺者そのものが関与しているのではないかという推定が追記として示されている。
これに関して、未だ身元特定に至っていない採点者7の筆跡調査が継続されている。


自殺を誘引しているのではないかという疑惑、自殺者と一致するコメントメモの筆跡……

ここまで来れば、アニヲタの皆さんもおおよそ予想はついていると思われる。


ネタばらし

SCP-1131-JP-1~6の採点者は、自殺者と順次入れ替わっている。

このオブジェクトの出現する自殺事件が発生すると、その次の記録時に前回の自殺者が新たな採点者として加入。
代わりに既存の採点者が1人抜けていくというシステムなのだ。*2


妖怪や民俗伝承に詳しい人ならご存知かもしれないが、当オブジェクトの元ネタは四国地方の妖怪“七人ミサキ”であることが、ディスカッションにて作者から明かされている。
簡単に言うと7人一組の妖怪で、こいつらに遭遇した不運な人は死に、新たな七人ミサキとして迎えられる。
それと入れ替わりで1人が成仏するという性質を持つ怪異である。


このことを踏まえて、採点者の移り変わりをまとめると以下のようになる。
採点者1:点数が甘めで末尾に「!」を付ける人→田中仁(工場勤務のおっさん)
採点者2:女好き→橋本真理亜(JK)
採点者3:眼球見開きフェチ→古海光枝(突発自殺おばさん)
採点者4:廚二詩人→深澤光良(指名手配犯)
採点者5:飛び込み時の勢いに拘る人→山村俊彦(リーマン)
採点者6:特徴不明の前任者→滝本龍人(小学生男児)

よかった……絶頂してキャラ崩壊した2番さんと突然性欲に負けた廚二詩人さんは居なかったんだね……


工場勤務のおっさんはJKに対して自殺は早すぎると言ったり、中年おばさんの動機に対して身勝手すぎると言う等比較的良識がある様子。
あと自動車工場で働いていたからか、駐車場や車が絡むと評価が厳しくなりがちである。

JKは語彙を見る限りあまり頭は良くなそうだが、殺人犯を嫌悪する一般的感性は持っている模様。
同姓好き、あるいは男性嫌いの傾向も自殺の経緯を踏まえるとわからなくもない。
あと同性から見た龍人ママへの評価が憧れるレベルだとか。

中年おばさんは動機的にも転落中の様子的にも短慮。
コメントを見る限りでは、ワイドショー観ながらコメントするそこらの中年主婦といった感じか。

指名手配犯はかなりの重罪を犯したと思しき殺人犯。
採点者に加わって最初の発言からして絵に描いたようなゲスであろう。

リーマンは人が良さそうな雰囲気で、なるべく当たり障りのない表現でコメントしようとしている辺りに好感が持てる。
得点も全体的に甘め。


そして小学生男児の龍人くんだが、実に子どもらしいのびのびとしたコメント内容である。
ガチで小学生なんだから小並感になるのは至極普通。
「テレビで見たことある(=有名人)」という理由で指名手配犯に高得点を付けている辺りも微笑ましいと言えば微笑ましい。

ただし自分のお母さんに対してだけはこの上なく辛辣である。
恐らくいじめを受けていることや自殺する程精神的に追い詰められていることに気付かなかった、あるいは気付いていたのに止めてくれなかった母への怒りや失望が察して取れる。


そんな龍人くんママは、恐らく次回のSCP-1131-JP発生時に誰かと入れ替わりで採点者に加わることであろう。
息子の自殺から一週間近く、様々な苦悩に苛まれた末の後追い自殺である。
端的に言って悲惨な人物なのだが、いかんせん採点者たちからのコメントのせいで憂いを帯びた上にめっちゃ色気のある37歳経産婦という強烈な印象が付いてしまっているのは別の意味で悲劇か。


残された謎

ここからは建て主の憶測、推測が混ざってくるのでご容赦を。


補遺で疑義が挙がっていた通り、SCP-1131-JPは人間を自殺へと誘引している危険性が残されている。
例えば記録(5/11)の中年おばさんは、いくらなんでも動機が軽すぎるのではないかと思わざるを得ない。
無論、傍目にはつまらない事でも当人にとっては感情が昂り過ぎておかしくなるほどの出来事だった、というケースは現実にもあるとはいえ……

また、前述の通りこのオブジェクトの報告書では記録に「1、2、3…」といった番号が付いておらず、あくまで「2017年5月7日から5月13日の間に回収されたSCP-1131-JPの記録一覧」であるという断り書きも付いている。
そのため、記事内では触れていないだけで当オブジェクトの発生記録自体はもっと沢山あることが推察される。
自殺の動機が弱いという事例や、自殺者と筆跡が一致した事例のことを「多数」あったと記述しているあたり、少なくとも財団が疑問を抱く程度には、財団で把握している事例数が多いと考えた方が自然であろう。
この一週間の記録を報告書に掲載したのは、筆跡と語調の一致が明白で分かりやすいケースだったからだろうか(男児の文とかJKの文とかは見ればすぐに分かるしね)。

メタ的な話としても、当記事には「精神影響」のタグも付いているので、神様視点で見ればオブジェクトの特性として自殺誘因が含まれることも確定的だろう。


ここでキーとなるのが、正体不明の採点者7である。

こいつは記録(5/7)から一貫して、普通に飛び込み競技を採点するような着眼点で批評を下している。
穿った見方をするとこいつだけは純粋に飛び込み自殺を批評して楽しむ為に採点者をやっていると捉えることができるのだ。

他の採点者たちは、自殺者のルックスや性別、犯罪歴等飛び込みと関係ない要素によって評価したり、リーマンや小学生みたくなし崩し的に採点をやることになってそうな者が多い。


加えて、採点者7が龍人ママの自殺で残したコメントが意味深である。

「あなたも踏み込みが甘いですね。悪くはないですが、見込み違いだったようです」

見込み違いということは、龍人ママに期待をしていたということ。
何故期待したかと言うと、龍人くんの自殺がこいつ基準でかなり惜しい出来だったから。

こうなってくると、採点者7が理想的な飛び込み自殺を見たいがために、龍人ママをターゲットに選出したという推察ができるのではないだろうか。


さらに言うと、入れ替わりの順序にも違和感がある。
工場勤務のおっさん、JK、中年おばさん、指名手配犯については採点者1~4までと数字順に交代している。
ところが龍人くんとリーマンについては、それぞれ採点者6、5と交代しており、順序が逆転している。
ここから読み取れるのは、「採点者1~7の数字と、次の自殺者が出た際に交代する順番は必ずしも合致する訳ではない」ということである。

そして龍人くんがお母さんに対して残した「“また”おそかった」というコメント。
「また」ということは、記録(5/13)で龍人ママの図った後追い自殺そのものが「おそかった」ということ。

何故「おそかった」のか?
それは龍人ママと交代で成仏するのが、他でもない龍人くんであるから、つまり死後も親子一緒に居られない結果となるから、だと思われる。

そしてそれは、順番的に本来ならば龍人ママと交代するはずの採点者7が残留確定しており、残る6人の内加入が一番古かった龍人くんが交代対象にならざるを得ないことを意味する。

前述の通り、報告書内で挙がっている記録以外にも財団は当オブジェクトの関わる事件記録を有していると見るのが普通なので、「直前の自殺者は次の記録の採点者になる」という法則性には当然財団も気付いているはず。
その財団が採点者7の身元を特定できていないということは、龍人くんが自殺した記録(5/7)のひとつ前の事件記録を財団が把握できていないか、ひとつ前の記録の自殺者に合致するのが採点者5だった(=採点者7以外の人物だった)かの2択である。

もし後者だとすると、採点者7は交代のサイクルから外れた位置に居ることになる。

再度メタ的な話。ディスカッションにて作者が「入れ替わりの仕組みとしては、「古い順に成仏する」というふうになっております。-7は成仏することがないので、順番としては現状が正しいです。」と明言している。



以上の状況証拠や推察を統合すると、採点者7、すなわちSCP-1131-JP-7の採点プレートにコメントを付けている者は
  • 任意の対象の自殺を誘因する異常性を有する
  • 理想的な飛び降り自殺を見ることが目的である
  • 他の6体の採点者が組み込まれている入れ替わりのサイクルから外れている
  • 現時点で財団が身元特定できていない
  • そもそもいつから採点者に連ねているのかわからない
という存在である。
要するにこのオブジェクトの根幹、黒幕と見てよいだろう。


飛び降り自殺を評価競技に見立てて好き勝手に批評する。
そのために飛び降り自殺そのものを誘発させる。
自殺を起こさせるタイミングも対象も胸先三寸なので未然に防げない。
そして自らの批評コメントを世間に聞かせたいかのように、自殺現場へ異常な痕跡を残す。


K-クラスシナリオにこそ繋がりにくいし、被害総数も影響範囲も深刻とは言い難いものの、考えれば考える程におぞましい性質のKeterクラスオブジェクトと言えるだろう。


余談

このオブジェクトの報告書はかなり読みやすい。
収容プロトコルと説明文はシンプルだし、記録一覧の内容もこれまたシンプルでちょうどいい量である。

一方で適度に考察の種が散りばめられていたり、ディスカッションで明かされる情報まで含めてもオブジェクトの正体や背景、異常性の全容がはっきりしない面もある等、程よい不気味さを感じさせる記事となっている。


追記・修正はオール10点を取ってからお願いします。



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最終更新:2024年02月05日 19:28

*1 都市計画法施行令では3階建て以上とされている。

*2 記録(5/7)の採点者6「素晴らしい最期だったよ」、記録(5/9)の採点者1「最期に相応しい」等、暗に「自分にとってもこの採点が最期である」ということを匂わせている者も居る。