シビュラ精霊記

登録日:2020/08/14 Fri 04:29:11
更新日:2023/12/31 Sun 10:59:33
所要時間:約 10 分で読めます




※この項目にはゲーム『CHUNITHM』のネタバレが含まれています。






シビュラ精霊記とは、ゲーム『CHUNITHM』の楽曲レーベルの一つあるいはそのレーベルの曲に紐づけられたキャラクターのストーリー群である。

【概要】

CHUNITHMのオリジナル楽曲はマップを進めると課題曲として登場し、これをクリアすることで解禁されていくシステムだが、この課題曲の解禁と同時にその曲と対応キャラクターも追加されていく。
そしてこの対応キャラクターのレベルを上げていくことでスキルが強化されたりストーリーが解禁されていくという仕組みになっている。
ストーリーは剣と魔法の王道ファンタジー、電脳世界を舞台にした神々の戦い、悪の神に運命を翻弄される音楽家の物語、ギャグからラブコメ果てはホラー展開までなんでもありなオムニバスストーリー、アイドル達の物語、人の言葉をしゃべる動物たちを主人公としたストーリーなど多種多様な世界観が展開されており、シビュラ精霊記はCRYSTALバージョンから追加された新規ストーリーとなっている。
AMAZONバージョンからはやたらと鬱ストーリーが多めだったが、このシビュラ精霊記は特にその傾向が強いストーリー群となっている。
そのストーリー性ゆえに検索してはいけない言葉に名を連ねている。

2021年に稼働したPARADISEでは4月15日にPARADISE ep.IIでシビュラ精霊記メインのマップが登場。
CRYSTALで登場した巫女の幼少期の姿、先代の「聖女」と「巫女」達が辿った末路が語られている。

対応キャラクターは11人(PARADISE LOST時点)。

【世界観】

世界観は上記のいずれの世界観とも異なるファンタジー色の強いものとなっており、精霊の力をその身に宿す巫女<シビュラ>を中心として進行していく。
この世界での死生観は独特なものになっており、肉体的な死はもちろんのこと、精神が死を迎えると魂が離れて体も死を迎えるといったものになり、そのトリガーとなるのが深い絶望である。
このストーリーで語られる巫女たちはいずれも後者の最期を迎える救いのないものとなっており、トラウマになった人も多い。


【登場人物】

以下追加順

ティータ・アヴェニアス

火の精霊をその身に宿す巫女となった孤独な少女。
炎のように燃え盛る憎悪に突き動かされ、戦場に身を投じていくが・・・
対応楽曲は《混乱》 ~ Muspell
+ 末路
製鉄を生業とした貧しい国「鉄の国アギディス」と、『豊穣神ネフェシェ』を信奉するアテリマ教徒たちに支えられ豊かさを享受する国「ルスラ教国」との戦争に巻き込まれた彼女は身内を失う。
世界に対する憎悪に包まれながら彷徨っていた彼女は炎の精霊に魅入られ炎の巫女《シビュラ》となる。
かつての炎の巫女の記憶を頼りにアギディスに渡った彼女は、愛に飢えていた自身とかつての巫女たちの願望が入り混じり「すべてを奪い、皆から慕われる英雄となる」という歪んだ願いのもとアギディスの軍のもとでその力を振るうことを選ぶ。

ルスラへの侵略の途中で『水の巫女ジュナ』が守っていた水の都ティオキアを攻め落とし、民を人質とする非情なやり方で彼女を無理やり軍門に下らせる。
その後、ルスラ擁する『土の巫女ミァン』を殺すべく侵略を続ける彼女だったが、信者たちが命を捨ててミァンを守る様…皆から慕われているミァンへの嫉妬と憎悪を募らせ次第に暴走していく。
そしてその様子に、アギディスの兵士たちも徐々に彼女に羨望ではなく恐怖を抱くようになっていく。

やがて恐怖による指揮にも限界が訪れ、難攻不落のルスラの要塞を前に戦線を離脱しようとした兵士たちを粛清したことをきっかけにアギディスの兵士たちから遂に叛逆されてしまう。
そうして、英雄になりたいと…誰かに認められたいと願っていた少女は、両国から化け物として扱われ罵られ総攻撃を受ける。
死の間際に走馬灯の様にかつての巫女たちも同じような壮絶な死を迎えていたことを回想した彼女は狂った世界に絶望しながら死亡する。

全てが終わった後。
「人とは、なんと醜く傲慢で、浅はかなのだろうね。ひとたび交われば、そこに生まれるのは争いと混沌だけだというのに」
そうイデアは告げると、彼女が使っていた大剣から炎の精霊の力を吸い取り何処へと消えていった。

ミァン・テルスウラス

土の精霊をその身に宿す巫女。
巫女の力を人々のために使う彼女は国の指導者として人々を導くが・・・
対応楽曲は《理想》 ~ Cloudland
+ 末路
指導者として民を導き続けるも、ティータとアギディスの軍の圧倒的な力に敗戦を重ね徐々に自信を失っていく。
自身の想い人もまたティータの魔の手からミァンを逃すべく犠牲となってしまう。
戦火が迫りくるなか自分以外を先に避難させようとするなど決して悪い判断はしていない彼女だったが、
ミァンを危険に晒すことを拒む兵を説得するのに時間を費やした結果、敵の砲撃で大勢の犠牲を出すなど不運も重なり更に精神をすり減らしていく。
そして、隠れ家へと逃れた先で自分のことを攻め立てた民を、自分を信奉する兵がそれを何の躊躇もなく殺めたことをきっかけにルスラの民へ、自身の生い立ちへ、不平不満を吐露してしまう。
それに逆上した民に絞め殺されそうになり、それを一度は受け入れようとするも生存本能がそれを上回った。
目を覚ました彼女が見たのは自身の力で殺めたルスラの民たちの死体の山だった。
民を導くこともできず、最終的には自らの手で殺めてしまった罪に押し潰された彼女は自ら死を選択した。

数刻が経った後。
「人の愚かさに気づかない者ほど……理想を信じてしまう。その先に待つのは、悲劇でしかないことも知らずに……」
そうイデアは告げると、亡骸から土の精霊の力を吸い取り何処へと消えていった。

シエロ・メーヴェ

風の精霊をその身に宿す巫女。
同じく巫女の力を持つ母とともに巫女の力と身分を捨てるために旅に出るが・・・
対応楽曲は《逃避》 ~ The Deserter
+ 末路
旅の途中、「アギディス」と「ルスラ」の戦争に巻き込まれた彼女は母親と引き離されてしまう。
母親の持っていた蒼穹の短剣を形見に彼女は1人で生きていく決意をする。

謎の追手から逃れ続ける中、かつて飢えていたところを助けた少年と再会した彼女は謎の教会へと案内される。
しかし、そこは人肉食を崇拝する異端の宗教でありそこで夕食として、提供された肉はお礼がしたいと自ら肉を捧げた*1少年のものであった。
その上、そこの教祖は引き離され行方がわからなかった自分の母であった。

母は実際のところ私利私欲のためだけに動いており、シエロに対する情など持っておらずむしろ風の巫女の力がシエロに移ったことを疎んでいた。
謎の追手も風の巫女の力を自分の元に閉じ込めておきたかった母の差し金であった。
シエロの中で大切な母のイメージが崩れていく中、さらに母は「自分が巫女の力を取り戻すために死んでくれ」と決定的な一言を浴びせる。
全てに絶望したシエロは望み通り自害を選択。自分がこの世界に生まれてきたことを呪いながら死亡した。

シエロが死んでも力が戻らないことに訝しむ母の前にイデアが現れる。
その力は元は自分の力であること、そして残り滓でも風の巫女の力が残ることは許容できないと母を始末した後
「生憎、現実から目をそむけ逃避し続けようとも、この世界に救いなどありはしないのだ。この失敗した世界には、ね」
そうイデアは告げると、蒼穹の短剣から力を吸い取り何処へと消えていった。

あとに残されたのはようやく一緒になることができた親子の死体だけだった。
「よかったね母さん。アタシたちずっと一緒だよ。」

ジュナ・サラキア

水の精霊をその身に宿す巫女。
ミァンと同じく国の人々のためにその力を奮う心優しき少女はある日侵略戦争に巻き込まれ・・・

プレイヤー間では特にこのキャラクターのストーリーはトラウマ度、グロ度が非常に高くトラウマになるといった意見が多い。
対応楽曲は《最愛》 ~ Curse
+ 末路
民を人質にティータの軍門に無理やり下らされた彼女は、アギディスの侵略兵器として罪なき人々への殺戮に加担させられてしまう。
さらにそのことでアギディスの兵士たちから皮肉を言われるなど徐々に心を絶望に蝕まれていく。
アギディスの兵士の中にはジュナを慕う善良な者たちもおりそれが僅かな心の支えとなっていたが、そんな存在をティータは許すこともなく残らず処刑していった。
巫女の力が弱まるほどに絶望を重ねるも、想い人であり従者であるギュスターブの存在を唯一の支えに何とか自分を保っていた。

ルスラのアテリマ教徒との戦いのなか、弱まった巫女の力では戦線を維持できず戦場は混乱に包まれてしまう。
混乱に包まれた戦場の中でギュスターブの姿を探し、彼の姿を見つけるがその後ろからアテリマ教徒が今にも襲いかからんとしていることに気づく。
彼を助けるために水の巫女の力を放つが、力が弱まり速度の下がったその攻撃に気がついたアテリマ教徒は…目の前のギュスターブを盾にした

自らの力で想い人を殺めた事実にジュナは精神崩壊を起こし、暴走状態となって敵も味方も関係なく死を撒き散らし始める。
やがて力を使い果たし始めた彼女は、奇しくもティータと同じく化け物としてアテリマ教徒から毒矢の猛攻撃を受け死亡した。

全てが終わった後。
「信じるに値するヒトなど存在しないのだよ……愛など、ただの幻……」
「だが……身分や巫女の身体から解き放たれ……共に逝けたのなら……それも幸福か……」
そうイデアは告げると、ジュナの使っていた大海嘯の杖から力を吸い取り何処へと消えていった。

ちなみに楽曲のイラストをよく見ると元の彼女からは考えられないほど恐ろしい笑みを浮かべており、精神崩壊して暴走した時点のイラストだと分かる。

聖女 アンナ・マルグレーテ

聖女として人々に祭り上げられた何の力も持たない非力な少女。
人々の希望として祭り上げられた彼女は何を思うか・・・
対応楽曲は《運命》 ~ Ray of Hope
+ 末路
4つの巫女が失われ、ついに世界を滅ぼしにかかったイデアに対する希望として祭り上げられた。
当初は実感もわかず、重症の兵士を目の当たりにして恐ろしさから嘔吐してしまうほどに戦争というものに縁がなく、
聖女としての自覚もなかった彼女だったが、傷ついた人々の様々な悲しみに触れ、次第に聖女としての自覚が芽生えイデアに立ち向かう決心を固める。

そうして訪れた決戦の時、イデアを倒すべくアンナは兵たちを鼓舞して彼女に立ち向かう。
イデアが興味を惹くほどに強い魂と希望の力を持っていたアンナであったが、その力をもってしてもイデアには遠く及ばず傷一つつけられなかった。
そんな様子に絶望した兵たちは、最初にイデアが提案した「アンナを捧げれば、残りは助ける」という言葉を思い出した彼らはアンナを裏切ることを選択した。

そしてアンナを裏切り痛めつけた上でイデアに捧げ、「1人の少女の命で世界は助かる。安いものだと。」そんな風に信じている醜い人間たちをイデアは心底つまらなさそうに消した。
しばらく呆然としていたアンナだったが、かろうじて生きていた兵が…自らに助かりたいから命を差し出せと言ってきた人間が今度は命乞いをしてきた様を見て、自らが守ろうとしていたものの醜さに絶望した。
世界の再構築に強い魂を求めていたイデアに魂を喰らわれる刹那、彼女が抱いたのは「人は何故生まれてきてしまったのか」という無条理に対する疑問だけだった。


創造神 イデア

全ての元凶。シビュラ精霊記レーベルの世界観における世界の創造神。
箱庭の世界を生み出した彼女はこの世界を失敗作と断じて滅ぼそうと動き出し・・・
対応楽曲は《破滅》 ~ Rhapsody for The End
+ 末路
世界を失敗作と断じた彼女は、世界を再構築すべくかつて自らが分け与えた4つの精霊の力を取り戻し強い魂の力を得ることを望んでいた。
争いを陽動し、絶望によって巫女たちから精霊の力を取り戻した彼女は、人々に祭り上げられた聖女を下しその強い魂を手にした。

アンナから奪った魂をその身に取り込み、世界を再構築する準備が整ったと思われたその刹那、魂から溢れ出した絶望とそれに共鳴して溢れ出した精霊たちに刻まれた巫女達の絶望がその身を焼く。
精神の死…すなわち絶望で魂と肉体が乖離していくというのはイデアがこの世界に与えた理だが、その対象に例外はない。
絶望によって魂と肉体を切り離されるが、それでもなお尽きることのない絶望によって魂が呑まれ、忌み嫌う人間と同じレベルにまで弱体化してもなお絶望が止まることはない。
やがて、生き地獄の中でイデア自身が消滅を望んだ頃、《人の希望》では傷一つつけられなかったその神は《人の絶望》によって魂を引き裂かれこの世界から完全に消滅した

あとに残されたのは、神も希望も何もなくなり絶望だけが残った世界でただ死を待つだけとなった人々だけだった。


ルチア・レ・ベルナデート


ミァン・クレスターニ


システィーナ・メーヴェ


ジュナ・フェリクス


ウェスタ・グロリオサ・フォティア


追記・修正は精霊の力をその身に宿してからお願いします。

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最終更新:2023年12月31日 10:59

*1 もっとも後の展開を考えるに、洗脳していた可能性も否めないが