侯爵嫡男好色物語

登録日:2020/10/21 Tue 00:02:02
更新日:2024/04/29 Mon 14:35:56
所要時間:約 20 分で読めます



侯爵嫡男好色物語は小説投稿サイト「小説家になろう」の派生サイトで、男性向けの18禁小説投稿サイト「ノクターンノベルズ」に投稿されているオンライン小説。
作者はAL氏。

いわゆる異世界転生のチーレム戦記物だが、主人公特有のチート能力はなく、チート種族に生まれたという設定で主人公がハーレムを築くのが自然になるように世界観が構築されている。
一方でチーレム物に定番の主人公無双はすっ飛ばされるし、主人公と同行するヒロインはおらず、各ヒロインの扱いは現地妻のような形になっている。


小説になろうでオススメを聞いた場合ノクターンノベルズのこの作品が上がることがよくあり、『エロがなくても楽しめる』作品として紹介されることが多い。
特に第一部前半は結構な頻度でエロが入る。
読んでみようと思う方はそれを認識した上で読んでいただきたい。


ちなみに連載初期についた略称は侯爵嫡『男』好『色』物語から男色。ひどい命名である。
でも流し読みすると男色物語に見えるから仕方ない。
それ以外だと侯爵嫡男と略されることが多いかもしれない。

2022年4月に第二部『レヴィオス王国』が終了。現在は第三部『ジンカーエン帝国』が連載されている。
当初は一話3~4千字だったが現在は、ランダムになっており、下手をすると1話3万文字になったりする。

2021年6月20日からMAGCOMI(マグコミ)でのコミカライズ
侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~
が連載中。作画担当は勇者と魔王の魂魄歴程の作者GEN氏
なお、男色に見えてしまう対策か『好色』のフォントが赤色になっている。
コミカライズ第4話でついに侯爵嫡男男色物語が公式で使用された。
コミカライズは、2023年1月時点で3巻まで刊行されてる


あらすじ

現代日本でサラリーマンをしていた男は、なぜかファンタジー中世っぽい異世界に転生した。
転生先は国でも有数の大貴族の侯爵家。
12歳になったある日、彼は父親であるクオルデンツェ侯爵に呼び出される。
「城下の娘でも我が家のメイドでも構わない。女を知りなさい」
貴族の力で女性を脅し好き放題にできる権限を父から得た彼・ウィルクは下半身の赴くままに生活をすることになった。


登場人物


レヴィオス王国クオルデンツェ家(本拠地:ニューネリー市)


◇クオルデンツェ・ウィルク
本作の主人公でレヴィオス王国五大貴族家の一つクオルデンツェ侯爵家の嫡男。物語は彼の一人称視点で進むことになる。
現代日本で普通のサラリーマンをしていた異世界転生者。
幼少期の魔力トレーニングや地球の製品を再現など、転生主人公のやることはだいたいやってる。
一方でその実力に見合わぬほど慎重かつ、父親が過保護なため周辺の貴族にその存在の異質さはあまり知られていない。
次期当主として指名を受けるべく活動している彼が12歳の頃から話は始まる。
あらすじにある通り典型的な平民ヒロインを攫っていくクズ貴族だが、ノクターンノベルズは上位作品でもヤベー主人公がゴロゴロいるので、基本的にアフターケアをしっかり行う彼はまともな方だったりする。

抱く女性は当初顔と胸を基準にしていたが、第二部で尻の良さを知りつつある。
セリフが落ち着いているため忘れがちだが、12歳なので体型的にはショタである。



◇クオルデンツェ・ファニィ
クオルデンツェ家の長女でウィルクの妹。
ニューネリー城から出ることはほとんどない箱入り娘。
両親が忙しく留守がちなこともあり、ウィルクに甘えることが多い。
多分メインヒロイン。


◇クオルデンツェ・ルークセ
クオルデンツェ家の現当主でウィルクの父。強面
「謀略のクオルデンツェ」に相応しい当主で、帝国のシュピアゼイク家との戦いでは相手を外交的に追い詰めていく。
優秀だがよくわからないところのあるウィルクに好きなようさせつつ、きっちりコミュニケーションもとるできた父親
実は次男で、兄が当主を継ぐ前に死を迎えたために当主となった。

本作ではチーレムものとしては珍しく、主人公に帯同するヒロインがいないため、第一部では主人公以外では多分一番出番が多い。
第二部では第一部以上に出番が多く、人間臭い面も数多く見せてくれる。


◇エヴェナピス・メルリィ
ルークセの妻でウィルクの母親。
クオルデンツェ家の盟友エヴェナピス家から嫁に来ており、夫ルークセとの仲は良好。
なお、エルオ大陸では通常の結婚で姓が変わることはない(下記のガルフィスは例外)


◇クオルデンツェ・ガルフィス
クオルデンツェ家の先代当主でウィルクの祖父でルークセの父、カシアの夫。
婿養子のような形でクオルデンツェ家にやってきた外部の人間だが、ルークセがまだ若い頃に先々代のカシアが亡くなったため、
一時的に当主を継いでいた。
「赤鬼」の異名を持ち、その武名は直接領土を接していない聖高会にも広まっている。
すでに80歳を超えているが現在も対帝国の最前線で大暴れを続けている。
乱世を駆け抜けた世代であり、現在の若い貴族など彼にとって処分待ちのカカシレベルになる、ブレーキのぶっ壊れたジジイ。



◇クオルデンツェ・カシア
クオルデンツェ家の先々代当主でウィルクの祖母でガルフィスの妻。本編開始時故人。
かつて5つに分裂していた領内を統一したことから五領姫の異名で呼ばれている。
とある成熟魔獣の討伐後、半ば相打ちの形で息を引き取る。
彼女のなした偉業や謀略は主に第二部で語られる。



◇クオルデンツェ・ガーダクル
ガルフィスとカシアの間に生まれた第一子で、ルークセの兄、ウィルクの叔父。本編開始時故人。
家督を継ぐ前にシルオペア家から来た嫁とともに謀殺される。
貴族にしては珍しく性欲が平民並に強い性豪貴族で、領地内の女性に手を出しまくった。
結果として現在のクオルデンツェ軍には従祖兵がとても多く、戦を有利に進められている。
そんな人物なため、ウィルクが女性に手を出すたびに彼のことを知る年配の配下から温かい目で見られることになる。


◇テッシュ
ウィルク付きの筆頭使用人でいわゆる爺と呼ばれるポジション。魔力持ちの従祖。
ウィルクの軍務以外での私生活を管理しており、外遊の際には御者も務める。
以前はガーダクルの使用人をしており、上記のウィルクを温かい目で見守ってる筆頭(それ以上にハラハラしているが)。


◇オディ
クオルデンツェ家の使用人で赤子だった頃のウィルクのお世話係。
父はクオルデンツェ・ルークセ、母はニューネリー城のメイド長。つまりウィルクの異母姉に当たる。
また彼女の兄弟の何人かはウィルク直属の護衛となっている。
おねショタプレイ担当。


◇ミニット
ニューネリー城に勤務する使用人でウィルク専属のメイドのひとり。
ニューネリー生まれのニューネリー育ちで実家は園芸店。
イチャラブプレイ担当。


◇イブ
大陸北部に広がる霧の大地出身のエルフ族の娘。
ウィルク専用の性奴隷だが教育未了のまま買ったこともあり反抗的で好感度は低い。
ファニィと並ぶメインヒロイン格で、長期的な調教プレイ担当。



◇ルペッタ
冒険者稼業をしている平民の従祖。身長が低くツルペタ。
相棒で惚れているメルギンを救うために、ウィルクに抱かれることになる。
ウィルクに対する態度から教養のない一般人代表みたいな側面も持つ。



◇メルギン
ルペッタの相棒である従祖の冒険者。
ルペッタに惚れているが素直に言えない複雑な年頃の少年。
後述のルームオンと違い話が進むにつれてネタキャラ化が進行していくことになる。
閑話『凱旋の裏で』ではものすごい勢いで托卵フラグを立てていった。


◇アンナ
ナンボナン市内に住む平民女性で酒場の看板娘(未亡人)
ナンボナン市が貴族の支配を離れ、市民の自治を勝ち取った激動の時代を身をもって知る世代。
クオルデンツェ軍によってナンボナン市が陥落した際、ウィルクに無理矢理抱かれることになる。


◇コハリィ
ナンボナン市内に住む豪商の娘。箱入り娘
父親がナンボナンの評議委員だったためナンボナン占領の際全財産を没収され、ついでにウィルクに抱かれることになる。


◇ルームオン
ナンボナン市内に住む豪商の跡取り。コハリィの兄
ナンボナン占領の際無一文となったが、その才を見込まれガリアナ子爵からナンボナン市職員に推薦された。
当初はコハリィのエロに文字通り付いてくるネタ要員だったが、やがてウィルクの腹心として活躍していく。


◇ラーヴェ
ウィルク専用の性奴隷。イブの実母。
イブ購入後ウィルクが追加発注をしたのだが、イブの好感度不足の反省から購入前に奴隷商人たちを巻き込んだお芝居を実行。
そのためにラーヴェのウィルクに対する好感度はとても高い。というかいろいろあってヤンデレ気味である。
主に彼女のせいでウィルクが一人の女性のみを愛する偏愛型貴族だという間違った情報がレヴィオス王国中に広まることになる。

ちなみに親子丼はイヴの好感度が上がるまでお預け状態である。


◇ソコラ
ナンボナン市の南方に存在する小さな農村の村娘。そこらへんの少女。
出番は一回だけなのだが、彼女のプレイが特殊すぎて一部の性癖の方々にクリティカルヒットした。
特殊プレイの結果どうなったかは作者の活動報告で語られた。

なお、その特殊プレイはエルオ大陸の主祖相手では割と普通だった模様。


レヴィオス王国レヴィオス家(本拠地:コーボビア市)


◇レヴィオス・ルーゲイン
レヴィオス王国国王。
初代国王の理想を守るため奔走する有能な政治家なのだが、エルシニア発生以降やることなすこと全部裏目に出る人。
第二部でもウィルクとオルシアンと聖高会にプランをメチャクチャにされた。


◇レヴィオス・デュンケル
レヴィオス王国の後継者指名を受けている王子。もともと側室の子だったが、魔獣エルシニアの影響で繰り上がった。
色々溜め込んでいるようで、父親であるルーゲインとの関係は微妙。


◇レヴィオス・エナ
デュンケルの同腹の姉。王国のとある貴族に嫁いでいたが、エルシニアの影響で親族が少なくなっている実家に呼び戻された。
どうやらメインヒロイン級っぽく、コミカライズのヒロイン勢揃いのコマに彼女と思しき女性が存在している。


その他レヴィオス王国


◇シルオペア・プルーメ
レヴィオス王国シルオペア伯爵家の令嬢でウィルクの従兄弟。メルリィの妹の娘。
ウィルクの幼馴染枠で現在は文通している仲。
魔獣エルシニアの奇病が流行った際、ちょうどクオルデンツェ家に滞在していたため助かったが、彼女の親兄弟は全て亡くなっている。。
現在は次期シルオペア伯爵として勉強中だが、エルシニアの件がなければウィルクと婚約していた可能性が高い。
第一部未登場。




◇ガリアナ・ミロード
レヴィオス王国貴族ガリアナ子爵家の現当主で、隷祖同士の両親の間に産まれた祝福の子。
類まれな才覚を駆使し、乞食まがいの生活から貴族であるガリアナ家の家督を相続してみせた立志伝中の人物。
ウィルクとは商売仲間でウィルクの商品を彼が王都などで販売して宣伝している。
ウィルク曰く絵に描いたような邪悪な貴族で、話のわかるおっさん。
第二部でも変わらぬ邪悪な貴族っぷりを見せつけてくれる。
閑話『アヴラウルの蜘蛛』でその半生と彼の夢が語られる。
コミカライズの連載予告カットではなんと彼がセンターだった。第二話ではサムネ画像にもなった。



◇ミレンドルヴァ・オルシアン
レヴィオス王国貴族ミレンドルヴァ大公家の大公姫。ただし実子ではなく養子。
レヴィオス家との戦いをたった一人でひっくり返し、追い詰められていた戦線をレヴィオス領土内まで押し込んで見せた。
彼女に対抗できなかったレヴィオス家は、アテラハン家に援軍を頼むことでなんとか停戦にこぎつけることが出来た。
第一部終了時点ではほぼ噂でしか登場していないが、噂が語られるたびに脳筋要素が増していった少女。

202話で、ついに満を持して登場。その実態は脳筋というより蛮族だった。



◇アテラハン・クロウネ
女系貴族であり王国最強と呼ばれるレヴィオス王国アテラハン侯爵家の初代当主。
既に100歳を超えており、初代レヴィオス王やジンカーエン帝を知る生ける伝説。
流石に隠居の身であったが、エルシニアの影響で本家の力が弱まり、深まった分家との対立を防ぐため表舞台に出てきた。
オルシアン姫の快進撃を止めたのは彼女と、アテラハン分家の青年ノヴァルフである。
土地柄魔獣と戦うことが多いとはいえ、外交下手で脳筋な現在の一族首脳陣に頭を悩ませている。

アテラハン家は第二部のリアクション担当として、彼ら視点の閑話が多い。


ジンカーエン帝国シュピアゼイク家(本拠地:オセロリア市)


◇シュピアゼイク・マクニス
ウィルクの伯父であるガーダクルを謀殺したと言われる人物で、第一部時点でのシュピアゼイク家当主
第一部後半で反攻作戦である『麦と穂』作戦に自ら従事するが、ウィルクの奇襲により大敗を喫することになった。
名前が判明するのは第二部になってから。


◇シュピアゼイク・キンドロア
ウィルクの伯父であるガーダクルを謀殺したと言われる人物で、第一部時点でのシュピアゼイク家先代当主


◇シュピアゼイク・ヴェレット
クオルデンツェ家と対立する帝国貴族シュピアゼイク公爵家の嫡男。次期当主の指名を受けている
クオルデンツェ家への反攻作戦の一環としてナンボナン市攻略を任されていたが予想外の速度で救援に駆けつけたウィルクと対峙することになる


◇シュピアゼイク・ロミリエ
クオルデンツェ家と対立する帝国貴族シュピアゼイク公爵家の姫。
第一部時点ではウィルクのモノローグで存在がほのめかされるだけだった。


◇シキナオン・ロゼ
シュピアゼイク公爵家に仕える騎士家シキナオン家の当代騎士シキナオン。
クオルデンツェ家との戦争で実家の男性陣がほとんど戦死したため、まだ年若い女性である彼女に家督が回ってきた。
一族が治めるシキナオン市は要衝で、彼女も騎士を継ぐ前はシュピアゼイク本家の姫君の側仕えだったエリート。
ウィルクが捕らえた彼女を前線に呼びつけた際は、下着姿に両手足の拘束・目隠し・耳栓のフルセットで送られてくるなど、明確な敵なので扱いは乱暴である。
クッころプレイ担当。

シキナオン家の女騎士とかすげぇ名前だ、とか思ってたら、第二部に聖騎士ギシアンが登場した。


ゼス教聖高会(本拠地:聖都マグアオーゼ)


◇テロトリス
ゼス教聖高会を束ねる最高司祭のひとり。彼の名前はテロリストではない。
かつてのあった司祭の時代を取り戻すためには無差別テロすら厭わない過激派。
一方で聖都周辺に出現した成熟魔獣を何度も撃退しているため、聖高会内部に信奉者は多い。
彼の配下がニューネリー市でテロ行為を行うことになる。
彼の名前は決してテロリストではない。



◇シンシア
上司である聖巫の許可をとり、聖高教会が現存しているクオルデンツェへ巡礼にきているゼス教聖高会の低位司祭。
テロトリス派のテロ行為には反対しており、テロ情報をクオルデンツェ家に密告した。
作中随一の巨乳ではあるが、政治的判断で第一部でウィルクは手を出すことができなかった。


◇ローナ
ゼス教聖高会の信仰の象徴である聖巫の地位についている少女。
現在の聖巫は権力を持たない象徴的存在であり、彼女自身は信仰を第一に考える信仰派に所属している。
シンシアの上司で信仰を通じてレヴィオス王国と和解したいという彼女を肯定し、クオルデンツェに送り出した。
第一部では閑話でのみ登場する。



◇ヴィダルド
聖高会の最高司祭であるルネッサに高額で雇われてる平民。
隷祖の身でありながら、あらゆる学問に通じる天才でルネッサの領地の再建に貢献している。
クオルデンツェ領で発行されている書物『異世界史』の作者に興味を抱きルネッサの元を出奔した。


◇謎男
ニューネリーの教会がニューネリーフィールドでかくまっていた祝福の子。
割と重要な立ち位置なのだが、本人が出オチで退場したため名前がわからず、事あるごとに謎男と呼ばれることになる。
ちなみに作中のキャラ紹介でも謎男である。
第二部でも割と重要な存在として語られた・・・名前は出なかったが。


魔獣


◇魔獣エルシニア
本編開始2年前にレヴィオス領の大型フィールドで発生した魔獣。
主祖を含む魔力持ちのみが感染する奇病をばら撒きながら大陸を横断したため、経路にあったレヴィオス王国とジンカーエン帝国では主祖と従祖の数が極端に減少した。
その奇病は手紙のやり取りですら感染すると言われ、断絶もしくは生き残りがほとんどいなくなった貴族家が多数存在する。
なお、クオルデンツェ家ではウィルクによる魔力のゴリ押しの治癒が可能であったため、被害は驚くほど少なかった。

エルオ大陸における殺害主祖数第1位で有ることが作者によって語られている。
ちなみに2位も魔獣だが、3位は主祖のジンカーエン帝である。


◇魔獣シベルクローガ
第一部中盤に登場するニューネリーフィールドで発生した亀型魔獣。
ニューネリーフィールドの規模的に数百年に一度規模の被害が訪れる可能性があったがウィルクによって討伐は一晩で完了。
成人前の子供が短時間で成熟魔獣を討伐したという報告をうけた各勢力は、ルークセによる情報操作を警戒することになる。
シベルクローガは古代語で幸運の亀甲という意味で、戦闘後討伐者であるウィルクによってつけらた。
この魔獣を含めた魔獣全体の客観的な強さは第二部で語られる。

なお、数百年前に同フィールドで発生した魔獣は当時ニューネリー市を治めていた貴族家を族滅寸前まで追い込んでいる。


用語

◇主祖
本作における人間族の保有魔力による区分けで上級に位置し、支配階級(貴族・高位司祭)に該当する。
ちなみに王族、皇族は保有魔力による区分け上で貴族との差はない。
主祖は高位の魔力を持ちで圧倒的な生命力を誇る(下半身が吹き飛んでも餓死するまでは生き残る)
強すぎる影響か一般的に性欲が少なかったり、偏愛癖がひどかったりするため、男性主祖の性教育は非常に慎重に行われる。
ウィルク曰く「貴族男子って保護センターで育てられてる絶滅危惧種に近い生き物なんじゃないだろうか」パンダかな

主祖は主祖同士が交配した場合に生まれる。
従祖と違い、主祖が増えすぎた場合お家騒動が起こるため、純粋に味方に多ければいいわけではない。


◇従祖
本作における人間族の保有魔力による区分けで下級に位置し、貴族麾下の騎士階級(及び低位司祭)に該当する。
主祖に忠誠を誓う騎士一族の所属が多いが、傭兵や冒険者としても存在する。
主祖は滅多なことでは最前線に立たないため、エルオ大陸の戦争の主力は彼ら従祖である。
そのため各貴族家は従祖の確保に励むことになる(具体的に男性主祖の性教育)
また農村などでは一人従祖がいると非常に頼りになるため、男性貴族が訪れると村から女性を差し出そうとする。

従祖は主祖と主祖以外が交配した場合に生まれるほか、従祖同士でも低確率で生まれる。
本作でウィルクが手当たり次第女性を抱いても大した問題にならないのはこの従祖の出生規則から来ている。


◇騎士
主に貴族から土地の支配を任され、統治している従祖の一族の長。土地を持たず貴族直轄領の統治を支える騎士も存在する。
貴族が孕ませた従祖の子の多くは騎士家へ養子へ出される事が多く、従祖の出生規則から騎士家は主君と濃い血で繋がっている。
そのため、騎士は主君に絶対の忠誠を誓っており、その姿をみたウィルクが騎士と訳した。
平民から見ると魔力持ちの従祖はすべて騎士に見えるようだが、厳密に騎士と呼ばれるのは騎士家の長のみである。


◇隷祖
本作における人間族の保有魔力による区分けで最下級に位置し魔力を持っていない。最も数が多く平民に該当する。
戦争においても動員されるが、その場合は肉壁として使われるか、魔法による身体強化を前提として運用される。


◇祝福の子
極稀に隷祖と隷祖の両親の間に生まれた主祖のことで精霊の祝福を受けた子と考えられている。
領主である貴族にとっては驚異になるために、作中の時代では発見次第男子は殺され、女子は繁殖要員として確保されている。
普通に成長した場合従祖とは桁違いの実力にはなるが、教育を受けられないため通常の貴族と比べいくらか劣る実力になる。
ちなみに現在の貴族たちの起源の一つとしてこの祝福の子が土着の有力者から貴族に発展していったものがある。


◇エルフ族
ゲームや漫画に出てくるエルフに似ているから主人公にエルフと訳された種族。
古いゼス教の教典には「精霊と共に生きる種族」と記されており、魔力を持つ一族である。
本来は別の名称だったことが活動報告で語られている。


◇アジュート族
マムシュレッド地方に住む者たちの総称。
体の一部に獣の特徴を持つものがいたり、異形のものがいたりする。
魔力持ちは存在しないが数十年に一度勇者と呼ばれる超人的力を持つものが生まれる。
第一部終了時点でウィルクの前に現れたアジュート族はいないが、コミカライズ第一話の扉絵でアジュート族と思われる少女が描かれている。


◇エルオ大陸
物語の舞台の大陸。大陸を囲む海はフィールドにより汚染されており、現在の技術で外洋に出るのは不可能。
ゼス教聖高会が過去に正確な大陸地図を作らせている。
大陸の形が回転させた関東地方なのは多分気のせい。


◇ゼス教聖高会
始祖ゼス氏がおよそ800年前に立ちあげたゼス教の組織。
世界のあちこちには目に見えない精霊がいる、という多神教で、かつては大陸全土に影響力を持っていた。
現在でも大陸各地に聖高会から派遣された高位司祭を起源とする貴族家が存在する。
約200年前に発生した動乱によってその権威は地に落ち、貴族が台頭する時代が始まることになる。
現在では無数にある弱小勢力の一つとなるほど落ちぶれている。


◇レヴィオス王国
建国80年ほど。エルオ大陸三大国家の一つ。
反ゼス教聖高会の下にレヴィオス家が盟主となって貴族同盟を結成したことをきっかけに誕生した国家。
そのため国家というより同盟といった面が強く、クオルデンツェ家に至っては後方の便利な盾扱いしている。
盟主であるレヴィオス王家は魔獣エルシニアによって王国中に迷惑をかけた上、オルシアン姫一人にボコボコにされたことでその権威に翳りが見え始めている。
なおレヴィオス王国の首都はレヴィオス市だが、レヴィオス家の本拠地はコーボビア市である。
同様にレヴィオス王国初代国王と、レヴィオス家初代当主も別になる。

ちなみに王国の爵位にほとんど意味はないようである(5大貴族中3つが侯爵家で残りが王家と大公家)


◇クオルデンツェ侯爵家
レヴィオス王国の西端・エルオ大陸のほぼ中心部に位置する貴族家。
謀略のクオルデンツェ、懐柔のシルオペア、武闘派のエヴェナピスと呼ばれる中部三貴族の中心的存在。
20年前から続くシュピアゼイク家との戦争では周辺のシュピアゼイク派の帝国貴族家をほぼ制圧。
シュピアゼイク家の領土そのものに手が届こうとしている。

現在はレヴィオス王国の西部貴族をまとめつつあり、王国五大貴族の一角とみなされている。
他の五大貴族は北のアテラハン家、東のミレンドルヴァ家、南のゼルドミトラ家、そしてレヴィオス王家の4つ。



◇ニューネリー市
クオルデンツェ侯爵家の中心都市。
肥沃な穀倉地帯と、ニューネリーフィールドから算出される岩塩によって古くから栄えてきた。
現在はニューネリーシルクやニューネリー石鹸と言われる新しい特産品によって大陸中部の中枢都市としての地位を築きつつある。


◇ナンボナン市
元々は帝国領の小さな都市だったが、帝位継承騒動によって権力の空白地帯となり、商人を始めとする隷祖による自治都市として発展した商業都市。
作中序盤にクオルデンツェ連合軍により陥落したが、ウィルクを市長としつつ統治体制はほぼそのまま維持された。
第一部ではニューネリー市とナンボナン市が物語の主な舞台となる



◇ジンカーエン帝国
建国55年ほど。エルオ大陸三大国家の一つ。
荒れる大陸西部を武力で制したジンカーエン帝によって建国され、一時はレヴィオス王国を超える勢いがあった。
が、三代目皇帝を巡る帝位継承騒動で東西分裂する一歩手前となっており、
現皇帝は母親の生家であるシュピアゼイク家に援軍を出すことすらできない状況になっている。


◇シュピアゼイク公爵家
かつてのヴォイストラ王国王家がジンカーエン帝に降伏することで起こった貴族家。
その実力は帝国でも屈指のもので、現皇帝の母親の出身家でもあるが、そのことが原因で帝国が西と東に分裂寸前となっている。
クオルデンツェ家との戦争で勢力圏が削り取られているが、ヴォイストラの大盾と呼ばれるライシュリーフ城より先の公爵家の領土そのものは一度も侵攻を許していない。



◇マムシュレッド連邦
大陸南部に存在する「数多の部族を統一したマムシュレッド地方に位置する王朝」の総称。大陸3大国家の一つ。
帝国や王国とは、砂漠や山脈といった自然環境で隔離されており、詳しいことは知られていない。
一方で絹や陶器といったマムシュレッド連邦産の特産品は高額で取引されている。


◇フィールド
常に霧に覆われている魔境。個々のフィールドごとに雨が振り続ける、特殊な資源が取れるなどの特徴がる。
内部では魔獣と呼ばれる怪獣が自然発生する。フィールドで魔獣を狩る人々は冒険者と呼ばれる。

なお、冒険者ギルドなどは存在せず冒険者の扱いは各貴族ごとに異なっている。


◇魔獣
その身にありとあらゆる災厄を宿すといわれる怪物。フィールド内で共食いにより成長しやがては成熟魔獣としてフィールドの外に飛び出し、周辺環境を汚染しながら暴れまわる。
成熟魔獣の相手は主祖にしか務まらず、それが貴族が人々の上に立つ権威の裏付けとなっている。
逆に言うと、成熟魔獣が現れた場合貴族は、最優先で魔獣討伐に挑むことになる。
甚大な被害をもたらした魔獣には個体名がつけられ、記録では100人を超える主祖を派遣して倒しきれなかった魔獣も存在する。
魔獣の体内からは魔石と呼ばれる物質が取れ、魔力を弾く魔絶石等特殊な道具の原料となる。


◇蛇の牙作戦
第一部終盤に起こったシュピアゼイク家の一大反攻作戦に対する、クオルデンツェ家のカウンター作戦。
これによりシュピアゼイク家は嫡男ヴェレットと、ヴォイストラの大盾ライシュリーフ城を失った。
周辺貴族にはルークセが謀略でシュピアゼイクを嵌め落とした様に見えるが、
実態は焦りで敵の動きを見落としていたルークセの失態を、ガルフィスとウィルクがカバーしたものとなっている。


◇開拓結社
ルークセがウィルクのお遊びために作った組織。
ウィルクはここの人員を用いて様々な前世の品物を作らせている。
ここで作られたニューネリーシルクとニューネリー石鹸は現在クオルデンツェ領の特産となっている。
が、赤字や損益分岐点上の物も多く、失敗談なども作中語られる。


余談


基本的に固有名詞は何らかの単語のアナグラムなっており、元の単語などの一部は活動報告で記載されている。
また活動報告には作中の裏話などもあるため、読み勧めながら過去の活動報告も一緒に読んでいくのがおすすめ。
とくに2020年04月29日の活動報告は募集した質問に答える質になっており非常に読み応えがある。

また作者ブログではコミカライズの裏話が掲載されている。

コミカライズは行われているが、商業での書籍化予定はなし。
(作者が自分のペースで刊行できる自費での電子書籍化は計画中らしい)

コミカライズ第一話の扉絵では原作者AL氏の意向により第二部の登場人物はおろか、
連載開始時(2020年6月20日)に原作で登場していないキャラクターも描かれている。


追記・修正よろしくお願いします。


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最終更新:2024年04月29日 14:35