キラーコンドーム(映画)

登録日:2020/11/30 (月曜日) 01:59:19
更新日:2024/03/06 Wed 22:56:53
所要時間:約 8 分で読めます






☆WARNING☆
本項目は、人によっては不快感や嫌悪感をもたらす可能性のある過激な内容とネタバレを多分に含む、表題となる映画の紹介項目となります。













『キラーコンドーム(独:Kondom des Grauens/英:Killer Condom)』は、1996年のドイツのホラーコメディ映画。

その名の様に男のチンポを噛み千切るコンドーム型クリーチャーの登場してくるカルト的映画として知られる。

日本では99年7月にアルバトロス・フィルムの配給により公開、後にソフト化された。
現在、ソフトはVHSすらも高騰化しているので、資金に余裕が無いけど見たいという方は復刻希望を出そう。

米国では99年10月に日本より少し遅れてB級映画の雄トロマ・エンターテインメント(代表作『悪魔の毒々モンスター』『悪魔の毒々ハイスクール』…etc.)により配給、公開された。


【概要】

男性の根源的な恐怖の一つとも言われる歯(刃)の付いたヴァギナ宜しく、鋭い歯の付いたコンドームが襲いかかってくるホラーコメディ映画。

原作は映画でも脚本担当としてクレジットされているラルフ・ケーニッヒによる同名コミックらしいのだが、日本では未翻訳、未発刊であるため詳細は不明。
監督は同じく脚本としてもクレジットされているマルティン・ヴァルツである。

特撮を、屍姦をテーマとしたインモラルでおぞましい描写により話題となった『ネクロマンティック』のユルグ・ブットゲライトが担当しており、舞台設定やストーリーにシュールでコメディ的な要素も多分に含むものの、映画としての作りその物は硬派である。

また、ホラー、SF映画ファンからは『エイリアン』シリーズのゼノモーフのクリーチャーデザインとして知られる、スイス出身の現代芸術家H.R.ギーガーがクリーチャーデザインを担当していることでも有名。エイリアンやスピーシーズとちがって俺にも描けそう?チンポ噛み切るぞテメー。

コンドームが襲いかかってくるというだけでも十分にシュールなのだが、他にも主人公が巨根のゲイと設定されていることでヒロイン枠の美青年の男娼との濃厚なホモセックスの場面が登場してくる等、直接的な描写こそ避けられているものの、色々な意味で耐性の無い人間にはキツい内容のオンパレードとなっているので、軽々しい気持ちでの試聴には矢張り注意が必要である。


【物語】

──物語は、ニューヨークの場末の連れ込み宿で始まる。

ある夜、連れ込み宿で一晩に4本のチンポが噛み千切られるという事件が発生した。
容疑者として挙げられたのは娼婦と単位を盾に教授に強引に連れてこられた田舎から出てきた女子大生……。

「アレがセックスなの!?」

処女であった為に混乱している女子大生の証言から、やや納得出来ない部分もあるも“女達が噛み千切ったのだ”として、事件の方向は纏められる。

事件を担当することになったシチリア出身のイタリア人で、32cmもの巨根ながらゲイのルイージ・マカロニは、早速惨劇の舞台となった連れ込み宿へ調査に向かう。

受け付けのジジイに聞き込みをしていたルイージだったが、丁度ロビーに居た美しい男娼のビリーに目を奪われる。
ビリーもまたルイージの視線を受け、二人は自然に上の部屋へと向かうことに。

……人事不省となる程に酔っ払っていたルイージと関係を持ったことで目覚めてしまった元同僚でドラァグクイーンのボブ(バベット)にしつこく絡まれるという一悶着はあったものの、漸く二人で部屋に入る。

……ルイージの並外れた巨根を見て高まるビリーだったが、ベッドに横になった所でセックスの気配を感じて備え付けのコンドームが動き出すのを目にしてルイージに報告するも全く取り合って貰えない。

そんな中、ビリーが自前のコンドームをルイージに装着すると言い出したことで怒りの声を挙げて暴れだすコンドーム。
漸く異常に気付いたルイージもコンドームが動き出したとは信じないながらも、異常の元を探しだしたのだが、暗がりをライターで照らした隙を突かれて片玉を食いちぎられてしまうのだった。

自身も被害者となったことで、今回の犯人が生きたコンドームだと知ったルイージだったが、現物を見ていない同僚や上司は信じてくれず、孤立無援の戦いを余儀なくされる。

ビリーとのもどかしい愛のやり取りや、交錯する人々の想い……果たして、ルイージはニューヨークをコンドームの魔の手から救えるのか?


【主な登場人物】


  • ルイージ・マカロニ
演:ウド・ザメル/吹替:佐々木梅治
本作の主人公。
シチリア島出身のイタリア系のチビでハゲたオッサンだが、激シブのハードボイルド刑事。
32cmという並外れたチンポの持ち主でガチホモのゲイ。
余りにもチンポが巨大過ぎるが故に、初遭遇時にはさしものキラーコンドームも竿に噛みつくことが出来ず、片玉を失うだけで助かった。
その後は、恋に悩みつつキラーコンドーム撲滅に全力で挑む。


  • サム・ハンクス
演:ペーター・ローマイヤー/吹替:梅津秀行
ルイージの同僚刑事。
妻子持ちで出世を目指す真面目刑事で、ルイージとは正反対のアイデンティティの持ち主ながら親友として付き合っている。
現実主義の常識人だけに当初は頑なにキラーコンドームの存在を信じなかったものの、現物を見て考えを改めた。
真面目人間だけに夜の街のアレやらコレやらの知識もなく偏見も持っていたのだが……。
顔が割れているマカロニの代わりに男達の園に潜入捜査に行き、騙されて嘘のサインを出したことでオシッコを引っ掛けられる屈辱を与えられる。


  • ビリー
演:マルク・リヒター/吹替:吉田孝
若く、美しくモテモテの男娼。
捜査にやって来たルイージと一目で惹かれ合いベッドに入ろうとするも、ルイージが片玉を食い千切られ未遂に終わる。
その後、ルイージの身を案じて自宅アパートの前まで押し掛けるも本気になることを怖れたルイージに拒絶されてしまい微妙な空気になるも、中盤に色々と覚悟を決めたルイージを見て、反対に素っ気ない態度を取ろうとしたものの、客が居たにもかかわらずルイージの元へ走り激しいセックスの果てに本気で愛し合うようになる。
出自の関係なのかロシア語が解る模様。


  • ボブ・ミラー
演:レオナルド・ランシンク/吹替:水野龍司
ルイージとサムの元同僚。
現在は警察から忽然と姿を消した後に、バベットを名乗りドラッグクイーンとして連れ込み宿でショーを行ったり体を売っている。
ルイージは酔っ払っていて全く覚えていないのだが、ルイージの32cmで突きまくられて♂目覚めた模様
そんなこともあってかルイージに執着しているのだが全く相手にされておらず、遂には部屋に押し掛けて長い包丁を突き付けて関係を迫るも、備え付けのコンドーム=キラーコンドームを持ち込んできていた為に有耶無耶に。
結局は、そのことでキラーコンドームを捕らえられたのだが、功績を誇る処か反対に執着していたルイージに壁を作るようになる。
また、キラーコンドームの存在を確認しきれてない内から新聞にリークして世間を混乱させてもいる。


  • 刑事部長
演:ロン・ウィリアムズ/吹替:廣田行生
ルイージやサムの直属の上司で捜査責任者。
サムに輪をかけて常識的な現実主義者故に頑なにキラーコンドームの存在を認めていなかったが、マクガヴァン大統領候補の件にて上層部からお叱りを受けて方針転換せざるを得なくなる。


  • マクガヴァン大統領候補
演:ジョージ・マーティン・ボード
如何にも共和党的な“強い米国”的なスローガンを打ち出す大統領選候補者。
なのだが、原語だと音声がドイツ語なので色々な意味でシュール極まりない。
バブルバスに入っていた所にやって来た愛人とお楽しみをしようと思っていた矢先にキラーコンドームに襲われ、敢えなく竿無し野郎(ディックレス)になってしまう。
超大物が被害に遭ったということで市警は大目玉を食らうこととなり、漸くルイージらの意見が公に認められていくことに。
因みにファーストネームは“リチャード”らしく、新聞で“DicklessDick”(ディックレスディックで“ディック(リチャードの定型的な愛称)が竿無し(ディックレス)になった”という意味になる。)という屈辱的な見出しを付けられた。
また、警察に事情聴取にやって来た愛人によれば強い米国云々を掲げていたのは本人が粗チンであったためとバラされている等、散々であった。


  • リフレゾン博士夫人
演:イリス・ベルベン
元教会だった病院の責任者である女医。
片玉を失ったルイージの主治医でもある。
……実は、病的なまでのキリスト教原理主義者で今回の主犯。


  • ボリス・スミルノフ博士
演:ラルフ・ヴォルター/吹替:石井隆夫
ロシア出身のマッドの入った天才科学者で生化学の権威。
長年に渡りゴム研究所の所長として、生化学の分野で多大な功績を残しており、近年では遺伝子工学の分野でも科学アカデミー賞を受賞している。
ゼリー好き。
キラーコンドームの正体が人工生物であることが明らかになった際に、ルイージは最大の権威である博士に話を聞きにいくようにと監察医に勧められたのだが、実は失踪していたことが明らかに。
教会の地下で能天気に救出を待ちつつキラーコンドームを製造させられていた。


【キラーコンドーム】

今回の事件の主犯たる、スミルノフ博士が創造した人工生物
見た目は偉大なるギーガーのデザイン画でもギザギザ歯の付いたコンドームだが、正体は人間の上皮細胞で出来た外殻質を持つ有機生命体で、監察医の見立てによればミミズやクラゲといった下等生物を掛け合わせて作られたとのこと。
因みに、消化器官は無いのでチンチンは餌にしている訳ですらなく、噛み千切り専門である。
神経や脳は身体の内側全体に広がっており、正にジェル付きのコンドームと誤認するかの如くである。
人工生物ということもあってか、中々に賢い上に貪欲で、箱から取り出されていない状態でも性交の気配を感じただけで自ら動き出し、的確にチンポに襲いかかる。
ルイージの32cm砲に対しても竿は咥えられないとして玉に食らい付く等、判断能力も一端である。
しかも、前述の様に自らは食べる訳では無いので、本能レベルで不埒な行為の為にエレクチオンしたチンポを襲うように刷り込まれているのだろう。
因みに、名前はキラー(殺人者)だが、竿は失うけど生き残る(或いは全員?)犠牲者も多いので、意外とキラーじゃない
創造の目的は狂信的なキリスト教徒である女医の掲げる生殖目的以外の性交の撲滅にあり、黒幕の女医のイカれているとしか思えない独白と、ルイージ用の特別製の巨大キラーコンドームが出現する場面は本作のクライマックスシーンとなっている。女医の独白の方は唐突に愛を語って対抗するルイージという展開もあり「引いた」「覚めた」とマイナスの意見もあるが巨大キラーコンドームだけは見逃すな!






追記修正は32cmで意中の相手(♂)をメロメロにしてからお願いします。

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最終更新:2024年03月06日 22:56