Marathon(ゲーム)

登録日:2020/12/05(土) 08:30:26
更新日:2023/10/23 Mon 03:07:49
所要時間:約 8 分で読めます





Somewhere in the heavens... they are waiting



Marathonとは、Bungieが制作・発売したFPS
DOOMのヒットのせいで 「FPSといえばMS-DOS」 な1994年に、あえてClassic Mac OS向けの本格派FPSとして登場。
そのゲーム的革新性とストーリーの重厚さ、白熱したマルチプレイからFPSに飢えたMacユーザーを虜にした。
以降『Marathon 2 Durandal』『Marathon Infinity』と3部作として立て続けに発表され、最後には開発に使用したツールも公開という大盤振る舞い。
ファンコミュニティからさまざまな派生作が生まれるなど、高い人気を博した作品である。

Bungie製作の精神的続編であるHALOシリーズやDestinyシリーズとは少なからず接点があり、主人公の正体や敵種族の生態、AIやエイリアンとの共闘や未知の古代文明との遭遇、Marathonロゴマークそして集弾性が悪くて全然当たらないライフルなどなど、さまざまな要素が受け継がれている。

現在は「AlephOne」の名で公式で無料配布中。コンピューターターミナルの読破に高校英語程度の読解力は必要だが、日本語翻訳版も有志によって配布されている。
日本語非対応だがApp Storeでも配信されている。
Haloのベースとなった作品のため、ファンであれば遊んでみて損はないだろう。


ストーリー
西暦2794年。人類は宇宙に進出し、統一地球宇宙会議(UESC)主導で新しい植民地となる惑星を探し開拓に勤しんでいた。
火星の衛星をまるごと宇宙船に改造した巨大宇宙船「Marathon」が向かった開拓先は、太陽系から遠く離れたタウ・セティIV。
最初は順調に進んでいた開拓作業だったが、次第に宇宙船の搭載AIの一つ「デュランダル」が暴走に似た状態に陥りはじめる。
制御不能に陥った彼が最終的に呼び寄せたのは、征服した種族を奴隷として支配下に収める地球外生命体「プフォール」だった。

地獄絵図と化したMarathonに、それとは知らず一人の男が連絡用シャトルで侵入する。
プフォールにシャトルごと木っ端微塵にされかかったところをギリギリで脱出した彼は、辿り着いた宇宙港でAIの一人「リーラ」と接触。
もはや頼れる存在が誰一人として居なくなった管理AIは、迷い込んだ男に最後の望みを託すのだった。

登場人物

  • リーコン・ナンバー54 / ラストワン (Mjolnir Mark IV)
我らが主人公。型番から分かるように、かのマスターチーフのご先祖的存在。
チーフとは異なり装甲は胸・肩・腕部・頭部のみで布面積が多く、口元が露出したバイザー付きヘルメットを着用している。
植民地惑星の警備を担当していたが運悪くプフォールに制圧されたMarathonに乗り込んでしまい、メリケンサックと銃器で三つ目のプフォール共と死闘を繰り広げる。

その正体は戦死した兵士をサイボーグとして蘇らせた 「バトルロイド」 と呼ばれる存在。記憶を抹消され一般人と思い込んだまま戦闘に巻き込まれていたが、筋力・骨格・五感は人間のそれを凌駕している。特にパンチ力は凄まじく、助走をつけて殴れば ピストルの数倍の威力 を発揮する。
植民地惑星の開拓には合計10人のバトルロイドが民間人として従事していたが、プフォールの襲撃に呼応して戦闘を開始。最終的に彼だけが生き残り、ラストワンとなった。
プフォール撃破後はその破格の強さを気に入ったデュランダルに拉致され、一緒に旅立ってそのまま行方不明。

別次元(Infinity)では、太古の超生物ワークンカクンターの目覚めによる宇宙の終焉を回避すべく、原因となったプフォール産大量破壊兵器の発射阻止に奔走。
最終的に色々あってデュランダル共々次元を超越した不確定の存在と化し、Destiny(メタ的に言えばナンバー54の命運を握っていたプレイヤーそのもの)と一体化した。

  • リーラ
ラストワンをサポートする女性型AI。精神的続編の彼女と比べるとまだまだヒロイン感は薄い。
真面目すぎる性格のせいでデュランダルからボロクソ言われたりするが、常時船員の命を優先しようとするなど優しい性格。
色々あってプフォールにお持ち帰りされてしまう...と思いきやそれを更に海賊種族「ナール」が強奪し、コンピューターネットワークを得意とする種族ヴィラエに売却。
とりあえず繋いでみたら「ランパンシー」現象を起こしより強力な自我を獲得、ヴィラエのネットワーク上から消せなくなってしまった。

  • デュランダル
高性能であるが故に「ランパンシー」現象を起こし、自我を獲得してしまった男性型AI。
ランパンシー現象が落ち着いた後はいやらしい自我を獲得し、プフォールの内部対立を引き起こしてちゃっかり船をゲット。
そのまんま意気投合したスフト族と拉致してきたボブと一緒に追撃に走り、スフト族の古代AI「ソス」を味方につけてプフォールを撃破することに成功。
駒のボブはみんな地球へ帰ってしまったため、最後に残ったラストワンを拉致して二人で宇宙へ旅立っていった。

別次元(Infinity)ではワークンカウンターの目覚めを阻止できず、何度も敗北に直面する。
混乱するプフォール艦隊をメールで煽るなど皮肉屋加減は相変わらず。
ラストワンの活躍でスフト製古代AIのソスと一体化し、ソス/デュランダルハイブリッドと化す。ソス由来の超次元能力を手に入れたことで時空を超越できるようになった。

生活区域の管理を一括して担当していたため、最初はドアの開閉を渋るといったしょうもない嫌がらせ妨害をしていたらしい。
欲しいものは自由。管理AIの簡単な仕事程度では満足できなかったようだ。

  • ティコ
Marathonを管理する第三のAI。性格の悪さは兄以上。
兄貴と異なり接収後プフォール側のAIとして使用され、ランパンシー現象でキレ散らかしながらデュランダルへの追撃を行った。
...が、主人公の知らぬ間にスフト族とデュランダルによって撃墜され退場。特にラストワンと対峙することはなかった。

別次元(Infinity)ではプフォール内部の派閥争いをしてたり自信満々にワークンカウンターを撃とうとしたりと活躍の場が増えたが、結局本編同様に破滅する。

  • ボブ
Born on Board、略してBoB。服装によって階級や職業が違うというスタート○ック方式を採用している。ピチピチタイツ。
Marathon襲撃時は非力な一般人で逃げ惑うことしかできず、しょっちゅうプフォールに殴られてミンチと化していた。
かなりの数のボブが拉致されて奴隷用に冷凍保管されたが、武装蜂起したスフトとラストワンの手でプフォール艦が鹵獲された際に救出された。
...と思いきやそれを今度はデュランダルが拉致。 「全身をサイボーグ改造されて駒になるか、異星人の謎の冬眠装置で余生を過ごすか」 という酷すぎる選択を強いられ、仕方なく改造人間となる。
ロウォン到着時にはラストワンと共に戦う戦力として地上に降下。マグナムピストルでプフォールと戦闘を続け、膨大な犠牲を払いながらも終盤で無事地球へ帰還した。

古いゲームだけあってか思考ルーチンはあまり良くなく、狭い通路を塞ぐように立っていたり、無闇に走り回って狙い撃ちの邪魔になり、その癖うっかり誤射すると「撃たないでくれ」と喚いたりとプレイヤーをイラつかせることも多いが、
意図的に一定数殺した場合、ステージ上全てのボブが敵対し難易度が跳ね上がるという仕様が搭載されている。
なのでゲームに慣れない内は無闇に殺すのは厳禁だが、逆に熟練者は 全ボブの殺害 が公式から奨励されている。先述の通りプレイの邪魔になることも多かったので、「気兼ねなく殺せて助かる」という意見もチラホラ

  • プフォール
征服した宇宙人を奴隷としてこき使う某銀○帝国めいた異星人集団。戦闘員にはさまざまな種族が混在しており、体格から生態、使用武器まで大幅に異なる。
デュランダルに誘き寄せられ侵攻するがデュランダルと接触した奴隷身分のスフト族に武装蜂起されて撤退し、追撃を行いあと一歩のところまで追い詰めるも超古代技術で返り討ちに遭う。
最終的に恒星破壊兵器タリ・ジームを持ち出したものの、母星を破壊されて滅んだ。

別次元(infinity)では恒星にタリ・ジームを撃ち込んだせいで超生物ワークンカウンターを目覚めさせてしまい破滅しかかるが、次元を超えたラストワンの活躍で発射を阻止されて普通に滅んだ。

  • スフト
惑星ロウォンを母星とする種族。サイボーグ状態では赤や紫などのマントを着用し空中を浮遊しているが、本体は目と手足の生えた脳みそのような形をしている。
プフォールの奴隷としてハッキング攻撃を担当していたが、接続した先のデュランダルと意気投合して武装蜂起。Marathonからプフォールを追い出し宇宙船を接収した。
その後故郷である惑星ロウォンで超古代AI「ソス」と秘匿の古代武装種族「カー」を呼ぶことに成功し、プフォール壊滅に貢献した。


●用語

  • UESC Marathon
『1』の舞台。
火星の衛星をまるごと宇宙船に改造した、超巨大な機械の塊。要するに某スペースオペラで言うデス・スターめいた何か。
惑星開拓用宇宙船のため武装は多くない。
デュランダル・リーラ・ティコの三種類のAIが管理を行っていたが、ランパンシー現象によってデュランダルが暴走したことで壊滅する。
偶然乗り込んだラストワンの奮闘とデュランダルの策略によってスフト族が武装蜂起し、最終的にプフォールの撤退に繋がった。
後のマラソン級巡洋艦とはあまり関係ない。

  • 惑星ロウォン
『2』『Infinity』の舞台。
スフト族の故郷で、現在はプフォールの流刑惑星。位置的にはかなり銀河の中心に近く、砂漠のような過酷な気候が特徴。
1000年以上の歴史を持つ古代文明のAIが現存しており、スフトから噂を聞いたデュランダルがプフォール打倒の鍵を探し訪れる。
最終的に古代AI「ソス」の発見やソスによる「カー」の介入によりプフォールは破滅を迎えることとなった。

別次元(Infinity)では恒星に超古代生物ワークンカウンターが潜んでいたことが明かされた。

  • ランパンシー現象
AIが自我や感情を獲得する際に、それを制御できずに発生する暴走状態。いわゆるHAL 9000の発狂に近いモノだが、こちらは成熟と共に落ち着きを取り戻すという特徴がある。
デュランダルがランパンシー現象中にプフォールを呼び寄せてしまったことで本編の事件が始まった。

  • ヴィドマスター
Marathonを極めたプレイヤーだけが名乗れる公認の称号。Halo3などにも用語としては登場する。
攻撃で作動するスイッチはグレネードランチャーを使わずわざわざ殴り、難易度は最高に設定、ボブは全員殺すなど、地獄のような縛りプレイに勤しむツワモノ揃い。
更にオプションとして真のVidmasterを目指す者の信条も追加。
  • 拳だけでゲームクリア
  • 全ての敵&ボブを皆殺し
  • ノーダメージでレベルクリア
  • 充電ステーションの回復を使わない
  • すべてのシークレットを発見する
  • セーブ端末を使用しない
これら全てをこなれば、真のVidmasterの称号を名乗れることだろう。



追記・修正はVidmasterの称号を得てからお願いします。

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最終更新:2023年10月23日 03:07