GARO -VERSUS ROAD-

登録日:2020/12/22 Tue 01:01:58
更新日:2022/07/10 Sun 15:07:22
所要時間:約 16 分で読めます





BATTLE FLAG 掲げろ熱い闘志 滾る力
どんなBAD LUCKも 越えてゆけるさ
猛るその思いが 真実なら
未来は今 リアルになる


雨宮慶太原作の特撮シリーズ「牙狼-GARO-」の15周年記念作品。TVでは「神ノ牙-JINGA-」以来2年ぶりの実写シリーズとなる。全12話。

近年、注目が高まっている「バーチャルリアリティゲーム」(VRゲーム)を物語の中核に据え、メカニカルなアレンジがなされた新デザインのガロの鎧、当初は主要な登場人物の中に魔戒騎士や魔戒法師といったお馴染みのポジションとなるキャラクターの存在が誰一人として明言されていないなど、放映前からこれまでのシリーズとは全く異質な世界観が提示されていた。

蓋を開けてみると、本作はこれまで以上に数多くのキャラクターにスポットを当てた群像劇の体裁を取っているが、そこには今までのシリーズの常識をことごとく打ち破る展開が広がっていた。

主題歌はシリーズお馴染みのJAM Projectの「Versus Road 〜非現実的サバイバル〜」
だがOPでは流れず、毎回各話ラストの引きと共に本曲が流される。
実写シリーズでは「絶狼 DRAGON BLOOD」「神ノ牙 -JINGA-」と暗く重々しい曲調のOPが続いていたが、久々に疾走感溢れる正統派のヒーローソングとなっている。

【あらすじ】

「優勝すればどんな望みも叶うゲームがある」そんな噂が流れる世界で、日々を淡々と過ごす青年達の元に突如として謎のVRグラスが届く。それを装着すると、そこには同じようにグラスが届けられた100人の人間が集まっていた。頭上に浮かぶ眩い輝きを放つ黄金の鎧。その場を取り仕切っていると思われる女性が言った。

「ようこそ、GARO -VERSUS ROAD-の世界へ」

噂が現実となり、目の色を変えてゲームにのめり込んでいく参加者達。だが、それはたった1人の生き残りを賭けた過酷なデスゲームの始まりであった…!

「READY FIGHT」

ー勝つのは誰だー

【登場人物】

  • 空遠世那(演・松大航也)
今作の主要登場人物の1人であり主人公。だが、その素性は主人公でありながら魔戒騎士でも何でもなく少し正義感が強い普通の大学生。
ボクシングを嗜んでいるためその辺のチンピラには負けない程度の腕っぷしを持つ以外は特筆した能力は何一つとして持たない、従来のシリーズならホラーの標的となってもおかしくない純然たる一般市民である。
親友の星合から聞いていた「優勝すればどんな望みも叶うゲーム」への招待状であるVRグラスが届けられた事で、自らが望まぬうちにただ1人の生き残りをかけた過酷な戦いの運命に巻き込まれていく。

  • 星合翔李(演・清水尚弥)
世那の大学の同級生で幼馴染であり親友。
内気な性格で将来の目標も特に決まっておらず、大学に通いながらもゲームセンターに入り浸る無為な日々を過ごしていた。
しかし、そのゲームの腕前は天才的で、戦いには全く向いていない性格のため世那のサポートも受けつつではあるがGARO VERSUS ROADの世界に順応し、共に勝ち上がっていく。

  • 天羽涼介(演・勇翔)
バー「Meteor」のマスター。裏社会の人間にも一目置かれるほどの卓越した格闘センスの持ち主で、事ある毎に因縁をつけられて降りかかる火の粉を振り払っている。
一匹狼の寡黙な性格で他人に積極的に関わる事はせず、敵対する者は一切の容赦なく叩き潰す非情さを見せるが、根は真っ直ぐな心を持った熱血漢。
演者は『仮面ライダー鎧武駆紋戒斗/仮面ライダーバロン役の小林豊と同じくアイドルグループ「BOYS AND MEN」のメンバーで生粋の牙狼ファン
高校時代からシリーズを追い続け、前年公開された『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』の先行試写会にも参加、中山麻聖が参加した名古屋舞台挨拶では自らMCを務め、牙狼愛が溢れるあまり雨宮慶太監督と雑誌対談を果たしたほど。

  • 南雲大輔(演・時人)
「ナグスケ」というハンドルネームで動画配信を行っている、いわゆるYoutuber。
動画配信者としてナンバーワンになって金と地位を手に入れる事を目的としている軽薄な男で、そのためには他人を利用し裏切る事も平然と行う。
が、それは周囲にも同様に南雲を利用する汚い人間が多かったせいもあっただけで根は善良な人間であり、ゲームでは敵対する立場にあるが善人の世那に対しては当初から好意的に接している。
目で見たり、耳で聞いた事を一瞬のうちに全て記憶できる瞬間記憶能力の持ち主。

  • 香月貴音(演・とまん)
本業はアパレルショップの店員だが、中性的な美貌がSNSで注目され雑誌でジェンダーレスモデルとしても活動している青年。本名は野田武志。
どこにでも古ぼけたウサギの人形を持ち込み、これを他人に触られる事を非常に嫌う。
ゲームには消極的で、長く生き残る事は出来なさそうなタイプ。

+ と思われたが…
平時はなよなよした気弱な人物を装っているが、凄惨なイジメを受け続けた末に同級生と教師を殺害し少年院に収監されていた過去を持つ。
その内面は生き残るためならばどんな残忍な手段を使う事も厭わない狂気に満ちており、ゲームの過酷な環境に晒されていくうちに本性が顕になっていき、主要キャラクターの中でも屈指の危険人物と化していく。

  • 日向蓮(演・Reiji)
指名手配を受けている犯罪者。
罪状は不明だが、作中の描写的に恐らく多数の殺人を重ねていると思われる。
常に無表情で何を考えているか分からない不気味な男で、その身体能力、凶暴性は参加者の中でも群を抜いている。
トリッキング*1を用いて予測不能な攻撃を繰り出す戦法を得意としており、ゲーム内ではナイフ1本で対戦相手を滅多切り、現実世界ではなんと割り箸1本で大の男2人を瞬く間に惨殺するなど、随所で実力の違いを見せつけている。

  • 奏風大(演・門下秀太郎)
半グレの集団を率いるアウトロー。
天羽とは中学時代に因縁があり拳を交えているが、その実力を認めライバル視している。
ヤクザにさえ全く物怖じせず襲いかかる好戦的な性格で、裏社会のトップに君臨するべくゲームに参加する。

  • UMI(演・栗原類)
貴音と同じくジェンダーレスモデルでカリスマ的な人気を誇ると同時に、彼の憧れの人物。
ひ弱な見た目だが武術の心得はあるようで、実力は高い。
ゲーム内で同じモデルとして意気投合した貴音と行動を共にする事になるが……

  • 朱伽(演・桃月なしこ)
参加者を取りまとめ、ゲームの進行役を任されている謎の女性。感情を表す事なく、淡々とその役割を果たす。
ボクっ娘の女幹部とは無関係。

  • 伽堂アザミ(演・日南響子)
別室のモニターで参加者達を監視している人物の片割れの女。必要であれば現実世界でもプレイヤーに接近するなど、その行動と目的の全てが謎に包まれている。
+ その正体
正体は本作の世界における先代黄金騎士の忘れ形見にホラーの邪気が宿った存在である。

先代黄金騎士は自らを犠牲に五百年に一度の災厄を沈めることに成功したものの、共に戦った魔戒法師の妻までは守り切ることができず胎内の娘に邪気が取り付くのを防ぐことは出来なかった。
黄金騎士の妻は命を賭してアザミを出産したものの、邪気の影響を受けたアザミは生まれながらにして邪悪な存在であった。
本編の20年前、彼女の力と人格を恐れた乳母によって士導院に幽閉されるも結界を破り、牙狼選定の最終試練に居合わせることとなる。
そこで、候補者達の陰我を吸収した牙狼からダークメタルを精製し、乳母を殺害する。
さらに、怒り狂う十三の魔戒剣にダークメタルを宿し士導院の魔戒法師達を消し去る力を与える。
士導院壊滅後、ダークメタルのことを十三に教え何処へと去っていった。

20年後、成長した十三こと葉霧宵刹と再会し、彼と共にダークメタルを用いて牙狼を凌ぐ鎧を作るべくVERSUS ROADを開始する。

性格は邪悪ではあるものの、確かな目的を持つわけでもなく楽しさを優先するなどどこか幼さが残る。
南雲からも心が弱いことを指摘されて動揺していた。

本来ならば黄金騎士の血筋を次代に残す役割を担うはずが先代の力不足で歪んでしまった点では哀れである。
衰退した守りし者の不甲斐なさの被害者という点では葉霧宵刹と同類であるといえよう。

  • 葉霧宵刹(演・丸山智己)
別室のモニターで参加者を監視している人物の片割れの男。黒いロングコートを身に纏った風貌に、魔界に関わる者でしか知り得ない情報を口にしているが
+ その正体は……
正体は20年前に士導院で牙狼を継承すべく修行していた候補者の一人、十三が成長した姿である。
20年前は過酷な競争下にあっても守り者としての使命を忘れず心技体優れた最有力候補であったが、士導院の歪んだ選定方針のせいで同じ候補者である五十五を手にかけてしまい、選定試験の最後の生き残りとなったにも関わらず牙狼の鎧に見限られて牙狼剣を抜く事が叶わず、魔戒騎士としての道が閉ざされてしまう。
その後、アザミによってもたらされたダークメタルの力に魅了され、大量のダークメタルを集めて牙狼を超える力とされる「ベイル」を作るべくアザミと共にVERSUS ROADを開始する。
その一方で、未だ牙狼になることを諦めきれてない節がある
悪く言えば魔戒騎士崩れなのだが、黄金騎士最有力候補だっただけあって一般人とは比較にならない戦闘力を誇る。
事実生身の戦闘ではVERSUS ROAD優勝者の空遠を終始圧倒していた。

彼が黄金騎士になれなかったのは、歴代シリーズの主人公とは異なり正しく導いてくれる人と出会えなかったことであろう。
本作で牙狼になった空遠にも星合や南雲といった周囲との繋がりによるところが大きい。

野望のために多くの命を犠牲にしたことは許されないが、指導者の歪んだ方針のせいで可能性を潰されたという点では彼も被害者であるといえよう。


【GARO -VERSUS ROAD-】

都市伝説として語られている「優勝すればどんな望みでも叶える事が出来るゲーム」

無作為に選出された100人の参加資格を得た者にVRグラスが届けられ、それを装着した瞬間にゲームにエントリーしたと見做される。
グラスを装着すると参加者達は自動的にゲームのロビーへと移動させられ、アザミからルール説明を受けた後にゲームが開始される。

途中離脱は認められていないが、ゲーム開始前のタイミングならば朱伽に申告する事で任意でリタイアが可能。
その場合はすぐに現実世界へ送還されると共に、今後のゲームへの参加資格を永久に失う。

ゲームはセミファイナル、ファイナルを含む全6回戦。
提示されるルールは様々だが、他のプレイヤーに肉体的なダメージを与えてゲーム内で死亡した判定を受けるとそのプレイヤーはゲームオーバーとなり、その場でゲームから排除される。
これに関してはどのルールのゲームであっても基本となっており変更はない。
ゲームをクリアしたプレイヤーは再び現実世界へと戻され、数日のインターバルを挟んだ後に再び指定された日時にゲームにログインする事で次のゲームへと参加する。

それぞれの回戦で規定人数が脱落するまで続くデスマッチ方式であり、最後に勝ち残った優勝者には前述の通りどんな望みも叶える事が出来る権利と、最強を表す「ガロ」の称号、頭上に浮かぶ黄金の鎧と剣が授けられる。


【ゲーム中に登場するアイテムなど】

  • VRグラス

見た目は蛍光グリーンに輝く何の変哲もないゲーム用のVRグラス。
ゲームへの招待状も兼ねており、ある日突然選出されたプレイヤーの元へと届けられ、これを装着する事でゲームへログインする事が出来る。だが、普通のVR機器であればあくまで視覚を通してグラスからの映像を立体的に見せるだけだが、なんとこれは視覚どころか肉体と精神をまるごとゲーム内へ送り込むというとんでもない代物。
そのため本来グラスを装着するだけでは体感する事が出来ないゲーム内の物に触れた時の触覚や体を傷つけられて感じる痛覚までもがプレイヤーにフィードバックされる。オーバーテクノロジーどころの騒ぎではない。
これを装着してゲームに参加したプレイヤーは自分の頭の中に思い描いた物を実際にゲーム内の自分に反映する能力を得る。
あらゆる格闘技を使いこなす類稀な身体能力を得たり、ファンタジーに登場するような剣
や現実に存在していて実用性の高いナイフといった武器を無から生み出すなど、個人のイマジネーションによりその活かし方は様々である。

  • 鎧と剣

プレイヤーの頭上に常に浮かんでいる狼の意匠を施された黄金の鎧と剣。
優勝者への賞品として「ガロ」の称号と共に与えられる物。
……要するに本来であればシリーズの主人公が纏うべきはずのガロの鎧なのだが、今作では装着者が存在せず意味ありげに空中に浮かんでいるだけの置物と化している。
だが、ゲームの合間に黒い瘴気の様な物を鎧の内部へと吸い上げている描写があり、何やら不穏な空気を漂わせている。
本作では翼が纏うダンの鎧のように口元に牙が露出していない顔、体の各部にはブルーのラインが走り、全体的にゴツゴツとした突起の少ない流線的なフォルムをしており、鎧というよりはメカニカルなスーツのような細身でスマートなデザインとなっている。

  • ホラー
素体ホラーに似たデザインの敵キャラ。体の各部に機械のような物を組み込まれたサイボーグのような姿をしている。
ランダムに徘徊して適当な目についたプレイヤーを攻撃したり、特定の地点に足を踏み入れたプレイヤーを感知して襲いかかるトラップとして配置されているなど、ゲームの進行を妨害してくる役目を担う。 
動きが非常に素早いため一度標的にされれば逃げ切る事はまず不可能。プレイヤーは敵対する他のプレイヤーの攻撃だけでなく、これらホラーの攻撃をもかい潜って生き残らなければならない。





+ VERSUS ROADの真実(最新作のネタバレにつき注意閲覧)
全てはゲームの主催者である葉霧とアザミが仕組んだ茶番であり罠。

このゲームの真の目的は「優勝者のどんな望みも叶えると共にガロの称号を与える事」ではなく「そんな甘言に乗せられてのこのこゲームに参加したプレイヤー同士を争わせて殺し、その陰我をガロの鎧に吸わせて収集する事」にある。

VRグラスを装着する事で送り込まれるのは立体映像の仮想空間ではなく魔界。
参加者に送られているのはVRグラスなどではなく、恐らくはそれに偽装した何らかの魔導具であると推測される。
「どんな望みでも叶う」という決して口にする事の出来ない顔の前にぶら下げられたニンジンを求め、普段は理性で抑え込んでいる内に秘められた醜い人間の本性……すなわち陰我を発露する。
集められたプレイヤー達はデスゲームが生み出す極限状態により精神的に追い詰められ人を傷つけることに躊躇する事さえ無くなり、時に裏切りや騙し討ちさえ駆使して容赦なく他のプレイヤーを蹴落としにかかる。

所詮はゲーム内での死、と思われるが先述の通りプレイヤー達は仮想現実などではなく実際に魔界へと送り込まれているため、ゲーム中に死ねば人界に戻った瞬間に体が崩れ去り本当の死を迎える。
悪質なのはゲームから除外された瞬間にその手段を問わずプレイヤーは死を免れないという事。
すなわちゲーム開始前に自分からリタイアを申告しようが、作中での描写は無いが恐らく何らかの理由によって指定されたログインの日時に遅刻してゲームに参加出来なくても関係なく死ぬ。(そうならないよう強制的にグラスを装着させるようにアザミが何らかの細工を施している可能性もある)

それらの事については質問されない限りゲームの進行を取りまとめる朱伽の口から説明される事は一切ない。
さらにこのゲームの目的を考えれば、例え優勝して生き残ったとしても葉霧かアザミに殺されて全てを反故にされる事は容易に想像がつく。

だったらゲームで生み出した能力や武器を使って逆襲すれば……と考える者もいるかもしれないが、何度も述べている通りプレイヤーは法術もソウルメタルも扱う心得のない本来守られるべき存在であるはずの一般人である。
魔戒騎士崩れの葉霧や外道の魔戒法師であるアザミとは言わずもがなその実力差は歴然であり、ゲーム中に登場するホラーもホラーに似た偽物ではなく、ソウルメタルを使わなければ封印する事が出来ない本物のホラーが配置されている。
いつもなら魔戒騎士が颯爽と現れて瞬く間に叩き斬ったり、魔導馬で1000体単位で引き潰されるのがお約束となっている素体ホラーでさえ、一般人から見れば「エンカウントしたら倒す事も逃げる事も出来ず攻撃をくらえばほぼ一撃死が確定」という、運営がプレイヤーを殺す気満々で実装したとしか想えない理不尽にもほどがある敵なのである。(そういった視点から見れば、例え素体であってもホラーという存在が一般人にとっていかに脅威であるかが改めて提示されたと言えよう)

ホラーの体に組み込まれている機械のような物も魔導具で、これを使う事でホラーを意のままに操ったりアザミの調整次第でそのパワーを調節できるようだが、一応手加減はさせているらしい状態でも上述のような有様である。クソゲーも大概にしろ!

そうして収集された陰我はガロの鎧の内部へと蓄積されていきソウルメタルとは性質を異にする「ダークメタル」という、掌に収まるほどのわずかな量でさえ魔戒剣に纏わせれば使い方次第で山一つを軽々と消し飛ばす力を持つ物質が生成される。
それを使ってガロをも超える力「ベイル」を生み出す事がこの2人の最終目標である。

詰まるところ、集められたプレイヤー達はその目的を果たすための生贄に過ぎず、物語開始前からゲームが開催されていたとすれば本編開始時点で既に相当数の一般人が犠牲となっているのは間違いない。
守りし者としての矜持を捨て、強大な力を得るという己の私利私欲を満たすためだけに本来守るべきはずの弱き人々を使い捨ての駒にするなど言語道断であり、腐っても魔戒の側に立つ者として筆舌に尽くし難い愚行である。

それには葉霧の過去も関係している。


+ 世界観についての考察(ネタバレにつき注意閲覧)
世界観についての考察

劇中の描写から実は歴代シリーズの中でもかなり絶望的な世界観であると考えられる。
牙狼の系譜は本編以前に断絶しているうえに、他の魔戒騎士達の存在が確認できない。
士導院が新たな鎧を作らず牙狼の選定に固執していたのを見るに称号持ちの魔戒騎士が軒並み途絶え、ソウルメタルの精製方法すら失われていると思われる。
さらには牙狼の継承には候補者達を殺し合わせ、生き残った者に選定を受けさせるというまともな魔戒騎士が一人でも生きていたなら絶対に止めていたであろう方針がまかり通ってるあたり、守りし者の教えすら正しく継承されていない有様である。
唯一残った牙狼ですら、主無き後英霊の塔に安置される訳でもなく剥き出しの状態で宙を漂い鎧の浄化もろくにされてない有様である。
全体的に守りし者達が衰退した世界であるといえよう。
ホラーの出現率が他作品より極端に少ないのも守りし者の衰退に伴いガジャリが調整したのであろう。

【過去編の登場人物】
  • 十三
20年前、士導院で牙狼を継承すべく修行していた候補者の一人で若き日の葉霧宵刹。
心技体共に候補者の中でも抜きん出ており、士導院からも最有力候補と目されていた。
互いに競い合わねばならない環境下に置いてもあくまで自分たちの敵はホラーであることを忘れず、他の競争相手に一緒に人の世を守っていこうと呼びかけるなど人格者でもあった。
このまままともな指導者に師事できていれば、黄金騎士になれたかもしれない逸材であったが、最終試練において士導院に殺し合いを辞めるように訴えるも聞き入れられず、五十五に八十四を殺害されて激昂し、五十五に致命傷を与えてしまう。
これがきっかけで魔戒騎士としての道が閉ざされてしまった。
その後、牙狼に選ばれないと見るや自分たちを簡単に切り捨てた士導院の者たちに怒りを爆発させ、ガロの鎧から発生したダークメタルの力で彼らを殺害した。
その後の動行については葉霧宵刹を参照。

  • 五十五
十三と同じく候補者の一人で、剣の腕は確かだが自己主張が強く仲間を簡単に蹴落とすことも厭わない問題児であった。
自己主張が強いもののそれ故に聡明なところがあり、早い段階で士導院のやり方では牙狼を継承出来ないことに気付いてライバルである十三を超えることのみを目標にしていた。
最終試練では八十四を殺害し、激昂した十三から致命傷を受ける。
しかし、自分が認めていた十三ですら牙狼に選ばれなかったのを目の当たりにした際は非常にやるせない表情であった。
その後なんとか一命を取り留め、魔戒騎士達との関わりを一切捨て花農園で妻子とともに暮らしていた。
南雲にVERSUS ROADの真実を告げるも直後現れたアザミによって殺害される。

十三と同じく候補者の一人。
血筋に黄金騎士がいたらしいがそれ故にコンプレックスから来る選民思想が目立つ。
魔道具で制御された祖体ホラー戦で十三との差を見せつけられた挙句、五十五に図星を突かれて自分の実力の足りなさに絶望し自害してしまう。

  • 八十四
十三と同じく候補者の一人。
候補者の中で最も幼いが故に他者への配慮が足りず、七が自害した際に至極真っ当な対応をした十三を責めてしまう。
最終試練では五十五に殺害されてしまう。


  • 先代黄金騎士
本作品において最後に牙狼を継承していた人物。
しかし、これまでのシリーズの黄金騎士達に比べると大分見劣りする実力だったようで、五百年に一度の災厄との戦いで命を落とす。
(参考までにご存じ初代主人公こと冴島鋼牙は絶狼と二人がかりとはいえ、通常の10倍規模の五百年に一度の災厄を苦も無く退けていた。)
命と引き換えになんとか災厄の沈静化に成功したものの、共に戦っていた魔戒法師の妻までは守り切ることは出来ず、胎内の娘がホラーの闇に汚染されるという体たらくである。(この娘が後の伽堂アザミである。)
黄金騎士といえど世代によって強さにムラがあることの証明であろう。
彼の死を持ってVR牙狼の世界では牙狼の系譜が断絶することとなる。
最終回では彼と思しき声が空遠に牙狼剣を抜くように訴えかけた。


  • スゴウ
士導院の長にして全ての元凶。
新たな牙狼誕生のために100人の候補者達を殺し合わせ、生き残ったものに牙狼剣を引き抜かせるという過去シリーズを知る人ならばどう考えても間違っている選定方法を行ってしまう。
当然、勝ち残った十三ですら牙狼に選ばれることはなく、また新たに100人の候補者達を集めようとしたところ見捨てられて激怒した十三のダークメタルの一撃によって空の藻屑と化す。
しかしながら上述の通り教えを正しく継承できておらず、他の魔戒騎士が軒並み途絶えた中での急務であったため、一概に彼一人に責任があるとはいえない面もある。
歴代のやらかした魔戒法師達と比較しても邪悪な野望があった訳では無く、むしろ彼個人は掟に忠実で愚直であった。
高位の魔戒法師である彼ですらこの有様なのは本作における守りし者の衰退の象徴であるといえよう。


  • 伽堂法師
伽堂アザミの乳母。
ホラーの闇に汚染されつつも黄金騎士の血を引くアザミを正しく導く役割を担っていた。
しかしながら、正しく導くと言いつつもアザミを恐れて士導院の一室に幽閉するなど自己矛盾とも取れる行動を取っていた。
最終的にアザミにダークメタルで殺害される。



「何が建て逃げだ……このwikiを…この薄い項目を…生まれてしまったクソ項目を…全部俺が追記修正する!!」

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最終更新:2022年07月10日 15:07

*1 テコンドーやカポエイラの要素を取り入れた体操のようなアクロバットスポーツ。演じたReiji氏は2018年の世界大会での優勝経験を持つ本競技でも有数のパフォーマーである。