ベンジャミン=ホイコーロ

登録日:2021/01/17 Sun 17:34:00
更新日:2024/03/06 Wed 22:06:07
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父君 あれが資格持たぬ者の分を弁えぬ浅ましき実態!長兄として誠に恥じ入るばかり!

このベンジャミンが責任持って枝打ちし!!カキンの大樹を守る事この場で誓いまする!!


ベンジャミン=ホイコーロとは漫画『HUNTER×HUNTER』に出てくるキャラクターである。

●目次

概要

ハンター世界にある架空国家『カキン帝国』第1王子。第一王妃ウンマの第一子。
私設兵の数は13名。
外見としては厳めしい顔付きで、筋骨隆々の巨体を持つ男性。
第4王子ツェリードニヒ=ホイコーロは同腹の弟。

王子ながらカキン帝国の軍事最高副顧問の地位にも就いており、彼自身を含む彼の私設兵は全員が念能力者
尚且つ全員正式な国王軍兵士としての地位を持ち、この兵士たちの経歴はベンジャミン自身の念能力にも生かされている。
そういった経歴からかあまり王族らしい華美な服装は着込まず、専ら平時から軍服を身につけていることが多い。


人物

直情型でキレやすく、最短の道を好む上に傲慢でプライドも高いという悪い意味で典型的な脳筋キャラ。良く言えばガチガチの軍人気質。
周辺人物からは敵対者には『その場で死ぬ』か『抵抗して殺される』か選ばせるのが彼の慈悲とみなされているように、非常に苛烈。
他者と同盟を結ぶような考えはあまり持たず、「敵に回せば厄介だが、味方にはかなりしづらい」タイプと評される。
それ故自分以外の王子が王の座に就こうとすることを「身の程知らず」と唾棄し、他の全王子を殺すことに躊躇いがない。
その中でも特に同腹の弟であるツェリードニヒとの関係は最悪で、互いに憎悪を向け合い殺意を隠そうともしない。*1
腹心のバルサミルコ曰く、「例え自分のためだろうと命乞いなどという行為を最も忌み嫌っているとのこと。

一方で自身の配下への情は厚く、部下が臆せず理詰めで情報を提供すれば、部下の進言を素直に受け入れて的確な作戦指揮を下せる柔軟性と冷静さも併せ持つ。
特にバルサミルコの意見には全幅の信頼を置き、戦略を血の気のままに決めることはない。
その性質から腹心のバルサミルコからは、「豪胆さと部下の進言を聞く度量を持ち、発展途上のカキン国を率いるべき剛柔相備わる王の器」と讃えられ、全幅の信頼と忠誠を預けられている高いカリスマと指揮官の資質の持ち主でもある。

他の弟妹と比較しても頭一つ抜けた王の器を持つ傑物であることに間違いはないが、一方でその苛烈な気質ゆえに父ナスビーが求める「権謀術数に長け、深謀遠慮の才溢れる王子」としての資質にはやや難があるという欠点も抱えている。


能力

ライオンを生身で絞め殺し、普段からすさまじいサイズのダンベルで筋トレをするなど超人的な怪力の持ち主。
その肉体と念の強さはオーラをまとえば通常の銃弾では全くダメージを受けないほど。
ヒソカの性格別念能力診断と強靭な肉体を考えると、適正は強化系か放出系かと思われるが、類稀なカリスマ性を持つこともあり、能力は特質系と考えられる。

守護霊獣

カキン帝国王家に代々伝わる儀式『壺中卵の儀』により生み出された寄生型の念獣。
屈強な身体と頭部に大きな歯茎がついたエイリアンのような人型。
側近のバルサミルコからは「次代の王に相応しい雄々しき霊獣」と評されている。
能力不明。


星を継ぐもの(ベンジャミンバトン)


お前達の遺志はオレが継ぎ…!!

必ずやこの手でカキンの世界統一を成し遂げる!!

彼に忠誠を誓った念能力者が死亡した場合、その能力を受け継ぐ事が出来る能力。
能力を受け継いだ場合、ベンジャミンの手の指の甲に「☆」のマークが現れる。
クロロやレオルのような、劇中で時折出てくる他人の能力を獲得できるタイプの念能力*2だがこちらは発動すれば永続的に能力を得られるのが特徴。
ただし制約として能力を引き継げるのは「カキン国王軍学校を卒業し、ベンジャミンの私設兵団に所属している者限定」と非常に範囲が狭い。
受け継げる数に上限があるかは不明。

一見ノーリスクの引き継ぎにも見えるが、代償は「自分に忠誠を誓った優秀な念能力者である部下の犠牲」と極めて重たい上に相手の同意(協力)も必要というものである。
ベンジャミンにとっては、手数の増加や能力のコレクション目的ではなく、「部下の死を無駄にせずに前に進むための能力」という趣が強い。*3
また、任務に就いた部下の死の是非を確認できるという実用的な側面も持つ。

ちなみに部下の方も承知の上での引継ぎなので、条件と相まって相互協力型の念なのかもしれない。



◇ベンジャミンの護衛(私設兵)

全員が正規国王軍のメンバーであり、皆ベンジャミンに絶対の忠誠を誓っており団結力も強固。
ボディガードらしい黒スーツ姿の一般警護兵と異なり、軍装ベストを着用しているのが特徴。
またベンジャミンが軍事最高副顧問として軍のトップに立っているため、本来私設兵には配属不可能な正規軍で構成された王室警護兵への所属が可能で、これにより各王子に護衛という名目で懐に潜り込めるなど様々な面で他王子の兵よりも有利な権力を持つ。
更には全員が鍛え上げられた念能力者で、それぞれが単独で推察・判断できる頭脳を持ち、偵察・無力化・直接攻撃・迎撃・暗殺など、私設兵間の連携を前提とした能力を各々が持つ。

15名所属。
コベントパなど、ウンマ王妃所属兵も兼ねている様子。

当初、念能力をもつアドバンテージを活かし、急襲作戦を早々に展開する手はずだったが、
クラピカが「ネン」の存在を全王子陣営に明らかにしたことで他王子たちの警戒レベルが上げられたこと・謎の念能力を持つ守護霊獣の存在が判明したことで、
急襲作戦を断念して各王子に護衛として全部下を配備し(第一王妃の子であるツェリードニヒのみこれを拒否)、全守護霊獣の能力把握に努めている。
しかしベンジャミンの好戦的な姿勢もあって、各陣営の中でも消耗率が激しい。


メンバー

バルサミルコ=マイト

ベンジャミン私設兵隊長。階級は曹長。
やや小柄な壮年の黒人で顔の左側面に傷がある。ベンジャミンを「ベンジャミン殿」と呼ぶ。
ベンジャミンの2面性の強い性格と性質を熟知しており、冷静に注言とサポートを行える側近にして事実上の参謀格。
経験豊富で、操作系念能力の肝でもある「操作系は先手必勝」ということも知っている。
わずかな期間で守護霊獣全体の“ルール”も見抜いたり、「敵の能力が強力ならば使わせなければよい」と搦め手にも長ける優秀な人物。

ベンジャミンに心服しており、直情的なベンジャミンや時に血気流行る部下達のブレーキ役、敵戦力の洞察も行うブレインとして私設兵隊の要となっている。


ビンセント

顔が長く丸刈りで大柄な男性。
警護担当はワブル王子。
しかし警備の減ったワブルを守る気はさらさらなく、その真の任務はワブル王子の護衛をすべて排除し、後のワブル殺害につなげること。
王子の従者達に暗殺容疑の濡れ衣を着せた上で排除するという作戦をとり侍女を殺害。
クラピカら護衛ハンターもカキン帝国の権威で懐柔しようとし、従わなければ「国防法にのっとってオイトの護衛に来た自分を排除しようとした暗殺者達」として倒し、逆に倒された場合は「ベンジャミン側の権力によって暗殺犯とねつ造し、クラピカ達を正式に拘束へ追い込む」ことが任務だった。

しかし問答無用に従者を襲ったこととそのゲスな態度がクラピカやオイトの怒りを買ってしまったことで反撃にあい、クラピカの鎖の一つ「念能力を吸収する」というまさかの念能力で制圧され、
オイト王妃がビンセントの暴挙を証言すると宣言したこと・能力が未知数のクラピカが残り4本の鎖を見せながら“自白を引き出せる念能力を持つ”と示唆したことで、自白を引き出されるリスクを考慮し、証拠隠滅のために服毒自殺した。

通信機でクラピカ達とビンセントのやりとりを聞いていたベンジャミン達は、ハンター達がオイト王妃を離反しない任務への忠誠心を持つことを確認するとともに、
ビンセントをたやすく制圧して見せたクラピカ達・人間を操作しうる念能力者がいる可能性への警戒を強めた。



バビマイナ

カリフラワーみたいなアフロの青年。
ビンセントの後任としてワブルの元に送り込まれた私設兵で、ワブルの守護霊獣の能力やクラピカらワブルの護衛の念能力の把握を任務としている。
ベンジャミンからは『最重要任務』と通達されているが、その仔細は不明。

思慮深く冷静沈着な性格。潔癖症なのか能力に影響があるのか、人に触られた個所をはたいたりしている。
能力の詳細は不明だが迎撃型の念能力者で、広範囲に広がる円も使えるなど相当の手練れ。
他の王子の心配をもするオイト王妃の心情を慮ってか、オイトやクラピカの監視のための円を解いたりする一面も持つが…?
オイトの優しい性格を見た後は、時にオイトに対して協力的な姿勢を見せたり、クラピカにもほとんど干渉せず情報収集に徹する姿勢を見せる。
その姿はヒュリコフから悠長ではないかと思われもしたが、クラピカの優秀さを見たヒュリコフは後にバビマイナの慎重な方針を肯定している。


ヒュリコフ

あご髭を生やした、垂れ眉で角刈り頭の巨漢。
好戦的な自信家で執念深く、銃撃された報復から拘束時に笑顔でカミーラの腕をへし折る残忍な一面を持つが、同時にベンジャミンだけを親と称する忠誠心の持ち主。
自信家に違わぬ手練れで、長年の経験から、相手の外見・仕草・話し方などの所作を通じて念の特性や系統のヒントを掴むことができる。纏を見るだけでもどの系統かある程度当てることができる。
作中ではわずかな時間でクラピカの念能力では右手が重要だと見抜いた。
その洞察力はベンジャミンらにも評価されているらしく、クラピカ達の念能力の把握のため、クラピカによる念講習会の参加者に選ばれた。
念講習会では、当然ながら既に念使いであることを公言もしており、クラピカによって助手役としても使われている。

さらに生命線として誰にも明かさない奥義として、長年の経験から念能力者か否かを見ただけで判別する事ができる。本人曰く、横から見た眼球周辺のわずかな揺らぎなどから判別できるとのこと。
念講習会の場では、ハルケンブルグの守護霊中の能力を受けた彼の部下二人(半覚醒状態)、“11人いる!(サイレントマジョリティー)”の念能力者、“11人いる!(サイレントマジョリティー)”の念能力の対象となっていた第10王子従事者ロベリー(おそらく半覚醒状態)を念能力者と見抜いた。


ムッセ

左右で目の形が異なる男。これは念能力使用中の目は大きな目つきとなるため。
警護担当はカミーラ。
カミーラの護衛達から行動を制限されているが意に介さず、鳥状の念を用いて盗聴を行っている。
カミーラがベンジャミン殺害を公言し行動に移そうとした際、彼女の能力が迎撃型と気づきながらも「殺害できれば最善。能力を把握できれば次善」と自分への迎撃を覚悟の上で射殺。
自身の懸念通り、彼女の能力により逆に殺害され死亡した。

だが最後まで己の責務を遂行した結果、命と引き換えにベンジャミンにカミーラの能力の一端を伝えることに成功するファインプレーを見せ、カミーラの拘束に大きな貢献を果たした。
その体はカミーラの能力で抹殺され痕跡もカミーラの部下によって消されたため、カミーラ側は「ムッセがカミーラを殺そうとして失敗し逃亡、ベンジャミンが匿っている」と主張、ベンジャミン側は「匿っていない」と主張しているため、公的には死亡ではなく行方不明扱い。



シカク

四角い顔が特徴の青年。操作系の念能力者。
警護担当はハルケンブルグ。
念をバリアのように前方に展開し、ハルケンブルグの攻撃を防ごうとするが失敗。
ハルケンブルグの部下スミドリに意識を乗っ取られ、ハルケンブルグの念能力解明の実験もかねて、スミドリの意志によりルズールスの部屋の前で自害した。
側から見れば、「ベンジャミンの部下が、狂乱したかベンジャミンの命令で自殺したという状況」となった。

バルサミルコはこれを受けて、「操作系は先手必勝。先に操作した方の指示を受ける」はずなのに、「シカクがおそらく操作されていないにもかかわらず自殺を選択」という事態になった理由が分からずハルケンブルグを一層警戒することとなった。
他の王子陣営からも、呪憑型・呪殺型の“死後の念”の持ち主だったのではないかと警戒された。



リハン

オールバックにした黒髪を持つ厳しい顔の男。
警護担当はサレサレ。
サレサレの守護霊獣の特性を見抜き、自身の念能力“異邦人(プレデター)”で排除に成功した。
守護霊獣も自分の能力で排除できると判明したため、以降は守護霊獣排除担当として“攻撃”の要となっている。

その後ツベッパの警護を担当しているが、守護霊獣が姿を見せないため能力把握に難航している。
その能力から、バルサミルコも彼に満足に情報を与えられないこともある。
理屈っぽい能力に反映されているように考えすぎる面も持ち、シカクの死後には“異邦人(プレデター)”をもつ自分がハルケンブルグの傍について未知数の彼の能力を洞察すべきではないかと思考していたが、「他者に操られないはずの操作系のシカクがなぜか操られて?自殺した」という事実を見落としていた。バルサミルコによると、「『先手必勝』は操作系の肝であるため、リハンは知らないのだろう」とのこと。



ウショウヒ

丸刈りで吊り目の男。
暗殺対象の傍で機を窺っている間にスリルを感じ、それ以上に標的が死ぬ瞬間を好む残忍な性格。
警護担当はフウゲツだったが、後にリハンと交代でサレサレの部屋へ異動。無防備になったサレサレの暗殺を実行した。



ビクト

眉や髭の毛が深い男。
警護担当はモモゼ。モモゼ殺害の容疑者として逮捕されるも、その後モモゼ暗殺の犯人タフディーの遺書が見つかったことで解放された様子。
シカクの死後にハルケンブルグ警護につくが、彼の防御不可・攻撃不可の念能力を前に敗れて行方不明になってしまった。



コベントパ

禿頭の大男。
警護担当はチョウライ。
ウンマ王妃所属兵の役割を兼任し、ドゥアズル所属兵との情報交換も行える。


ブッチ

丸目丸鼻で禿頭の男。眉間には常に深い皴が刻まれている。
当初の警護担当はツベッパ。


オラーウ

禿頭が特徴のゴリラのような顔つきの男。
警護担当はタイソン。


カンジドル

口髭と顎髭を生やした坊主頭の男。
警備担当はルズールス。
それなりの戦力洞察はできるが未だバルサミルコには及ばない。
「銃弾を放ってから言い訳を考える方が楽」というタイプの短慮な性格で、慎重さを期すバルサミルコやベンジャミンは正直回りくどいと思っているが、同時に自分の性格に沿った行動では継承戦は勝ち抜けないときちんと認識し自戒してもいる。


余談

念能力名の元ネタはジェイムズ・P・ ホーガンが執筆したSF小説『星を継ぐもの』と推察される。
ルビの方の元ネタはF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を原作とする映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』と思われる。


追記修正よろしくお願いします。


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最終更新:2024年03月06日 22:06

*1 ただし彼の事を「クズ」と呼ぶなど、ツェリードニヒの本性を知っている数少ない人物でもある。

*2 なお、その両者はどちらも特質系。

*3 利己的に考えても、鍛えられた念能力者の部下が生存している方が便利で強力なため、ある意味でリターンよりもリスクの方が大きい条件とすら言える。そのため、部下を失っても一部引き継げると言う点が重要。