SCP-1485-JP

登録日:2021/01/22 Fri 17:15:39
更新日:2023/03/02 Thu 12:59:37
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SCP-1485-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスSafe

項目名は『マウスとネズミは使いようだがネズミは大体ネズミ算』。



概要

SCP-1485-JPは異常性を有するハツカネズミ群。
色合いはいわゆるパンダカラーということなので、白黒模様なんだろう。
耐久性や活動サイクルなどは一般的なハツカネズミと変わらない存在である。

尾部先端はハツカネズミの遺伝子とアルミニウムが合わさった成分によってタイプA型USBコネクタと完全に同様の形状を保つ。
……もう一度言うね。しっぽがふつうのUSBの形してます。
このコネクタ部分は通常のマウスより耐久性がやや高いうえに、多少の欠けくらいならマウスの成長に応じて修復される。
そしてこいつをパソコン、タブレットに差し込むとマウスとして使える。
なおこの時のドライバソフトウェアの名前は『Mouse de mouse』とのこと。じゃかあしいわ。
しっぽをパソコンやタブレットに差し込んでいる間は仮死状態になり、外すと通常の状態に戻る。
耳がボタン、額部分がホイール、お尻がマウスのプロパティで左利き操作への変更やポインタ速度の変更が可能。

ハツカネズミは適切な飼育条件では20日と言わず1-2年は生き続けるので、
普通に1-2年程度の耐久性のマウスを買うくらいならそのへんにこのハツカマウスを放流しておけばマウスには困らない。
なにしろハツカネズミの繁殖力は高いからである。ねずみ算って言うくらいだしね。
ハツカマウスも通常のハツカネズミと繁殖力は同じくらいである。

……それが財団からすれば困るのであるが。
なにしろヘタに脱走されて交配でもされたらあっという間に収容困難に陥るではないか。

というわけで、お決まりの実験にいってみよう。

実験

  • 1回目
実施方法: SCP-1485-JPの尾部をパソコンのUSBポートへと挿入する。

結果: SCP-1485-JPは一時的な仮死状態に陥り、「Mouse de mouse」と名付けられたドライバが自動的にパソコン内へとインストールされ、通常のマウスと同様の操作が可能になった。接続を解除した直後SCP-1485-JPの仮死状態は解除された。

分析: ほとんど予想通りの結果である。

最初の実験はまだ異常性未判明時点で行ったんだろう。
とはいえ、やる前から「知ってた」案件ではあったようだ。

  • 2回目
実施方法: SCP-1485-JPの切断した尾部をパソコンのUSBポートへと挿入する。

結果: 変化なし。

分析: 異常性の本元はSCP-1485-JP本体に備わっている様だ。

そもそも普通のマウスでもそうだろうよ。

  • 3回目
実施方法: 実験記録002において尾部を切断されたSCP-1485-JPの尾部を縫合により結合し、パソコンのUSBポートへと挿入する。

結果: 実験記録001と同様の結果を残した。

一回しっぽ切ってから縫い合わせても問題ないらしい。

  • 4回目
実施方法: 尾部を切断したSCP-1485-JPに通常のタイプAUSBコネクタを縫合により結合し、パソコンのUSBポートへと挿入する。

結果: 変化なし。

分析: あくまで生態的な尻尾で無ければ駄目であるらしい。

まあUSBの中まで同じ構成とは限らないしね……でもそうなってくるとこれUSB規格違反にならないんだろうか。

  • 5回目
実施方法: 2匹のSCP-1485-JPの尾をそれぞれ切断し、互いの尾部を入れ替えて縫合、パソコンのUSBポートへと挿入する。

結果: 2匹とも実験記録001と同様の結果を残した。

分析: 案外無茶も利く様だが、そもそも通常の人間はネズミをマウス代わりには使わない。

今更そのツッコミ入れられても。

  • 6回目
実施方法: SCP-1485-JP同士、SCP-1485-JPと通常のハツカネズミの異性を交配させる。

結果: SCP-1485-JP同士で交配させた仔は全てがSCP-1485-JPと変化したが、通常のハツカネズミと交配させ出産した仔は全てが非異常性のハツカネズミだった。体色のパターンは通常の遺伝と一致する。

分析: 一安心といった所か。

よし、これなら放流されてもいずれは通常のハツカネズミに駆逐されるな!

  • 7回目
実施方法: 実験記録006において確認されたSCP-1485-JPと通常のハツカネズミとの間に産まれた仔同士を交配させる。

結果: 出産が確認された孫は約5割がSCP-1485-JPに変化していた。

分析: これで安心出来なくなったな。

駄目だったよ……。ってか何気に潜性遺伝の割合すら超えている*1

発見経緯と生み出された経緯

ハツカマウスくんは2012年11月18日、石川県内に存在するペットショップ関連店に偽装された
日本生類創研関連施設への強制調査により発見された。……まあJOICLEじゃなきゃ逆にどうしようかと思ったよ。
ちなみにこの施設にはハツカマウスくんをはじめ12種以上は異常生物を飼育していたと考えられている。
つまり11種くらいの異常生物は行方不明なのである。相変わらずJOICLEの管理はガバガバだなオイ。

なおそこで発見されたノートパソコンからは、JOICLEがメールで発注を受けてこのハツカマウスを生み出したことが判明した*2

作成日時 : 2012/09/28[送信済]

送信者: 日本生類創研M-28支部

宛先 : Alen Parkliner

タイトル : 発送しました。

この度は貴社への御注文誠にありがとうございました。先程全ての下準備を終えて発送致しました。
何も発送ラインに問題が無ければ、3日後にそちらの元へと届く筈です。試供品と比較してより自然な操作を目指した各種性能を向上させました。
ご縁がありましたらどうか再び我が社の力を頼りになって頂ければ幸いです。

なお、多忙の為商品に関する意見・要望は今メールの受信後14日以内でしかお受け出来ません。ご了承下さい。

…なんでマウスが欲しくてJOICLEに依頼したんだこの依頼主。

作成日時 : 2012/10/05[送信済]

送信者: 日本生類創研M-28支部

宛先 : Alen Parkliner

タイトル : 育て方について:Re

添付したマニュアルに記載した通りに、オス・メスごとにケージは分けて管理して下さい。
このままでは個体数が増殖し続け、環境の悪化・個体同士の共食い等が発生する場合があります。

どうやら依頼主はマニュアルにあるとおりのオス・メスごとに分ける管理を行っていないようだ。
ハツカネズミでケージを分けなかったらどうなるかは火を見るより明らかである。

作成日時 : 2012/10/06[送信済]

送信者: 日本生類創研M-28支部

宛先 : Alen Parkliner

タイトル : ありがとうございます:Re

先程のメールに記載しました通りに、オス・メスごとにケージは分割する事を提案します。
一般的にネズミの繁殖速度は極めて早いもので、そちらが管理可能な個体数を超過するまでそれほどの時間は掛からないでしょう。
添付された画像内の「かわいく尊い子供」についてですが、再来月には繁殖が十分可能な程成長します。

ここから様子がおかしくなってくる。
倫理観ガバガバ企業JOICLEがなけなしの良心から忠告を行っているにもかかわらず、
相手方は従っていない模様。ハツカネズミかわいいとか言ってる場合じゃないんだよ。

作成日時 : 2012/10/09[送信済]

送信者: 日本生類創研M-28支部

宛先 : Alen Parkliner

タイトル : これで良いのです:Re

貴方が所属している慈善財団がその様な思想を持ち合わせていたとは知りませんでしたが、
此方が把握していたならばもう少し別の該当する生物を送れていたかと思います。
個人的な意見となりますが、急を要する程その地域にマウス(PC機器)は必要なのでしょうか?
今メールを読んだのであれば、まずはケージを分ける所から始めて下さい。

まあ最近は開発途上国での教育支援でパソコンやタブレットの配布などを行うくらいだし、マウスは要るよね……要るかな?
発注の要件定義がおかしければおかしなものしか生み出せないのは当たり前の話である。
どのような思想を持ち合わせていたのか知りたい……いややっぱり知りたくないが十中八九ろくでもない思想だろう。

作成日時 : 2012/10/12[送信済]

送信者: 日本生類創研M-28支部

宛先 : Alen Parkliner

タイトル : 問題ありません:Re

逃がしたんですか?

作成日時 : 2012/10/13[未送信]

送信者: 日本生類創研M-28支部

宛先 : Alen Parkliner

タイトル : 自然に戻しています:Re

それを世間一般的には不法投棄と呼びます。

JOICLEにマジレスされるとかよっぽどだぞ

財団は本オブジェクトのオブジェクトクラスをSafeからKeterに再指定することに決定。
おそらくは異常なマウスを根絶しに発展途上国に機動部隊が旅行しにいくのだろう……。


余談

この文中で出てくる「慈善財団」だが、別にマナによる慈善財団とは書いておらず、タグにもMCFのタグはついていない。
なのでヘッドカノン次第でMCFとも、他の慈善財団とも読むことが可能。
……しかしMCFみたいな連中が他にもいるとは考えたくないが。

一応真面目に考察するなら、MCFの目的はあくまでも飢餓や紛争などの根絶であって動植物の保護ではないので、別の団体と考えた方が無理は少ないか。
またメタ的に考えれば、「善意でとんでもない事をやらかす団体」という意味で彼らを想起させる名称を拝借したの可能性もある。



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最終更新:2023年03月02日 12:59

*1 普通のハツカネズミの遺伝子をMM、ハツカマウスくんの遺伝子をmmとした時、生まれてくる子の組み合わせはMm、mMであるが、これが普通のハツカネズミになる(=普通のハツカネズミの形質が顕性で、ハツカマウスくんの形質が潜性であると考察できる)。その仔同士をかけ合わせるとMM、Mm、mM、mmとなり、確率的には25%の割合くらいでハツカマウスくんが生まれてくるのが自然である。えっ、アノマリーに自然もへったくれもない?仰るとおりで……。

*2 なおこのノートパソコンは、関連施設への追加調査時に発見され、メール送信機能以外が使えない状態になっていたことから、最初の施設立ち入りよりあとにわざわざJOICLEがこの施設に置いていった可能性が存在する。