ラ・ピュセル 光の聖女伝説

登録日:2021/02/18 (木) 23:08:00
更新日:2023/05/14 Sun 06:10:29
所要時間:約 6 分で読めます





これは、のちに『聖母』と呼ばれることになる一人の少女の物語。

物語は語り継がれ、そして伝説となる――



概要


『ラ・ピュセル 光の聖女伝説』とは、2002年1月31日に日本一ソフトウェアより発売されたPlayStation2用SRPGである。
『マール王国』シリーズとは世界観を共有しており*1、キャラクターデザインは野村良治(現:Ryoji)が担当。

ラ・ピュセルとはフランス語で「乙女」を意味する言葉であり、現実世界ではジャンヌ・ダルクの異称として知られているが、今作中では聖女会に属する悪魔祓いの称号であり、男性をラ・ピュセルと呼ぶ場合もある。
キャラ名や地名はフランス語から採られているものもあるが「ムニエールの森」「城下町ポトフ」等どことなく美味しそうな名前も見られる。

最高レベルが9999まで行く、キャラだけでなくアイテムも強化できるといった、後にディスガイアシリーズを通じて大成する日本一ゲーの「やり込み」の基礎を築いた作品。
超魔王バールも本作が初出である。
ストーリーも、可愛らしい絵柄やギャグ色の中に重たい要素が織り込まれている。

2004年10月21日には部分的なシステム改良を施した『2周目はじめました』が発売。
パッケージイラストは原田たけひと氏が担当しており、ディスガイアのようなミニキャラが集合したものになっている。
無印版とセーブデータの互換性がない点には注意。

2009年11月26日にはPlayStation Portableにて、新ルートやディスガイアキャラのゲスト出演を追加した『ラ・ピュセル†ラグナロック』が発売。
2022年10月27日にラグナロックがNintendo Switchにてダウンロード専売にて移植。
なお、発表当時「続編含めて三部作の構想を予定している」旨の発言があったが、2022年現在続編の音沙汰はない……



登場人物


●プリエ(声:中原麻衣
本作の主人公。光の聖女になることを夢見る新人ラ・ピュセル。
7年前に両親を事故で亡くし、4年前に聖女会に入信するまで孤児院で育った。
言葉遣いが凄まじく悪く、度々アルエットから汚い言葉を禁止させられている。
武器はバトンと、サラドから習った格闘術。分厚い日記帳を怒りに任せて二つに引きちぎる、向こう側が空洞で古いものとはいえ、壁に蹴りで穴をあけるなど恵まれた身体能力の持ち主で、戦闘時にはそれを活かした豪快なアクションを披露してくれる。
イワシッ!」に代表される日本一伝統の「好物の名前を掛け声にする」の先駆者であり、彼女の場合は「やきぶたー!」
本編での動向は面倒見が良く、困っている人を導き、恋を知り……と口の悪さ以外は紛れもなくヒロイン(女主人公)なのだが……
キャラデザの野村氏の書く癖なのか見事なまでの幅広な太ももの持ち主。

+ ...
●魔王プリエ(声:中原麻衣
魔王になってしまったプリエ。とはいっても、本編では魔界である行動をした場合の称号止まりであり、特にストーリーへの影響はない
……のだが、ディスガイアシリーズにゲスト出演する場合は何故だか魔王としての出演の方が多くなってしまっている。
外見も悪魔そのものになっているが、技には聖職者時代の名残も見られる。
ディスガイア4では3種類の性格から選ぶ方式になっているのだが、デフォルトの性格がほとんど別人レベルで完全な戦闘狂と化した『暴虐の~』だった事はファンに衝撃を与えた。
他の性格(『のびのびとした~』『悪魔祓いの~』)及びキャラグラは普通に本編の延長線上にあるためギャップが凄まじい事になっている。
また、D2では人間時代の自分と共演しており、システム上1人コラボ技も使える。

PSP版ではプリエが魔王になる過程を描いた魔王プリエ編が追加された。

●キュロット(声:水橋かおり
プリエの弟。中の人は日本一ゲーでお馴染ミズハスであり、作中での語りも担当。
真面目な性格で暴走しがちな姉のツッコミ役を担当するが、余計な一言でゲンコツを喰らう場面もしばしば。
アルエットにほのかな恋心を寄せており、アルエットに近づく男に対してはやたらと敵対的。
武器はカバンから取り出したアイテム。

●アルエット(声:橘ひかり)
聖女会のシスター。プリエとキュロットの教育係も担当している。
美人かつ優しく聖職者の鑑のような女性ではあるが、教典を絶対視しすぎていて融通が利かない点もある。
2年前に記憶喪失の所をサラドに保護され、無試験でラ・ピュセルとなった。
熟練の悪魔祓いにも劣らない奇跡の使い手だが、プリエにお仕置きする際には聖書で叩いたり通常攻撃時のモーションに横蹴りがあったりと身体能力も低いわけでは無さげ。
+ ...
実は光の聖女であり、50年前の戦いで闇の王子と相討ちになり封印されていた。
サラドは幼少期にその戦いを目撃しており、いつか来たる日に備えて聖女会を結成したのである。

●クロワ・ラウル(声:関俊彦
フリーの悪魔祓いの青年。サングラスと咥えタバコが特徴。
名前以外の過去の記憶を無くしており、プリエの姿に記憶にうっすらと残っていた少女の面影を見て、記憶を取り戻す切っ掛けを探すべく行動を共にすることになる。
武器は二挺拳銃。
+ ...
実は闇の王子。生まれつき強い闇の力を持っており、婚約者であるアンジェリカを魔女狩りで殺されたことで人間に絶望し、闇の王子として覚醒した。
プリエに見ていた女性がそのアンジェリカである。

●サラド(声:長嶝高士)
聖女会の創始者でありプリエの武術の師匠。魔神クラスの悪魔を素手で倒した「魔神殺し」の異名を持ち、その鉄拳は未だ健在。
リーダーとしても頼れる爺さんではあるが、いい年をした妻帯者(ちなみに奥さんは聖女会が運営する孤児院の院長)でありながら、プリエやアルエットを言いくるめてスケベな服装(劇中で彼女たちが来ている服。太ももが強調されていたりして妙に煽情的)を着せたりしている。

●エクレール(声:桑谷夏子
聖パプリカ王国の王女。プリエやキュロットとは4年前に出会っており、その時以来プリエを「お姉さま」と慕っている。
光の聖女候補かつ次期女王として周囲からの期待を一身に集め、内心それが重荷になってしまっているが、優しく責任感の強い性格のためそれを誰にも言えずにいる。

+ ...
●ダークエクレール(声:桑谷夏子
エクレールの別の人格。夜な夜な密かに行動しており、クレソン城内では「黒騎士」として噂になっていた。
エクレールの裏部分であるためイタズラ好きで傍若無人で露出度の高い服装をしている。
一時は封印されるものの、物語終盤にエクレールが自身を受け入れることで任意に変身することが可能となる。
なお、PSP版魔王編ではダークのままでクリアするとエクレールが消滅する致命的なバグがある点に注意。
被害報告が多いということはそれだけダークの方が使用者が多いということなのかもしれないが。

●オマール(声:檜山修之
空賊エスカルゴ団のキャプテン。口は軽いが根は熱く、またリーダーらしい冷静な状況判断力もある。
同じ声のダークヒーローとはえらい違いである。
+ ...
実はとある国の王族であり、父の仇を探して空賊として世界中を飛び回っていた。

●ノワール(声:飛田展男
聖母神教会の教主。悪魔と人間の間に生まれた存在で、母親は魔女狩りで殺された。
悪魔でも人間でもない存在としてどちらにも受け入れられず、堕天使カラミティーを召喚して人も悪魔もいない世界を創り出そうとしている。


システム

ディスガイアシリーズと違い、マップ上のキャラがそのまま動くのではなくサイドビュー画面に移行して戦闘の演出が行われる。

■各話エンディング分岐
各話毎に「グッド」「ノーマル」「バッド」の3種類のエンディングがあり(一部の話には特定条件を満たすことで「スペシャル」になる場合もある)
グッドエンドを迎えた方がストーリー的に後味がよく、クリア時のプリカ(資金)も多くもらえるため基本的にはグッドエンドを目指す方が得。
条件としても、きちんと町の人の話を聞いて情報収集し、ストーリー上での最適解を探せば難しくはない。
ただし、本編のエンディングは1種類のみ。

■不浄点の浄化と大奇跡、浄化リアクション
マップ上には「不浄点」と、そこから発生する「闇の地場」がある。不浄点を放置していると新たな敵が出現してしまう。
そのため、不浄点を浄化する必要がある。不浄点を浄化した際にアイテムに経験値が入るため、基本的には浄化した方が得。
闇の地場はユニットを上に置くか、アイテム「ムキカエール」を使うとそのユニットの向きに合わせて方向を変える。
ディスガイアのジオパネルに似ているが、あちらと違い個別の効果はなく、属性に合うか合わないかのみ。(ユニットの属性に合えば能力が上昇し、合わないと下がる)
そして、この闇の地場を一定以上のマス数を確保し、かつ一周するような形状にした上で不浄点を浄化した場合「大奇跡」が発生し、範囲内の敵に大きなダメージを与えられる。
PSP版では浄化した地場のライン上にいるユニットと浄化した本人が再行動可能になる「浄化リアクション」が追加され、ずっと俺のターン!気分も味わえるようになった。

■モンスターの仲間化としつけ、アイテム合成
モンスターを浄化した状態で倒すと仲間に出来る。浄化を繰り返した方が仲間になる確率が上がる。
仲間になったモンスターには「しつけ」を行うことで能力の上昇率を上げることが出来るが、そうすると「ご機嫌度」が下がってしまい、
ご機嫌度が下がりすぎると逃げていってしまうため、甘やかすタイプのしつけを行ってご機嫌度を維持する必要がある。
ご機嫌度が10(最大レベル)になるとモンスターでも浄化が可能になるため使い勝手が上がる。
また、「魔界に紹介する」コマンドでモンスターを除名する際に装備していたアイテムを合成することも可能。

■魔界
不浄点を放置してステージをクリアすると「魔界化指数」が上がっていき、一定以上になると魔界ゲートが出現する。
魔界は全10層のランダムダンジョンになっており、クリアするまで出られないので注意。
魔界のモンスターはある種族を除いて仲間にすることはできないが、浄化してから倒すとそのモンスターが装備しているアイテムをゲットできる。
そして、ある条件を満たせば「魔王」の称号をも得られる……?

■味方殺し
厳密にはシステムではないが特記事項として記載。
今作は味方殺しのペナルティがないため、味方を巻き込んでレベル上げするのがテクニックになってしまっている……
そんなことしてるから魔王呼ばわりされるんですよプリエ姉さん。
ディスガイアシリーズでは味方殺しがバッドエンドの条件になっている作品が多いが、ラ・ピュセルでの味方殺しが問題視されたが故なのかもしれない……?





追記・修正は光の聖女になるはずが魔王になってしまった方にお願いします。

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最終更新:2023年05月14日 06:10

*1 作中で「マーなんたら王国」や「ローゼンクイーン商会の前会長」について触れられる場面がある。