ガギエル(新世紀エヴァンゲリオン)

登録日:2021/04/22 Thu 23:48:03
更新日:2023/07/17 Mon 22:44:06
所要時間:約 7 分で読めます







あれは……まさか、使徒!?


あれが?本物の?


どうしよう。ミサトさんの所に戻らなくちゃ!



……チャーンス!


ガギエル(GAGHIEL)とは『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する謎の生命体「使徒」の一体。
なお、新劇場版には登場しない。

+ 目次

基礎データ

呼称 第6使徒
天使名 ガギエル
全長・全高 不明(空母をはるかに上回る。)
体重 不明
象徴
能力 高速遊泳、突進、噛み付き


概要

海上に突如現れた使徒。
名前の「ガギエル」はキリスト教ユダヤ教の伝承にある「魚の天使」に由来する。
ただし他の使徒同様劇中では天使名で呼ばれることはなく、主に「第6使徒」と呼称される。

外見はベージュ色の巨大な深海魚の様なフォルムで、大きな口にはたくさんの鋭い牙がある。また上部から見ると、エイや縦に引き伸ばされたカブトガニのようにも見える。また、全体の大きさに比べてとても小さい為に初見だと気が付きにくいが、背面部にサキエルと同様の仮面がある。
全長数百メートル*1の巨体でありながら水中を高速で動き回るため、初見時のインパクトは強烈。攻撃は単純な物理攻撃だが、そのサイズと重量ゆえ体当たりするだけでも凄まじい威力を発揮する。
コアは口の中にあり、倒す場合はどうにかしてコアを露呈させねばならない。


能力は巨体を生かした突進が中心。魚雷の如く幾多の戦艦に突っ込み、大破させている。
また対象に噛み付いて、海中を引きずり回すなどの攻撃も見せている。


主な能力

突進

自身の巨体を活かして水中を高速で移動し、魚雷の様に相手に突進し、多数の戦艦の撃破を行っている。

噛み付き

大きい口を開け、鋭い牙で対象に噛み付く。

A.T.フィールド

使徒の共通能力。
突進時に(サハクィエルのように)使用しているかは言及がない。

劇中の活躍

TVアニメ版

第八話に登場。


ドイツのヴィルヘルムハーフェンから出立し、佐世保(それ以外にどこに寄港したかは不明。)を介して新横須賀(旧小田原)へ移動中の艦隊を襲撃。

海上は自分達のテリトリーであるとしてUN海軍である太平洋艦隊が迎撃を行うも、A.T.フィールドに阻まれ、上手く行かない。
同じタイミングで使徒を目撃したアスカは弐号機での出撃チャンスと考え、一緒にいたシンジと共に弐号機に搭乗。
当然シンジは非常用外部電源を届けるためにやってきたミサトに連れられてきただけで、戦闘準備などしていなかった為、弐号機用の赤いプラグスーツ(しかも女性用のもの)を着る羽目になった*2

そのままタンデム状態で無断で弐号機を起動させる。元祖ダブルエントリー
(ミサトは使徒への有効な対策がエヴァしかないこと、そしてシンジも搭乗している事を知り、シンクロ率に関するデータが取れることから、2人の出撃を後押ししている。)


初の対使徒戦において弐号機に課せられた最初の仕事は「外部電源の確保」。内蔵電源には1分程度しか稼働用電力が無かったため、補充が必要だったのだ。
まずガギエルの突進を躱しながら別の艦へ飛び移る。これを繰り返すことで最終的にミサト(+トウジケンスケ)のいた原子力空母「オーバー・ザ・レインボー」にアレスティングフック・ワイヤーを使わずに着艦。
外部電源の接続によって電力供給がスタート。(ちなみにこの時点での内蔵電源の残量は残り7秒分。)

弐号機はそのまま自身に向かってやってきたガギエルをプログレッシブ・ナイフで迎撃。受け止めることに成功するが、足場部分の陥没が原因でバランスが崩れ、ガギエル共々海へ落ちてしまう。


この時弐号機は通常戦闘用のB型装備。即ち水中での戦闘が出来ない状態のため、戦うのは勿論、動くことさえままならない。

ケーブルいっぱいの長さまではガギエルにしがみついて対抗を試みるが、伸びきった際の衝撃でガギエルを見失ってしまう。
ガギエルはお返しと言わんばかりに大口を開けながら弐号機に襲いかかり、噛み付いたまま海中を高速で引きずり回す。
エヴァと言う生餌に噛み付き、ケーブルを引っ張りながら動き回る様を「釣り」と形容したトウジの言葉を受け、ミサトは作戦をひらめく。

その内容は、現在最大まで伸びている外部電源ケーブルを一気に巻き戻し、ガギエルを海上付近まで誘導、その際、弐号機によって口を無理矢理開き、コアの露呈及びA.T.フィールド中和を行う事でケーブルの軸線上に配置された無人の戦艦2隻でゼロ距離射撃及び自爆で敵を倒す、というもの。

一刻を争う状況の為、すぐに作戦を開始。
弐号機サイドは何故かシンジがレバー操縦を行い、アスカにボコされるというメチャクチャな状況。
そんな状況のせいか、ガギエルの口はなかなか開けられず、待機中の戦艦との距離がただ縮まるばかり。

意を決した2人はレバーを2人で握り、「ガギエルの口を開ける」と言う思考を集中、そしてシンクロさせる。






(開け!開け!!開け!!!開け!!!!)


(開け!開け!!開け!!!開け!!!!)


その結果、シンクロ率が急上昇。ガギエルの口をこじ開けることに成功し、そのまま口内に突っ込まれた戦艦の主砲塔から放たれた射撃攻撃で口の中をハチの巣にされ、撃破に成功。*3


水中で大爆発を起こし、弐号機はその衝撃を利用して空母の飛行甲板上に帰還。*4


この時アスカとシンジが2人で動かした弐号機の戦闘記録はデータ化されたが、2人の思考が共鳴した際のシンクロ率はこれまでの記録を更新するものとなったのだった。


漫画版

海上戦闘、弐号機の初陣という点は同じだがこちらは弐号機にはアスカしか乗っておらず(シンジはそもそも彼女と会っていない上にガギエルと遭遇すらしていない。) 、太平洋艦隊の協力もあったとはいえ戦闘自体もなんと内部電源が切れるまでの間に決着がついてしまい、出番にしてわずか数コマというあっけないものになった。


他作品での活躍

新世紀エヴァンゲリオン2

全使徒が参戦しているため勿論戦える……
が、このゲームではガギエル殲滅がアスカ来日フラグとなっており、それだけなら別に良いのだが問題は大半のシナリオでアスカは初期から来日しているという事が殆どという事。
つまり、ガギエルは殲滅済みの状態で始まることがほとんど。
ガギエルが一体何をした。

エヴァンゲリオンANIMA

エンジェルキャリアーの使徒幼生の1体として登場。
2体のトーヴァート(ヴィクター)が開いた次元の窓から他3体のキャリアーと共に出現し、スーパーエヴァを丸呑みにするがビゼンオサフネで斬られ爆散、血飛沫となって消滅した。
最終決戦では再び出現し最終号機に飛びかかったが顎を掴んで受け止められた挙句真っ二つに引き裂かれた。

エヴァンゲリオン バトルオーケストラ

使徒の1体として登場。
本作では水中移動の他にも浮遊も行っており、遠近両方に対応可能な安定型。
必殺技は本編同様、対象に噛み付いての高速移動。

スーパーロボット大戦シリーズ

『F』と『α』に登場。
しかし水中戦というイレギュラーな戦闘ステージになる為か、あまり扱いは良いとは言えず、いずれの作品でも武装は射程1・海にしか攻撃できないと悲惨な性能。
使徒総出演となるF完結編終盤のステージでは(マップに海がないため)ガギエルだけハブられている(ドリームキャスト版αではちゃんと復活する)。
『F』においては戦闘中に一定ターン数が過ぎると撤退する仕様となっており、その後再戦等もないため、エンディング後にも生きている可能性がある。弐号機とゲッター3以外はかなり武器改造をしておかないと攻撃が通らないため、意図せずに逃がしてしまうことにもなり得る。
ちなみに、シャムシェルやラミエルよりも早く登場する。
ぶっちゃけスパロボでの好敵手は弐号機ではなくゲッター3あるいはゲッターポセイドン
なお、『MX』では弐号機とドラグナー3機に撃破された……事がアスカ達の初登場時に語られる。もはや何も言うまい。


余談

  • 本編ではガギエルは何かを探すようにしながら海中を動き回っていた。これについてミサトは「エヴァ(弐号機)を探しているのではないか」と考えたが、彼が探していたものの正体は船内にいた加持リョウジが持っていたアダム*5
    使徒の共通目的としてアダムやリリスと言った第一始祖民族との接触によるサード・インパクトの発生というものが挙げられるが、他の使徒がセントラルドグマ最深部のリリスとの接触を目指し襲ってきた中で、唯一ガギエルだけが、アダムだけを探して行動していた*6
    尤も、ガギエルの一件以降アダムはNERVが保管しているため、それ以降に登場する使徒がリリスではなくアダムを正しく対象としていた可能性自体も否定はできない。カヲルくんが思いっきり引っかかってたことを考えると可能性の域を出ないが…

  • ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』ではガギエルについて「他の使徒達が”サードインパクトの発動”を目指す中、ガギエルだけは”アダムの奪還”を目的としていた」と”解釈できる記述がある*7
    中々親思いの使徒と言えるが、渚カヲルがいた場合アダムの肉体とどちらを優先していたのか少々気になる所。

  • アダムを目前にしながら一歩及ばず、通常兵器で止めを刺されるという醜態をさらしたとはいえ襲撃のタイミングとして「防衛の手薄な輸送中を狙う」という判断は理に適っており、船を破壊する順番や戦法次第では*8作中のガギエルのスペックでアダムの奪取ないしサード・インパクトの発動も不可能ではなかったため、これらの点に関してはある意味他の使徒より秀でていたとも考えられる。

  • ここまで紹介してきたガギエルだが、新劇場版では登場シーンがない。
    というのも、アスカが初登場するヱヴァンゲリヲン新劇場版:破放映時点で、当該話の原画がGAINAXに残っていなかった(というか紛失した)ために出ることが出来なかったというあんまりな理由がある。
    本編でも鋭い牙の割に弐号機を噛みきれないなどの情けない一面が出たり、漫画版では出番を減らされ、半ば噛ませ扱いされるという憂き目にあい、新劇場版では上記の理由で出番を第7の使徒に奪われてしまうなど、メディアを経るごとに不遇さに拍車がかかってしまっている。

  • 自らの命と引き換えに見事ガギエルを殲滅した栄えある戦艦2隻は、アイオワ級戦艦のIllinois(イリノイ)とKentucky(ケンタッキー)。よくわからないという方に説明すれば、日本が降伏文書を調印した戦艦ミズーリ(アイオワ級3番艦)の妹達である。なお、実際のアイオワ級戦艦は舞台となる2015年を迎える前に全艦が退役・除籍(アイオワとウィスコンシンが2006年に除籍)されており、イリノイとケンタッキーに至っては第二次世界大戦の終結により1950年までに建造中止になっている。


追記・修正はエヴァを餌とする一本釣りをしながらお願いいたします。


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最終更新:2023年07月17日 22:44

*1 弐号機が立っていたニミッツ級空母「オーバー・ザ・レインボー」の甲板が全長332mだが、それをすっぽり覆い隠して尚余る

*2 なぜ弐号機のプラグスーツが複数あったのかは不明。有事の際のスペアだろうか?

*3 ちなみにTVアニメ版のエヴァにおいて、A.T.フィールドの中和を介したとはいえ通常兵器によって倒された使徒はガギエルのみ。

*4 ケーブルが外れていたようで、そのまま力尽きた。

*5 「破」ではこの役割を第3の使徒が担っている

*6 なお、加持は戦闘途中にアダムを持って離脱しNERV本部に向かったため、アダムとの接触は叶わぬ夢となってしまった。

*7 厳密に言うとガギエルだと明言されている訳ではないが、劇中の行動から察するにガギエルの事を指していると思われる。

*8 例:加持の乗っていた船を真っ先に襲撃する、加持が脱出する前に噛み付き、ケーブルに噛み付き断線させて弐号機を水中でオシャカにさせた上でアダムへの接触を図る、など。