アクバー(DQⅥ)

登録日:2021/5/1 (土) 20:40:00
更新日:2023/05/06 Sat 09:24:51
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ふふふふふ。面白い!実に愉快であるぞっ!
私が 探し求めていた者が自らやって来るとはな。

す するとこの者どもがデスタムーア様の存在をおびやかす者と……

しかし恐るるに足らん。

そんな くだらぬ予言など…

今ここで砕け散らせてみせるわっ!

アクバーとは、ドラゴンクエストⅥ 幻の大地に登場するボスキャラクター。


概要

デスタムーアの作り出した狭間の世界、その中の街の一つである『牢獄の街』を統治する魔物。
黄色いマッシブな悪魔の姿をしており、格闘パンサーの進化系みたいな見た目。あと顎が長い。名前の由来はアラビア語で「偉大な」を意味する「アクバル」と思われる。
デスタムーアの右腕ともされる有力な魔物であり、デスタムーアの存在を脅かす大賢者の片割れ、クリムトを監禁&部屋の封印も任されている。
地位的にはムドージャミラス閣下グラコス(笑)デュランの四魔王以上だろう*1
デュランよりも俗で小物っぽい部分があるので違和感を覚えるプレイヤーもいるが

性格は独裁者のそれで、非常に厳しい恐怖政治を敷いている。
牢獄の街では『へいしのふく4つ』*2を使って情報収集をするのだが、とある兵士は
おまえ あんまり見かけない顔だな。
新入りなら ひとつ 教えてやろう。
いいか アクバーさまには
さからうな!
大魔王さまの 右ウデとも いわれる
おかただ。気にいらない部下を
しまつするなど なんでもないこと。
この前も アクバーさまを 怒らせた
兵士が ドレイたちの前で
ギロチンに かけられたばかりだ。
と語り、この言い方から考えるとかなりの数の兵士が彼の機嫌を損ねて処刑されたらしい。人手足りるのだろうか…?
奴隷達は兵士に逆らったり、(作中では証言のみだが)デスタムーアやアクバーの悪口を言っただけでも処刑されるようだ。
ちなみにそのギロチンは奴隷達の生活スペースのど真ん中にある。ここで兵士達や友人が処刑される様を目の前で見せられたらトラウマもんである。

作中での動向

主人公達が牢獄の街を訪れた際は、街の人達の希望となっていたシスター・アンナをなんと身も心も魔物にして妻にしようと企んでおり、彼女を独房に入れていた。
上(夢)レイドックでお世話になったソルディ隊長の協力も得てその事を知った主人公達は街の住民達にその情報を流す。
するとその時、兵士に逆らったということで捕らえられたある男の処刑が始まる。
歯向かった主人公達は結局負けてしまうのだが、その姿、そして強さに心を打たれた住民達は前々から計画していたが実行に移せずにいた反乱を遂に決行。ほぼ全ての兵士を睡眠薬入りの葡萄酒*3で眠らせ、寝ていない兵士も押さえている隙に主人公達がアクバーを倒すという計画だ。
農夫トンヌラ*4から、彼の作ったちからのたねを4つも受け取ってドーピングもした(プレイヤー次第)主人公達はアクバーの下へ向かう。
そこではアンナを魔物にする儀式*5が執り行われる直前であり、そこでアクバーとの初対面となる。
魔王デスタムーアの立場を脅かすこととなる勇者だと見破った彼は、部下と共に主人公達に襲いかかる!

戦闘

お供にガーディアンを2体引き連れて登場。
HP3300、2回攻撃。
地響きor激しい炎→火炎斬りorドラゴン斬り→ルカナンorザオリクのローテーション。
AIは良いのでザオリクで復活させる対象がいないと、ルカナンを確定で使用する。
リメイク版だとドラゴン斬りが刺さるので今回はドランゴには引っ込んでいてもらおう。

ローテーション型のボスだが、ステータスは高く安定した強さの持ち主。
ザオリクがある通り、ガーディアンを倒しても復活させてくる危険性が高く、MP切れも望めないのでこちらから積極的に攻めるしかない。
しかもガーディアンはベホマスライムまで呼んでくる。アクバーのHPを全回復されないようにベホマスライムは呼ばれ次第早々に倒しておきたい。
ザオリクの代わりに使うルカナンもキツい。見た目通りのパワーファイターの上ガーディアンの攻撃もかなり痛いためすぐにスクルトで打ち消したい。
また、地響きはああ見えてバギ系の呪文扱いなので、マジックバリアを使っておくと安定する。
お供のガーディアンにはメダパニ、アクバー本体にはマホトーンとルカニが効く(強耐性なので半々程度)為、それで呪文を封じておきたい。終盤のボスは守りが堅そうというイメージに反して、マホトーンが通るのはなかなかの盲点。
最初からいきなり攻めず、まずは補助呪文を使って基礎を固めよう。リメイクではマホトーンが時間経過で切れるようになった為注意。
それにしてもガーディアンがメダパニで混乱してアクバーへ攻撃を仕掛けていく絵面は、まるで憂さ晴らしされているかのように見えて非常に滑稽である。混乱したフリをして反乱に加わったようにも。

最後に倒すと絹のタキシードを落とす。まさか結婚式用の…!?

戦闘後はクリムトとマサールを会わせてはいけないという遺言を残し、四魔王と同じように輝いて死亡、同時に部下も消滅した。
しかし、アクバーまで倒されたとあり、いよいよデスタムーアが重い腰を上げ、牢獄の街の住民達を石、もしくは動物にするという"罰"を与え、主人公達を迎え撃つ用意を始めたのだった…

ゲーム以外のⅥにおけるアクバー

ゲーム上では四体の魔王よりも格上なのを感じさせるが、こちらでは大役をもらえてない傾向にある。

  • 小説版
魔王とはっきり言われており、デュランの事を呼び捨てにしていることから同格あるいは上と推測される。
主人公イザとの一騎打ちの末必殺の火炎斬りよりも一瞬早くラミアスの剣が胸に刺さり死亡した。

  • 漫画版
十万の兵を引き連れボッツ達を迎え撃ったがテリーに一刀両断された。
出番は3コマで終わり。
3話?3ページ?いいえ3コマです。
まぁ出番があっただけ他の部下やズイカク&ショウカクに比べればマシか。

  • CDシアター
主人公ウィルのモノローグで「街の人の協力を得て、俺たちはアクバーを倒した」と言及され街の人に宴の席でクソッタレ呼ばわりるのみ。
端折りまくったCDシアター下巻だが、ズイカク&ショウカクにはちゃんとした出番があっただけに非常に悲惨。

部下

  • 牢獄兵
抜け殻兵と同色のグレーだが、リメイクではあちらが青くなり差別化。
武器攻撃の他、リメイク版だと石礫や砂煙まで使う。舞うくらいには砂が地面にあるらしい。
戦闘に入るとグラフィックの色が違うし中身も無くなっているのだが、まぁドラクエではよくあることだ。

  • ドグマ
ミラルゴの色違い。負けイベントの片割れ。再戦機会なし。
側近の1人であり、処刑人。処刑と聞いて「うひょひょひょひょー!」と喜ぶ危険人物。戦闘での実力はアクバーより遥かに上。
負けバトルだけに7000という破格のHPを持っており、6ターン目に必ず耐性無視の麻痺状態にする「ムラサキのひとみ」を使ってこちらを全滅させてくる。もちろんその前に全滅しても話は進む。
やろうと思えば5ターンで7000のHPを削り切ることもできるが、勝っても負けたことになって進むので趣味の領域。一応この手のボスには珍しくゴールドと経験値が貰えるが、案の定というかかなり少量。

  • ゾゾゲル
兵士長。金黒のド派手なデビルアーマー。負けイベントの片割れ。
アクバーの部屋の前で偉そうに警護している。他の兵士に漏れず葡萄酒をご所望の様子。
ドグマとタッグで攻めてくるが、革命中、アクバーの部屋の前で再戦することもできる。物理攻撃しかしない為スクルトで完封可能。
仲間モンスター廃止とスライムスカウト投入に伴いリメイク版ではメタル斬りが効くのがはぐりんだけとなり、さらにすれ違い通信をやり込まない場合クリア後にしかはぐりんが仲間にならなくなった為メタル斬りがただのサービス行動となっている。ドラゴン斬りがドランゴに痛い程度。
「相方がいなければこの程度」とは仲間たちの総評。それでもアクバーよりHPは高いのだが。
小説版だと下レイドック大臣のゲバンが正体だった。こちらではソルディ隊長の手で倒された。

  • ガーディアン
お供。ドラゴンライダーの色違いに同名のモンスターがいる為、星ドラでは「アクバーナイト」に改名した紫のデビルアーマー。
裏ダンジョン出身であり、マジンガ様のお供としても有名。呼び出すベホマスライムが非常に鬱陶しい。
ローテーション行動でドラゴン斬りをそれなりの頻度で使う為、リメイク版以降でドランゴを盾役にすると結構痛い目にあう。

  • 嘆きの巨人
かつて、デスタムーアにより滅ぼされた巨人族の生き残りの兄弟。ずしおうまるの色違い。
ヘルクラウドで戦う引換券並みのステータスだが、あやしい霧で回復呪文を封じたり、SFC版だと通常攻撃がなく打撃=防御無視型の痛恨を高頻度で放つので実際はステータスよりも強敵。
門番として働いているが、実際は復讐のチャンスを窺っており、兄と一戦交えた後、お告げによって主人公達がデスタムーアを脅かす存在(一族を救う存在)と知ると鍵を渡して(表向きは新入りの囚人として)牢獄内に通した。
その後兄の方は葡萄酒で眠らされてしまうが、殺されることはなかった。
裏切り者の彼らをデスタムーアが見逃すはずもなく、革命後には住民達同様石にされてしまった…
アクバーのポジションや最期の言葉を考えるとライガとフウガが元ネタだろう。
この辺を執筆していた時の堀井雄二は北斗の拳にハマっていたのだろうか…

派生種

  • キラーデーモン
安っぽい色のアクバー。ムーアの城に登場。
ラリホーマやマヒャドを使うが、インパクトで言えば同じ場所に出るブースカやサタンジェネラルの影に隠れがち。
ラスダンに呼ばれすらしなかった閣下やグラコスの色違いに比べれば出れただけマシ

  • デーモンキング
隠しダンジョン後半やスライム格闘場の事実上最終バトルに登場。濃い紫。
強化版アクバーといった具合であり、Ⅵの雑魚モンスター中最高の体力を持ち、イオナズン・凍える吹雪・火ばしらとザオリクに加えてマホカンタまで使ってくる最強クラスの雑魚敵。
しかも最初からマホカンタが掛かっていることもある。
1度の出現数が少なく、1回しか行動しないのでボス戦のつもりで守りを固めて対処できるのが救いか。

  • ベルフェゴル
DQⅩに登場。ver.1.0からの古参。
メラガイアーと灼熱を使うがMPがやや低い。

派生作品のアクバー

  • DQⅩ
魔賢者アクバーとして賢者の職業クエストに登場。
呪いとして賢者に取り憑き、やがて闇賢者へと変えてしまう魔物として登場。応急処置としてアクバーを引き剥がすと心の闇も同時に剥がされてしまい、賢者の呪文であるドルマ系の才能がなくなってしまい、大賢者への道が閉ざされる厄介な性質をもつ。
戦闘ではⅢの賢者を思わせる戦い方をするほか、マダンテを持っている。

また、コインボスでは幻界の四諸侯としてジャミラス・デュラン・グラコスと組んで参戦。(ムドーは別枠)魔賢者とは他人の空似らしい。
行動パターンは魔賢者にザオリクとベホマを追加した回復支援型。

  • DQM
デスタムーア配下では最も簡単に作れる。グレンデル×2、もしくはアークデーモン×地獄の門番で生まれる。
どちらかといえば本編でのデーモンキングのような能力だが、耐性が低く成長も遅い。
虹孔雀との配合でジャミラス閣下になる。
また、裁きの扉のボスとしても登場。何故か裁判官になっており、ギロチンもある。有罪は死刑の恐ろしい人。

  • DQM2
前作と変わらない。

  • DQMJ2P
久々のモンスターズ。
エビルプリースト×ゲマの前座コンビの配合で作れる。(エビルプリーストは順番が任意だが)
能力は賢さが800に達し他が600前後と物足りない。
暗黒の魔人との配合でデスピサロ、ムドーとの配合でドークになる。

  • テリワン3D
裁きの扉のボスとして登場。倒せば仲間になる。
ドグマよろしくやけつくいきを使う。
配合はスライムジェネラル×ドラゴンコープスに変更。扉で仲間にした方が早い。
サンダーバードと配合でデスタムーアが作れる*6他、ムドーかバルザックかカンダタ親分のどれかとの配合でドークが生まれる。
サンダーバード自体は手に入れるのが簡単な方なのでやろうと思えばクリア前にデスタムーアが手に入る。
強者の余裕の代わりにいきなりインテを手に入れ使いやすさは上がった。

  • イルルカ
ドークが配合で作れなくなったので配合先がデスタムーアのみに。
なお、データ上には「バルフェゴル」という10に登場したベルフェゴルに似た名前のモンスターが存在しているが、こいつの色違いなのかは不明。

  • DQMJ3P
オリジナル版では欠席していたがP版でデーモンキングと共に復帰。
そのデーモンキングとベリアルで作れるようになった。
スキルが専用となり、ステータスのバランスも良くなった。
バルボロス×魔戦神ゼメルギアス×ゲマ×アクバーでグレイナルになる。他が大物の中混ざっているアクバーが浮いているように見えるが、実はラスボスの前座に混ざるゼメルギアスの方が浮きまくっている。

  • ライバルズ
10弾にて僧侶専用ユニットとして参戦。魔王系ユニットではあるがCVはなし。
場に居る限り、味方ユニットを一度だけ復活させるという原作のザオリクを彷彿とさせる効果を持つ。(一度復活すると破壊される代わりに消滅というデバフが付く為二回以降は封印しないと復活出来ない。)
強力な効果ではあるが、アクバーと他ユニットが同時に死亡しても裁定上復活できない、本体のコストが重いなど真1弾までは好みでの採用レベルだった。が、
真価を発揮し出したのは真2弾。理由は同時に実装された宝の地図システムの「見えざる魔神の道」「大魔王の間」
この二種は、特定ターン後前者はメタルキング2体、後者はランダムなコスト6以上の魔王に先制を付与して出現させるという物。
その為登場するターンに合わせてアクバーを出し、相手ユニットに相討ちさせることで復活させる事ができ非常に相性が良かった。
肝心の僧侶が宝の地図をプッシュされたのも追い風。
更に、コスト6以上の魔王にはアクバー本人も含まれているため、手札から先制・速攻ユニットを出して突撃させたり、時によってはアクバーがアクバーを復活させるという状況になったり…



ば 馬鹿な……
あ あの予言は…本当なのか…
だ だとすれば……あの2人を会わせては…ならぬ……
断じてあの2人を…
ぐふっっ!!

追記・修正は牢獄の町のギロチンを思い出せる方にお願いします。
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最終更新:2023年05月06日 09:24

*1 彼の部屋のBGMは四魔王の部屋及び狭間の世界のフィールドBGMなので少なくとも魔王並みの地位があることは確か。

*2 これで一つのアイテム。使うと4人全員が牢獄の街の兵士に変装出来る。ドランゴも言っているが誰が着てもバレないのはどういうことだろうか…

*3 ちょっと前に睡眠薬の入っていない葡萄酒の味見を主人公がするというシーンがあるのだが、リメイク版ではパーティに未成年がいたからか主人公に飲ませるのは葡萄ジュースに差し替えられている

*4 英名:Erdrick。なんとあの勇者ロトの英名と同名である

*5 ちなみに再戦時には「生きたまま幼虫を食べる」というかなり具体的なプロセスを部下が発言している

*6 図書館にレシピについて記載している