ジュウオウイーグル/風切大和

登録日:2021/05/08 Sat 09:45:00
更新日:2024/02/25 Sun 23:53:53
所要時間:約 8 分で読めるよ





人間だって…動物だあああああああ!!



ジュウオウイーグル/風切(かざきり) 大和(やまと)は、『動物戦隊ジュウオウジャー』の登場人物であり、本作の主人公である。

演:中尾暢樹



概要


駆け出しの動物学者である青年。
普段は叔父の森真理夫が使っているアトリエに居候している。
ある日お守りのキューブに導かれジューマンの世界:ジューランドを訪れる。
そこでリンクキューブの守り人である4人のジューマンと出会い、ひょんなことから宇宙の無法者デスガリアンが地球を襲来していることを知る。

守りたいんだこの森を…地球に生きる、命を!

地球を守ると言う大和の強い意思に応え、幼いときに謎の鳥男から授かったお守りのキューブが変身アイテム:王者の資格へと変化。
大和はジュウオウイーグルとして、4人のジューマンとともにデスガリアンと戦うことになった。


性格は色んな意味でぶっ飛んだ近年のレッド達の中では常識人で、爽やかな好青年。
そんなこともあって(同じ動物系戦隊のリーダーである獅子走と同じく)ファンからは「大和先生」と呼ばれている。*1
ただしレオ曰く「怒らせると一番やべえ」面もあり、人間界に来たばかりのジューマン(タスク除く*2)が好き勝手をやっていたときは彼らに首輪を着けてアトリエまで連行した。
またオモテウリャーの攻撃で性格が反転した時は、いつも気遣っている操を「(本当はめんどくさいが相手が喜んでいるなら)いいじゃん」と評するなど、決して聖人君子というわけではない様子。
後意外と短足らしい。

そんな大和が最も大切にしているもの、それは「繋がり」である。
幼い頃から「この星の生き物は、みんなどこかで繋がっている」ということを信条としており、自分と繋がった者たちならば人間であろうがジューマンであろうが、はたまた宇宙海賊であろうが守ろうとする。
反面命をゲーム感覚で刈り取ろうとするデスガリアンのような悪党や、大和の絶望する顔を目当てに「繋がり」を断とうとする巨獣ハンター・バングレイには強い怒りを露わにし立ち向かう。
なぜここまで大和が「繋がり」を大切にするか?それは…




※以下、ネタバレに注意。












実は大和は、母の和歌子と幼少期に死別している。
前述の「この星の生き物は全てどこか繋がっている」というのも、他ならぬ母からの教えである。

しかし大和は父・景幸と疎遠になっている。

というのも、景幸は医者という職業柄、和歌子の死に目に逢えなかったのだ。

幼い大和はそんな父を「母が亡くなるときにも会いに来なかった冷たい男」と敬遠し、景幸もまた大和に対しては干渉することを避けた。
大和が叔父のアトリエで暮らすようになったのも、そのような理由からだった。



しかし…







※以下、更なるネタバレに注意。














その景幸が、母が亡くなるその日に助けていた患者。
それは故郷のジューランドを追われ、傷ついて人間界に迷い込んでいた鳥男のバド、つまり大和の命の恩人(恩鳥?)であった。*3
バドが大和を気にかけていたのも、彼なりの景幸への恩返しということだったのだ。



図らずも母の教えをその身で体感することになった大和は、ジューマンたちがアザルドを撃破して過去からの因縁を断ち切っている最中、一人激昂する。

今俺が生きてるのは、父さんがバドさんを助けていたから…!?

そしてジニスが地球へ最後のゲームを仕掛けようとする直前、母の墓前で父と再会。
「(たとえ幼い自分相手であっても)もっと事情を明かしてほしかった」とようやく素直な心情を父にぶつける。

今頃、母さん呆れてるよ…貴方達、似た者同士ね、って。

大丈夫、一人じゃないんだ。この星の生き物は、みんなどこかで繋がってる。

父さんがバドさんを助けたから、俺は皆と出会えて、戦う力を持てたんだ。

今度、ジューマンの友達を連れて家に帰る。その時はちゃんと、家にいろよな。

そんな大和の背中を、父は「つまらんとこばっかり俺に似て来やがった」と見送るのだった。


そして最終決戦後、人間界とジューランドが繋がった事に「いや… 世界を繋げようとは言ったけどそういう意味じゃ…てか、むしろこれ重なってない?」と困惑するも、タスクに「どんな理不尽なことが起きても繋がっている事を、僕たちは望んだんじゃないのか?」と諭されたことで、「そうだね…それが俺たちの、新しい未来だ…!」と新しい世界で生きていくことを決意するのだった。

それからしばらくして、久しぶりに仲間たちと集まることになった大和は、怪我をして泣いていた豚のジューマンの少女の手当てをし、彼女を連れて仲間たちの元へ行き、物語は幕を下ろしたのだった。



本能覚醒



本能覚醒!!


ア~ア~アアア~!


スーツアクター:浅井宏輔

大和はジュウオウジャーで唯一、1人で異なる3タイプの戦士に変身することができる。
これはスーパー戦隊シリーズ全体で見てもかなり珍しい存在であり、他の例でいうと『快盗戦隊ルパンレンジャーVS.警察戦隊パトレンジャー』の高尾ノエル/ルパンエックス&パトレンエックスなどが挙げられるか。
ここからは大和が変身する3つの戦士について紹介していく。


[1] 大空の王者 ジュウオウイーグル


画像出典:動物戦隊ジュウオウジャー 第2話「この星をなめるなよ」より(2016年2月21日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


大和がバドから受け取ったジューマンパワーにより変身する戦士。

ジュウオウチェンジャーで1のボタンを押して変身する。
野性解放モードの能力は「無敵の翼」。空を飛び回り敵を翻弄する。
またジューマンパワーのおかげか、非変身時でもはるか先を見渡す視力を発揮することもあり、これでジニスの正体を見破った。
大和が最初に変身した形態なだけあり、この姿を基本形態としている。

専用武器は蛇腹剣のイーグライザーで、鞭のように振りかざして攻撃する。
またジュウオウバードに覚醒したバドとは、2本のイーグライザーによる合体技も可能である。

対応するジュウオウキューブはキューブイーグル。


[6] ジャングルの王者 ジュウオウゴリラ


画像出典:動物戦隊ジュウオウジャー 第6話「ワイルドなプレゼント」より(2016年3月20日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG

アザルドとの初戦闘の際、重傷を負った大和にゴリラのジューマン:ラリーが自身のジューマンパワーを託したことで得た新形態。
ジュウオウチェンジャーで6のボタンを押すか、ジュウオウイーグルの状態からマスク前面を上部に上げることで変身する。
戦隊ヒーローには珍しい、上半身がムキムキの形態であり、圧倒的なパワーで敵を粉砕する。
肩書はターちゃんとは関係ない。

基本的に自身のパワーを生かした肉弾戦を主としているが、この形態でもイーグライザーを使用でき、ターザンのロープのように使うことが多かった。
どこに刺してんだろう?は禁句。

対応するジュウオウキューブはキューブゴリラ。


[10] 王者の中の王者 ジュウオウホエール


画像出典:動物戦隊ジュウオウジャー 第29話「王者の中の王者」より(2016年9月11日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG

ジューマンの始祖:ケタスのジューマンパワーと、大王者の資格ことホエールチェンジガンにより覚醒した形態。
豪快な奴らとのコラボ回で初披露。

屈強なゴリラとは対照的にスマートな外見をしており、しなやかな動きを主体とした戦闘スタイルで戦う。
さらにホエールチェンジガンが左手に装備されており、そこからビームを放つのが主な攻撃手段。
射撃を最大限に高めて撃ち出す必殺技の「ジュウオウファイナル」は宇宙空間まで届く射程と月をも削る威力を持つとんでもない代物で、初登場回では横で見ていた宇宙海賊を唖然とさせた。

対応するジュウオウキューブはキューブホエール。


野性大解放形態


画像出典:動物戦隊ジュウオウジャー 最終話「地球は我が家さ」より(2017年2月5日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG

ジニスとの最終決戦時、地球のパワーが大和に宿り誕生した最強形態。
ジュウオウホエールの胴体に、顔がジュウオウイーグル、腕がジュウオウゴリラとなっており、さらに背中にはジュウオウイーグルの野生解放形態よりも大きく荒々しい形状の翼が生えている。
これまでの形態の専用武器であるイーグライザーとホエールチェンジガンの両方を使用できる。

ホエールの基礎能力の高さと威厳に加え、イーグルの飛行能力、ゴリラのパワーを身に纏った、いわば大和版ジュウオウザワールド。誰が言ったかジュウオウゴジラ
陸・海・空を制覇したその力はたった一人でジニスを圧倒するほどに強力。
オールレンジ対応のゴリラが真っ直ぐカッ飛んで来るとか誰が相手にしたがるのか
まさしく、「この地球(ほし)を舐めるなよ」という決め台詞の面目躍如である。

その後、『スーパー戦隊最強バトル!!』の最終話で再登場を果たし、ゴーカイレッド ゴールドモード サソリオレンジ イッカクジュウアーム、アカニンジャー超絶、ハイパートッキュウ5号と共に究極大サタンに立ち向かった。


人間(ジューマン?)関係


ジュウオウエレファントに変身する男性ジューマン。
当初は大和が王者の資格を盗んだと疑い、大和の「俺がまとめて面倒見る!」という申し出に、他3人がすぐに受け入れたのに対し、彼だけは「僕は行かない。僕は君の世話にはならない」と拒否し、さらに大和の王者の資格を「これはジューマンの物だ」と没収。
そのまま単独行動するようになるが、それでも大和が世話を焼いたことで少しだけ心を開き、生身でハルバゴイに挑もうとする大和に王者の資格を渡した。
その後、王者の資格を盗んだのがバドだと判明してからは完全に大和を信用するようになった。

  • アム
ジュウオウタイガーに変身する女性ジューマン。小悪魔的な言動を取ることもあるが、「自分たちは故郷に帰れない」という状況からか、本来の家(風切家)を敬遠する大和を度々気遣う。
大和がアザルドとの決戦を優先しようとした際は「それを言い訳にしないで!二度と会えなくなってもいいの!?私たちの前でそれを選ぶの!?」と珍しく感情を露わにし、彼を父の元へ向かわせた。

ジュウオウザワールドに変身する青年。大和は人間仲間でもあり彼を「みっちゃん」と呼ぶ。
デスガリアンに操られていた操は、大和の「君を信じている」という言葉で洗脳を打ち破る。
しかしその実態はとてもネガティブで危なっかしい青年だったため、大和(を含めたジュウオウジャーのメンバーは)かなり気を使って接している。

  • 森真理夫
大和の叔父(母の弟)で、ジュウオウジャーが居候しているアトリエの管理人。髭の配管工とは関係ない。
ジュウオウジャーの正体は彼には終盤まで秘密だった。
普段はとぼけた言動もするが、時に鋭い観察力と、大人の視点から大和たちに助言する。
ファンの間では「とっくに大和たちの正体は看破済みなのでは?」と推察されていたが、流石にそんなことはなかった。
そしてジュウオウジャーの正体が発覚後は、ジュウオウジャー8人目の戦士「人類の王者:ジュウオウヒューマン」として参戦…はせず、大和たちの帰ってくる居場所であり続けた。

海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイレッド。
大王者の資格を巡る戦いで一度は激突するも、バングレイから大和を庇う素振りを見せたことで「悪い人じゃない」と確信。
マーベラスも大和の頑固さに折れ、ジュウオウジャーを40番目のスーパー戦隊と認めた。

その後『スーパー戦隊最強バトル!!』で再会。
謎の戦士・ガイソーグ仲間を奪われたことで、以前にも増して偽悪的になっていたマーベラスを再び説得。
彼の心を振り向かせることに成功する。

手裏剣戦隊ニンニンジャーのアカニンジャー。映画『動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊』で共演。
あまりにも破天荒な天晴のキャラから、公開前から「大和先生の胃は大丈夫か」と心配されていた。
その後『スーパー戦隊最強バトル!!』で再会し、変わり者チームのメンバーとして再び共闘する。

警察戦隊パトレンジャーのパトレン1号。
脚本家繋がりか、『スーパー戦隊最強バトル!!』の対戦カードで1番手になった。
圭一郎を含めた生真面目チームの願いは「世界平和」だったが、大和はその願いを「誰か一人の力で叶えていいものじゃない、世界中で力を合わせてつかみ取るもの」と説得。
ジェムを託され、大和が勝者となる。

百獣戦隊ガオレンジャーのガオレッド。
本来はマーベラス、スティンガーと3VS3(ガオレッドの所属する陸海空チームは他にバルシャークギンガグリーン)のバトルをするはずだったが、チーム内の不和を危惧した大和が1VS3のバトルを提案。

数の差で一度は大和が破れそうになるが、そこから大和はフォームチェンジを駆使して見事勝利。
走は大和に「スーパー戦隊のリーダーたるレッドとは何か?」ということについて語り、ジェムを託した。

大天空寺の跡取りにして、18歳の誕生日に死して仮面ライダーゴーストとなったゴーストハンター。
『ジュウオウジャー』第7話にて、ショッカーシオマネキングの襲撃からジュウオウシャーク&ジュウオウライオン*4を救い助太刀した後、『仮面ライダーゴースト』第24話で大和がタケルと共闘。
両者が直接交流する場面は少なかったが、互いの武器*5を見て「これ、似てる!」と興味を持ったり、ヤマアラシロイド相手に息の合ったコンビネーションを見せた。

大和が『どこかで繋がる地球の生き物を守る』ために戦うように、彼もまた『英雄の心と人の想いを繋ぐ』ために戦うのだ。
ちなみに偶然か否か、両者の名前はそれぞれ「天空寺タケル」と「風切大和(ヤマト)」で、日本最古の英雄たるヤマトタケルとも読めるようになっている。


その後の活躍

仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦

変身後のみだが、声は中尾氏本人が担当。


『スーパー戦隊最強バトル!!』

前述の通り実質的な主人公として登場。
変わり者チームの常識人枠ということで、ここでも「大和先生の胃」がトレンド入りした。


余談

演者の中尾暢樹は本作で本格的な役者デビューとなるが、1話から新人離れした自然な演技と、近年では珍しい常識人タイプのレッドということで視聴者を驚かせ、(児童の母親も含めて)好評を博した。
前年のレッドである天晴に『VSニンニンジャー』で散々振り回されたせいか、次回作の(こちらもぶっ飛んだ性格の)レッドことシシレッド/ラッキーとの共演でも胃を心配されていたが、残念ながら?『キュウレンジャー』とのVSシリーズは実現しなかった。

チーフプロデューサーを務めた宇都宮孝明P曰く「『ジューマンに対する猛獣使い』的な役割」らしく、イーグライザーを地面に叩きつけての名乗りにそれが表れているとのこと。




いつでも帰れる世界を作るんだ。これからもぶつかることはあると思う。理不尽な目に遭うかもしれない。

でも繋がっていれば、またやり直すことだってできるんだ!

だからこれ以上、世界閉じることはしたくない!

地球の未来のためにも、俺たちはデスガリアンと戦い抜きます。この星を、守ってみせます!!



追記、修正!このWikiを…舐めるなよ!!


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 風切大和
  • 常識人
  • ジュウオウイーグル
  • ジュウオウゴリラ
  • ジュウオウホエール
  • 多段変身
  • 苦労人
  • 父との不和
  • 歴代レッド
  • 浅井宏輔
  • 中尾暢樹
  • 大空の王者
  • ジャングルの王者
  • 王者の中の王者
  • 猛獣使い
  • 動物戦隊ジュウオウジャー
  • 戦隊個別
  • 猛獣使い
  • 何故かなかなか立たなかった項目
  • スーパー戦隊シリーズ
  • 動物学者
  • 仮面ライダーと共演
  • 変わり者チーム
  • 結構暗い過去持ち
  • 複雑な家庭事情
  • センパイジャー
  • 苦悩の連続
  • 怒ると怖い
  • ゲーム
  • 最強レッド候補

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月25日 23:53

*1 ただしあちらは獣医である。

*2 この時は後述の理由により単独行動を取っていたため。

*3 この時、景幸も「人間が俺に構うな」と頑なな態度だったバドに対し「この星の生き物はみんなどこかで繋がってるもんだ」と返している。

*4 残りの2名はこの時は別行動だった。

*5 ジュウオウバスターとサングラスラッシャー。