ミッシェル・ロブスター(FAIRY TAIL)

登録日:2021/05/08 Sat 10:34:42
更新日:2023/06/02 Fri 23:39:20
所要時間:約 4 分で読めます




お久しぶりです、ルーシィ姉さん!

ミッシェル・ロブスターとはアニメ版「FAIRY TAIL」のオリジナルストーリー、「星空の鍵編」に登場するキャラクターである。
CV:ゆかな

【概要】


天狼島での決戦の後、7年の眠りから解放されたルーシィの前に現れた、ルーシィを「姉さん」と慕う女性。
ルーシィとは遠縁の親戚関係に当たる。
決してルーシィの父ジュードの隠し子でも、ましてやルーシィの娘でもない。
見た目はミッシェルの方が大人びているし、「どう見たってあなたが年上」ともルーシィに云われているが、
これはルーシィが天狼島で7年も眠っていた間に彼女の年齢を追い越したためで、本来はルーシィの方が年上。
そのためルーシィにとってミッシェルは「年上の妹分」という何とも形容しがたい存在である。

【人物像】

ウェーブのかかった金髪に碧眼、ピンク色の甘ロリファッションが特徴で、この作品の御多分に漏れず巨乳。エルフマンいわく「すげぇ美人」。
「金髪」と言われることが多いが、ルーシィのような明るめの色ではなく、実際には黄緑に近い色をしている。
一方、ルーシィの色仕掛けがまともに通用するほどに惚れっぽいアニオリ魔導士のダンからは「もっと生き生きとした女性がタイプ」とあまり好みではなかった模様。

ルーシィは記憶にないが、本人曰くロブスター家はハートフィリア家の遠縁にあたり幼いころはハートフィリア家の邸宅で一緒に遊んだという。
遊びの内容は「折り紙や草木で服を作った」という何とも独特なものらしいが……*1
またキャンサーらかつてレイラ・ハートフィリアが契約していたルーシィの星霊たちに関しても、ルーシィに教えられる前から知っていた。

家事は得意だが、やたらと盛大に転んだり、ルーシィの小説を読んで号泣したり、アースランドのシュガーボーイの粘液を操る魔法を見て「おいしそう」、
同じくアースバイロのパートナーのタコ「カナロア」に「焼きダコにしたらさぞ美味しい」と評するなど、お淑やかな令嬢といった雰囲気の見た目に反し
ドジで泣き虫で食いしん坊な性格で、やたらと感情表現が激しい。
ルーシィいわく「なんだかかまってあげたくなっちゃう」存在。
父を亡くし天涯孤独となったと思い込んでいただけにルーシィはミッシェルと会えたことをとても喜んでいた。
一方、どこか影のある表情で「私には夢なんてない」と口にしたり、ルーシィの記憶にない過去の出来事を語るなど、謎も多い。

なお、自分の過去の事はあまり好んで話さないが、これは実家であるロブスター家がひどい事故に遭い、
其の事故の生き残りであるためあまり語りたくないからだと思われる。

活躍

幼いころは上記の通りルーシィとよく遊んでいた。
その縁から、成長後はルーシィの父、ジュード・ハートフィリアの仕事を手伝っていて、その最期を看取った。
ジュードに遺品として詳細は知らないままに託された無限時計の針をルーシィに渡すべく探していたが、
妖精の尻尾の事がわかってもルーシィが7年間眠っていたせいで中々会えなかったという。

遺品を無事ルーシィに託したのち、ルーシィの家に住みながら妖精の尻尾のウェイトレスとして働き始める。
同時に、この時点では詳細をよく知らなかったジュードの遺品こと無限時計の針についても「ギルドに依頼を出すという」形での捜査を提案し、
それを引き受けた妖精の尻尾ともギルドメンバー兼依頼者として行動を共にするようになる。
そして、無限時計をめぐりフィオーレ大陸の宗教組織ゼントピアの行動部隊であるレギオン隊、そして新生六魔将軍との三つ巴の抗争に巻き込まれていく。

魔導士ではないため戦闘力は低いものの勇気と機転の良さがあり、
  • 山賊退治の任務で囮役を買って出る
  • 見事な馬車遣いで任務をアシスト
  • ルーシィを差し出すよう要求するも誰がルーシィかわからないレギオン隊に対し、自分こそ本物のルーシィだと言い混乱させる
  • ジュードの遺したメッセージである「TO MY DAUGHTER」という本を見つけ、「残りの無限時計の針を集める」という妖精の尻尾の行動指針のきっかけを作る
(尤も、これは後に無限時計の針を集めてはならないという意味だと分かったため、結果的にはミッシェルも妖精の尻尾も誤った選択をしたことになるが)
  • ダンに対しルーシィとの結婚話をでっちあげ気を引く
など、確かな活躍を残している。
ちなみにルーシィ以外で特に行動を共にしたのはナツハッピーグレイエルザウェンディ等所謂最強チームや、ナツの弟分的存在のロメオ・コンボルトなど。
また、教義と指示に従順の従うアースランドのバイロに対し「そこに心の苦しみがないのなら簡単に決断できる」と批判的な意見を出すこともあった。

レギオン隊以上の力を持つ新生六魔将軍との戦いでもルーシィに同行し、その戦いをサポートしていたが……






















以下ネタバレ




私は新生六魔将軍の一人イミテイシア。擬態と虚偽の印

その正体は新生六魔将軍最後の一人にしてナンバー2イミテイシア
名前の由来は、模倣、擬態などを意味する単語「imitation」のもじり。
ルーシィに近づいたのは「無限時計を発動させ、世界を混沌に落とすため、それに必要な針の回収役として妖精の尻尾を利用するため」だった。
実は本物のミッシェル・ロブスターでもない。
本物のミッシェルはルーシィと血縁などではなく、事故に遭った後その資金が何かに使えると
マスターゼロのパペットであるラポワント枢機卿*2に見込まれて植物状態に陥っていた。

本性を現すとバラをモチーフにした露出の多いドレスを着て、右目にバラの眼帯を当てた姿となる。
常に急所のみを狙う魔法剣と、花の形を模して刃物をまとう形態を持つ盾で一対の「シリス」という魔武器の使い手。
痛覚が遮断され、肉体的な痛みを感じないという特異な体と、それゆえに目的のため揺れ動かない心の持ち主。

ドジで感情表現が激しい性格は演技に過ぎず、本性はクールで一見すると冷酷なまで。
しかし、ルーシィへの敬愛の感情は本物……というか「ミッシェル」のとき見せていた以上であり、もはやヤンデレといえるレベル。
ルーシィのために行動するある場面では「どけぇぇっっ!!」とかなりドスの効いた声を出したほど。
ミッシェルとして演技していた時はダンとルーシィの結婚話をでっちあげたが、もし本当にそんなことになったら確実にダンをぶち殺すだろう。

六魔としての行動の目的も、すべてはルーシィとずっと一緒にいることであり、他の六魔に対してはそのために互いに利用しあっている程度にしか思っておらず、仲間意識も薄い。
ただし、殺すこともできたナツを人質という名目で生かしたり、よく行動を共にしていたロメオの言葉に攻撃を躊躇するなど、
妖精の尻尾に対しては罪悪感も覚えている。
ナツからも「信念を持って戦っている奴は善人でも悪人でも光ある目をしているが、お前にはそれが見受けられない」、「剣に迷いがある」と指摘されている。

人々の時の感覚を操作する魔法「リアル・ナイトメア」発動の贄として無限時計にルーシィを取り込んだのち、
ルーシィを殺すことでその発動を止めるべく襲ってきたレギオン隊のサミュエル、
また逆にルーシィを開放することで止めようとしたナツ、ココ、エルフマンなどにも「姉さんは誰にも渡さない」、「私が守る」と口にし交戦する。

その中で、自らの覚悟と目的を口にしていたが、ブレイン二世ことミッドナイトの告げたリアル・ナイトメアの完全な発動後、ルーシィは無限時計と一体化し、皆の記憶からも消去されるという事実を知り困惑。

ブレイン二世と互いに利用しあっていると思っていたが、ただ利用されていただけだと知ったイミテイシアは
ルーシィを救うべく無限時計の破壊を試みるが、用済みとみなされ「本当の姿」に戻されてしまう。

ごめんね…姉さん……大好き……!

最期にルーシィに言葉を残し、力なく落ちるイミテイシアの本当の姿。
そしてその姿を見てルーシィもまた、イミテイシアの真の正体を思い出す。

そうだ……私……心のどこかで気づいてた……

あの子は私の大切な「妹」だった…!!

真の正体

イミテイシアの真の正体、それはルーシィが幼いころ両親にプレゼントされ、妹のように大切にしていた人形

ルーシィは彼女を何をするにも、どこへ行くにも一緒に連れまわすほどにかわいがっていた。
「紙や草花で服を作った」というのも、幼き日のルーシィが人形に似合う服を作ったというもの。
なお、その時ルーシィが作ってくれた服がミッシェルとして、そしてイミテイシアとしての衣装のそれぞれのモチーフとなっている。

しかし、間もなくルーシィの母、レイラが亡くなってしまう。
母を亡くしたルーシィは悲観に暮れ、レイラとの楽しかった日々を思い出す人形を見るのもつらくなり、置き忘れたまま記憶の奥底に封じてしまう。
忘れられた彼女を拾い、「ルーシィが母の死を乗り越えたら、また彼女の妹になってやってほしい」と優しくつぶやいたジュードもまた
いつしか仕事のみにのめりこむようになり、父娘の関係は冷え切ったまま、ルーシィは家を出る。
事業に失敗してジュードも家を手放し、人形は埃をかぶったまま静かになったハートフィリア家に取り残されていた。

そして7年の時が経過する中、六魔将軍であるブレイン二世が無限時計の針の回収、そして星霊魔導士ルーシィを贄に捧げることを考え、
彼女を「イミテイシア」に変えて、「ミッシェル」を名乗らせたのだった。
なお、針の回収のためとはいえジュードの仕事を手伝っていたこと、そしてその最期を看取ったというのは本当であり、
ジュードもまたミッシェルの真の正体に気が付いていた様子。

局所的なリアル・ナイトメアを用いてブレイン二世を弱体化させ、倒すことに成功した後は、
無限時計との一体化を解除するために星霊魔導士にかけられた呪いを解くルーシィに力を貸した。

事件の解決後は再びルーシィの私室に戻り、ジュードとレイラの写真と共に並び置かれることとなった。
無限時計をめぐるルーシィたちの一つの冒険は、最後に下記の言葉で幕を閉じたのであった。

お父さん…ママ…

素敵な妹を、ありがとう。

【その後のミッシェル】

ルーシィにとって大切な存在であるためか、アニメ版に於いては度々その後も存在に触れられている。
  • 153話では回想シーンで大きく登場した星空の鍵編はエピローグまで含めても151話までであり、最近終わったばかりのエピソードの回想をする尺稼ぎだとか言ってはいけない
  • アニメ二期「日蝕星霊編」では磨羯宮の世界で彼女に関するクイズが出題され、下記の真実が明らかになる。
  • 二期最終話でもワンカットながら描かれる。
  • 三期では、アクノロギアの動きを封じるためにルーシィが大陸中の魔導士の魔力を借りて妖精の球(フェアリースフィア)を発動するシーンに登場。アニメ版におけるこのシーンは原作以上に多数のキャラからの魔力供給がなされたことを描いておりより盛り上がるシーンとなっているが、ジュードとレイラの写真、そして人形のカットはミラグレイエルザハッピーといった面々を差し置き、なんとラスト。死して、もしくは人間ではなかったとしても、ルーシィを大切に思う家族の心が描かれた名演出といえよう。

【余談】

星空の鍵編をよく見てみると、上記の服を作ってもらったエピソードや、ダンのセリフなどミッシェルの正体に関する伏線は随所に散らばっている。
星空の鍵編前半のED『Glitter』の歌詞は「欲しいものはすべて手に入れよう」「欲しいものは絶え間なく与えよう」
「無意識の中に潜んでる見えない声に従い生きてゆく」と、本エピソードを最後まで見るとイミテイシアの心境を語っているかに思える。
一方、後半のEDである『yell~輝くためのモノ~』はルーシィを見守る家族の歌ともとれる歌詞と映像だが、星空の鍵編最終話の150話ではミッシェル関連でちょっとした演出がされているので、確認してみてほしい。

また、本来集めてはならなかった無限時計の針を集めるように誘導しているのも彼女だったりする。
ジュードは考古学協会の人々より無限時計の針の封印を託されていたことを描かれているので、
本来はルーシィたちに封印してもらうことをお願いすべくミッシェルに遺品を託したものだと推測できる。

……というか、ジュードのメッセージの伝え方は
①『TO MY DAUGHTER』という本を自らの手で装丁
②上記をアナグラムにして『DUO GREAT MYTH』(偉大な二つの神話)とする
③『大いなる二つの神話』という本に載っている「時計仕掛けの人生」と「星空の鍵」の二つの神話の内容をなぞり、無限時計の部品を集める
④……と見せかけて、「星空の鍵」の内容は「無限時計の部品を集めきってしまうと世界に混沌が訪れる」なので集めてはいけない
この上ないほどややこしい伝え方をしているのだが、そもそも『TO MY DAUGHTER』を見つけたのはミッシェルであるため、六魔側により仕込まれた偽のメッセージだとも推測できる。
本の装丁はジュードが行ったようだが、六魔は本編でもエリゴールやカナに
夢を通じて潜在意識を操り、その人物の行動を操る魔法をしかけているのでそれにより作らされたか。

ちなみに最後になるがルーシィが両親に人形をプレゼントしてもらったとき、最初につけた名前は「ゴンザレス」である。
日蝕星霊編のクイズでも人形の名前は「ゴンザレス」が正解*3となっているので本名はゴンザレスということになる……。
まあ、すべての記憶を取り戻したルーシィが「ミッシェル」と呼んでいるし、わざわざ「ゴンザレス」と呼ぶのもめんどくさいので
ファンの間でも彼女の呼称は「ミッシェル」か「イミテイシア」が主流。



追記・修正は大切な人形のことを忘れない人にお願いします。
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最終更新:2023年06月02日 23:39

*1 思わずナツとグレイはその服を着て大分肌を露出した二人を想像した。なお、ナツがルーシィにスケベな妄想をする少し珍しいシーンでもある。

*2 ラポワントは自分がマスターゼロの分身であることを全く知らなかった。ちなみに声優が同じなので感づいた視聴者もいたと思われる。

*3 レビィは引っかかって「ミッシェル」と応えてしまい不正解扱いになった