社畜と少女の1800日

登録日:2021/07/30 Fri 00:00:55
更新日:2024/03/31 Sun 15:13:16
所要時間:約 15 分で読めます




『社畜と少女の1800日』は、2017年から2020年まで週刊漫画TIMESにて連載されていた作品。
作者は成人漫画に定評のある板場広志。
全13巻+アフターストーリー1巻。

概要

ハードワーカーの社会人男性が、母親の蒸発により転がり込んできた中学生女子を養うホームドラマ。
タイトル通り本編は中学2年~高校卒業の5年弱に渡る物語である。本項では「中学生編」「高校生編」と分類する。
社畜とついているように仕事の描写が多いのも特徴*1

「全員いい奴」というコンセプトでスタートしており、困難に見舞われることもあるものの、主人公が一貫して保護者目線で心強い理解者もいるためハードで重苦しい展開を引きずることは無く、読みやすい作品となっている。
性的な描写も含まれているが序盤の数回のみ、ヒロインとのそういった描写は一切ない。あったらアウトだよ。
また女性キャラのコーディネートにも力が入っている。あと特典のサービスカット。

あらすじ

桜が咲くある日の夜、アパート暮らしの独身中年サラリーマン東根将彦の部屋に一人の女子中学生が現れる。
少女の名は君島優里、東根とは半年前に一度会ったきりの高校時代の級友君島里美の娘であった。
彼女に泣きつかれた東根は「母親が迎えに来るまで」と一時的に優里を住まわせることを請け負う。

登場人物

  • 東根将彦
本作の主人公。推定35歳前後のアラフォーだが、アラサーに見える童顔の独身男性。
ゲーム会社に勤めており、会社と自宅を往復するだけの生活を続ける無趣味人間だったが、
母の書置きを頼りに来訪した優里と同棲生活を送るようになる。
内外ともに面倒見が良い性格で、優里と暮らすまでは入社以来休んだことが無かった。
会社のベテランである彼に助けられた同僚も多く、その分残業も日常茶飯事となっている。

当初はいずれ迎えが来るだろうという感覚で優里を保護していたが、里美の方から迎えの手紙を送ったにもかかわらず優里が放置された一件から養育を決意。改めて同居生活を送ることになる。


  • 君島優里
本作のヒロイン。1話時点で中学2年生の少女。小柄で黒の長髪、琥珀色の大きな瞳が印象的。
幼少時に母の料理中の事故で負った火傷の痕が肩にあり、水泳の授業などで露出する時はサポーターやスキンクリームで隠している。

父親不明の母子家庭で暮らしていたが、ある日母が蒸発。頼れる親族もおらず、自立するために中等教育を継続したい理由もあり東根を頼る。
年齢上保護者を必要とする自覚と立場的な負い目から早く大人になって独り立ちしたいと考えており、ワガママを言わず質素倹約を心がける清純極まりない性格。一方でこうと決めたことへの芯は強い。
新聞配達のアルバイトで鍛えられているため同年代と比べても体力はある部類。元々料理が苦手な母が事故後に料理を作らなくなった分、手料理も作れる。
ゲーム中はつられて体が動くタイプ。

母子家庭で家族愛の概念に疎いのもあってか異性への年齢的な抵抗は薄く、甲斐甲斐しく保護してくれる東根を次第に慕うようになる。たまに無自覚で漏れてる嫉妬と警戒の圧が怖い。
そういった成熟から同級生男子の告白を断った結果、一時は女子からのイジメを受けるが東根に支えられ、また優里を庇ったサキや頼子とは親友の仲となった。


  • 桐谷暢子(のぶこ)
東根の上司。鴨子(かもこ)ではない。
東根の後輩で年下でもあり、如才なく人使いの荒い上手い自信家。1巻特典によると社内で最年長の女性らしく、男所帯の会社であることが窺える。
序盤はエロも担当していたが、話が進むたびに性的な意味ではない方のデキる女としての描写が増えていった。
既婚者だが物語開始時には関係は冷えており、作中で離婚。

東根が社内に持ち込んでいた優里の三者面談の知らせ*2からカマをかけて早々に二人の同居を知り、第三者として忠告する立場に。優里とも面識を持つようになる。


  • 勅使河原梓
東根の姪。高校二年の学生で、唯一の叔父である将彦のことをマーくんと呼んでいる。
オタク気質の眼鏡っ娘で、絵が下手でなければ漫画家を志望していた。

明るく調子がいい性格で、東根の部屋に上がり込んだり空腹で話の腰を折っては食事をおごってもらったりしている。
優里ともすぐに親しくなり、夏には二人でコムケに参加していた。


  • ハナ
優里が拾ってきたノラ猫。
当初は里親を探していたが、優里を改めて養育するに際して正式に飼い猫となり、鼻の大きな黒斑からハナと名付けられる。
二人には特に懐いており、時折東根の顔の上に乗っかっている。


  • 高井沙耶
優里が通う中学の担任。優里以外で唯一単行本の表紙を飾っているエロ担当
三者面談の際におじとして現れた東根と初めて顔を合わせ、私的な場でも知り合いとなる。
その後、体育祭中に優里が捻挫してしまったことで落ち込んでいたところを自宅まで介抱され、酔った勢いから体を交わす。この際にいい歳して処女なのを気にしていた。

その後は結婚を意識した交際をするようになる。
しかし優里が独り立ちするまでの養育を優先する東根とのすれ違いから、それとなく二人を引き離す進路を優里に薦めるなど焦りを覗かせるように。
また、東根および優里の説明と人伝に聞いた話との親族関係の矛盾から次第に不信感を募らせていく。


  • 君島里美
東根の高校時代の同級生。美人で明るく人気者と、東根を含む校内中の男から好意の対象だった。
社会人になってからは本編の半年前に一度会ったきりだが、東根の母親伝いに知った住所から彼を頼るよう一人娘の優里に書置きを残して蒸発。
その後は迎えの手紙を東根宛に寄越すも当日現れない、実家の土地を売却して行方をくらます*3など不審な痕跡を残していく。



  • 内海サキ
  • 高嶋頼子
優里の同級生。サキは勝ち気で恋愛に興味があり、頼子はおとなしめで純朴なタイプの女子。
優里とは仲が良く、意中の同級生を振った逆恨みで彼女をイジメる女子グループから誘われた際は、逆にやりこめて撃退した。
将来の夢はサキが美人女社長、頼子がキャビンアテンダント。


  • 浅岡春太
優里の同級生。スポーツが得意な男子。
体育祭前に足を痛めたため優里との二人三脚で出場。結果として優里が捻挫したことに責任を感じ、迎えに来た東根に謝る。


  • ナナ
東根の隣の部屋に住むギャル。
東根が出張している最中に家出してしまったハナを探す優里に協力した。
高望みするためよく振られる性格で、色恋沙汰には敏感。



追記と修正の1800日。

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最終更新:2024年03月31日 15:13

*1 日常描写の範疇であり、いわゆるお仕事ものほど深掘りされてはいない。

*2 ダメ元で桐谷に代役してもらおうかと考えていた。

*3 この際に同窓会にも出席していたが、東根とは入れ違いになっていた。

*4 架空の島。

*5 CGアクションを担当。ジャンルはなぜかアクションRPG。