クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦

登録日:2021/10/04 Mon 20:50:15
更新日:2024/01/28 Sun 22:28:14
所要時間:約 6 分で読めるゾ






父ちゃん母ちゃん

実はオラ、スパイです。


2011年4月16日に公開された、映画クレヨンしんちゃんシリーズ第19作目の作品。上映時間は107分。


監督は『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』の監督を務めた増井壮一が初登板。
脚本は児童小説や『機動戦士ガンダムSEED』などのアニメ脚本の経験がある小説家のこぐれ京(こぐれ今日子)が担当した。

今回は『ブタのヒヅメ大作戦』でもあったスパイアクションを前面に出しており、お下品ギャグを絡めたクレしんらしいアクション映画となっている。
ワイヤーアクション要素など著名なスパイ映画を意識したアクションがあったり、特に中盤以降はスパイモノらしく陰謀・裏切りといった要素も加わり、敵味方が入れ替わる作劇も特徴。

一方で野原家と対照的なゲストヒロインのレモンと両親の関係、家族愛、友情といった描写も描かれている。

しかしながら、過去の劇場版との矛盾点やキャラクターの名前かぶりなどがあり、その点で賛否両論の多い作品でもある。

【あらすじ】

ある日、しんのすけは道端に落ちていたアクション仮面マスクを被ると、
アクション仮面から正義の戦いを影で支える「アクションスパイ」に任命されたと言われ、エージェント・レモンと出会う。
しんのすけはレモンからスパイの手ほどきを受け親しくなっていくが、謎の男たちに攫われそうになるなど危険な目に遭遇する。
そんな中、野原一家はレモンの仲間に眠らされ、気が付くと飛行機の中に乗っていた。
レモンと共にある極秘研究所のパーティーに潜入することになったしんのすけは、恐るべき陰謀に巻き込まれていくが…!?


【登場人物】

〔野原一家〕

野原しんのすけ(声:矢島晶子
おなじみ主人公。アクション仮面に会うべくスパイとしての訓練を受ける。
色々な訓練を受けさせられた末、ヘガデル博士の研究所に潜入してメガヘガデルⅡを盗み出した。
しかし、全てはヘガデル博士と同じ体型(レモンの両親曰く「合鍵」)を利用されていたことを知り、レモンに辛辣な態度をとるようになるが、一人きりの彼女を助けるべく戦うことを決意する。

野原ひろし(声:藤原啓治
野原みさえ(声:ならはしみき)
しんのすけの両親。レモンが野原家に来た時には両親に会えないレモンを気遣うが、
しんのすけと共に拉致されてしまい、メガヘガデルⅡを食べさせられてしまう。
レモンとイツハラの協力で脱走するが、レモンを助けに行こうとするしんのすけを止められなかったため、イツハラが残していった特殊車で助けに向かった。

野原ひまわり(声:こおろぎさとみ)
しんのすけの妹。0歳児ながらメガヘガデルⅡを食べてしまい、破裂しそうになっていた。

シロ(声:真柴摩利)
野原家の愛犬。メガヘガデルⅡを食べさせられてしまう。

風間トオル(声:真柴摩利)
桜田ネネ(声:林玉緒)
佐藤マサオ(声:一龍斎貞友)
ボーちゃん(声:佐藤智恵)
レモンからしんのすけをスターとして訓練していると聞いて隠れて様子を見ていた。
しんのすけがジャガー&マッシュに拉致されそうになった時には、自分たちも芸能デビューすべく知らずに活躍した。
なお、エンディングでのキャスト順はシロと風間くんが同じ声優の為か、ネネちゃん、マサオくん、風間くん、ボーちゃんの順番になっている。


〔スカシペスタン共和国〕

スノモノ・レモン(声:愛河里花子)
本作のヒロイン。しんのすけの前に現れた少女スパイ。
アクション仮面のサポートをするアクションスパイの一人で先輩としてしんのすけを鍛える。というのは勿論でまかせ。
正体はスカシペスタンのスパイで、メガヘガデルⅡを盗み出すためしんのすけを利用していた。
無事任務を果たすも野原一家が拘束され、ナーラオ&ヨースルの目的を知って動揺。スカスペスタンを裏切り、しんのすけと共にメガヘガデルⅡを奪って逃走する。
両親からスパイとして厳しく育てられたため家族の愛情に飢えている模様で、野原一家との触れ合いが裏切りを決断させる一助となった模様。
事件解決後は両親と共にヘーデルナ王国へ亡命し、本来の金髪を披露した*1
また、「スノモノ・レモン」はスパイとしてのコードネームで、最後にしんのすけにだけ本当の名前を教えた。
余談だが、14年前の劇場版にもレモンという登場人物がいた(こっちはオカマ)。

イツハラ(声:なかじままり)
レモンのサポートをする家政婦。元ネタは『家政婦は見た!』の市原悦子。老け顔だがこう見えても20代。
実は作中最強のスパイで、「あら、いやだ」と言いながら見事にサポートをこなす凄腕。
最後の戦いではレモン側に付き、スカシペスタンの工作員たちを手玉に取っていた。
イツハラを演じたなかじままりはものまねタレントであり、市原悦子のものまねは氏のレパートリーのひとつである。

ライム(声:櫻井智)
プラム(声:堀内賢雄
レモンの両親。スカシペスタンに仕え、レモンをスパイとして厳しく育てている。
特に母親のライムはキツくレモンを叱っており、レモンが従順なのは彼女に愛されたいがためと思われる。
父親のプラムは逆にレモンへの愛情を垣間見せるが、ライム同様に国に従っている。
最後の戦いでは国を裏切ったレモンに戸惑うものの、プラムはレモンを攻撃する工作員たちに立ち向かう姿を見せ、
レモンが大量のメガヘガデルⅡを食べたと知った時にはライムもレモンへの愛情を見せた。

ニセアクション仮面(声:玄田哲章
名前の通りアクション仮面の偽物。
素顔は郷剛太郎に全然似ていないが、声は似ているためしんのすけはすっかり騙されてしまった。
一番最初の劇場版では、テレビを見ていたしんのすけはアクション仮面が偽物だと気づいたのだが。
国家元首である二人に給料が振り込まれていないので今すぐ貰えるか聞くあたり、割と大物なのかもしれない。

ナーラオ最高元帥(声:井上喜久子
ヨースル最高総統(声:川浪葉子)
スカシペスタンを支配する独裁者。
色白の方がナーラオで、色黒の方がヨースル。
2人ともかなりの巨乳と美脚を持つ美人だがこの手のキャラには珍しくしんのすけが鼻の下を伸ばさず、それどころか「おばさん」呼ばわりされていることから、それなりの年齢はいっている模様。
かつて普通のOLだった頃、オナラのせいで人生を台無しにしてしまい、復讐のためオナラミサイルを世界中に打ち込み、世界をオナラ臭くするテロを目論んでいる。
そのためにレモンとしんのすけを利用してメガヘガデルⅡを手に入れた。
最後はしんのすけとレモンにより、それまでの報いを受ける。

〔ヘーデルナ王国〕

ヘガデル博士(声:山野史人)
ヘーデルナ王国の科学者。体型はしんのすけと瓜二つで、若い頃は彼そっくり。
子供の頃、芋を食べるとオナラが出ることから芋と屁の関係を調べるうちに科学者となったらしい。
屁が地球温暖化の要因であることを突き止め、屁が出なくなる芋を開発していたが、手違いでメガヘガデルⅡを開発してしまった。
スカシペスタンがメガヘガデルⅡを狙っていることに感づいており、自分の体型と一致しないとロックが開かないセキュリティを施していたが、
「合鍵」であるしんのすけを利用され、スカシペスタンに嘘を吹き込まれていることを話しても聞く耳を持たない彼にまんまとメガヘガデルⅡを奪われてしまう。
メガヘガデルⅡが無くなったことについてはあまり気にしていらず、どんな味だったのかが気になっていた様子。

ジャガー(声:村上信五(関ジャニ∞))
マッシュ(声:大倉忠義(関ジャニ∞))
ヘガデル博士の助手の二人組。友情出演枠。
スカシペスタンがしんのすけを利用しようとしていることに気付き、しんのすけを保護しようとしたが、
それを拉致と勘違いしたかすかべ防衛隊とレモンによって妨害されてしまった。

【用語】

◇スカシペスタン共和国
レモンの出身国。国民は頭におしり二つの山型になった帽子を被っている。
またナーラオとヨースルが元首の位に就いていることなどから、女性の力が強いとされている。

◇ヘーデルナ王国
スカシペスタンの隣国。こちらは頭にタニシ芋を模した帽子を被っている。
なぜか国民は関西弁に似た喋り方をする。

◇メガヘガデルⅡ
ヘガデル博士が開発した強烈なガスを発生させる芋。見た目は芋羊羹*2そのもので、非常に美味。
一切れで腹が風船のように膨らみ*3、ガスの圧力で上昇するほどの屁を発生させる。
ナーラオとヨースルはこれをミサイルに詰めて世界中を屁で臭くするテロを行おうとしている*4

【主題歌】

主題歌はどちらも関ジャニ∞が歌っており、シリーズで初めてジャニーズ事務所所属のグループが主題歌担当となった。

◇T.W.L
OP。

◇イエローパンジーストリート
ED。


追記修正は芋を食べてからお願いします。

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最終更新:2024年01月28日 22:28

*1 この時の目は碧眼であり、それまでの緑色の目はカラコンの黄色と混ざってそう見えていたのだろう。

*2 ちなみに開発者であるヘガデル博士は芋羊羹の存在自体知らない

*3 人体に影響は無い

*4 物理的な話をすると本質はガスであり、濃縮してミサイルで突っ込ませた時点で爆発し臭いどころの騒ぎではなくなると思われる。