クレイド(メトロイド)

登録日:2021/10/09 Sat 01:07:12
更新日:2024/02/04 Sun 20:34:54
所要時間:約 8 分で読めます






クレイドとは『メトロイド』シリーズに登場する敵キャラクター。

登場作品数は然程多くないが、リドリーと双璧を成すシリーズを代表する名物ボスの一体である。




●概要

惑星ゼーベスに存在する最大級の怪獣。
リドリーと同じくスペースパイレーツの一員で、クレイドはその幹部を務めているとされる。
ただし、狡猾な知能を持つリドリーほど頭は良くない……というよりも、そもそも知性自体あるのかすら不明である。
そのため、幹部というよりはただ単にパイレーツが操る生体兵器を拠点防衛に使ってるだけなのではという説がある程。

特筆すべきはサムスの数倍もの大きさを誇る巨体で、公式資料によれば身長はおよそ29フィート(8.8メートル)。『メトロイド』シリーズの敵キャラの中でも屈指の大きさを誇る。
その他外的特徴として、真っ赤に光る3つの目と鋭い爪と牙、頭の側面に生えた斧状の角もあって、その姿はまさに多くの人が想像する直立二足歩行の怪獣そのもの。
しかしながら2本指の前足は未発達なのか、ヒョロヒョロでまるで木の枝。

腹部はでっぷりとしていて見た目通り動きは鈍重。
腹部に空いた3つの縦穴からは棘状の何か*1をミサイルの如く発射したり、
手の爪をブーメランの様に飛ばして攻撃する能力や口から小さな岩を吐くといった攻撃手段も併せ持つ。

鱗状の皮膚は非常に頑丈であり、サムスの攻撃は全く寄せ付けない。
唯一の弱点は目にチャージビームやミサイルを撃ち込むことで開く「口の中」であり、そこにビームやミサイルを叩き込むことでダメージを与えることが出来る。
特にスーパーミサイルには弱く、『スーパー』や『ゼロミッション』でのクレイド戦までに入手していればたった3〜4発撃ち込むだけで撃破できてしまう。


ゲーム終盤のボスとして配置されることの多いリドリーに対して、クレイドは逆に序盤〜中盤のボスで登場する機会が多く、総合的にはあまり強い部類のボスではない。(逆にいえばコイツを軽く捻れるようになれば慣れてきた証拠と言えるかもしれない。)
しかし、ルート構築の自由度の高い『メトロイド』シリーズにおいて「倒さないと最終エリアまで進めないボス」という重要な立ち位置には変わりなく、
基本的にクレイドをスルーしてゲームクリアというのはバグ技でシーケンスブレイクでもしない限り有り得ないと考えていい。


ちなみに「偽クレイド」という小型のクレイドも登場するが、クレイド本人との関係性は全くの不明。
クレイドの幼体とも分身とも言われているものの、真偽は未だ闇の中である。


●作中の活躍

メトロイド

初登場作品。
リドリーと共に中枢・ツーリアンへの道を塞いでいるボスとして登場。
この頃はまだ設定が定まって無かったため、体の大きさはサムスと同程度で、攻略本で確認できる公式イラストでは毛むくじゃらな見た目だった。
スペースパイレーツのキャラ背景等もまだ無かったが、「ブーメランの様に飛ばす爪」と「腹部から発射する棘」といった攻撃は既に健在。

なお、クレイドのいるフロアまでの道中で流れるBGM*2は不気味さと美しさが混じった曲調から異常なほど人気が高く、『ブリンスタ』と並ぶシリーズを代表するBGMの一つに数えられている。特に海外ファンからは今なおアレンジがかなりの頻度で投稿され続けており、名曲の多いメトロイドの楽曲の中でもその人気の高さがうかがえる。
動画サイトで『Kraid's Lair』と検索すればそのアレンジ数の多さに驚くだろう。
ジャンルもピアノソロ、オーケストラ、電子音、メタルと様々で、正統派なものからアレンジャーのセンスが爆発した奇抜なものまで多岐にわたる。
あくまでクレイドの待ち受けるフロアまでの道中で流れる曲であり、クレイド自身との戦闘曲ではないのだが、その人気のせいかファンにはクレイドのテーマ曲して広く認知されている。アレンジ動画のサムネを見るとほぼ必ずクレイドのイラストやSSが使われているのがその証左と言えるだろう。
因みに戦闘時のBGMはリドリー戦およびツーリアン(マザーブレインのいるエリア)と共用。


スーパーメトロイド

本作にてキャラデザインや設定が確立され、現在のクレイド像が出来上がる。

再建された中枢・ツーリアンへ向かうために倒さないといけないスペースパイレーツ四天王の一体として登場。
その中でのクレイドはブリンスタの最深部にて待ち構えており、順当に進めていけば最初に対峙する幹部となる。
上記無印のものとは違うが、こちらのBGMも2種類ともに人気が高く、特に道中で流れる「赤土湿地エリア」はスーパーメトロイドのみならずシリーズ全体から見ても屈指の名曲と名高い。こちらもやはり海外ファンからは今なおかなりの頻度で多数のアレンジ版が生み出されている。動画サイトや音楽系の投稿サイトで『metroid remix』と検索してみたらこの曲のアレンジばかりが検索結果に並ぶ光景はザラ。
公式でもその人気を把握しているのか、別作品の水中・湿地帯のステージでアレンジされて流れることも多い。現行最新作のドレッドでは、ステージではなく中盤のとあるイベントで使用されるのだが、雰囲気にとてもマッチしているのがまたニクい。
戦闘BGMはクレイドの巨体にマッチした重量感たっぷりの低音と、パニック映画を思わせる騒々しいリズムが操作に慣れていないプレイヤーの不安を掻き立てる。クロコマイヤーやファントゥーンも共用。

最初は地中から上半身のみを出すが、ダメージを与え続けるとやがて全身が出現。
弱点である口内に攻撃を当てる為には、空中に設置された足場を乗り継ぐか、腹から発射される棘を足場にして上へと登る必要がある。

撃破すると床の棘が消えて先へと進める様になり、「バリアスーツ」が獲得できる。

上記の通り口を開かせてスーパーミサイル数発で倒れるため、スーパープレイでは全身お披露目の間もなく沈んでいく光景がしばしば名物にされている……。*3


メトロイドゼロミッション

ブリンスタ深部の「クレイド」にて待ち受ける。
基本的にリメイク前と変わらない扱いだが、デザインと戦闘BGMは『スーパー』準拠に変更。
戦闘開始時にはサムスの前に立ち塞がる短めのムービーが挿入されたりBGMもアレンジとはいえ専用のものだったりと大ボスらしい貫禄がついた……かも。
戦法や弱点も『スーパー』と変わらないが、時折前足で引っ掻き攻撃を行い、サムスを高所から突き落としてくる。
落とされると、普通は棘ミサイルを足場にして戻ってこないといけないので少々面倒。

撃破する事で奥の部屋へと進める様になり「スピードブースター」が獲得できる。


メトロイド ドレッド

『ゼロミッション』以来、実に17年振りの再登場。
カタリス深部の溶岩地帯にて、どういう訳か首と両腕を強固な拘束具で繋がれ身動きが取れない状態になっていた。
意外な所で見知った顔との再会にサムスは一瞬足を止めるもののそれ以上特に驚きもせず、満足に動けないクレイドに対して、
取り敢えずノーリアクションで口内へチャージショットをブチ込んだ。ひでぇ。

弱点は変わらず口の中だが、ある程度ダメージを与えるとクレイドの左腕の拘束具が外れてサムスの足場が破壊され足元に落とされる。
後半戦は一箇所だけ膿んでいる腹部の穴へと攻撃し続けることで痛みでクレイドが暴れてリフトが起動し、
そのリフトを使用することで部屋の上部に戻って再びクレイドの口内を攻撃できるようになる。
過去作同様に棘ミサイルを足場にして上がることも可能。

またクレイドと戦う部屋には何故かモーフボールランチャーが設置されている。
通常、クレイド戦時点ではボムを持っていないため利用できず、ボムを入手してから戻ってきても勢いよく溶岩にダイブしてしまうだけで何の役にも立たないように見えるが・・・・・・?

撃破すると先へと進めるようになり、「ディフュージョンビーム」が獲得できる。



なお、よく見ないとわかりづらいが、今作のクレイドのモデリングには後脚と尾が付いていない。
ただし、後脚の付け根に相当する部位には自然な模様がついているので、
クレイドの生態としての設定変更というよりは、常に半身をマグマに沈めている関係上、単純に後脚や尾を描写する機会がなかっただけと思われる。

メトロイドプライム

登場しない……が、開発段階では「フェイゾンマインズ」エリアの大ボスとして登場させる案があった模様。
実際にボスとして登場したオメガパイレーツが見上げるほどの巨躯を誇るのはその名残かもしれない。


●外部出演

大乱闘スマッシュブラザーズDX

ステージ「ブリンスタ深部」の背景兼“やくもの”として登場。
試合開始早々に背景の溶岩の海から轟音を立てながらゆっくり姿を表し、時折爪で足場を引っ掻いてステージを回転させてしまう。
明らかにスケールが『スーパー』の頃より大きくなっており、どこか物々しいステージの雰囲気も相まって迫力はかなりのもの。
デザインは少し簡略化されており、特に目の色が赤から白に変わってよりクリーチャー感が増した。
原作以上にワニっぽい顔付きになっているので、まるでクレムリン軍団の一員である。

ある意味本編以上にクレイドの知名度を上げた作品。
原作を知らずとも「スマブラのメトロイドのステージの背景に出てくるデカイ奴」と言えばクレイドの事はプレイヤー間で大体通じる。
少なくとも『DX』まではリドリーよりもクレイドの方が『スマブラ』で輝いていたことは間違いない。


大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

その後長らく『スマブラ』にはお呼びが掛からなかったが、「ブリンスタ深部」が復刻収録された事に従ってクレイドも再登場。
何ら変わりない行動パターンだが、デザインは『スーパー』準拠に変更されてより原作に近い見た目に変わった。

スピリッツ」ではマスタースピリットとして攻撃力・防御力が大幅に上がるが機動力が著しく低下する「重戦車流」の道場を開く。
一応テキストでのセリフも用意されているが、「ギャルルル……」といった感じで獣の咆哮しかあげない。
そんな状態で本当に教えられているのか…?



腹から棘を発射できる人は追記・修正お願いします。


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最終更新:2024年02月04日 20:34

*1 書籍や媒体によって「棘状の寄生生物」「爪」「角」「触手」と全く統一されていない。

*2 日本では『ブリンスタ深部』『小ボスの部屋Ⅰ』、海外では『Kraid's Lair』という名称で呼ばれる

*3 この時に画面のスクロール等が微妙にバグるが、部屋を出入りすれば直るのでプレイに支障は無い。

*4 全体のデザインは、クレイドを中心にそれまでのボスクリーチャーを融合したような姿になっている。