逆転世界ノ電池少女

登録日:2021/11/05 (金曜日) 23:34:40
更新日:2024/01/22 Mon 22:11:44
所要時間:約 5 分で読めます





取り戻すんだ!僕たちの世界を!


『逆転世界ノ電池少女』はLerche制作による日本のテレビアニメ作品。2021年10月よりAT-Xほかにて放送中。



■概要

近年では珍しいSDロボットアニメで、令和が訪れなかった架空の時間軸の占領下の日本でサブカルを護るために戦う電池少女たちの戦いを描いている。
サブカルをテーマにしているだけあって本編の展開もロボットアニメは勿論、アニメや特撮のパロディも多い。
監督は安藤正臣、シリーズ構成は上江洲誠、キャラクター原案は渡辺明夫が担当。
コミカライズも連載されており、作者はレフトハンド氏。
またカクヨムでは『Fate/Grand Order(劇場版)』などの脚本を担当した小太刀右京氏が前日譚である『逆転世界ノ電池少女 伽藍戦記』が連載されている。
こちらは骨太な架空戦記となっておりアニメとのギャップを感じること請け合いである。
2021年秋には『マブラヴ オルタネイティヴ』だけでなく本作品も含めて『サクガン』や『メガトン級ムサシ』『境界戦機』、そして中国発のSFアニメ『闘神機ジーズフレーム』など6作品もロボットアニメが放送されており*1スパロボでの出演を期待する声も多い。

■あらすじ


2029年、日本は並行世界の日本、「真国日本」により属国「幻国」として支配されていた。
真国より派遣された真誅軍は武力支配を行いつつアニメやアイドルといったサブカルチャーを激しく弾圧し検閲を加えていたがそれに立ち向かう者たちがいた。
サブカル文化を守り独立を目指す解放軍「アラハバキ」である。巨大ロボ「ガランドール」とロボットを動かす電池少女を中心として戦いを挑む中、特区歌舞伎町で戦いに巻き込まれたヒロミチはパイロットとして電池少女とともに戦う事となる。

(公式より引用)



■用語


  • 真国日本(しんこくにほん)
天変事変により上空に突然現れた異次元の裂け目から現れた天地逆転が逆転した異世界の日本。
現行兵器を無効化していく「幻霧」と呼ばれるガス兵器、そして「伽藍」と呼ばれる巨大人型兵器を用いて現代日本を征服し、真誅軍を派遣して占領下においている。
世界大戦に勝利した日本のようだが、陰陽道や身分制度の有無や時刻は十二時辰を用いているなど実際の昭和とは異なる模様。

  • 天変事変(テンペンジヘン)
2019年に真国日本と現代日本が繋がったこととそれに伴う侵略のこと。

  • 真誅軍(シンチュウグン)
真国日本から派遣されてきた教導組織(という名目政治的に厄介な軍人たちをまとめて送っているようである。)。
進駐軍として反乱鎮圧に加え漫画やアニメ、アイドルと言ったものを検閲しており所持しているだけで逮捕するなど圧政を敷いている。
一方でこの手の作品としては「同じ日本人」という意識があるためか強制労働させたり被差別階級に置いたりと言うことは(表向きは)していない。
各地に鳳凰をモチーフにしたオブジェを置いており、占領の象徴となっている。
指揮官クラスはカスタマイズされた伽藍を保有しているがたびたび整備不足で撤退している。

  • 幻国(ゲンコク)
真国の植民地となった日本。
特別許可証が無い場合は夜間の外出を禁じられているらしく、コンビニも24時間営業ではなくなっている。各地には鳳凰のオブジェが置かれているほか、「富国共栄」など標語が貼られているほかインターネットも禁止されており闇ネットが主流になっている模様。
サブカルチャーの所持や真国に逆らったものはお台場の収容所に連れていかれるらしい。

  • アラハバキ
真国日本からの解放と、サブカルチャーの復活を掲げるレジスタンス組織。
廃墟となった秋葉原を拠点にしており、摘発を避けるためメンバーや住民は仮面やマスクを着用している。
整備員や地下施設を備えるなど地下組織らしからぬ規模を持っているが戦闘能力は(レーザービームを放つ自由の女神を除けば)「伽藍」を基にした巨大人型兵器「ガランドール」に左右されている。
そのためか神田川の最終防衛ラインはいつも突破されている。
おそらく名称は秋葉原のもじりとまつろわぬ民たちの神とされる「荒脛巾神」からか。

  • 海帝ザバーン
真国日本侵略以前に原寸大立像が製作されるなど人気を博したロボットアニメ。
ザバーン(CV:緒方恵美)が地上侵略をたくらむ故国である「海底帝国」を離れ裏切り者の汚名を背負いながら巨大ヒーローとなって地上の正義のために戦うというどちらかと言えば特撮に近い。
現在は検閲され視ることができないが赤城りんの精神的支柱作品であり、テーマソングは細道の着メロとして着用している。

  • 幻霧(ゲンム)
真誅軍が散布するガス状物質。この物質の散布下では航空機やミサイルなどが飛行できなくなることから、伽藍およびガランドール以外の兵器が実質無力化された。要するにミノフスキー粒子

  • 伽藍(ガラン)
真誅軍が使用するSD体系の主力巨大人型兵器。不安定で暴走の危険性があった「0式」を基に起動条件を「愛国心」に限定することで兵器として扱いやすくしたもの。そのため基本構造はガランドールと共通で、背部にガランドールと同型の円筒状コックピットユニットが突き出ている。
基本的に飛行能力はないため移動の際には飛行船などを用いている。

  • リボルバー電池
終盤に登場するガランドールの新システム。通常なら一人載りの所を三人同時に乗り込みタイプを変更できる。
いうなれば「女の子を取っ替え引っ替える」システム。

■主な登場人物


▲アラハバキ

  • 久導 細道(くどう ほそみち)
CV:山下誠一郎
この物語の主人公。未成年かつ歌舞伎町にて裏営業のホストで働いていると言うヤバイ背景を持つ少年。
顔も良くホストとしての人気はナンバーワンだが、視力が著しく悪くそれでトラブルになったことも。
占領下の日常生活に加え巨額の借金を両親によって背負わされ明日も知れぬ生活を強いられていることもありスレていて自分が助かることをモットーとしている。一方で「このままでは終わりたくない」という思いを秘めており、他者を思いやる気持ちを失っているわけではない。
過去に謎がありザバーンの制作者の名前に反応したりCD化されてないアイドルの音源を知っていたりしている。
リンに助けられ共闘したことでなし崩し的にガランドールのパイロットとして戦っていくことになる。

  • 赤城 りん(あかぎ りん)
CV:ファイルーズあい
アニメや特撮を愛するアラハバキ所属の電池少女。
特に『海帝ザバーン』というヒーローアニメを愛しており、ヒーローの模範として指針としている。
明るく元気で仲間を護ると言う意志も強くスタッフたちからの評判もいいが戦闘中もザバーンの台詞を引用したり王道のシチュに盛り上がるなど重度のオタクでパイロットスーツも着こむほど。
細道の擦れた言動に反発しつつも『海帝ザバーン』を知る彼に特別なものを感じている模様。
コミカライズ版では主人公を務めており、普通の女子高生だった彼女がアラハバキのメンバーになるまでが描かれている。

  • 蒼葉 夕紀(あおば ゆき)
CV:鈴木愛奈
占領下で摘発される危険を冒しながら地下アイドルグループ・ラビットフットで活動している少女。
「日本最後のアイドル」を自称しており秘密基地や戦場にまで押しかけプライベートも監視する熱狂的なストーカーファンがいる。
(この手のアイドルキャラクターらしく)性格は表裏が激しく打算的で、アイドルのときのテンションと素の姿で口調も変わる。俗なところも多いがアイドルへの思いは本物で幼少のころからアイドル蒼野ユキコ(cv:霧島若歌)に憧れている。そのため真誅軍への敵意は人一倍強い。
何気にメインキャラクターの中では明確に家族の存在が明言されている。

  • 黒木 ミサ(くろき ミサ)
CV:井澤詩織
レトロゲームが好きな少女。デジタルガジェットに精通しており、『ワードニャ』と呼ばれる天才ハッカーの肩書も持っている(おそらくワードナのもじり)。
ダウナーな感じの引きこもり幼女だがテンパったり気勢を上げるときは猫っぽくなる。
父親がいなくなって以来引きこもりとして生活していたが、鵜飼によりアラハバキに連れてこられて以降行方不明になったが情報屋としては協力しており第一話でもワードニャとして細道の情報を探り当てている。

  • バルザック山田(バルザックやまだ)
CV:杉田智和
「アラハバキ」の司令官。サングラスを常にかけたハイテンションな男性。
やたらと思わせぶりな言動をしながら戦闘の指揮を執る(ぽい)。自称コマンダーバルザック。
次回予告のタイトルコールも務める。
細道の先代ガランドールパイロットであったらしい。
スタッフ曰くモデルは「鳥坂先輩」とのこと。

  • 神楽坂 ミミ(かぐらさか ミミ)
CV:豊崎愛生
「アラハバキ」の技術を担当をする思わせぶりな謎多きお姉さん。
ガランドールのメンテナンスや新規開発、電池少女らの世話も兼任しておりアラハバキにはいなくてはならない人物。
バルザック山田とは腐れ縁らしくたびたび親しげに会話しており、風呂場で裸を見られても動じていない。
かつてはコスプレイヤーの電池少女だった疑惑がある。


  • 鵜飼(うかい)
CV:松田健一郎
筋肉マッチョなガタイのいい男でどう見てもその筋にしか見えない。珍しいオタクアイテムの調達から電池少女らの捜索戦闘まで、全てをこなす何でも屋。左肩のタトゥーはなぜか毎回かわる。
詳細不明ながら何らかのオタクで真誅軍のことには銃を持ち出すくらい怒りを抱いている模様。。

  • 田中ナスターシャ(たなかナスターシャ)
「アラハバキ」のリーダーを務めるゆるキャラみたいな着ぐるみで幹部以外の構成員は彼女(彼?)を模した仮面やフードを身に着けることになっている。
コミュニケーションは取れるようだが基本的に喋らないのでバルザック山田が代弁しており、口からお金を出すことができるがどういう原理かは不明。

  • 宗方 安寿(むなかた あんじゅ)
CV: 福地教光
細道の身元引受人兼借金相手。特区歌舞伎町で裏ホストクラブを経営していたその筋の人間でいろんなところに顔が利くらしい。事ある毎にに細道より借金返済を迫り、真誅軍に店を加配された後は細道をアラハバキのパイロットにしてしまう。
ホストクラブの経営者だけあって女性にも興味があるようだが金が第一で公式HPでも汚い大人呼ばわりされている。

  • メガネ、キャップ、ポチャ
CV:水島大宙(メガネ)
CV:葉山翔太(キャップ)
CV:金子隼人(ポチャ)
「アラハバキ」所属の3人のオタクメカニック。
田中ナスターシャの覆面をいつも着用しており素顔を見せることはない。電池少女らのファンでもあり、細道に対し、リア充気質の「ホスト」という出自と、電池少女とマッチングが可能なことから嫉妬したり悪態をついたりするのが恒例となっている。
他にも同じ姿の整備スタッフがいる。

  • オペ香
CV:藤井ゆきよ
メイドやウエイトレスの姿をしたオペレーターたち。
LDとかはわからない世代。

▲真誅軍


  • 東雲 アカツキ(しののめ アカツキ)
CV:寺島拓篤
真誅軍大佐にして三代目司令官。
軟弱になった幻国の日本国民を救い、両国を統一したいといった理想を揚げており支配下にある幻国民に対しても「同じ日本人」と丁寧な態度をとっているなど穏健派。反面軍事支配については疑問に思っていない。
搭乗機は専用伽藍である「鳳凰」。
基本的に真面目な軍人だが、
  • 部下に良く独断専行される。
  • アラハバキの基地まで自ら出向いてわざわざ整備中の伽藍を用いて空を飛んでいるように見せかける
  • ハニワの人形に嵌る
  • 上層部から占領の遅れを指摘された時の秘策が「自らマラソン大会に出場し住民の心をつかむ」
ボケも多い。
なおアラハバキに呈して「空想に夢中になってないで目を覚ませ」(要約)と言うなどアニヲタにとっての禁句を放ったことも。

  • 真神 ハヤテ(まかみ ハヤテ)
CV:日高里菜
手裏剣のような髪飾りを付けた忍者のような装いの伽藍搭乗員。真誅軍将校武家の出。
生真面目活初心でアカツキには忠誠を誓っているものの、乙女心が暴走してトリップすることも。
後にアラハバキでお互いの立場を知らずリンと仲良くなるのだが……。
搭乗機は専用伽藍である「白狼」のほか、白色の「狛戌」。

  • 佐斯神 ムサシ(さしがみ ムサシ)
CV:藤井ゆきよ
真誅軍の軍人。家柄としても軍人として才能の全てにおいて恵まれているようだが、好戦的で強者との戦いが好きと言うおっかないお姉さん。裏設定ではアカツキの幼馴染らしく時折彼を気遣う発言もしている。
搭乗機は専用伽藍である「龍姫」。

  • 神水流 ヤクモ(かみずる ヤクモ)
CV:下地紫野
陰陽師の血を引いている真誅軍のメカニック担当の巫女服のじゃロリ。
おもに参謀っぽいポンジョンについており、アカツキとも対等な口をきいている。
破廉恥な幻国の文化は苦手らしく第一話でエロゲーと口にしてしまっているBPOににらまれますよ
第七話でコスプレしてダンジョンに侵入したもののエロフィギュアを目撃したりダンジョンに住んでいた
オタクに拝まれたりするなどひどい目にあった。
搭乗機は専用伽藍である「万亀」。


■メカニック


  • ガランドール
アラハバキが保有する主力兵器。
「神魂注入発動機 零式」と呼称されていた伽藍のプロトタイプ
普段は白いフレームむき出しの機体で、背部には電池少女が搭乗する円筒状のコックピットブロックが突き出ており射出が可能。
基本的に操縦者と電池少女の二人で操縦するのが原則で、搭乗している電池少女によって形態や性能が変化する。

  • シャーク1
赤城りんがが搭乗するときの形態。随所に鮫を模した姿が特徴の近接戦闘機。
途中で二刀流になり、「ファング」もう一つはホソミチが命名した「アギト」を装備している。
VRコクピットの背景は海中、もしくは2人乗りのコックピット

  • ラビット2
蒼葉夕紀が搭乗するときの形態。ときめきエンプティが足りない時はウサギの着ぐるみをロボットにしたような形状をしておりこれと言った武装はない。
真の形態は擬人化されたウサギの獣人の姿をしている。(やっぱり『キャッ党忍伝てやんでえ』を連想した人も)空中飛行が可能でサイリウムをビットのように飛ばしたり高出力のビームを放つことが可能。反面接近戦武器は見受けられない。
VRコクピットの背景はアイドルのステージで歌いながら戦うことになる。

  • キャット3
黒木 ミサが搭乗するときの形態。素体に猫の要素を付けた気体で、モニターに絵文字のような猫の顔がついている。素体のみでは他のガランドールに全ての面で劣るが、コタツ型増加装備ユニットとの合体形態「キャット3(CT²)」が火力、防御力において他のガランドールを圧倒する。なお(CT²)はコタツ(COTA2)の略。

真誅軍伽藍

  • 狛戌(コマイヌ)
真誅軍の主力量産機。
擬人化された鎧を着た犬と言った形状で犬のように鳴くことがある。
なお視聴者の中にはヤッターワンや『キャッ党忍伝てやんでえ』を連想した人も多いとかなんとか。基本的に刺股や銃などを装備している。

  • 白狼(ハクロウ)
ハヤテ専用伽藍。狛戌をさらに重装備にしてブースターなどをつけており、機動力やパワーは段違い。収納可能な光輝く白と赤の二振りのの刀に加え尻尾でも戦闘可能など接近戦に特化している。
おそらく隠しモチーフとして四聖獣の白虎。

  • 鳳凰(ホウオウ)
東雲アカツキ専用伽藍。鳳凰をあしらった装飾がなされた鎧武者のような外見でカラーリングは赤基調。
左右型部と腰部アーマーにファンネルのような遠隔武器「鳳仙花」を所持している模様。
おそらく隠しモチーフとして四聖獣の朱雀。

  • 龍姫(リュウキ)
佐斯神ムサシ専用伽藍。
龍のような構造物を羽衣のように身に纏うグラマラスな天女のような外観で、カラーリングは紫基調。右腕アームカバー部に鞭を内蔵するほか、左腕アームカバー部に高出力ビーム砲「龍砲」を搭載している。
おそらく隠しモチーフとして四聖獣の青竜。

  • 万亀(ばんき)
神水流 ヤクモ専用伽藍。
他を圧倒する巨大伽藍で運ぶ飛行船三隻が必要。重装甲重火器で内部武器も多い。
実は内部にコアユニットの伽藍千鶴がある。
おそらく隠しモチーフとして四聖獣の玄武。

■余談


◆第六話
貼られているポスターはLarche(ラルケ)制作のアニメのパロディによるもの。
  • フグの述懐(クズの本懐)
  • 国士無双の満漢全席(最弱無敗の神装機竜)
  • ハクサイとミンチ(ハクメイとミコチ)

◆第七話
  • ミサと細道がやっていたゲームはジョイメカファイトが元ネタ。
  • 武器屋はかつて秋葉原に合ったお店。現在は池袋にある。
  • 正規のパーティーは六人と言うのはウィーザードリィからか。
  • ふたつでじゅうぶんですよ!
  • 石丸電気やサトームセンはかつて秋葉原にあった。。
  • 貨物を動かす場面のドット絵は倉庫番だと思われる。


サブカルチャーを護ろうと言う同志の方は追記修正お願いします。

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最終更新:2024年01月22日 22:11

*1 何の因果かサクガンを除き世界や日本が危機になっているものも多い