ヴァン・ゴッホ(Fate)

登録日:2021/11/09 Tue 03:11:41
更新日:2023/12/31 Sun 03:22:02
所要時間:約 8 分で読めます







一緒に世界を塗り替えましょうね。
な、なんちゃって、ウフフ、エヘヘ……


Fate/Grand Order』に登場するサーヴァントの1人。
クラスはフォーリナー
イベント『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル ~ノーチラス浮上せよ~』で期間限定サーヴァントとして実装された。

ILLUST:きばどりリュー
CV.高橋花林

身長:140cm
体重:39kg
出典:史実
地域:欧州
属性:混沌・悪
性別:女性


◆ステータス

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
E B C A D A+


◆スキル

○クラス別スキル
領域外の生命:A
外なる宇宙、虚空からの降臨者。
邪神に魅入られ、その権能の片鱗を身に宿して揮うもの。

狂気:C
不安と恐怖。調和と摂理からの逸脱。
周囲精神の世界観にまで影響を及ぼす異質な思考。
ゲームにおける効果は狂化と同じ。

道具作成:B-
魔力を帯びた器具を作成可能。

神性:B+
外宇宙に潜む高次生命の“門”となり、強い神性を帯びる。
世界像をも書き換える計り知れぬ驚異。その代償は、拭えぬ狂気。

向日葵の呪い:A
陽光に焦がれた者を蝕む自罰の呪い。
彼女が自殺しようとした場合、それは『開花に転換される』。*1
要するに「死にたくても死ねない」スキルであり、このスキルある限りゴッホが自ら命を断つ事は決してない。

○保有スキル
虚数美術:B+
虚数生まれのサーヴァントとしての特質と、独自の美術的視座を持ったゴッホの画才が融合したスキル。
虚数魔術と似て非なる独自理論体型の技術で、ゴッホの絵画を再現しその象徴を解釈することで魔術的現象を具現化させるという。

澪標(みおつくし)の魂:B
その二律背反の魂が、「身を尽くす狂気」により共鳴し転じたスキル。
呪詛として現れる狂気を吸収して己の力とし、その力で他者を導く。

◆宝具

○『星月夜(デ・ステーレンナフト)
ランク:EX 種別:対人宝具


描かなければ。

星空の下、死と生を超えゆく糸杉を。
信仰、ロマン、トロンプ・ルイユの彼方。

永劫より星の渦もて、君に握手を贈ろう。星月夜(デ・ステーレンナフト)


精神を患いサン・ポール療養院に入院していたゴッホが、入院している部屋の窓から見える日の出前の村の景色を描いた幻想的な絵画『星月夜』。
後のゴッホは制作背景について「今朝、太陽が昇る前に私は長い間、窓から非常に大きなモーニングスター以外は何もない村里を見た」と語っている。

発動するとキャンバスから人智を超えた世界観があふれ、固有結界を形成し、現実を侵食する。
直視すると何かしらの悪影響がある宝具らしく、使用時にはマスターの視界を塞いでいる。



私は描かなければ。

外は黄色で中が白、陽光あふれるこの部屋で、仲間とともに希望の図画を。
影無き地、ミストラルを遮る暖かな壁の中より、あえかなる友誼の望みとともに、君に握手を送ろう。

家とその住まう(ともがら)、街路。『黄色い家(ヘット・ヒェーレ・ハイス)

○『黄色い家(ヘット・ヒェーレ・ハイス)
ランク:A+ 種別:対軍宝具
ゴッホが南フランスのアルルに住んでいたころに借りていた家「黄色い家」を再現した絵画。
この家がゴッホの才を開花させる転機となり、ゴッホの夢の破綻の舞台ともなった。
バフとデバフを両立した支援系宝具で、敵に対しては南フランスを苛む風・ミストラルの嵐を、味方に対しては手厚い加護を与える。が、この加護を浴びた味方はセットで呪われてしまうデメリットがある。

本来は宝具だが、FGOではスキルとして扱われている。


○『タンギー爺さん(リュ・ぺー・タンギー)
ランク:? 種別:???
貧しい画家たちの支援を行いゴッホも世話になっていたというパリの画商ジュリアン・フランソワ・タンギーの肖像画。
発動すると描かれた老人や各種題材が動き出し、ゴッホ自身やその味方を助けてくれるというが、やはり発動時にはマスターの視界を塞いでいる。


◆史実におけるヴァン・ゴッホ


本名「ヴィンセント・ヴィレム・ヴァン・ゴッホ」。
19世紀オランダで活動していた後期印象派画家であり、美術の教科書には必ずと言っていいほど彼の作品が掲載されている。

明暗のはっきりした厚塗りのような画風が特徴で、炎のように激しい色合いの絵を得意としたことから「炎の画家」の異名がある。絵画自体も見る者を絵の中に引き込むような迫力溢れるものが多い。
一部はFGOにも採用されており、「星月夜」(宝具攻撃のときに出てくる絵)、「糸杉と星の見える道」(第二再臨~でEX攻撃の時に出てくる黒っぽい絵)、「花咲くアーモンドの木の枝」(第二再臨~でEX攻撃の時に出てくる横長の絵)などがそれである。


模写の題材と言えばゴッホのひまわり、と言われるほどの世界的巨匠として知られているゴッホだが、その生涯は壮絶の一言。
そもそも絵が人気になり売れるようになったのは彼が死んだあと。つまり、生前は描いた絵について世間から一切評価してもらえなかった
画家としての収入ももちろん一切ないので、生活は画商を営む弟・テオドルスからの仕送りに完全に依存しきっており、弟にヒモ(?)として養われながら絵を描き続けたというのが画家ゴッホの実情である。

生まれつき癇癪持ちで面倒くさい性格*2だったために家族にすら腫れもの扱いされて育ったゴッホは、その気難しさを家庭のみならず職場でも発揮した。
学校中退→商会に入社→勤務態度が悪かったせいでクビ→教師の仕事に就く→聖職者になりたいので辞職→聖職者になる→聖職者として派遣された先でブラック労働に耐えるよう説いたことで反感を買う→自らも極貧生活を実践してみせる→それを教会に怒られてクビ……と波乱の人生を歩んだ後、仕事を転々としすぎたせいでどこにも居場所がなくなり、仕方なく絵に手を出したことでようやく画家としてのキャリアをスタートする。

が、上述の通り描いた絵はまったく売れず*3、ゴッホ当人も貧乏生活*4と過労で絵を制作するごとにどんどん弱っていき、やがて精神病院に収監されるまでに衰弱してしまう。一応売れずとも絵の制作自体は続けており、ゴッホの死亡時点で500点以上の作品が存在していたとされる。


そして1890年7月、ゴッホは拳銃自殺により37年の短い生涯を閉じた。
テオドルスは彼の葬式中に倒れ、快方に向かうことなくそのまま衰弱死。ゴッホの絵は一時散逸の危機に晒されることとなる。

が、当時絵にまったく興味のなかったテオドルスの妻・ヨハンナがここで奮起。
テオドルスの遺品整理中、彼がゴッホと交わしていた大量の手紙をたまたま読んだことで、彼女は夫が抱いていた熱意を知ることとなる。
そこから夫の夢を無駄にすまいと、ヨハンナはゴッホが遺した作品をあちこちの展覧会に出すようになる。
最晩年には評価されはじめていたこと、そしてヨハンナが周囲の反対を押し切り辛抱強く展覧会に出し続けたことが幸いし、ゴッホは死後ようやく「偉大なる画家」としての地位を確立するのだった。
現在、彼の絵画には1枚100億円超もの値段がついているという。

絵を描き始めたのは27歳だが画家としての才能の片鱗は幼少期には確認されており、11歳の時点で画家顔負けのクオリティの絵「農場の家と納屋」を描いている。また、ゴッホが亡くなる1890年の年始にはテオドルス以外にも彼の絵を評価する者がぽつぽつと現れ始めていた。

つまりもうあと数年くらい生きていれば、生きて陽の目を見られた可能性があったのだが……
それを見ることなく没したのが惜しまれるところである。

ちなみに日本国外の発音は「ヴァン・ゴー」というのが正確であり、外国人に「ゴッホ」と言ってもほぼ通じない。


◆サーヴァントとしてのヴァン・ゴッホ


「見ての通りゴッホ」と自称するものの、その姿はひまわりの意匠を取り込んだボブカットの少女で、史実のゴッホとは似ても似つかない。
それだけならサーヴァントとしては珍しいものでもない*5が、
彼(?)の場合、FGO世界においても男性であることを示す証拠が歴史的に残っていながらゴッホ本人の性自認は女性……つまり、「生前のゴッホは男だったことがはっきりしているのにゴッホ本人は生前から自分が女だったと思い込んでいる」という食い違いが起こっている。

ゴッホ当人もこのことに折り合いはつけられず、上記の矛盾を指摘されるとパニックに陥りまともな意思疎通が成立しなくなってしまう。


そのせいで精神が汚染されているのか、あるいは生前の経験からなのか、
サーヴァントのゴッホはひっじょーに後ろ向きな性格で常におどおどしており、言動はマンドリカルドと同等かそれ以上に卑屈。
ついでに情緒も不安定であり、ふとしたきっかけで唐突にテンションが乱高下する。
そういう時は何かにつけて自傷行為に走ろうとするため、それをぐだから止められるのがお約束。
とはいえ、そういう癇癪さえ起こさなければ理知的かつ冷静ないい人であり、頭の回転も速い方である。

また、たびたび「ゴッホジョーク」と称して一発ギャグを披露する癖があるが、大体の場合突拍子もなく、それも明らかに笑う場面ではない局面で繰り出すので、その場には笑いではなくなんとも言えない微妙な空気が漂うことになる。

一方、再臨させるとどんどん姿かたちが人間からかけ離れていく代わりにテンションが上がり、言動もアグレッシブなものが多くなる。
するとあんなに陰気で儚げだった少女ゴッホがほらこーんなに陽気に快活に!……とはならず、キャスターのジル・ド・レェやバーサーカーの面々が見せるような、アッパー系の狂気に呑まれたような言動が多くなっていく。

が、再臨段階の如何にかかわらず、自分を受け入れてくれたマスターに対しては絶対の忠誠を誓っており、(自分自身のことを好きになれないからというのもあるだろうが)マスターの為なら命を捨てることさえ厭わない献身ぶりを見せてくれる。
見ていてハラハラするサーヴァントだが、同時に、その捨てられた子犬のようなキャラクター性で庇護欲に訴えかけてくる、英霊らしからぬ魅力をもつサーヴァントでもある。

なお、史実時点でメンヘラかつヤンデレだったことを示すエピソード(同居していたゴーギャンに同居解消を提案され、思いつめたゴッホはカミソリを手にゴーギャンに迫ったエピソード、惚れた女の子に「絶対に嫌」と拒絶され、諦めきれずストーカーまがいの付きまとい行為を繰り返した結果女の子の両親に追い返されたエピソード等)が多数残っており、史実の彼も精神的に傷つくと自傷行為に走る癖を抱えていたようである。

FGOでは複雑な背景があって後ろ向きな振る舞いを見せるゴッホだが、生前の彼も似たような感じだったのかもしれない。



◆ゲームユニットとしての性能


期間限定の星5フォーリナーとして実装。
カード構成はフォーリナーでは初となるQQQABのアサシン型。宝具はArts。

3枚のQuickとスキルでクリティカルスターを生成・操作し、自前の宝具でクリティカル威力を上げて攻撃するクリティカル特化型。
3種のスキルすべてに毎ターン微量のスリップダメージを受け続けるバッドステータス「呪い」をトリガーとする効果が含まれており、これを溜めこむとその量に応じてスキルの効果が強くなる。
スキル1「虚数美術」は自身に呪いを3個付与→呪いの数×10%のNPを増やし、また自身にガッツ(一回・5ターン)を付与する。ガッツの回復量も悪くないため事故ったときのリカバリとしては十分。
スキル2「黄色い家」は味方全体に回避(一回)と微力のHP回復、呪い1個を付与する。敵の宝具に合わせたいが、呪いのためにスキルと同時にも使いたいというある意味贅沢な悩みも。
スキル3「澪標の魂」は任意の味方1人に攻UP+スター集中を付与&ゴッホに敵味方の呪いを吸収して「Quick攻撃時自身の呪いを一つ解除&解除成功時自身の攻撃をUP(3ターン)」する状態を付与する。サポートとして使えなくはないがゴッホ自身に使う方が往々にして効率がいい。

NPを溜めるにはスキルは2→3→1の順で使用することが望ましい。
この順でスキルを使うと、自分以外がまいた呪いが無い状況(≒バトル開始ターンなど)なら60%のNPが溜まる。これはNPを60%チャージした状態でバトルを始める概念礼装「虚数魔術」に引っ掛けているのだろう。

弱体解除持ちサーヴァントとは相性が良くないものの火力の要は後述の宝具であるため、NPを供給できる体制が整っているなら弱体解除を挟んでも大丈夫。具体的にはキャストリアなど。

なお、クラススキル「向日葵の呪い」により、呪いダメージを受けこそするが最低でもHP1で耐え続ける特殊仕様となっているため、火傷、毒を一緒に抱え込んでいない限りは呪いダメージで退場することはない。無論敵の攻撃を食らえば確実に沈むが、それはガッツや下記の宝具である程度カバーできる。

最大の強みは宝具「星月夜」。
敵全体にバッドステータス「恐怖」(持続3ターン)、味方全体にクリバフと攻撃力バフ、自身に毎ターンスター10個獲得を付与する支援宝具なのだが、この時味方がクラススキル「領域外の生命」を持っている場合、このクリバフが50%から150%という全サーヴァントトップクラスの数値まで跳ね上がる。

ポイントはこのバフが「自身のみ」ではなく「ゴッホ自身を含めたフォーリナークラスの味方全体」にかかる点であり、フォーリナークラスでパーティを固めればかの超人オリオンが三人いるかのような無体な火力をたたき出す。

また領域外のバフが乗っておらずともそこそこのバフ量なので、宝具の効果中は適当なサポーターの殴りでも割といいダメージが出る。

クリティカル主体の「領域外の生命」持ちはボイジャー、ジャック・ド・モレーなどが居るが一番相性がいいのは自分自身、つまりWゴッホである。
2人分の呪いで倍のNPを貯め、2人分の宝具で四倍クリバフを盛り敵をスタンさせ星を出して、2人分のカードで普段の八倍の火力で殴るというウォーズマンもびっくりな戦法であるがネタではなく強い。ゴッホの居るカルデアのマスターには是非やってみて欲しい。

また、敵全体に付与する「恐怖」のバッドステータスも強力。
これはターン終了時に確率で発動し、乗っているキャラをスタンさせるデバフ。ただし運が悪ければ発動する前に持続時間が切れることもある。だが、この宝具のはかなり発動率が高くおよそ60%ほどと見られる。これは孔明の宝具と同程度でスタンが付与されるタイミングは違うが、あれが3回抽選されると思えば強さが分かるだろう。3ターンで一度も発動しない確率は0.4*0.4*0.4*100%=6.4%なのでほぼ間違いなく発動する。
まあ星5鯖を引くのの六倍強は起こりやすいが。
カード性能もそこそこ良く、宝具QクリAクリExでNPが90パーセント近く貯まるので、NP周りの補助ができる鯖と並べれば宝具の連発も余裕である。
もちろんNPが溜まればもう一回付与できる。仲間のスキルで補えばスタン中に恐怖付与もでき連続スタンも余裕で狙える。

登場当初はほとんど注目されていなかったものの、その圧倒的な火力、「恐怖」を使ってボスをハメ技の要領でなぶり殺しにできること、そして回転率の高いスキルから次第に注目を集め、いつの間にか高難易度攻略サーヴァントランキングのトップ争い常連に名を連ねてしまった。この辺りは奇しくも史実のゴッホと共通している。


◆劇中での活躍


何もないはずの虚数空間上に突如現界し、無の海を漂っていたサーヴァント。
虚数潜航中に"座礁"していたノーチラス号に引っ掛かり、そのまま流れで保護された。以降、虚数空間に閉じ込められたノーチラス号のアドバイザーとして脱出作戦に協力することとなる。

彼女自身は血清を提供したり船から出られないメンバーの代わりに出撃したり虚数空間の生物が調理で食べられることをアドバイスしたりと基本的にカルデアに協力的だった。

……のだが、性別の不一致や真名に関して突っ込まれると要領を得ない回答を繰り返したり急にヘラったりと誤魔化すような言動が多かったため、本人の献身とは裏腹にどんどん立場が悪くなっていき、ついにはゴッホを信頼できないとしたネモとあくまでゴッホを信じたい主人公とが対立する事態に発展するまでになる。

ノーチラスが順調に海域を攻略している間はまだ誤魔化せたものの、第四海域に出口がない事が発覚した(=虚数空間の脱出手段が事実上失われてしまった)ことでノーチラス船内の雰囲気は急速に険悪になり、ネモのストレスに影響された分身体のネモ・マリーンズたちが「ゴッホが犯人だ」「ゴッホを追放しろ」と暴動を起こす。
その一触即発の雰囲気に耐えられなくなったゴッホも精神的におかしくなりはじめ、自ら血を流して失血死しようと試みる。が、これは駆けつけたネモと主人公の手で阻止。
ゴッホ当人はネモ・ナースの治療を受けて沈静化するも時すでに遅く、マリーンズから完全に黒認定されたことを受けて彼女は「自覚がなくても犯人は自分だ」「だから自分が死んで居なくなれば皆は助かる」とノーチラスを離脱。
虚数空間の何もない領域で自殺することで、彼女は事件を収束させようとするが……?


「エヘヘ、マスターさま、楊貴妃さま、みなさま、さようなら!」
「心からの、握手を送ります!」



※注意※



この先には『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル ~ノーチラス浮上せよ~』の重大なネタバレが含まれています。















「この項目の追記と修正を行う者に、握手を贈る。」

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最終更新:2023年12月31日 03:22

*1 彼女は時折「咲いちゃった」と顔だけ雑コラのごとく向日葵に変わることがあるが、本来その場面では自殺を試みていたということであろう。

*2 史実のゴッホは、ちょっとでも意見が対立するとそれを人格全否定と受け取って物凄い勢いで逆ギレするような人だったらしい

*3 まったくといっていいほど、という比喩ではなく、生涯通して売れた絵が『赤い葡萄畑』の1枚だけだったため、マジで1枚も売れなかったというのが正しい

*4 一応補足しておくと、テオドルスからは当時の男性の平均年収より高い額の仕送りを貰っていた。だが、ゴッホはその仕送りをすべて画材につぎ込んでしまい、食事すらろくなものをとらなかった。時には少なくない額のお金をもらっておきながら「送金が遅い」「テオにも都合があるのは分かってるよ、でも自分には金が要るんだ」等と手紙でキレ散らかし、それを受けたテオドルスが「やっぱ兄さん養うのやめようかな……」と思い悩む一幕すらあったという

*5 モナリザ好きが高じて自ら霊基を弄ってモナリザの姿になったダヴィンチ等

*6 『ひまわりとしての自画像』はこの発言よりも後の時期に後天的に会得したもの

*7 あくまでスカディの仮説

*8 黒幕としてはコレでノーチラスを掌握してしまう腹積もりだったようだが、そうする前にノーチラスが碁石=怪物を物理的にぶっ壊していったためご破算になってしまったらしい。

*9 時代背景的な話をすると、ゴッホの生きた時代は「絵は写真っぽく描かれた『上手い絵』しか価値がない」という価値観が主流だった時代で、ゴッホの絵が売れなかったのもこのあたりに起因している。ゴッホを始め、モネ、ピカソといった人物が巨匠とされるのは、彼らがこの風潮を打ち破り新しい画風を「発明」した、ある種のパイオニアだったからである

*10 リッチ