実は作中のここまでの流れは全て彼女の筋書き通り。
つまりマホーネに魔女容疑をかけ裁判にかけさせたり、レイトン、成歩堂達をラビリンスシティに誘い込ませた全ての元凶で事実上本作のラスボス。
本名は「クローネ・ベルデューク」。三か月前に死亡した町の錬金術師ミスト・ベルデュークの実の娘。
そしてマホーネの幼馴染で本来の親友でもあった。現在の年齢は20歳。
全ての始まりは12年前の《伝説の大火》から。
当時の火祭り日、クローネは町の象徴であった鐘楼に上ろうとマホーネに誘われお揃いのペンダントを使ってそこに辿り着いた。
その時マホーネは父親から禁じられていた「鐘楼の鐘を鳴らす」ことを好奇心から行った。
その瞬間マホーネ始め祭りの場にいた全員が一斉に意識を失い、その間に炎が町の広場の草に燃え移り、結果町全体に広がる大火事が発生した。
ベルデュークとストーリーテラーことリテラスタ・カタルーシア(マホーネの父親)が鐘楼に駆け付けた時には放心したマホーネを抱えながら泣き叫ぶクローネを発見した。
この日以降マホーネはココロが壊れてしまい、碌に会話も食事もしなくなった。
そんなマホーネを救うためにカタルーシアは魔女の絵本を自作し、さらにベルデューク親子達にそれを演じてもらうことで物語を本当の事だと思い込ませ、その結果マホーネには笑顔が戻っていった。
カタルーシアは娘の笑顔をとどめるため町の復興と国家プロジェクトの体裁で、現実世界で魔法を再現し住人を被験者として世界中から集め魔女の物語が実在する「ラビリンスシティ」を作り上げていった。
その際大火を思い出さないようマホーネの大火に直結する記憶、すなわち人間のクローネの記憶を消し、代わりに黒猫のクローネを昔からの親友だと思い込ませた。
クローネもマホーネを守るために全面的に協力し「ジョドーラ」という人物を演じることに徹し続けていた。
だが、多くの人間を騙し続けていた罪の意識に耐え切れずベルデュークは服毒自殺をした。さらに同じ時期にカタルーシアは町を解放するために《物語》の終了を決断した。
この行為にクローネは父を死に追いやっておきながら「勝手に《物語》を終わらせようとするリテラスタ」と「何も知らされず守られ続けているマホーネ」に恨みを持ち、彼らへの復讐のために今回の騒動を引き起こした。
クローネは検察士長として活動する傍ら、「大魔女」という人物も演じ続けていた。
大魔女の目的は町の外にある森の住民「ヨーマ」に指令を出し”魔法”を実現させることであり、
指令を受けたヨーマは姿が消えるローブや鳴らすと相手の意識が無くなるベル等の「そっちの方が魔法だろ」と言いたくなるような技術を用いて現実には存在しない魔法を演出していた。
クローネは大魔女として度々その姿をレイトン達に見せ、彼らに魔法をかけ(たように演出し)ては翻弄していた。
レイトンをラビリンスシティに招き入れたのも彼の名声を聞き、町の真相を解明しマホーネに真実を見せつけてくれると期待したからだった。…ちなみに成歩堂の方はついでに連れてきたある種の”事故”だったらしい。
さらにはマホーネを魔女裁判にかけるようにカタルーシアの与り知らぬところで《物語》を書き換え、彼女に過去の記憶を思い出させるように仕向けていた。
最後の事件では気を失ったマホーネを背負った状態で透明化するローブを被って鐘楼に侵入。そこにいたベーゼラ役の人物を以前押収したベルデュークの薬で眠らせ、マホーネをベーゼラに仕立て上げた。
裁判を進めるにつれカタルーシアに町の秘密を暴露させ、マホーネに大火の記憶を呼び起こさせ精神的に追い詰めていった。
しかし全てを分かった上で検察士として入廷したレイトンや真相に辿り着いた成歩堂により自分でも気づいていなかった本当の記憶を呼び覚まされた。
+
|
《伝説の大火》の真実 |
実は伝説の大火の日、鐘楼の鐘を鳴らしたのはクローネの方だった。
マホーネは鐘を鳴らそうとしたが直前で止めてしまい、代わりに興味を持ったクローネが鐘を鳴らした結果惨劇を起こしてしまった。
幼い彼女には炎の竜が飛び回るかのような業火の光景はとても耐えきれるものではなく、自分のココロを守るために「マホーネが鐘を鳴らした」と無意識に記憶を書き換えてしまった。
救助に来た父親達は誰が鐘を鳴らしたのか一目瞭然だったが、クローネの「マホーネちゃんを‥‥責めないで!」という叫びで彼女が記憶を書き換えていることを察知。
真実を明かせばマホーネだけでなくクローネのココロも壊れてしまうため、二人の父親は彼女のココロを守るために真相を封印することを決断した。
なお、大火が発生した時地上にいた火祭りの参加者たちの生死は作中では明言されていない。
しかしその地の人間は鐘の音を聞くと一斉に気絶すること、「町に残されたのはたった4人だけ」という証言からやはり…
ただ、数十人の死を隠蔽できるかどうかは怪しい所なので異変に気付き非難した可能性もある。
どっちにせよ町は焦土と化してしまい、10年の時をかけてラビリンスシティとしてやっと復興できたレベルで大損害を負ったのは間違いない。
つまるところクローネは10年以上記憶を改竄しマホーネに罪を押し付けてしまっただけでなく、今回の復讐自体が逆恨みに近いものであった。
ずっと信じ続けてきた記憶がニセモノであるとは当然すぐには受け入れられずに…
|
‥‥そんなの‥‥
‥‥認めない‥‥
‥‥認められるワケがないッ!‥‥
”真実”を受け入れられないクローネはローブを纏って法廷から逃走。
そして町中から責められるクローネを見かねて、マホーネは全てを終わらせるために鐘楼から投身自殺を図った。
その時クローネは鐘楼にしがみ付きながらマホーネの腕を掴んだ。…怨恨を持っていても彼女との友情を完全に捨て去ることは出来ず、お揃いのペンダントも肌身離さず持っていた。
そのまま鐘楼の手すりが壊れ、二人とも落下…と思いきやレイトンの魔法によって救助され、成歩堂も交えた最後の魔法によりラビリンスシティに夜明けが訪れた。
クローネも‥‥これから、また。ずっと、ともだちでいてくれる?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥当たり前だろ!‥‥‥‥‥
‥‥‥‥ありがとう‥‥‥‥
全てが終わった後クローネはカタルーシア親子に謝罪し、仲直りすることが出来た。記憶を取り戻したマホーネとも再び友情を築き合った。
なお彼女から「クローネって‥‥(黒猫の)クローネに、ソックリだよね。」と言われた時は気恥ずかしそうにしていた。
EDではこの町の出発を祝福するように鐘を鳴らして町を去る4人を見送った。現代の洋服を着て、憑き物が落ちたような晴れやかな表情をしていた…
スペシャルエピソードでは本編のシリアスな役回りに反し、最もはっちゃけている人物。
実は人見知りで大魔女の姿じゃないと”キンチョー”してたり(しかもレイトン達にではなくゲームをやっている”全世界の”プレイヤーに対して恥ずかしがっている)、自分主役のゲームが500万ダウンロードの大ヒットを記録する《物語》を書いたり、
丁寧な前振りを交えつつ「ナゾ解明!」のポーズをノリノリでやったりと真宵に「ちょっと図々しい」と評される程の弄られキャラと化している。
「‥‥《ミエヘン》の魔法で消えてしまいたい‥‥」