科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌

登録日:2021/12/08 (水) 00:10:08
更新日:2024/05/03 Fri 16:54:16
所要時間:約 6 分で読めます




『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』とは、マンガクロスにて連載中の漫画である。2023/1時点で既刊11巻。
作者は『魔法少女プリティ☆ベル』でお馴染のKAKERU氏。
同作のスピンオフとして、『織津江大志の異世界クリ娘サバイバル日誌』も発売中。既刊5巻。
また、同じ種族が登場するが人間と亜人の関係性が全く異なる*1『ふかふかダンジョン攻略記〜俺の異世界転生冒険譚〜』についても、作者のツイッターで同じ世界である事が明かされた。
ただ、時系列や位置関係については現状非公開。

作品名を見て分かる通り、モンスター娘を題材とした、異世界転移もの漫画である。



あらすじ

主人公・栗結大輔は突如異世界にきてしまった。
そこは、ケンタウロスやアラクネ、ハルピュイアなどの美少女クリーチャー娘が棲息するゲームや漫画のような世界…。
だがしかし、魔法なし、チートなし、さらにはマニアックな縛りプレイetc...、微妙にリアルなところもあって…(汗)。
この奇妙な世界に巻き起こる様々な問題をスマートに解決して、都合よくクリーチャー娘の嫁ゲット! 異世界で一夫多妻の充実ハーレム新生活スタート!!
以上、公式サイト第一巻より引用。なお、ウソは一言も言っていない



概要

主人公たちが「モンスター娘」「魔物娘」ではなく、「クリ娘」という呼称を使っていることに察して欲しいのだが、
この漫画は、単純に人外娘モンスター娘とイチャイチャしたい仲良くしたいで終わる従来の漫画とは一線を画す漫画となっている。
一言で言えば、アンチチート現代知識無双ハーレム漫画。種族の抱える問題を現代知識で解決し、種族間に抱える問題をリベラル的に解決し、嫁と労働力を手にしたら次の種族との邂逅を目指し次の旅へ…というもの。なお、作者はバリバリの保守派である

本作に登場する亜人は、それぞれの種族ごとに異なる生活文化や思想を持っているのだが、
本作ではそれらを科学的に、リベラル的に解釈されているため、
当然ながら男の亜人が居るし、人間相手に明確に敵対している種族も存在する。
種族間で争ったりもするし、どの種族にとっても和解が不可能な危険な亜人も存在する。
「それもこの種族の文化だから」ということで、NTR、スワッピングとも受け取れる表現や、第三者目前で近親相姦が行われたりもする。

それに加え、この漫画に主人公は知識と発想、行動力が人外に片足突っ込んででおり、
出会ったクリ娘たちには生活が豊かになる、脅威から退けるなどのかなり高いレベルの実績をチートなしの現代知識のみで得た上で認められるという手順を踏んでいる。*2
それをせずにただただ亜人との友好を叫んだ人間も本作に登場するのだが、人間亜人双方からボロクソに貶されている
良くも悪くも「人外娘とシンプルにイチャイチャする」という方向性の作品ではないということには留意しておきたい。


世界観

  • 言語
この世界には定期的に日本からの異世界人が訪れており、異世界人から習得した日本語が異種族も含めた共通語となっている。
そのため、作中世界の人間はもちろん、主人公が最初に出会ったアラクネ種や、種族的に知能が低いトロール種とも日本語での会話が通じる。
その割には、主人公たちはお互いに出会いもしないし、他の日本人と遭遇もしないようだが…?

  • 禁忌
「火薬」「雷の要素」「蒸気の水車」「燃える水の水車」を利用することが出来ない。*3
もし禁忌を破ってこれらの力を利用してしまった場合、周辺のモンスターが一斉に攻撃を仕掛けてくる「モンスタースタンピード」という現象が発生してしまう。
故に、主人公たちは「人間にとっては役立たずな、クリ娘の膂力を活かした利器」や「寿命も効率も最低な即席文明利器」などを現代知識をもとに開発することになる。開発するものが明らかに生物学科の大学生の域を超えているとはよく突っ込まれる

  • 根底自己認識実態乖離症候群
通称「人間病」
「自分が自分だからという理由で特別」という自己認識が、「世界や神に認められたから尊い存在であるから特別」とずれていき、思考、感情や感覚に至るまで狂ってしまう症状。
だが、この世界の人間はおろか、地球に住む現代人からしても当たり前の考え方でもある。
大輔はこれを「人間社会が根こそぎ批判された」と受け取ったと同時に、「人間から派生した亜人たちは意識して『人間病』を避けた社会を構築しているから、純朴さが見られない」と考察している
「人は『神』か『獣』か? 『その間』とか『別のどこか』だとしたらどの辺か?」という問いかけが、人間病の進行具合を図る指針となっている模様。

  • 英雄付け
ケンタウロスの里の風習。
英雄や恩人に対し、「厳禁なはずのヤり捨ててもいいから種を付けてくれ」と懇願すること
自己研鑽に励む種族でありながら性概念がおおらかなケンタウロス種にとって、英雄の因子を残すことの価値は計り知れないのである。
大輔の場合、里長がお触れを出したとはいえ、姫や妃を含むほぼ全員が志願者となった。


登場人物

転移した現代人

  • 栗結大輔(くりむすび だいすけ)
本作の主人公。
地球に住んでいる時点でクリ娘に異様な情熱を注ぎ、クリ娘ハーレム王になると言って憚らない危険人物だったが、異世界に来たことで覚醒。
クリ娘によるハーレムを築くことを宣言して行動を始める。
大学生らしく博識であるのだが、機械知識や生物学知識、宗教や危機概念、はたまた重量のある人間の抱え方や赤子の扱いなど、もはや大学生の域を超えている。
彼の持つ知識は異世界人にとっては垂涎ものであり、「ハーレム程度差し出すのなら安い」とされており、実際に彼の知識を交渉材料に人種間の戦争を辞めさせることもできた。

政治観は個人主義。知識と実績というビンタで相手を黙らせて我儘を通し、それでいて理想(女の子)のためなら火中に飛び込むことも厭わない。
なお、生物学科の大学生であるがゆえに、人間病の問いかけに対し「人は獣」だと即答した。

  • 織津江大志(おりつえ たいし)
本作のもう一人の主人公であり、スピンオフの主人公。見た目は典型的な太ったオタク。
大輔のようなクリ娘への愛着は持たないが、彼の性癖を気持ち悪がらず否定もせずサラッと流す程度の性癖の持ち主。
栗結と同様に博識な事に加え、特殊な家系の生まれで武術に近代戦術も納めており、人が足を踏み入れたらまず生きては帰れないと言われる魔獣が住み着く「魔の山」で着の身着のまま3ヶ月生き残るだけのサバイバル技能も持ち合わせている。
武術の心得の延長で人の本音を読む事にも長けており、「傍目には優しくしてくれるメイドの自身への本音」まで読み取れる程。
いわゆるオタクらしい外見にコンプレックスを持ち自分が嫌われていることを自覚したおどおどとした態度を取りつつも、ファンタジックな状況においても現実逃避しない自己責任論者である関係ですごく面倒くさい性格をしている
友人は大輔のみと対人関係は最悪の一言。
異世界に来た当初も、幾度も危機を助けたハルピュイアに感謝されるどころか舐められまくった挙句うんこ爆撃され、
人間の国に定着しても、「生きることで精一杯なため、嫌いな人の元で働くことが当然であり当たり前」であるメイドたちと友好な関係を築くことが出来なかった。
(メイド側が一種の洗脳を施して心の底から仲良くしようとした際には、「そこまでしないと嫌悪感がなくならないのか」と余計に関係を拗らせた。)
しかし、ゴブリン種と接触し「恩人となる」「必要とされる」ことがきっかけとなって悪い方向に覚醒
敵性亜人であるゴブリンを文明開化させた挙句武術を叩き込み、あろうことかゴブリンに捕らえられた人間に弱肉強食を説いて手を出すことで「魔王」と呼ばれるまでになってしまう。
基本的に本人としては種族には拘らない人間だが、自身の見た目を気にせず仲良くしてくれた亜人種と交流を深めている事、人間と亜人種が敵対的な事等から、行動はかなり亜人種寄り。
政治観は現実主義。要はいつものKAKERUである。
人間の国に対して自分からは敵対せずに物品交渉等も行っているが、自身のいる村に危機が訪れたと判断した際には人間を殺してしまう事にもなってしまった。
(彼らと同様この世界に飛ばされてきていた研究室の後輩が現代知識で鍛えていた部隊であり、その挙動から手加減したらこちらの命が危ないと判断したのもある。)

なお、彼の従兄はリアルハーレムを築いた豪傑であり、彼の言葉や生き方は大輔に大きな影響を与えている。

スピンオフでは人間の国に漂着する前、その身一つでサバイバルする姿を見せる。
拾った枝で水車や自転車を作り、製鉄し、食べ物を獲得し、病気をサバイバル知識と気合いで治し、人間にとって敵対的な亜人を近代戦術と原始的な武器で撃退するなど、常人には真似できないマイクラのようなことをしている。
ぶっちゃけ本編よりも「科学的」である。

  • 訛葦 笛地(なまあし ふえち)
大輔や大志の後輩。
1話において研究室で一緒に会話をしていた一人だが、実は二人と一緒にこちらの世界へ来ていた。
大志のまとめるゴブリン族と敵対する「魔の山」に隣接する国(大志が一時身を置いた国とは別)に所属しており、自身が異世界へ飛ばされた事から研究室の他の人間もこちらへ飛ばされているのではないかと探している。
過去に不良だった時代があり、その頃に大志に喧嘩を売ってボロ負けした結果、織津江流に入門した。
異世界に来た後はその織津江流の知識で現地人を鍛えており、鍛えられた探索部隊が「魔の山」の探索を進めた結果、大志のいるゴブリン族に遭遇し、強すぎたせいで大志が手加減出来ず結果部隊は全滅した。
その為、ゴブリン族や大志の情報は国に届いておらず、すれ違いが続いている。

  • 芸鋤 ビエル(げいすき びえる)
3人が異世界に行った時に研究室に一緒にいた最後の一人。
現状、それっきりで登場はしてないが、スピンオフの解説シーン等で顔を出している。

現地の人間

  • メイヤ
人間の国に漂着した織津江の世話と監視を任せられたメイド長兼諜報機関。なお織津江は先述の禁忌を犯す危険もあるため、有事の際は暗殺も視野に入れていた模様。なお、この世界では24歳独身は行き遅れらしい
織津江のことを世話しつつも内心見下していたが、彼自身見下されるのには慣れていてそれを把握していたこと、
彼女自身「生きることで精一杯のため、嫌いな人の元で生活するのは当然であり当たり前」だったため、織津江が最悪一人でも生きていけるということを失念していたこと、*4
なにより現実世界のモテない男性であればもれなく傷心するであろうとんでもない言葉をぶつけてしまったことがきっかけとなり、織津江の出奔を許してしまう。

亜人

  • ネア
アラクネ種の若い女性にして大輔が一番最初に出会った亜人。
故に正妻ポジでありハーレムのまとめ役であり、大輔に危機が迫るとマジギレする
巨大な身体による膂力から、人間ではまず使い物にならないであろう連装ボウガンを振う。

  • ルピー
ハルピュイア種の小柄な女性。どう見てもロリだがハルピュイア種自体が空を飛ぶために小柄な種族であるため成人女性である。
飛行能力を活かした偵察・索敵が主な役割だが、ハルピュイア種には結婚の概念がないためハーレム入りした後でも同種の男性と交わっている

  • レキ・ヒバリ・レイ
人間を食い殺し、帽子をその血で染める敵性亜人レッドキャップ種の少女たち。
人間の農民に殺されそうになったところを、人間病患者の茶番を挟み大輔に救われ、以降は彼を精霊の化身として受け止め信仰することとなる。
だからといって人間に対する敵対心を捨てたわけではなく、人間の覗き見を察した際には凄まじい眼光を向けた。

  • カナ
マーフォーク種のお姫様であり、一時の恋より民の生存を重視するリアリスト。
自身が政略の道具という自覚があり、ブ男との交際も、ろくに面識もない大輔との結婚も承諾する感性の持ち主。
だが、大輔のハーレム入りによって得られる知識には顔面崩壊する程度にそそるものがある模様

  • タウラ
ケンタウロス種の女性。ある意味、この漫画が万人向けではないことを象徴する人物
徹底した男尊女卑思想の持ち主であり、大輔の目の前で父親と近親相姦したが、大輔はそれを拒むことなく受け入れたためハーレム入りする。
後に大輔は敵対種族であるミノタウルス種への対策からケンタウロス種の中で英雄として扱われ、「英雄付け(英雄の因子を民族に残すこと。ヤリ捨ても可)」を求められる。タウラから背中を押された大輔は彼女らの親戚たち多数と関係を持つことに。

  • パイア=ヴァン=ヘルシング
「人間よりも人間病を患っている」ヴァンパイア種の女性。
大輔に夜這いを掛け自身の故郷に持ち帰ろうとするも、大輔の質問から自身の文化の愚痴*5を口にしている間にネアに気づかれて失敗。
大輔と肉体関係を持った身でありながら一人夜の闇に消えていった。

  • トロ
2M超の体格と5歳児程度の知能を持つトロール族の女性。
トロールとミノタウロスとの全面戦争をどうにか解決した際に大輔が村の長になった*6事でハーレム入りした。
一旦大輔の村とは離れた場所に残った他のトロールとは違い、既に生まれていた子供と二人で大輔についてきた。
種族の特徴通りに知能は低く純朴なので体は大きいのにかわいい子供扱いされている。

  • ユラ
胴と首が離れているのに平気でそれぞれ生きているデュラハン族の女性。
科学的に考察した結果、生まれつき首と胴は繋がっているが、分断されてもトカゲの尻尾のごとく生存が可能な種族という形に落ち着いた。
自身の宿敵であるマンティコアとの討伐を見返りにハーレム入りする。

  • ノリス
敵性種族「オノケリス」の女性。
どの種族とも和解が不可能な危険な種族…なのだが、彼女たちは言葉も通じるし公益にも応じる。
その価値観、行動が「死」や「滅び」に惹かれて行われるものであるということを除けば、割と友好的な種族である。
「現代日本人の知識と技術を以て世界の滅亡は可能か?」という答えを得るためにハーレム入りする。


  • エル、ルフ
ハイエルフの母親と娘。当然親子丼である。
大輔と会うためにずっと旅をしていたがずっとすれ違いを続けており、単行本13巻にしてようやく巡り会えた。
単行本一冊かけて行われる大輔との問答の内容は、是非とも実際に読んで確かめてみてほしい



追記、修正は科学的に亜人を考察しリベラル的にハーレムを築きながらお願いします

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最終更新:2024年05月03日 16:54

*1 こちらと違いガチの戦争状態

*2 危険なシーズンの狩猟、民族の特性に合わせた家事炊事機器の開発など

*3 一巻あとがき曰く、化学知識がちょっとでもあると可能な現代知識無双を禁止するための設定である

*4 国王お抱えの道化師が指摘して気づいたことなので無理もない

*5 女性保護の観点から種族間の性行為は愚か接触や挨拶や用事以外の会話すら制限され、同種の異性が自身より人間との遊びに熱中している

*6 力で部族を従えている種族だったので、やむを得ず長を殺して大輔が長を引き継いだ。