辻斬りナギリ

登録日:2021/12/12 (日曜日) 16:45:13
更新日:2024/02/24 Sat 18:02:29
所要時間:約 5 分で読めます





…!? アああア 痛っ 染みアッ 今度は何をォッ

あががァアア目っ目は止めっアアーーーー!!
ワーなんだこのヤバい酔っぱらいは―!!

ググッ…だ 誰が酔っぱらいだと…
よく聞け女 俺の名は

ドス
辻ァグぁぁあああ!!!
ウワーー!!

どっ どうした辻ァグぁぁあああ!! しっかりしろ辻ァグぁぁあああ!!
ち…ちがっ…
と というか い…今は話しかけるな…!!!


辻斬りナギリは「吸血鬼すぐ死ぬ」に登場する人物(吸血鬼)。
アニメでの声優は関俊彦

目次

【概要】

初登場は16話。
全身フードを着込んだ顔色の悪い青年で、作中に初めて登場した危険度Aオーバーの吸血鬼。

吸血鬼危険度。
S:大規模な被害を出す恐れあり
A:犠牲者を出す恐れあり
B:ケガ人を出す恐れあり
C:即時の危険はないが要観察
みみず:放置しとけ(ドラルクみたいなの)

吸血鬼すぐ死ぬで初めて登場した明確な犯罪者で、無差別傷害で全国手配されているほどの危険人物。
その名は警察の吸血鬼対策課や吸血鬼退治人がおふざけなしで共同捜査に当たるほど知れ渡っている。

だが、ある時を境にその姿はぷっつりと世間から消え去ってしまうことになる。

性格は冷酷非情。相手が女子供でも容赦しない。
また、状況が自分に不利だと知ると即座に保身を第一に切り替える柔軟さも持つ。
このおかげで中の人が最近大人気のアニメのラスボスを演じたつながりで「賢い無○様」なんて呼ばれることも。吸血"鬼"といいあちらといい特撮といいつくづく鬼に縁のある中の人である。

吸血鬼としての能力は、自分の血を体から噴出して固形化させた刃
これは大きさは彫刻刀くらいから大刀まで自由自在で、下等吸血鬼や道路標識くらいなら真っ二つ、コンクリートにも突き刺さる高い威力を持つ。
武器としての使用はもちろん、これを他人に斬りつけての吸血を行う。
また、吸血のほかにも人間と同じ食物をとることもできる(吸死世界には血や牛乳などしか摂取できない吸血鬼もいる)。

そしてもっとも強力な能力が、自分の魂の一部を分霊体という人形に封じ込めておくことで、本体は銃で撃たれても痛くも痒くもないという強烈な不死性である。
これを駆使して暴れることでそれまでの捜査を切り抜けていたもよう。
ただし分霊体がダメージを受けると、それがそのまま本体にも伝わってしまうという弱点がある。

【転落人生】

辻斬りとして順風満帆な人生を送っていたナギリだが、ある日突然彼に不幸が訪れる。
新横浜にやってきて早速警官ひとりを倒していたが、土手に埋めて隠していた分霊体を散歩中のドラルクに拾われてしまう。
当然ながら必死に取り返そうとするナギリだったが、ドラルクが分霊体の人形を落としたら自分もずっこけてしまうなど、不死身だったデメリットが一気に跳ね返ってきてしまう。
その後もドラルク(とコユキ)がホットミルクをこぼす、アルコールタオルで顔を拭く、股間を強打するなどで七転八倒。
偶然遭遇したヒナイチを苦し紛れに餌食にしようとするも、分霊体の服がむしられて本人もマッパに、ついでシーニャ姉さんのミニサイズボンデージを着せられて変態露出魔として追われるという散々なことに。
「せめて辻斬りとして捕まりたいーっ!!」
そしてやっと分霊体のある退治人組合にやってくるものの、ここでポッキリと人形が壊されてしまってグロッキーに。
ヒナイチには変な露出狂と思われて捕まらなかったようだが、分霊体に頼り切っていた分、ほとんどの力を失ってしまった。

その後、恨みを抱いて吸血鬼退治人たちに復讐を計るもののいろいろとタイミング悪くことごとく失敗に終わる。

【丸(マル)との出会い】

おりしも世間では児童の連続失踪が騒がれていた頃、ナギリはロナルドのペットだと思い込んでいたアルマジロのジョンをさらって復讐を企む。
しかしその時ロナルドたちは誤解からジョンが誘拐されたと思って退治人と吸対総出の大包囲網を敷いていたため、ナギリは2分で何十人もの退治人や警官に取り囲まれて身動きがとれなくなってしまう。
「ジョンくんや子供たちを誘拐するなんて!そんな卑劣なことする奴は『金的粉砕(ポールブレイク)』してやるわ!!」by.シーニャ・シリスキー
殺気だった退治人たちに包囲されてにっちもさっちもいかなくなったナギリは仕方なくジョンを解放して逃げようとする。
しかしジョンを離した瞬間、児童失踪の真犯人の下等吸血鬼カクレツチグモにジョンがさらわれてしまう。
最初は厄介払いができたと思うものの、
「このままだと自分は袋のネズミ、下手するとガキさらいの罪まで着せられて死ぬのでは?」
自分がひじょうにヤバい状況にあると理解したナギリはジョンを追ってカクレツチグモの隠れ家を急襲、衰えたと言ってもさすがは元Aオーバーの実力で一撃で撃破する。
不本意にも退治人の真似事をする羽目になってしまったナギリは目的を果たしたらすぐに逃げようとするが、それをジョンが引き止めた。
お辞儀をしながらナギリに助けてくれたお礼としてロナルドたちへのお土産として買っていた今川焼を差し出すジョン。
……それはこれまで人から恐れられるだけだった辻斬りが初めて他人から感謝された瞬間だった。

逃げのびて、一人月に照らされながらナギリは今川焼を口にする。
「……冷めてるな」

【丸を求めて……そして親切な辻田さんへ】

以後は退治人たちへの復讐のために新横浜に居つくが、力の大部分を失ってしまったために人間を襲うことができずに魚の血で飢えをしのぐサバイバル生活を送ることになる。
そういう限界生活を送るうちに思考がズレてきてしまい、
「丸(ナギリはジョンの名前を知らない)は退治人たちに捕まって自分に助けを求めに来た」
という勝手な思い込みをするようになってジョンを手に入れようとし始める。

けれどもこの頃には新横浜には数多くの変態や変態吸血鬼がひしめくようになっていて、当然ナギリもそのとばっちりを受ける羽目に。
露出魔吸血鬼としてVRCに捕まった時にはゼンラニウム野球拳大好きY談おじさんの協力を得てかろうじて脱出に成功。
以後もだいたいろくな目に会っていない。

そんな時、16話で吸血した警官であるケイ・カンタロウが鍛え直して新横浜に帰ってきてしまう。
全盛期の辻斬りナギリを想定して超大型パイルバンカーなんていう化け物装備を持ち出すカンタロウにすっかりびびりあがってしまい、通りすがりの辻田さんとごまかしてやりすごそうとする。
だが鍛えすぎてすっかり脳筋の熱血野郎と化していたカンタロウに振り回されて散々な目に。

それからも力を取り戻して辻斬りに返り咲く気はあるが、その度にカンタロウや変態どもに巻き込まれたりしてひどい目に会い続けている。
しかし運気が変わってきたのか、悪事を働こうとするとなぜか善行を積んでしまうという妙な具合になってきたりも?

【辻斬りの過去?】

このナギリという人物、吸死の中でも過去がミステリアスな人物でもある。
彼の過去はときおり回想で挟まれるが、断片的ながらもそのいずれもが過酷なものばかりなのだ。
貧しい少年時代を送り、不運にも遭遇してしまった吸血鬼の影響で吸血鬼化してしまった元人間で、周囲から拒絶されるうちに辻斬りに成り果ててしまったというところは確実と思われる。
Y談おじさんのY談波で暴露した性癖は「胸のでかい女に優しく抱きしめられたい」で、野球拳大好きには普通過ぎておもしろみがないと言われたが、これも本心では母性を求めているとも解釈できる。そもそも辻斬りという異常な生業の人間の性癖が普通なところが彼の人間性の矛盾を表している。
また、指名手配の罪状は『連続傷害』で、これは殺人を犯したことはないということになる。
サバイバル生活を続けるうちに辻斬り稼業に熱中するうちは忘れていた自分の過去や残っていた良心と向き合う機会も増えてきており、彼がどこから来てどこへたどり着くのか、読者は注視している。




覚えていろ、今度こそ追記修正して必ず丸を!

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最終更新:2024年02月24日 18:02