ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン

登録日:2021/12/17 Fri 20:31:57
更新日:2023/09/16 Sat 21:44:17
所要時間:約 19 分で読めます




概要

2002年10月31日にチュンソフトより開発され、エニックスから発売された、PlayStation2専用ローグライクゲームにしてトルネコの大冒険シリーズの三作目。
2004年6月24日にはゲームボーイアドバンスの移植版が発売された(こちらは合併後のスクウェア・エニックス発売)。
今作では新たな試みとして、ローグライクゲームとしては異例のレベル継続制を採用(一部ダンジョンを除く)。他にもトルネコの他に、新たなプレイアブルキャラとして息子であるポポロが参戦。ポポロは敵モンスターを仲間にできるという能力を持っている。
またドラクエ本編のようにフィールドを設け、街やダンジョンなどの施設があるほか歩き回っていると専用ダンジョンが現れるという方式も採られている。

…なのだが、この作品は不思議のダンジョンシリーズ全般においてもかなりの高難易度で、賛否両論を巻き起こしている(余談を参照)。


あらすじ

前作でトルネコが邪悪な箱を倒してから6年半が経ったある日のこと。
ポポロの12歳の誕生日祝いとして南の島へバカンスに出かけたトルネコ一家。
だが島へ向かう最中、船は嵐に巻き込まれ、一家は遭難してしまう。
気がつくとそこはバリナボ島のバリナボ村。だがポポロだけは一向に目覚めないままだった。
それと同時に、村の神像が倒れてしまった話を聞く。
この謎を突き止めるべく、トルネコはまたもや冒険の旅に出発するのであった…


主な登場人物

ダブル主人公制の今作ではポポロと共に主人公を務める。何度やられても、めげずにダンジョンに挑戦するガッツは今作でも健在。

  • ポポロ
ストーリーを進めると操作可能になる、トルネコの一人息子にしてもう一人の主人公。クリア後はポポロとトルネコを自由に切り替えることができる。
モンスターを仲間にする才能を秘めているらしく、トルネコとはまた違った旅を楽しめる。

  • ネネ
トルネコの奥さん。ぶっちゃけそこまでストーリーに深くは関わらない。

  • イネス
バリナボ村族長の孫で、ロサの姉。トルネコ編の途中までNPCとしてついて行くことになる。ダンジョン内ではホイミやイオといった呪文でトルネコをサポートしてくれる。

  • ロサ
バリナボ村族長の孫で、イネスの弟。
イネスと同じく途中までNPCとしてトルネコと同行するのだが、宝物と称してガラクタを押し付け、アイテム欄の半分を圧迫させるわ、かといってそれらを処分するとトルネコに殴りかかってくるわと、彼を同行させた場合かなり難易度が跳ね上がる。
イネス・ロサ両方とも彼らが倒れた時点で冒険失敗になる点には要注意。

  • グレートバレイナ国王
グレートバレイナ城を治める王様。
訪れた当初は王妃のことで頭がいっぱいで、トルネコは彼の悩みを解決することになる。

  • 占いババ
グレートバレイナ島北部にある小屋に、助手のコロマージと共に暮らしている占い師兼薬剤師。
王妃とポポロのための薬を調合することになる。

  • プチットの村の族長
クリア後に行けるようになるプチットの村を治めている。
囚われの身となった村人の救出をトルネコとポポロに依頼し、村人全員を救出すると新たなダンジョンを開放してくれる。


システム


「印」の概念

シレン2で初登場した、装備の合成システム。
特定の装備品が持つ特殊能力を他の装備に移すというのは同じだが、印数というあらかじめ決められたスロット分のみ移すことができる。このため無計画な合成はしないようにしよう。
印によっては同じ印の重複で効果が倍増するものもあり、特に種族特攻の印は重ねがけで絶大な効果を発揮する。

異種合成

こちらもシレン2からの逆輸入。
装備品に指輪や杖などの別の道具を合成するシステムで、基本的に特定の手段でしか実行できない。今作ではバブリン系のモンスター(シレンでいうマゼルン系)にアイテムを飲みこませて行う。
白紙の巻物を装備品に異種合成することで、印数を増やすこともできる。

指輪の合成

武器や盾のみならず指輪も複数の効果を持つものを作成可能。これで透視+ハラヘラズなどの強力かつ便利な指輪だって作れちゃう。シレンとは違って壊れたりしないので安心。

アイテムの祝福・呪いシステム

シレンGB2から逆輸入。
アイテムが祝福されていると、効果が倍増するなどの恩恵を受けられる。同時に呪いも装備品のみならずアイテムにまで拡大。こちらは使用が不可能になってしまう。また、呪われた装備品も特殊能力を発揮しなくなった。

ダンジョン内の石像

シレン2にあった土偶をドラクエの世界観に合わせて逆輸入。
石像がある部屋にいると、同じ部屋にいるキャラクター全員に何かしらの効果をもたらす。
種類も倒した敵が必ずパンを落とすパンの石像、一定のターンで部屋にいる全員を眠らせるラリホーの石像など様々。
数回攻撃すれば壊すことができる。トルネコの場合は押して移動させることが可能(PS2版のみ)。

仲間モンスターシステム

今作最大の目玉要素。
ポポロを操作している時は、直接攻撃で敵を倒した時に確率で仲間になることがある。仲間になる確率や種類はポポロのレベルや装備している爪の種類に依存する。
同時に10匹まで連れ歩くことができ、それぞれに作戦を出すこともできる。
仲間の成長タイプもまちまちで、全体的な能力の伸びがいい「普通・早熟」、レベルアップに莫大な経験値を要するがその分攻撃力の成長がすこぶる高い「攻撃・特殊」など多種多様。
一部を除き、仲間になっても爆発により即死してしまう点には要注意。
ただしポポロの立ち回りはトルネコよりも難しく、
  • トルネコ用の武器は装備できない
  • 盾も装備できない(常に防御力0の状態)
  • 矢を放てない
  • 巻物が読めず、白紙の巻物に書き込むのも不可能
  • 石像が押せないが、敵を撒きやすい(PS2版のみ)
…と、かなりクセが強い。特に盾を装備できないのはかなり痛く、被ダメージの大半は仲間に負担させてもらう形となる。

バリナボチャレンジモード

ストーリークリア後に挑めるようになるハードモード。
このモードの特徴はなんと、途中で死んだらストーリーの最初からやり直しという、とてつもなくシビアなもの。パズルダンジョンで失敗しようがクリア後ダンジョンで不慮の事故に遭おうが問答無用で最初からとなる。更に世界樹の葉も床落ちしておらず、常に厳しい戦いを強いられる。


GBA版の主な変更点・追加点


エクストラモードの追加

セーブデータを1枠使用し、専用ダンジョンに挑戦できる。用意されているものは本編ダンジョンの簡略化バージョン&完全新規ダンジョンの計4種類。
トルネコ(イネス、ロサ同伴可能)かポポロのどちらかで挑戦できる。
クリアしても記録に残ることはなく、アイテムや仲間モンスターの持ち帰りはできない。

特殊モンスターハウスの追加

シレンでお馴染みの悪夢がトルネコシリーズにもついに登場!
あるテーマに沿ったモンスターが階層関係なく同時に出現するので、序盤で出現したら死まっしぐらだが、ポポロにとっては同時にレアなモンスターを仲間にできる大チャンス。上手くいけばダースドラゴンなどの特定ダンジョン限定モンスターを他のダンジョンでも仲間にできる。

この他に、
  • ダンジョンの広さが縮小され、従来と同程度になった。
  • トルネコは石像を押せなくなり、ポポロは敵を撒きやすい能力が失われた。
  • モンスターにスライムナイト、メタルライダー、フレイム、ブリザードが追加された。なお肝心の仲間になった時の性能は…
  • アイテム交換が廃止された。
  • 倉庫に預けたアイテムが壺に入れたものも個数にカウントされるようになり、上限が実質減った。
  • カジノが簡略化され、モンスター闘技場1つのみになった。
  • バリナボチャレンジモードでリレミトの巻物が入手不可能になった。
など、PS2版よりも全体的に難しめになっている。


モンスター

前作トルネコ2に登場していたモンスターの一部が凶悪化している。前作でも猛威を奮ったダースドラゴン、バーサーカー、ドッグスナイパー、ゴールデンスライムは今作でも相変わらずの脅威。
当然今作初参戦のモンスターもそれらに負けず劣らずの脅威。




ダンジョン





余談

これまで言ってきたように、トルネコ3はとにかく難易度が高いことで知られている。
その一因がレベル継続制。これにより敵のステータスがレベル上げ前提のものとなってしまい、敵から得られる経験値も過去作と比べると少なめ。
また石像も妨害効果を持ったものが殆どで、そのどれも凶悪なものばかり。完全に有益なものは「インパスの石像」、「ゴールドの石像」、「パンの石像」の3種類のみ。特に前者2つは魔物の巣にしか登場せず、完全に意味をなさなくなっている。
また、ユーザーに不利な調整が多めで、前述の敵のバランスや石像は勿論のこと、その敵も強烈な個性を持ったものが多く、対処が困難になっているほか、ダンジョン内の店が売り買いに不便な仕様となっていたりする。
この他、グラフィックが3Dポリゴンになった弊害でゲームテンポがもっさりしていたり*3、新規モンスターの殆どがドラクエ7から初登場したものなど、難易度以外の批判点も多い。

なお、レベル継続制やゲームテンポについてはシレン3でも同じく賛否両論となっている。
レベル継続制については、しっかりとバランス調整がされた上でポケモン不思議のダンジョンシリーズでも採用されており、こちらは全体的に初心者にも優しい難易度となっている。

総じて上級者向けであり、初心者がまず初めにこれに手を出すのはあまりおすすめできない。まずはトルネコ2やシレン2などの難易度が易しめな作品からプレイして、不思議のダンジョンの立ち回りを理解してから挑むのがいいだろう。
ただ、これらの高難易度にやりがいを見いだすユーザーもかなりおり、封印の洞くつ素潜りや異世界の迷宮タイムアタックなど様々なプレイスタイルで本作を楽しみ、情報を共有するなど、上級者においてかなり中毒性の高い作品になっている。

この作品を最後に以降はトルネコの大冒険シリーズはリリースされていないが、本シリーズとはまた別にPS2に「少年ヤンガスと不思議のダンジョン」が発売されている。この作品はチュンソフトが開発には関わっていない。


追記・修正はバリナボチャレンジモードで異世界の迷宮をクリアしてからお願いします。

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最終更新:2023年09月16日 21:44

*1 ミステリードールの色違いとはまた別種

*2 床に敷くと死亡したキャラを復活させることがある。敷いた数が多いほど復活する確率が高くなるが、ヘルジャスティスはこの効果で復活できない

*3 2Dドット絵になったGBA版ではある程度改善されている