アンノン(ウルトラ怪獣)

登録日:2022/01/24 Mon 18:10:20
更新日:2023/03/27 Mon 20:51:54
所要時間:約 4 分で読めます





アンノンは『ウルトラセブン』の第16話「闇に光る目」に登場した宇宙人&怪獣。

●目次

【スペック】

別名:岩石宇宙人
身長:30m(怪獣形態)
体重:15万t (怪獣形態)
声:中江真司


【概要】

正式名はアンノン星人という名の宇宙人。
他の宇宙人とは異なり肉体を持っておらず、青緑色に光る目玉のような姿をした頭脳だけが進化した知的生命体である。

代わりに無機物に寄生して操る能力を持ち、強力な念力によって相手を気絶させたり建物を破壊することもできる。

ペガッサ星人と同じく本来は争いを嫌う平和な種族であり、決して自ら他の星へ侵略行為を働くような悪意は持っていない。
性格も人間の子供に対しても一応は穏便に接するなど基本は紳士的。

母星から持ち込んだ特殊な石に寄生して自らが活動するための肉体にしており、熱と硫黄を吸収して巨大化した四足歩行怪獣の形態に変身することが可能。

岩石の怪獣形態では目から放つ破壊光線や背中から発射する熱線の弾幕を武器としており、超重量に似合わぬ跳躍力で敵を押し潰したりとパワーや俊敏力も兼ね備える。
岩石の体に違わず極めて強固であり、防御力だけならキングジョー並でセブンエメリウム光線でもノーダメージなほど。

分類上、岩石の怪獣形態をアンノン、本来の目玉の姿がアンノン星人とするのが基本とされる。


【本編での活躍】

本編の三か月前に地球防衛軍で行われたアンノン星計画で打ち上げられ消息を絶った観測ロケット「サクラ9号」が突如として地球に帰還してきた。
アンノンは母星に打ち込まれた観測ロケットを地球の侵略行為と誤解し、その報復のために地球を訪れたのである。

ところがサクラ9号を証拠隠滅で自爆させた拍子に、持参してきた自分の体である石までも吹き飛ばして紛失してしまう。マヌケである。
その石はいじめられっ子の少年、ヒロシ怪獣殿下ではない。に拾われており、彼を虐めるいじめっ子を念力で懲らしめつつ夜になると彼の部屋に現れて接触する。

「その石を地獄山に落として欲しい。代わりに君の言うことも聞いてあげよう」

言葉巧みにヒロシを誘導しつつ、彼を捜索する大人達や異変を調査していたウルトラ警備隊も念力で退けると地獄山の火口に落とされた石は熱と硫黄によって瞬く間に巨大化した。
怪獣の姿になった石に乗り移ったアンノンは破壊活動を開始し、ウルトラホーク1号の攻撃も通じず逆に破壊光線で撃ち落とす。

地上に降りたキリヤマ隊長はアンノンを説得しようとするが、

「地球人の言う言葉は信用できない」

と、聞く耳を持たない。
そこへ気絶したヒロシを保護し、変身したダン=ウルトラセブンが現れる。
しかし、強固な岩石の肉体を持つアンノンにはセブンの打撃もエメリウム光線すら通じない。
対するアンノンの熱線弾幕もセブンのバリヤーで防がれ、破壊光線もアイビームで相殺され、超重量を活かした肉弾戦と互角の勝負を繰り広げる。

セブンはストップ光線でアンノンの動きを止めると、説得を開始する。

「アンノン、キリヤマが言ったことは嘘ではない。地球人は、決して君の星を侵略したのではないのだ」
「本当なのだな?」
「私も同じ宇宙人だ。嘘は言わない」
「よし、セブンの言うことは信用しよう。しかし、アンノン星はいかなる星からの侵略目標にもさせない!」

宇宙人同士の話し合いに応じたアンノンは大人しく引き下がり、目玉の姿に戻って地球から退散していった。
ウルトラ警備隊に保護されたヒロシは家族達の元へと帰され、いじめっ子たちとも和解する。
結果的にアンノンはヒロシの願いを叶えてくれたのであった。


【余談】

怪獣形態のデザインは成田亨。石を不規則に積み重ねた怪獣が作りたかったとコメントしている。

名の由来は「unknown」(不明)。

アンノンが登場するエピソードは同じく母星に打ち込まれた観測ロケットを侵略と誤解して報復にやってきたペダン星人のエピソードのすぐ後である。
「前話でこれからは宇宙人に迷惑をかけないように気を付けようと言った矢先にまた問題を起こしたのか? 反省してないじゃん」と突っ込む人もいるかもしれないが、
メタ的な事を言うと、これはアンノンの話の方が先に制作されていたためである(ペダン星人の話は制作順では17・18話にあたり、アンノンの方は14話)。
ちなみに、どちらの話も観測ロケットを飛ばしたのは同じ三か月前で整合性を取るなら、ほぼ同時期に行われた計画と考えられるのですぐ問題が起きても不思議ではない。

『空想科学絵本 かいじゅうのすみか』では怪獣形態のアンノンが登場。
主人公の少年とムクムクが休息を取っていた岩山の洞穴として登場し、そのまま谷の奥へと彼らを連れて歩き回る。
とはいえ原典同様に悪意を持たない存在ではあったようで、終盤ではピグモンに誘われて元の世界に帰還する少年をムクムク共々見送っている。
ちなみに背中には色とりどりの花が咲いており、ムクムクはそれを摘んで作った花輪を少年に彼が紛失した帽子の代わりにプレゼントしている。


よし、アニヲタ民の追記・修正を認めよう。
しかし、この項目はいかなる荒らしの侵略目標にもさせない。

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最終更新:2023年03月27日 20:51