スターフォース

登録日:2022/02/12 (土) 08:35:55
更新日:2023/11/17 Fri 08:34:25
所要時間:約 7 分で読めます






SPACE PATROLLER
"FINAL STAR" TAKES OFF!!


スターフォース』は1984年に稼働開始されたテーカン(後にテクモを経てコーエーテクモゲームズ)のアーケードゲーム。
ジャンルは縦スクロールシューティングゲーム。前年の『ゼビウス』のフォロアではありつつも更なる境地を開いた傑作である。
翌85年にはSG-1000・ファミコン・MSXへと移植され、その後も各種プラットフォームへ移植されている。

本項では(とりあえず)オリジナルであるアーケード版および、著名な移植版であるファミコン版(ハドソン)を中心に記述する。
以下、一緒くたに書いてはいるのだが、AC版とFC版はわりと別物であることだけは書き添えておく。




暗黒の宇宙を、殺戮と略奪を繰り返しながら進む、浮遊大陸ゴーデス。
キミの使命は、"ファイナルスター"に乗り込み、ゴーデスを破壊することにある。


自機

1レバー+1ボタン、8方向移動と対地対空兼用のショットを有する『ファイナルスター』が自機。
敵輸送機から『パーサー』を解放し合体するとパワーアップ、軽快なBGMと共に縦移動と弾が加速しオート連射できるようになる。当たり判定と耐久力は不変。
いわゆる戻り復活で、撃墜されると多少戻ったところからの再スタートになる。(そもそも、その場復活が一般的な時代ではない*1のだが)

ゼビウスとの最大の差異は『耐久値を持つ敵がいる』点。精密な狙い撃ちから、連射による破壊へとゲーム性が変化している。

エリア/エリアターゲット

本作でのステージは『エリア』と呼称される。エリアはギリシア文字順*2に名づけられ、終端には同名の『エリアターゲット』というボス的な敵キャラが配置されている。
敵撃破で内部カウントが進み、一定値を超えた際にエリア終端に至る形式。また、ターゲット出現後の動きはスコアの100の位が奇数か偶数かに左右される。
ファミコン版では動きが右左で反転しているほか、ターゲットに描かれたギリシア文字を英語表記した頭文字に置き換えたものになっている*3。そのためいくつかのステージで文字が重複する*4

空中物

多数の敵が多彩な編隊を組んで現れ、それを連射で撃ち落としていく構成。

  • ラリオス
警報音のようなBGMと共に出現する敵(中ボス)。
コアと四つのパーツが合体する構造をしており、コアが発光してから合体するまでに破壊するとボーナス五万点。
破壊に必要なのは八発だが、発光する前に撃った分は耐久力を増やしてしまう。
後継作にも同様(だが仕掛けや名前の異なる)の敵が登場する定番キャラである。

  • カルデロン
ラリオスの直後に現れる、蛇行する楕円形の輸送機。パーサーを捕えており、撃破すると解放できる。

地上物

当たり判定はなく攻撃もしてこないため、弾に対してのみ障害物として機能する。

  • ボーナスターゲット
[B]〔b〕。全て破壊してエリアターゲットを破壊すると、それぞれ1万点のボーナス。撃ち漏らしで減点。

  • マジッカ
2列互い違いに八つ並んだ[]。四発撃つと怒り顔(プン)か笑顔(ケラ)に変化する。ケラを引くと1UP。
ケラ・プン共に破壊不能なので空中物によっては危険。
ファミコン版では7つに減った他、スコアによる法則性があり、巧くすると複数出すことも可能。全部外れの場合もある。

  • ジムダ/ジムダ・ステギ
ジムダは4発撃つと破壊できる[]
それが2列縦隊になるとジムダ・ステギ。片方の列を15体連続で破壊できると8万点。
ファミコン版は10体で八万点。もちろん秘孔なんてない。

  • ヒドン
[]
名の通りの隠し(Hidden)キャラ。特定の箇所に埋まっており、ショットを当てると徐々に生えてくる。その後破壊すると2千点。
ゼビウスに出てくるソルと同種の存在だが、生えて来る最中は無敵なのでシステム的に危険性が増している。

  • クレオパトラ
CONGRATULATION!

CLEOPATRA GIVES YOU A
GOOD FORTUNE AFTER COMING
TO HERSELF NOW FROM LONG
4000 YEARS SLUMBER!!

FORTUNE BONUS!!
‘1000000’

「ゴーデス大陸最大の謎」。出現に8発、破壊に8発。
破壊に成功するとファンファーレと共に上のメッセージが出現して、100万点のフォーチューンボーナスとなる。
ゲーム中にヒントはあるのだが、ヒエログリフで書き記されている。そうそう読めるわけがない。

ファミコン版ではヒント・地形が簡略化されヒエログリフではなく図示されている分、わかりやすいヒントにはなっている。
しかし説明書の記述が曖昧なせいで「ゴーデス」として知られている始末。「ゴーデスの正体」などと書かれたらアレがゴーデスだと思っても仕方ないし、メッセージも省略されクレオパトラと言われないので認識の改めようがないのであった。
さらには『ファミコンロッキー』でもゴーデスと言い切られるという、黄金ピラミッドの影から999万点ボーナスに比較すると地味な追い討ちもある。



その後

続編

  • 『スーパースターフォース 時空歴の謎』(テクモ 1986年、FC)
君は時間(とき)の支配者になる!
テーカンあらためテクモ自らが発売した直接の続編。
暗黒星ゴーデスを滅ぼす事には成功したが、いまだ残る謎を解明するために『ネオ・ファイナルスター』は時間移動を繰り返す。
時空歴元年でのゴーデスとの直接対決、さらに完全決着を描いた完結編である。
主人公『ラルフ』が地上に降りてダンジョンを探索する『ゼルダの伝説』のような場面もあるほか、全体的にノーヒント謎解き要素が強い。この時代にはよくあった、クロスジャンルの作品である。
斎藤幹雄(後のメタルユーキ)氏によるBGMは名曲ぞろいで、演出面やボリュームは良いのだが、まともにプレイすると長丁場になるゲームなのにパスワードコンティニューが無いのが致命的。また、終盤の空中戦の難度も辛口。
さらに特定の条件を満たさないとクリアしてもバッドエンドになるのだが、その条件も全くのノーヒント。はっきり言って攻略情報無しで自力で見つけ出す事など不可能な代物である。

その後『ファイナル・スターフォース』(テクモ 1992年、AC)もリリースされたが、いわゆる『雷電系』のボンバーがある仕様。スターフォース要素の薄さも追い討ち。
一時代を築いた作品が、後発作によって築かれた時代に呑まれた……と言えよう。そして『がんばれギンくん*5』に基板転用されてしまった。栄枯盛衰。

この夏、キミは戦士(ソルジャー)になる!
超過激シューティングゲームついに登場!!

FC版を担当したハドソンによる精神的続編。
仮題は『スーパースターフォース』だったが、テクモ側に全く筋を通していなかったことが問題となりスターフォースの名前が使えなくなったため変更されている。
五方向ビームやバリア、レーザーなど派手な進化を遂げており、さらに『ソルジャー』シリーズとして00年代まで独自展開していく。


キャラバン大会

本作の高い競技性とファミコンブームにTDKが目を付けたか、1985年夏に開催されたのが『スターフォース全国キャラバン大会』。
夏休み期間中に全国50か所以上を2つのキャラバン*6が巡り、予選2分・決勝5分のスコアアタックを行う大会である。
豪華な賞品や協賛・コロコロコミックというのも手伝ってか、とんでもない盛況だったらしい。予選(参加枠は各会場につき最低でも500人あった)に出るのも一苦労だったとか。

その盛り上がりを受けて翌年以降ハドソンは『スターソルジャー』『ヘクター'87』『ガンヘッド』『スーパースターソルジャー』『ファイナルソルジャー』『ソルジャーブレイド』と八作*7をリリースしキャラバン大会を開催。
これを真似受け継ぐかのようにナグザットが『サマーカーニバル』を91~93年*8に開催するなど、後のe-スポーツの盛り上がりを三十年先取りしたような状況があった。

時は流れて2015年。オリジナルの『スターフォース』がアーケードアーカイブスシリーズとしてPS4に移植された(Switch版は2018年)。
この移植には通常プレイだけでなく(再現性最重視*9の割には)追加のモードが実装されている。*10
五分間のスコアアタック『キャラバンモード』。どう考えてもくだんのキャラバン大会が元となっている。アーケード版なのに
以降、任天堂のVS.麻雀にまで搭載されている辺りに濃厚なネタ性もあるがそんだけゲーム史に名を遺した傑作とその偉業であるのだ。たぶん。


余談

  • SENJYO
1984年に発売されたテーカンのアーケードゲーム。ビーム砲台を操るFPS的なシューティングゲーム。
斬新すぎて盛大にコケたため、(オペレータに対する)埋め合わせの基板転用品として生まれたのが『スターフォース』である。
基板改造キットとして販売されたので利ざやはあまりなく、移植版を外部にライセンスしたことでテクモ側の利益はまかなわれたとか。

なお、こちらも2023年1月12日にアーケードアーカイブスで配信されたため、手軽に双方を楽しむことが出来るようになっている。



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最終更新:2023年11月17日 08:34

*1 その場復活の代名詞『沙羅曼蛇』は1986年である

*2 25ステージ以降はINFINITY(∞)となる

*3 例えばχ(カイ)はX(エックス)に似ているが、英語ではChiと表記するため“X“ではなく“C“になる、という感じ。

*4 例えばO(オミクロン)とΩ(オメガ)など。この例の場合両方とも“O“になる。

*5 知る人ぞ知る、テクモご乱心のミニゲーム集。バカゲー。

*6 南キャラバンは高橋名人、北キャラバンは毛利名人が率いる。なお、毛利名人はこれがデビューである

*7 ヘクター'87までFC、ガンヘッド以降PCエンジン。その二作の間に『パワーリーグ』(PCE)があるが、野球ゲームなので割愛する

*8 特に92年の『烈火』は『バトルガレッガ』『鋳薔薇』などへ繋がっていくマイルストーン的作品にしてオーパーツである

*9 致命的でない限りはバグまで再現する。トラックボールなどの操作系・音楽などの権利関係・激しい点滅などで問題があると流石に変更がある

*10 もう一つ、ごく普通のハイスコアランキングがあるが割愛