3年A組-今から皆さんは、人質です-

登録日:2022/03/10 Thu 08:00:06
更新日:2024/04/29 Mon 19:44:48
所要時間:約 7 分で読めます




Let's think!







概要

『3年A組-今から皆さんは、人質です-』とは、2019年1月6日~3月10日にかけて、日本テレビで放映されていたTVドラマ。主演は菅田将暉。

菅田氏は兼ねてより教師役を熱望しており、本作でついにその念願が叶った。

クラスの担任教師がある目的のために生徒らを教室に監禁し、その中で起こる10日間の出来事を描く。
そのため1話に付き1日経過する方式であり、話数も全10話である。
ちなみに最終話の日にちは「3月10日」の設定であり、その日は現実の放送日と重なるようになっている。

上記の内容から、当初は『悪の教典』のような「学園サイコホラー」の作風と思った人も多かったが、
その実は教師が命懸けで生徒らに物事を教える正統派の学園ドラマであり、教師は敢えて悪役を演じているだけに過ぎず、その点では『女王の教室』や『暗殺教室』に近い。
「狂人ドラマかと思って見てたら警告ドラマで肩透かしだった」と思った視聴者も多いかも知れない。

脚本は『仮面ライダービルド』や『ジョーカー 許されざる捜査官』など、数あるヒット作を手掛けた武藤将吾氏が担当。
また主演の菅田氏の出世作が特撮作品であることを反映してか、劇中ではあらゆるシーンで特撮要素が見受けられ、主人公・柊一颯が元々は特撮アクターだったり、生徒の一人が特撮オタクだったり、
更にはモブの一人が「お前の罪を数えろ」とどっかで見たことあるような決め台詞を呟く描写があったりする
他にも、その『ビルド』に出演していたキャストの何人かが本作に出演している。

主要人物には菅田氏以外にも、椎名桔平氏や田辺誠一氏といった実力派の役者が起用されており、更に生徒役は全て厳選なオーディションを経てキャスティングされた。
故に本作が出世作となった若手役者も多い。
また菅田氏は本作の撮影にあたって10kgもの過酷な減量に挑んだという。

そうした製作陣の本作に対する熱の入れ具合も、本作の見所の一つと言えよう。


作品テーマ


教師が主人公の学園ドラマ宜しく、生徒たちが抱える悩みや弱さを教師が真っ直ぐに受け止め、それに対してアドバイスを送ったり、不徳を働いた教師との対比がされるといった展開が顕著である。

本作の特筆すべき点は、それらがインターネットを用いて表現されていることにある
劇中で過ちを犯す人物はフェイクニュースの公開や誹謗中傷といった手段に及んでおり、それはインターネットが生活の必須ツールとなった現代社会の暗部に通ずるところがある。
更に本編ではそれが原因となって死に追いやられた人物がいることから、本作のネット問題の描写はこれでもかと言わんばかりに醜悪且つ顕著、そしてリアルであるといえる。
特に最終盤での柊の真っ当な指摘に対するネットイナゴ共の逆ギレぶりはかなり生々しい

そのため本作はインターネットの負の側面の危険性を説いた作品と捉える人は多く、実際本作のヒットが要因の一つとなり現代日本が誹謗中傷等のインターネットの問題に関心を向けた節があるため、その見方は必ずしも間違いではない。

しかしそれは飽くまで一面的な解釈に過ぎず、主人公が物語を通して最も説きたいのは『大して考えもしない軽はずみな行動・言動(特に攻撃的なもの)は時に人の命を奪い兼ねない』ことである

上記で記した過ちを犯した人物たちは、全てに於いて自らの私的感情の発散を優先して『考える』、『想像力を働かす』といったことをせず闇雲に愚挙に及んでおり、物語の発端となったとある女子生徒の死もそのようなことがあれば起こり得なかったことが明示されている

例えば、第8話では"とある人物"のフェイクニュースが出回った際に、真偽も確かめずそれを真に受けてその人物を誹謗中傷して快楽に浸るSNSユーザーと、
連日の主人公の授業により「考える重要性」を学んだことで、その情報を疑い真実を解き明かし、且つそれを直ぐにネットに公開せずどうするか「考える」ことを選択した生徒たちが対比構造となるシーンがある。

故に本作で描かれる誹謗中傷は『考えること』が出来なかった者が犯した結果の一つと捉えるのがより正確である

インターネットが主流となり様々な情報が飛び交うようになり、
人々が真偽も確かめず「考えぬまま」安易に情報を鵜呑みにしたり発信してしまうことが珍しくなくなった現代社会に於いて、
本作はその傾向にメスを入れる試みで製作されたと言えるだろう。

ストーリー

3月1日、私立・魁皇高校「3年A組」の生徒たち29人は卒業を目前に控えていた。

教室に担任教師の柊一颯が入室し朝のHRが始まると、彼は生徒たちに向けて唐突にこう告げる。


「今から皆さんには、人質になってもらいます」


その直後、クラスの周辺で爆発が起こり廊下が瓦礫で塞がれ、3-Aの生徒たちは教室に閉じ込められてしまった。

実はこのクラスには景山澪奈という女子生徒が在籍していたのだが、半年前に在らぬ疑いをかけられた末に自殺するという悲劇が起こっていたのである。

柊はそんな彼女が何故若くして自ら命を絶たなければならなかったのか、その真相を生徒たち、そして世間に明るみにするために立てこもりを決行したのである。

教師が生徒らを人質に教室に立てこもるという衝撃的な事件は瞬く間に世間の関心を掻っ攫い、SNS上でも大盛り上がりとなる。

生徒らは自分らが人質にされたことに動揺し、疑心暗鬼となり互いを罵り合うことがありながらも、立て篭もりの10日間に行われる柊の「授業」を通して澪奈のの真相が明らかになるに従って、自らの過ちと愚かさを思い知りながら成長していく。


登場人物

魁皇高校

演:菅田将暉
「お前の他愛もない言葉一つで!簡単に!命を奪えるってことを忘れるな!!」

本作の主人公。3年A組の担任教師で担当科目は美術。年齢は27歳。
「ブッキー」という愛称で呼ばれているなど、生徒らとの関係は良好。
しかし卒業式が目前に迫った3月1日に半年前に自殺した澪奈の死の真相を生徒たち、そして世間に思い知らせるために教室の周辺を爆破して3-Aの生徒たちを閉じ込め立てこもり事件を引き起こし、その様子をSNSで中継する。
計画のために生徒らを脅しつけるなどしているが、実際は生徒のことを第一に考える教師の鑑と言える人格者。
劇中では生徒が抱えている悩みを真摯に受け止め、それにアドバイスを送ったり、『想像力を働かせる重要性』『言葉の暴力の危険性』『恥をかかずには強くなれない』といった「授業」に於いて重要な教訓を生徒たちに説いた。


  • 茅野さくら
演:永野芽郁
「あんた達に何がわかるの!?澪奈の何がわかるの!?」

3-Aの女子生徒の一人。クラスの学級委員長。内気で陰気、かつ引っ込み思案なコミュ障気味の性格。それ故に他の生徒たちとの仲はあまり芳しくなく、面倒事を押し付けられがちである。
実は学級委員長を務めているのも自ら志願した訳ではなく、学年初めのクラス会で周囲から半ば強引に押し付けられたためであった。
生前の澪奈とは親しく、共に下校したり試合に応援に行ったりと仲睦まじい関係だったが、彼女のドーピング疑惑が話題になった際には澪奈自身から「やっぱりあなたとは友達になれない」という内容の手紙を受け取ったことで距離を置くようになる。
しかしその手紙の文字が涙で滲んでいた痕跡があることから、それは彼女自身がさくらにまで危害が及ばないようにするために泣く泣く書いたことを察していたために、彼女の死に対してはかなり責任を感じていた。
故に柊の立てこもり事件の最中に行われる「授業」にはクラスの中で一番熱心に取り組んでおり、初日には「なぜ澪奈が自殺したか」を考える議題に対して他のクラスメイトが他に責任転嫁する中「彼女の本心を知りながら他と同じく距離を置いた自分の所為だ」と一人だけ澪奈の死と真剣に向き合った行動を示していた。
なお、重度のプロレスマニアという一面があるのだが、物事を何にでもプロレスでたとえようとしてしまう傾向がある。
無論澪奈を含めてその話についてこれる人物は誰一人としていないのだが、当の本人はそれを逆に不思議がるほどの重症である周囲から疎まれる原因ってこれじゃあ…

  • 景山澪奈
演:上白石萌歌
「私はドーピングなんてやってない」

半年前まで3-Aに在籍していた女子生徒。
水泳部に所属しており、オリンピック出場が期待されていた程の実力を持つ選手で、容姿端麗さもあり世間ではアイドル並みの人気と知名度を有していた。
しかしある時、自身がドーピングをしている様子が映された動画がSNSで広まったことで周囲から嫌がらせやバッシングを受けるようになる。
本人は終始無実を主張していたが、最終的にはとある廃ビルから飛び降り自殺してしまった。
彼女の主張通り実際にドーピングには一切手を出しておらず、動画は自身が服用していたサプリメントの瓶のラベルを加工したフェイク動画であった
自身の才覚と名声を一切鼻に掛けることはなく、周囲から疎んじられていたさくらと交友したり*2表向きは理不尽に水泳部を退部させられてしまった涼音を部員の中で一人だけ彼女に寄り添い気を遣うなど、誰に対しても分け隔てなく好意的に接する優女の少女であった。
しかし彼女のその姿は、挫折や複雑な境遇などで心に弱さを抱えていた者たちに嫉妬心を抱かせてしまい、結果それが皮肉にも事件が起こる一因に繋がることになった。
澪奈の自殺は生前彼女から相談を受けていた柊の立て篭もり計画決行の動機となり、その10日間を通して当時の澪奈の苦悩が徐々に明らかにされるにつれ、生徒たちは自分らの過ちと愚かさを悟り改心する。

  • 宇佐美香帆
演:川栄李奈
「なにそれ?それじゃまるでうちらが自殺の引き金を引いたみたいじゃん」

3-Aの女子生徒の一人。
生前の澪奈の友人の一人で、彼女の活躍を率直に喜んでいた。
しかし澪奈がさくらと過ごすことが多くなったのを機に彼女に不信感を覚え、澪奈のドーピング疑惑が世間で話題になった際には彼女に軽蔑の眼差しを向けていた。
柊が立て篭もりを決行した際には、他のクラスメイトと同じく激しく動揺し情緒不安定になり、1日目の「澪奈が何故死に追いやられたか」という課題に対しても知らん顔をして責任転嫁をしたりと、自分本位で無責任な面が目立つ。

  • 里見海斗
演:鈴木仁
「なんでアンタにそんなことがわかるんだよ!」

3-Aの男子生徒の一人。クラスの陽キャグループの一人で、生徒たちとの仲も良く、特に甲斐とは共に連むことが多い。
柊が立て篭もりを決行した際、他のクラスメイトが動揺しパニックになる中、隙を見て逃走を図るよう提案するなど、冷静に立ち振る舞う傾向にある。
ただし人質となったことに焦りがあるのは本人も同じなようで、柊に対して怒りを露わにしたり、初日の「澪奈が自殺に追い込まれた理由」に関する課題に対しても、さくら以外のメンバーと同じく真剣に取り組まなかった。

  • 甲斐隼人
演:片寄涼太
「あいつは自殺したんだ、俺たちには関係ねぇ」

3-Aの男子生徒の一人。クラスの陽キャグループの中心的存在。地元のストリートダンスグループに所属し全国大会出場を目指していたが、とある理由から現在は脱退している。
柊が立て篭もりを決行した際、真っ先に反抗して彼に殴りかかるも返り討ちに遭い、隠し持っていたバタフライナイフ を没収された。
澪奈の死に関しては、他の生徒たちと同じく知らん顔をしていたが、立て篭もり初日に澪奈に対して「あんな奴死んで当然だったんだよ」という暴言がさくらの怒りを買い、彼女から飛び蹴りを喰らわされた

  • 諏訪唯月
演:今田美桜
「でも澪奈が自殺した原因って言われてもねぇ…元々心を開くキャラじゃなかったし」

3-Aの女子生徒の一人。勝ち気で高飛車な性格。
クラスでは最も性悪な振る舞いが多く、柊が立て篭もりを決行した際には特にあからさまに不機嫌な態度が目立っていた。
他の生徒と同じく澪奈の死に関しては知らん顔をしており、その責任を彼女本人のせいにするなど、無責任な面を見せる。
ファッションモデル志望で、大手芸能事務所に所属しているらしく、読モとして活動している一面がある。

  • 水越涼音
演:福原遥
「なんで私から水泳を取り上げたの?私は水泳が好きだった…」

3-Aの女子生徒の一人。
同クラスの中尾とは恋愛関係にあり、彼が立て篭もり初日に「澪奈の自殺の要因を考える」という課題をクリアできなかった生贄として柊に殺害されたと思われていた際には酷く悲しみ、唯一答えを出したさくらには「許さない、あんたが答えを外さなかったら蓮は死なずに済んだ」と怨み節を述べていた*4
これ以降極限状況に置かれたこともあり精神的に荒んだ面が目立ち、4日目にはクラスの女子生徒の一人である小宮山愛華(演:日比美恩)と共に魚住の体臭を侮辱していた。
実は彼女はかつて水泳部に所属しており、部員の中でも一際熱心に練習に打ち込んでいた。
しかしある日、顧問の坪井から中尾との関係を理由に部を強引に辞めさせられるというあまりに理不尽な仕打ちを受け、以降は彼を憎悪するようになっている。
そのことから、立てこもり6日目に「ベルムズにフェイク動画の作成を依頼した魁皇高校の教師は誰か」という議題で坪井が候補に挙がった際には真っ先に彼を星と決めつけ、更には柊の目を盗んで自身が坪井に受けた仕打ちを告発する動画を撮影してSNSに投稿しようとする。 
その日の夜、3-Aの生徒がオンラインで外に居る柊以外の魁皇高校の教師たちと対面した際、先陣を切って坪井を問い詰め、同時に自身が今まで抱いていた恨み辛みを彼に突きつける。

  • 中尾蓮
演:三船海斗
「何すんだよ!離せ!離せよ!」

3-Aの男子生徒の一人。クラスの陽キャグループの一人で、同クラスの涼音とは恋人同士。
柊が立てこもりを決行した際には、他のクラスメイトと同じく動揺して疑心暗鬼となり、彼が提示した課題にも本気で取り組もうとしなかった。
初日には、結局答えを出せなかったことで柊の最初の生贄に選ばれてしまい、彼に失神させられた上で胸にバタフライナイフを突き刺されてしまう。

  • 堀部瑠奈
演:森七菜 
「最悪深夜アニメまでには帰りたいなぁ…」

3-Aの女子生徒の一人。電脳部所属でプログラミングが得意な他、特撮やアニメも好き。あと、かわいい。
柊が立て篭もりを決行した際には、他の生徒と違い悪態こそついてはいなかったものの、上記のようにその日の深夜に放送されるアニメを鑑賞出来るかどうかの心配をするなど呑気な面を見せ、無論同日に柊が出した課題にも全く取り組んでいなかった。
3日目の夜には澪奈のフェイク動画の元となった動画を撮影した犯人が名乗り出なかったペナルティとして、その日犠牲となる5人のうちの1人に選ばれてしまう。

  • 瀬尾雄大
演:望月歩
「ブッキーが来ないか廊下で見張ってろ!」

3-Aの男子生徒の一人。陸上部所属。
柊が立てこもり計画を実行した際には、他の生徒たち共々動揺し、悪態はついていないが当初は初日に里見の提案に乗って皆と脱出を図ろうとするなど、授業に取り組む姿勢を見せなかった。
武智の推薦により豪翔大学への入学が内定しており、その話を受けたのは実力が伸び悩みスポーツ推薦を貰える見込みが薄くなりつつあった最中だったこともあり、同じく推薦を受けた魚住と共に大いに喜んでいた。
立てこもり3日目にはフェイク動画の元となる動画を撮影した犯人が名乗り出なかったペナルティとして、その日犠牲となる5人の一人に選ばれてしまう。

  • 魚住華
演:富田望生
「全然話についていけないんだけど…」

3-Aの女子生徒の一人。柔道部所属。
柊が立てこもり計画実行の最中は他の生徒らと同じく動揺し怯えた素振りを見せるも、体得した柔術と屈強な体格故にクラス屈指の怪力を誇り、立てこもり4日目には固く閉ざされていた美術準備室のドアを体当たりでブチ破るという活躍を見せた
その同日には須永が自身の体臭を指摘し揶揄してきた水越と小宮山を咎めたことで彼に好意を抱くようになり、上記で怪力技によりドアをこじ開けた際に須永から「ビーストだなお前」と評された際には「"ビースト"ってどんな意味だっけ?"ビューティ"の最上級?」と捉えてしまうお茶目さを見せた。
武智の推薦により豪翔大学への進学が内定しており、その話を上記の瀬尾と共に受けた際には彼と一緒に喜んでいた*6

  • 須永賢
演:古川毅
「うるせぇな!風呂に入ってねぇのは皆んな一緒だろ!」

3-Aの男子生徒の一人。クラスの陽キャグループの一人。
人質となった際には他の生徒と同じく動揺していたが、4日目には極限状況に陥ったことによる反動で華の体臭を侮辱し出した水越と小宮山を注意したり、同日夜に柊を襲撃した生徒たちの静止に加担し、その筆頭となった生徒を咎めたりと、比較的良識的な面が目立つ。
尚、華からは上記の一件で結果的に庇ったことから、それ以降彼女に好意を寄せられるようになっている。

  • 西崎颯真
演:今井悠貴
「昨日買ってもらったんだ!だから先生も知らないはず!」

3-Aの男子生徒の一人。電脳部所属。
柊が立てこもりを起こした際には他の生徒共々大いに動揺する。
初日にクラスメイト全員のスマホ等の電子機器が柊に没収された際には、事件発生のつい前日に親からタブレット端末を購入して貰っていたことで彼からそれの所有を把握されていなかったことから、そのタブレット端末で助けを呼ぼうとするも、その時に柊から盗聴によって気づかれたことで失敗に終わった。
3日目には澪奈のフェイク動画の元となった動画を撮影した犯人が名乗り出なかったペナルティとして、その日犠牲となる5人の生徒の一人に選ばれてしまう。

  • 真壁翔
演:神尾楓珠
「だったら、外にいる先生に助けを求めてみるとか?」

3-Aの男子生徒の一人。水泳部のマネージャーで、故に生前の澪奈とも交流があった。
柊が立てこもりを決行した際は、他の生徒たちと同じく大いに動揺する反面、上記のように中から窓を通して外部へ助けを呼ぶこてあをクラスメイトたちに提案するなど、極限状況下でも他者を気遣う面がある。
同クラスで水泳部所属の熊沢華恋(演:堀田真由)とは幼馴染で、彼女からはヘタレ呼ばわりされている一方、同時に好意を寄せられている節もある。

  • 逢沢博己
演:萩原利久
「先生が爆破させたんですか?」

3-Aの男子生徒の一人。美術部所属で、故に3-Aの生徒の中では柊と最も近しい間柄。
澪奈の生前は彼女のドキュメンタリーを撮影し一作の映画にしようと計画していた。
そのため何かと澪奈のことを気にかけていたようで、彼女のフェイク動画が出回った際もドーピング疑惑を信じず、さくらと一緒に澪奈の自宅を訪ねるなど、彼女の身を案じていた。

  • 武智大和
演:田辺誠一
「あ、バレちゃいましたか?そうです!私が平成最後のカリスマ熱血教師!『武智大和』です☆」

魁皇高校に勤務する教師の一人。
しかしながら上記のように自身を「平成最後のカリスマ熱血教師」と自称してしまうナルシストさが鼻につく問題のある性格であり、周囲からは教師、生徒問わず内心鬱陶しがられている。
また教師の傍らタレント活動にも精を出しており、頻繁にTV出演していることから、世間からの知名度も得ている。
柊が立て篭もり事件を起こした際には、表面上は彼の暴挙を非難し人質となった3-Aの生徒たちを心配する素振りを見せていたが、
内心ではこの機会に乗じて名声を更に得ようと企んでいる節があり、事件の最中もタレント活動を優先して現場でTV番組の収録をするなど、自己顕示が目に余る行動を見せる。
劇中の大学である「豪翔大学」とコネクションがあり、自身が見込んだ幾人の生徒を同大学へ毎年推薦入学させているようで、生前の澪奈にも声をかけていた。

  • 坪井勝
演:神尾佑
「男とイチャついている奴が練習に来ても迷惑なんだよ!金輪際俺がお前のコーチをすることはない!」

魁皇高校の体育教師で、水泳部の顧問。魁皇高校を水泳部の強豪校にした立役者だが、そのあまりに厳しい練習内容から退部者が跡を立たず、時には生徒の保護者からクレームを受けることもある。
かつて水泳部に所属していた涼音も当然彼の厳しい指導を受けていたが、ある日その彼女に前日練習を休んだことを咎めた後、目の前で恋人の中尾と一緒にいる隠し撮りした写真を数枚本人の前で(それも他の部員たちも見ている前で)ばら撒くという公開処刑同然の仕打ちで強制退部を告げた
無論この一件で涼音からは恨みを買うことになり、事件6日目には水泳部の顧問だったことも相まって、3-Aの生徒たちにベルムズにフェイク動画の作成を依頼した人物と目されることになる。


警察関係者

  • 郡司真人
演:椎名桔平
「柊一颯、なにを企んでるんだ…?」

瀬ヶ山署所属の刑事。階級は警部補。
魁皇高校立て篭もり事件の捜査チームに加わり、事件解決に奔走する。
捜査の能力は優秀だが、逮捕する際犯人を暴行してしまう傾向が多々あるために、かなりの数の始末書を書いている。
実は警官になる以前は教師だったという異色の経歴の持ち主。
教師時代、教え子の一人が他校の不良学生たちによって暴行死した事件をきっかけに犯罪を根絶したいと思い、警察官に転向した。
その過去から、柊から一定の信頼を受け澪奈のフェイク動画に関する調査を依頼されることになり、その事件の真相を明るみにする功績に結果として一役買うことになった。

  • 五十嵐徹
演:大友康平
「派手にやりやがって…」

警視庁捜査一課の理事官。魁皇高校立て篭もり事件の捜査チームの現場捜査本部長に就任する。
事件2日目、柊が警察に対して30人分の食料を持ってくるよう要求した際に、その役割を引き受ける。
その日の夜、指示通り30人分の食料を持参して単身魁皇高校に出向き、校舎に入ると柊と対面し、盗聴器を隠し持っていたことを見抜かれ彼から銃口を向けられる。

  • 宮城遼一
演:細田善彦
「あ、宮城です。郡司さん始末書を書くのが嫌みたいで…」

瀬ヶ山署所属の刑事で、郡司直属の部下。
劇中では常に郡司と共に行動しており、捜査のサポートはしつつも破天荒な行動の多い彼に頭を抱えている。
立てこもり10日には、柊の協力者の一人だった"とある人物"の要求に応え、文香を事件現場の魁皇高校の校庭に車で送迎した。

その他

  • 喜志正臣
演:栄信
「すみません…雇われの身なんで何も知らなくて…」

繁華街で違法ガールズバーの経営に携わったとして郡司に逮捕された男。
本人はただのいち従業員と主張しガールズバーの経営に関しては何も知らないと容疑を否認する。
しかし郡司からは半グレ組織「ベルムズ」との関連を疑われており、そのことを追及されても無関係とシラを切る。

  • 相楽孝彦
演:矢島健一
「あの男は、恐ろしい人間ですよ」

大手制作会社の社長で、文香の父。
一颯が特撮アクターとして活動していた頃の恩人の一人であり、彼に対しては一定の信頼を置いていた。
しかし文香が精神を病んでからは彼と距離を置いてるようで、一颯が立て篭もり事件を起こした際に郡司が事情聴取で自身の元を訪ねた際には、彼を上記のような危険人物と証言していた。
文香にはなるべく事件に関わってほしくないようで、彼女が自責から郡司の元に訪れた際にはすぐさま家へ連れ戻した。

  • 相楽文香
演:土村芳
「なんで一颯が…?」

孝彦の一人娘で、一颯の恋人。
以前は教師を志しており、とある事情から特撮アクターの道を断念した一颯に教師を道を示した。即ち彼が教師を志すきっかけとなった人物である。
しかしとある事件をきっかけに精神を病んだことで教師を辞め、現在は自宅で療養生活を送っている。
一颯が事件を起こした際は、その原因が自分にあると思い込んで責任を感じるようになる。

  • ファイター田中
演:前川泰之
「おっつー!テレビ観てるよ!大変そうだな」

『ガルムフェニックス』など、数多くの特撮ヒーローを演じたスーツアクター。
業界ではレジェンドと呼べる存在で、3-Aメンバーの一人である堀部瑠奈など、ファンも多い。
一颯の美大在籍時代、とある特撮番組の美術スタッフにアルバイトとして参加していた彼に可能性を見出し、自身の後継者に育てるべく一颯を特撮アクターにスカウトする。
結局彼は志半ばで特撮アクターを断念することになってしまうも、その後も何かと一颯を気にかけていた。
彼が立てこもり事件を起こした意図も察しているようで、事件8日目には上記のように一颯に対して応援の電話をフランクな口調で寄越した。

  • マインドボイスのユーザー達
「魁皇高校で事件発生らしいよ」
「教師が立てこもりって草生える」
「魁皇って自殺した水泳選手のか」

文字通り、劇中のSNSである「マインドボイス」のユーザー達。所謂「名も無きモブ」の立ち位置であり、要するに俺ら
柊の立てこもり事件が発生した際には、一目散にその話題に食い入り、事件に関して様々な声を上げる。
と言っても、全員がそうというわけではないのだが*9、大半のユーザーの関心は人質となった生徒たちの安否の心配よりも、事の動向そのものと言え、事件をある種のエンターテイメントショーのように楽しんでいる節がある。
当初は柊を悪者呼ばわりしたかと思えば、ある人物の悪事を彼が暴くと今度は柊をヒーロー視し逆にその人物を悪者扱いして叩くなど、状況が二転三転する度に自分たちの意見や主張をコロコロと都合よく変える。
中には、生徒の中から死者が出たと思われた際には「今日も誰か死ぬか賭けない?www」などと再び死者が出ることを期待する声が上がるなど、完全に倫理観もクソもない発言をする輩さえもいる
兎にも角にも自分らが部外者であることを良いことにネットを通して好き放題言う連中と言える完全に俺らじゃねえか

用語

  • 魁皇高校
本作の主要舞台となる私立高校。水泳部の強豪校。
制服は生徒によって着こなしは千差万別だが、グレーのブレザーがトレードマークであることは大体共通している。ロケ地は埼玉県にある「旧小川町立上野台中学校」で撮影された。
また学校指定のやたら軽快なリズムの朝礼体操があり、本作の放送時はそらジローなど、日本テレビ系列番組の出演者やキャラクターが実際に踊ったりしていた。現在も公式YouTubeチャンネルで見られるので、みんなも時間があったら是非やってみよう!

  • ベルムズ
劇中の東京都で暗躍している半グレグループ。拉致や殺人など、様々な悪事を働いていると人々から噂され、恐れられているが、リーダーの正体など、その実態は謎に包まれている。
主要なシノギの一つにフェイク動画の作成があり、澪奈のドーピングのフェイク動画を作成したのもベルムズであった。

  • ガルムフェニックス
劇中の特撮ドラマにして、同作のヒーロー名。ファイター田中の代表作の一つであり、実は彼が引退宣言を撤回して撮影に望んだ意欲作でもある。尚、もし柊が特撮アクターを断念していなければ、主演は彼になる予定であった。
ガルムフェニックスには「たとえ世界を敵に回してでも正義のために闘う」という信条があり、奇しくもその勇姿は、劇中の柊と重なっていると言える。
また同作の決め台詞は、後述の柊が課題を提示した後に発する一言でもあり、同時に本作の重要なテーマの一つでもある

  • マインドボイス
劇中の主要SNSで、ユーザー数は日本国内で約5千万人。略称は「マイボイ」。
情報発信や軽いつぶやき、画像や動画の投稿やライブ配信など様々なサービスが充実しており、要は我々の世界でいう『Twitter』のようなものと思って頂ければ分かりやすい。
澪奈のフェイク動画の拡散や柊の立て篭もりの実況中継など、劇中では様々な事柄で必ずと言っていいほどこのマイボイが関わっており、良くも悪くも本作のキーアイテムというべき存在である。
また後述の本作と世界線を共有する『ニッポンノワール』では、ラストで劇中の日本社会で暗躍していた闇組織の存在を公にするために利用されたが、結果的にそれは本作の最大の敵の力が皮肉にもプラスの方面で活かされたことを意味し、正にSNSは諸刃の剣であることを表していると言える

  • Let's think
柊が立てこもりの最中、生徒たちなどに課題を出す際に最後に発する台詞。意味はその通り「考えてみよう」。
その言葉の通り、生徒たちは日が経つに連れて、物事を起こす際には必ず一歩踏みとどまって「考える」ことの重要性を学んでいく。
実は上記のガルムフェニックスの決め台詞である。

  • グッ、クルッ、パッ
立てこもりを8日目に柊が生徒たちに示したキーワード。
「大事な決断をする時は『グッ』と踏み留まって『クルッ』と頭を一周させれば『パッ』と正しい答えが浮かぶ」と同日の朝のHRに彼は生徒たちに説明した。
無論さくらを除いた生徒たちはそれを深く受け止めず、柊から与えられた自由時間を謳歌する。


関連作品

  • ニッポンノワール-刑事Yの反乱-
2019年10月〜12月に放映されたTVドラマ。主演は賀来賢人。脚本は武藤将吾が『3年A組』から続投。
刑事・遊佐清春が劇中の日本警察の大きな闇に挑むストーリー。
本作と同一の世界線であり、時系列は約半年後。故に劇中でも度々本作の出来事を登場人物が言及している他、当作からの登場人物も一部同作に再登場している。
余談だが、賀来氏は本作の前番組である『今日から俺は!!』でも主役の三橋貴志を演じており、同作の主人公である遊佐との演じ分けは必見。

  • 最高の教師-私は生徒に■された-
2023年7月~9月に放映された同局の土曜ドラマ。主演は松岡茉優と芦田愛菜。
主人公の女性教師・九条里奈が勤める高校の卒業式当日に何者かに殺害されたところ、自身が受け持つ3年D組の始業式当日の教室へループしたことで、卒業式の日に自分を殺すのは誰かを探るストーリー。
本作の制作スタッフが続投したオリジナルドラマであり(なお、脚本は「ツバキマサタカ」なる人物が担当)、『3年A組』のTwitterアカウントも同作のものへと一新されている。
余談だが、武藤氏が全話執筆した『ビルド』主演の犬飼貴丈氏と3号ライダー役の武田航平氏が共演している。



追記・修正は生徒たちを教室に閉じ込めてからお願いします。
Let's think!


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最終更新:2024年04月29日 19:44

*1 立て篭もり9日目の夜にはこの事実を3-Aのメンバーに自白したのだが、その際に「そうしたら澪奈が楽になると思った」と意図的に手を離したと述べていた。

*2 流石に彼女が振ってくるプロレスネタは理解できなかったようだが。

*3 と言っても、事件から数年後もモデルでそれなりに活躍を見せていたことから、決して才能がないわけではないと思われる。

*4 とはいえそんな彼女はというと他の生徒たちと同じく課題の答えすら出そうとしなかったため、さくらにそれを言う資格はないと言える。

*5 このことから、坪井が課していたハードな練習に耐えられる程丈夫な体質ではなかったと推測される。

*6 彼女も瀬尾と同じく部活の成績が伸び悩んでいたことでスポーツ推薦が貰える見込みがなくなりつつあり、内定以前は実家の米屋を継ごうかとも考えていた。

*7 最初の告白が魁皇高校の体育館裏で2人が制服を着ていたことを察するに、華の猛アタックは事件直後から始まったと推測される。

*8 その動画は実際には柊の顔に武智の顔を上書きしたフェイク動画であり、更にはその制服を着た女性が抱えていたバッグは魁皇高校の物ではなかったり、そもそも撮影のポイントとなった場所には防犯カメラが設置されていなかったりと、よくよく調べれば偽物とわかる代物であった。

*9 例えば武智のフェイク動画がネットに公開された際には、「証拠もないのに武智に烙印押したら可哀想」や「靴も似てるのあるよ。これで殺人扱いは酷いよ」など、動画の内容に疑問を呈するユーザーも一定数見られた。

*10 ついでに述べると、彼はただユーザーたちの愚かさを非難するだけではなく、「お前のストレス発散で他人の心を抉るなよ、分かるだろ俺の言いたいこと?お前らそこまで馬鹿じゃないだろ!」、「他人に同調するより、他人を貶すより、まずは自分を律して、磨いて、創っていくことが大切なんじゃないのか?てかそっちの方が楽しいだろ?」、「その目も、口も手も、誰かを傷つけるためにあるわけじゃない!誰かと喜びを分かち合うために、誰かと幸せを噛み締めるために有るんじゃないのか?そうだろ?もっと人に優しくなろうぜ!もっと自分を大事にしようぜ!」などと、ユーザーたちの良心を促し同時に訴えかける発言もしていた。これを踏まえてLIVE配信の視聴ユーザーたちの反応を見てみよう。

*11 事件から数年後に開かれた同窓会で彼女が柊の遺影に一人話しかけた際「あの事件で世の中が大きく変わったなんてことは全然なくて…」と最初に述べていた。