ウォーター・ドラゴン(遊戯王OCG)

登録日:2022/04/02 (土曜日) 07:54:46
更新日:2023/12/24 Sun 13:52:40
所要時間:約 7 分で読めます





静かなること水の如く…

だが!水は時として濁流となって全てを飲み込む!

出でよ!ウォーター・ドラゴン!!



ウォーター・ドラゴンとは、アニメ遊戯王GX及び遊戯王OCGに登場したカードである。


●目次


テキスト

ウォーター・ドラゴン

特殊召喚・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
「ボンディング-H2O」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
フィールドの炎属性モンスター及び炎族モンスターの攻撃力は0になる。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地の「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

概要

相手の炎属性及び炎族モンスター(以下、炎モンスターと表記)の弱体化効果と、破壊された時の蘇生効果を持つ。

(1)の効果により、どれだけ立派な気炎と攻撃力を持つ炎モンスターも一斉に攻撃力0になり、たちまち鎮火してしまう。
《ウォーター・ドラゴン》の攻撃力も十分高いので、戦闘ダメージを稼いでくれる。
更に(1)は対象を取らない上に発動を伴わない永続効果なので、その手の耐性も掻い潜ることが可能。

(2)はモンスター三体を蘇生する効果。
後述するがこの三体は《ウォーター・ドラゴン》の素材になるモンスターなので、
再度《ウォーター・ドラゴン》の召喚を狙うも、別のモンスターに繋げるも自由。
(1)の効果を嫌い効果破壊を試みても、簡単には状況を覆すことはできないだろう。

欠点

ここまで褒めたものの、ユーザーからの実際の評価は「《ウォーター・ドラゴン》は使いづらい」と辛口になっている。
その根拠は以下の通り。

1.メタ範囲が狭い

このモンスターの効果が及ぶのは炎モンスターのみであり、それ以外のモンスターには一切影響を与えられない。
そして意外にも、遊戯王では炎モンスターはマイナーな一派になっているため、相まみえる機会が少ない。
そのため自ずと、メタカードとして活用できる機会も少なくなる。
何とか活かそうと《DNA改造手術》《DNA移植手術》で炎を指定すると、ウォーター・ドラゴン「も」炎になって攻撃力0になってしまう

2.メタ内容が頼りない

攻撃力を0にするため戦闘には強気に出られるが、できることはそれだけである。
そもそも攻撃力を下げるだけなら、相手を選ばず攻撃力を100に変化できる装備魔法《魔界の足枷》の存在が苦しい。

なにより致命的なのは、効果や召喚を無効にできない点。


これで炎メタを名乗るのはかなり厳しい。

3.召喚難度が高い

ここまででの問題点でも重篤ではあるが、それ以上の問題点がこちら。
召喚方法として指定している《ボンディング-H2O》はこちら。

ボンディング-H2O

通常魔法
自分フィールド上に存在する「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を生け贄に捧げる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ウォーター・ドラゴン」1体を特殊召喚する。

つまり《ウォーター・ドラゴン》1体を特殊召喚するために
「ボンディングH2O」+「ハイドロゲドン×2枚」+「オキシゲドン」の合計四枚を消費しないといけない。
微妙な性能の《ウォーター・ドラゴン》にしては、とんでもないぼったぐりである。
そもそも消費リソース量の多い以前に、まともに素材カードをそろえられず事故に陥る危険も高い。

そもそも素材の《ハイドロゲドン》と《オキシゲドン》はレベル4の恐竜族モンスターなので、
優秀なカウンター効果や優秀な足止め効果を持つランク4エクシーズモンスターの素材にした方が100倍有意義。


特殊召喚モンスターではあるものの「正規手順で墓地から出せる」ので直接叩き落とされても問題ないのだが、
正直な話、この重さのせいでだからどうしたレベルのメリットではある。*1

活用法

ウォーター・ドラゴンを活用するにあたって、主に二つの方法が挙げられる。

1つは《D-HERO ダイヤモンドガイ》を使って召喚する方法。
《ボンディング-H2O》は素材モンスターをコストとして要求しており、効果部分はあくまで《ウォーター・ドラゴン》の召喚のみ。
そこでコストを踏み倒し効果のみを使用できる《D-HERO ダイヤモンドガイ》を使えば、コストの重さに悩むことが無くなる。
ただしこの場合、利便性が高く腐りにくい《三戦の才》や、爆発力が高い《RUM-七皇の剣》《死の合唱》を差し置いて
結局効果が微妙な《ウォーター・ドラゴン》を使うのか、という問題が付きまとう。

もう1つは、《ウォーター・ドラゴン》の(1)を無視して(2)のみを目当てに使う方法。
テキストをよく読むと分かるが、(2)の効果はフィールドだけでなく手札やデッキ、装備状態で破壊されても発動できる。
そのため《究極伝導恐獣》《真竜皇バハルストスF》《ドラゴニックD》などで手札から破壊することで
モンスター三体蘇生という破格のアドバンテージを稼ぎ出してくれる。
元々手札のモンスターを破壊する行為は恐竜族のお家芸なので、自然にギミックを共有できる。

この場合はコンボ要素が強くなり、事故の危険性が跳ね上がっていることに注意。

アニメの活躍

アニメ遊戯王GXにて登場。
三沢大地が所有する六つのデッキの内1つ、【水属性】のエースカード。

初登場は12話。
万丈目準との対決で、直前の万丈目の発言から炎属性モンスターを使用すると推察してのデッキ選択だった。
《ウォーター・ドラゴン》と負けず劣らずのアド損と名高い炎属性の《炎獄魔人ヘル・バーナー》を召喚したため、狙い通りに決着をつけている。

それ以降もデュエル内外を問わず三沢の助けになっている。

また一年目のオープニングでは、《ウォーター・ドラゴン》と対になる炎のドラゴンも映っていたが、作中登場もOCG化もなされていない。
かつて公式サイトでは《ハルマゲドン》という名前が付けられていた。

リメイクカード

GXの終了から長い時が経過したところ、2017年6月発売「デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編-」にて、リメイクカードが登場。

ウォーター・ドラゴン-クラスター

特殊召喚・効果モンスター
星10/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
「ボンディング」魔法・罠カードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの効果モンスターはターン終了時まで、攻撃力が0になり、効果を発動できない。
(2):このカードをリリースして発動できる。
手札・デッキから「ウォーター・ドラゴン」2体を
召喚条件を無視して守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

デューテリオン

効果モンスター
星5/水属性/恐竜族/攻2000/守1400
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズにこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「ボンディング」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
自分の墓地の「ハイドロゲドン」「オキシゲドン」「デューテリオン」のいずれか1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。。

ボンディング-D2O

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドの「デューテリオン」2体と「オキシゲドン」1体をリリースして発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ウォーター・ドラゴン」または「ウォーター・ドラゴン-クラスター」1体を選んで
「ボンディング-H2O」の効果扱いとして特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在し、「ウォーター・ドラゴン」または「ウォーター・ドラゴン-クラスター」が
フィールドから自分の墓地へ送られた場合に発動する。
墓地のこのカードを手札に戻す。

ボンディング-DHO

通常罠
(1):自分の手札・墓地から「デューテリオン」「ハイドロゲドン」「オキシゲドン」を
1体ずつデッキに戻して発動できる。
自分の手札・墓地から「ウォーター・ドラゴン-クラスター」1体を選んで特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分のデッキ・墓地から「ウォーター・ドラゴン」または
「ウォーター・ドラゴン-クラスター」1体を選んで手札に加える。

水分子の結合体(クラスター)となったウォーター・ドラゴン。

特殊召喚時の攻撃力0&効果無効化により、相手モンスターを一斉に無力化させることができる。
通常魔法の他に通常罠の召喚方法も登場したため
自分のターンに特殊召喚すれば、ただの案山子になった相手モンスターを一斉に水に沈め、
相手のターンに特殊召喚すれば、相手の動きを麻痺させ計算を大幅に狂わせることができる。

特に通常罠の《ボンディング-DHO》であれば、デッキから特殊召喚できないという無視できない欠点はあれど
素材モンスターが墓地コストになっている点が嬉しく、召喚難度が低下している。

《ウォーター・ドラゴン-クラスター》の(2)の効果により、フリーチェーンで《ウォーター・ドラゴン》を召喚できる。
攻撃はできないもののサクリファイス・エスケープになるほか、レベル8モンスターが二体揃うので
(1)で相手を無力化させたうえでランク8のエクシーズ召喚を遂行できる。


圧倒的に利便性が上がったことは事実だが、それでも手放して褒めることは難しい。
召喚までに必要なカードと手間が多い点、手札事故の危険性が高く《ウォーター・ドラゴン》が腐りやすい点、
結局《ウォーター・ドラゴン》自体の有用性がそこまで上がっていない点などがその根拠。
依然として道のりは厳しい。

化学反応式そのものがアイデンティティなのでどうしても召喚制限の緩和に限界があるのかもしれない。
そういう意味では生まれながら過酷な運命を背負わされていたと言える。


静かなること冥殿の如く…
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最終更新:2023年12月24日 13:52

*1 第4期~第5期の特殊召喚モンスターは正規手順以外での特殊召喚ができないものが多い